チベット文化圏旅行記~甘粛省 郎木寺編

夕食で腹壊しゲロを吐く

昨日の夕食に食べた炒麺で腹を壊したようで真夜中に気持ち悪くてトイレでゲロを吐く。恐らく炒麺に使っていた油が原因ではないかと思われる。おかげで朝まで数回に渡りトイレに足を運ぶことになる。

夏河→郎木寺

朝になっても調子が悪く歩くのも辛い状態だが今日は郎木寺へ行かなければならない。拉卜楞紅石国際青年旅館を出てバスターミナルまで歩くのも辛いので仕方なくぼったくりバイクタクシーで向う。本来は2元でいけるのだが足元見やがって5元要求してきた。こちらには戦う気力が無いので言い値でバスターミナルへ。

バスターミナルに到着すると既に0740発の郎木寺行きのバスは乗客で一杯だ。自分が最後の乗客だったので席に座るとすぐに出発する。本来なら郎木寺 までの道程は写真を撮ったりGPSで位置確認をするのだが調子が悪いのでひたすら眠ることにする。途中で合作を経由して1130頃、郎木寺に到着する。

郎木寺賓館

郎木寺に到着したので速やかに寝床を確保しなければならない。目の前に郎木寺賓館があったので、ここに泊まる事にする。4人ドミトリーで1泊15元、とりあえず3泊することにする。部屋に荷物を置いたらすぐに寝る。体力が回復するまでは観光はできないだろう。郎木寺は甘粛省と四川省の境界にある郷だが甘粛 省側には達倉郎木寺、四川省側には安多達倉郎木寺がある。この2ヶ所が郎木寺の観光地で明日以降の見物だ。

本日の出費
項目 金額 備考
宿泊費 45元 15元×3
バイクタクシー 5元
合計 50元

達倉郎木寺(セルティ・ゴンパ)

tibet_bunkaken169まだ調子が悪いのだが0800頃に達倉郎木寺へ行く。朝からヤクの群れに遭遇です。

tibet_bunkaken170甘粛省側にある達倉郎木寺には鳥葬台(天葬台)があるので運がよければ鳥葬が見られるかもしれないがチベット自治区では自治区政府が観光客が鳥葬を見物するのを禁止(関連記事)しているので甘粛省はどうなっているか現場へ行ってみないと分からない。

tibet_bunkaken171鳥葬は0900頃にあるらしいのだが遺体が無ければもちろん鳥葬は無い。

tibet_bunkaken172とりあえず入場券を購入して鳥葬台へ向う。

tibet_bunkaken173途中で救急車が通り過ぎたので遺体を運んでいる可能性が高い。鳥葬台へ着くとやはり救急車が停車しているので遺体を運んでいたようだ。

tibet_bunkaken174すでに鳥葬台の入口には観光客が多数集まっていたが鳥葬台へは立入禁止なので入口で皆写真撮影をしている。

tibet_bunkaken175鳥たちは食事の時間を待っています。

tibet_bunkaken176上空では鷹だか鷲が旋回して食事の時間を待っている。こちらは写真撮影をしていると夏河で知り合った台湾人と再会する。やはり鳥葬を見に来ていたようだ。

時間がたつにつれ白人の観光客が帰って行き、中国人も観光客も帰っていった。鳥葬は遺体が運ばれてから2、3時間しないと鷹だか鷲の食事の場面は見られないという情報があり、もう少し待とうと思ったが風が強く寒いし鳥葬台へは立入禁止で食事の光景は見られないので山を下りることにした。

安多達倉郎木寺(キルティ・ゴンパ)

tibet_bunkaken1771030頃、四川省側にある安多達倉郎木寺を訪れる。安多達倉郎木寺には何があるかは知らずに来てみたが白人の団体がチベット人のガイドに連れられて郎木寺峡谷の奥へ向うのが多数見られた。

tibet_bunkaken178安多達倉郎木寺

tibet_bunkaken179安多達倉郎木寺

tibet_bunkaken180靴脱ぎっぱなしです。

tibet_bunkaken181郎木寺峡谷の入口

tibet_bunkaken182どうやら白人には有名な観光地らしい。自分も郎木寺峡谷へ入っていくが疲れて途中で引き返すが白龍江源を見物して郎木寺峡谷を出る。

tibet_bunkaken183ここはチベット寺院よりも郎木寺峡谷のトレッキングのほうが人気のようだ。昼ごろに宿に戻る途中で鳥葬台に停まっていた救急車が山を下りてきたので鳥葬が終わったようだ。

tibet_bunkaken184白人の団体が奥に入っていきましたが自分は疲れて引き返しました。

tibet_bunkaken185郎木寺峡谷にもゴミが捨てられており徐々に環境破壊が進んでいるようです。

夕食時に乞食が3度襲来

午後は宿でのんびり過ごして夕方には体力が十分回復したので夕食を食べに出かけるが食堂に乞食が乱入してきて客に集っている。もちろん、自分のところにも来たが無視をする。しかし、郎木寺という小さな郷なのに乞食が3人も襲来してくる。道端での物乞いは見かけなかったが人が集まる食堂への訪問型の乞食が郎木寺では主流のようだ。

乞食が去った後はゆっくり食事をするのだが、ここでもチベット人への印象を悪くする光景を目撃してしまう。チベット人の客は床に痰を吐き、葡萄の皮と種も床に吐き捨てていた。今迄チベット人の印象を悪くする光景は多数目撃してきたが、やはりチベット人は漢族と同化しているようだ。でも、まだ痰を吐く回数は少ないが・・・。どちらにせよ多くの日本人が抱くチベット人の姿と現実のチベット人の姿がかけ離れているということだけは確実にいえるだろう。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 16元
達倉郎木寺 16元
安多達倉郎木寺 15元
合計 47元

達倉郎木寺へ再び

tibet_bunkaken1860615過ぎに起床する。相部屋だった日本人と香港人バックパッカーは0700ぐらいに出発する四川省方面のバスに乗るために出て行く。自分は昨日の鳥葬の跡を見ようと達倉郎木寺へ向う。日本人バックパッカーの情報によれば達倉郎木寺の坊さんは早起きで0630ぐらいに外国人達と行ったら入場券売場は閉まっていたが坊さんが「入場券買え!」と待ち構えているとのこと。

0630頃、入口に着くと入場券売場は閉まっていたが、やはり坊さんが待ち構えていた。 他の観光客も坊さんの餌食になり入場券を嫌々ながら買ったり、引き返したりしている。自分はさすがに2日連続で入場券を買う気は無いので引き返すが諦めた訳ではない。他に入場券を買わずには入れるルートに心当たりがあるのだ。昨日の鳥葬を見物した際にすぐ近くを流れる白龍江の上流にチベット人の集落があり達倉郎木寺から集落へ道があったので白龍江の上流から達倉郎木寺へ行くことも可能だろう。

ということで、まずは対岸の四川省側の安多達倉郎木寺の入口で右へ曲がりイスラム寺院の脇を通り集落を通り抜けていく。集落の終端には放牧地との境界を示す柵があったが、柵はほとんど壊れていたので放牧地に入り白龍江の上流へ向い歩いていく。

tibet_bunkaken187白龍江沿いにも柵があるのでひたすら上流へ向い対岸の達倉郎木寺側のチベット人の集落が見えてくると柵が途切れた場所があったので渡河して達倉郎木寺へ入った。

tibet_bunkaken188さすがに坂道を登りチベット人の集落を抜けるのは危険なので川沿いの道を100mほど下って道の無い山を登っていく。 GPSで鳥葬台の位置を確認しながら山を登る。途中で人の声がするので身を隠し白龍江の方を確認するとチベット人と坊さんが歩いている。見つかったら無事には帰れないだろうが何とかやり過ごす。再び山を登ると鳥葬台が見えてきて道に出られた。道に出れば昨日既に周辺は確認済みなので鳥葬台へ向う。

鳥葬台へ

tibet_bunkaken189昨日は鳥葬があったので観光客が集まっていたが今日は鳥葬が無いので誰もいなかった。とりあえず「游客止歩(観光客立入禁止)」と入口に書かれているので柵沿いに近くで鳥葬台が見られる場所を探すが歩いていると足元に頭蓋骨が転がっている。柵の外なのにそこら中に頭蓋骨が転がっているではないか!

tibet_bunkaken190そして、 斜面を登っていくと鳥葬台が一望できて昨日運ばれてきた遺体が残っているのが見えた。遠くから見る限り鳥に食べられた形跡は無いし、事前に情報収集した際には遺体は鳥が食べやすいように解体されるとあったのだが解体されずにそのまま残っている。

tibet_bunkaken191昨日の鳥葬の跡を確認したので斜面を下り鳥葬台の入口へ向うと馬に乗ってきた観光客5人組が鳥葬台へ入って行くではないか!入口にいたチベット人の婆ちゃんに聞いてみたら「入ってもいいよ。馬に10元で乗らない?」 と言われる。馬は断って鳥葬台へ入っていく。先ほどの観光客5人組は既に鳥葬台の山頂へ向っていたが、遺体があった場所へ近づいてみると昨日運ばれた遺体があった。

遺体には鳥が食べた後なのか、それとも食べやすいように解体した跡なのか分からないが背中と右太ももに大きな傷があった。近くで見ると遺体は女性の遺体であった。周辺には以前運ばれた遺体の骨が散乱していた。

tibet_bunkaken201鳥葬台から出るときに更にもう1体の女性の遺体を見つける。この遺体は上半身だけで地面に転がっていた。鳥葬は鳥たちが骨以外は跡形も無くすぐに食べるものだと思っていたがどうも違うらしい。鳥葬台を出ると新たにやって来た観光客3人組が鳥葬台へ入っ ていった。

帰り際に更に裏道を発見

tibet_bunkaken192鳥葬台を見物したので帰るだけなのだが他にも抜け道が無いか探してみる。途中でチベット人の子供に絡まれながらも達倉郎木寺の東側が怪しいのでとりあえず大経堂へ行き周囲を確認する。

tibet_bunkaken193どうも大経堂の東にある僧坊から郎木寺のバスの集結場所へ道が続いているように見えたので僧坊を抜けて道を下っていくと、やはりバスの集結場所の近くの通りに出た。

tibet_bunkaken194但し、ここはご丁寧に抜け道の入口に「游客止歩(観光客立入禁止)」と書かれていた。この抜け道は既に使えないようだ。それに僧坊を抜けて行くのは危険すぎる。坊さんに見つかったらどんな目に遭うか分からない。

郎木寺の街を散歩してみる

tibet_bunkaken195明日の朝までやることがなくなってしまったので郎木寺の街を散歩してみる。散歩といっても郎木寺自体が小さな郷なので30分もあれば十分だ。散歩をしてみると新たな情報が手に入った。郎木寺の東、つまり郎木寺の入口には実はバスターミナルがあるのだが、まだ営業はしておらず建物だけが完成した状態だった。 恐らく郎木寺が観光開発の真っ只中なので開発完了と同時に営業開始だろうか?

tibet_bunkaken196バスターミナルを後にして郎木寺の中心地に来てみたが昼間でもバスはあるようだ。但し、碌曲行きが昼頃から客を乗せ始めて集まり次第出発というのだった。旅行客はまず碌曲へは行かないだろう。完全に地元民用だ。

tibet_bunkaken197旅行者が利用するのは0700頃に出発する夏河と若尔盖行きだ。中心部から西へ行くと土産物屋が何軒かあるが正直言って売れている様子は無い。それ以前に観光客が見当たらない。

tibet_bunkaken198土産物屋の様子を確認して宿に戻るべく来た道を戻るが途中で朝に達倉郎木寺へ行く際に発見したユースホステル「旅朋青年旅館」の前を通りがかる。

tibet_bunkaken199おなじみのロゴもあるが加盟店か?

tibet_bunkaken200郎木寺の街並み

本日の出費
項目 金額 備考
食費 4元
合計 4元

チベット文化圏旅行記~甘粛省 夏河編

同仁→夏河(サンチュ)

tibet_bunkaken1360600頃に起床する。顔を洗い、展望式ニーハオトイレで用を足し、荷物をまとめて0700過ぎに宿を出る。今日は青海省を離れ甘粛省へ向う。

tibet_bunkaken137黄南汽車站で夏河行きの切符を買いバスに乗り込み0800の発車を待つが0812になってようやく発車する。

tibet_bunkaken138途中でチベット仏教の坊主やチベット人を乗せながら夏河へ向う。外は放牧されたヤクや牛が草を食べるのんびりした光景だが車内は定員超過とタバコを吸うチベット人の奴らで不快であった。そして、ここでも予想はしていたが窓からのゴミの投げ捨てや痰を吐いたりと真のチベット人の姿にがっかりさせられる。

自分の隣に座っていた糞坊主も窓から痰を吐いていた。やはり、こういう光景を目にするとチベット仏教に対しては歴史や寺院などの建築物は凄いと思うが坊主どもは尊敬に値しない。夏河までの道路は途中工事で舗装されていない区間もあり道路状況はあまりよくなかったがいくつかの寺院の前を通り過ぎて1100過ぎに夏河汽車站に到着する。

拉卜楞紅石国際青年旅館に宿泊

tibet_bunkaken140夏河に到着してまずは宿を探さなければならない。拉卜楞寺(ラブラン寺)の方へ歩くと拉卜楞紅石国際青年旅館があるので通りを西へひたすら歩く。途中では欧米人を乗せたバスが通ったり、欧米人のバックパッカーがいたりと観光地の色合いがかなり濃くなってきた。さらに、レストランの看板にも英語が目立つようになってきたのでちょっとがっかりする光景だ。

tibet_bunkaken139拉卜楞寺の近くまでくると拉卜楞紅石国際青年旅館の看板を発見する。看板をたどっていき1130頃、拉卜楞紅石国際青年旅館に到着する。4人ドミで1泊25元で3泊することにする。

tibet_bunkaken141拉卜楞寺

tibet_bunkaken142夏河の街

tibet_bunkaken143マニ車

tibet_bunkaken144荷物を置いて昼食を食べに外へ出る。拉卜楞寺の近くを見物しながら安食堂を探すが英語の看板が目立つ。夏河は外国人向けのぼったくりレストランが多そうだ。まあ、夏河はチベット人の土地なのでチベット人の食堂で炒飯を5元で食べる。5元でちょっと高いと思ったがその分牛肉が多かった。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 14元
宿泊費 75元 1泊25元×3
バス 21元 同仁→夏河
合計 110元

拉卜楞寺を見物

tibet_bunkaken1450600頃に起床する。出かける準備をすぐに済ませ拉卜楞寺へ向う。まだ朝早いのだが既に寺の周りを巡礼者がマニ車を回しながら拉卜楞寺を時計回りに歩いている。

tibet_bunkaken146とりあえず、自分も一緒に寺の外を歩いてみる。一緒に歩いてみるといっても拉卜楞寺自体が大きすぎるので一周するのに1時間ぐらい歩くことになった。歩きながら写真を撮るがマニ車は回さずに素通りする。

tibet_bunkaken147低い建物はほとんどが僧坊です。これだけの僧坊があるのだから修行僧は一体何人いるのだろうか?

一般の旅行客ならチベット人に混じってマニ車を回したりするだろうが自分は無宗教だしバスの車内でチベット人や糞坊主たちが痰を吐いたりゴミを投げ捨てたりする光景を見ていたのでチベット仏教はこの程度の宗教なんだと思いマニ車を回す気にはならなかった。拉卜楞寺を一周した後は僧坊を見物しながらの散歩だ。僧坊からは煙があがっており朝食の準備でもしているのだろうか?

tibet_bunkaken148拉卜楞寺はお堂の見物は有料らしいのだが僧坊のある路地を歩いたりマニ車を回しながら一周するのは無料だ。でも、旅行客が大経堂に入って行くので一緒にまぎれて見物をするがしばらくすると修行僧に追い出される。但し、お堂によっては自由に見物でき修行僧が中国語で旅行客に説明をしていた。

tibet_bunkaken149大経堂は僧侶3000人を収容して読経をあげられるそうです。

tibet_bunkaken150有料とか言っても自由に見物できるお堂もあるじゃないかと思っていたが門には「入場券を持っていない者は立ち入り禁止」みたいな張り紙があった。いくつかのお堂を見ても同 じなのだが入場券売場があっても閉まったままだし旅行客は自由に写真撮影をしている。有料とかいっても入場券売場は閉まっており門では入場券の確認はしないと事実上無料の状態だ。唯一しっかり有料になっていたのが貢唐宝塔で入口の門で坊さんが入場券を売っていた。

tibet_bunkaken151貢唐宝塔の前ではチベット人が五体投地をしていた

tibet_bunkaken152貢唐宝塔

tibet_bunkaken153中に入れず壁も邪魔でよい写真が撮れずにいたが、すぐ近くにタンカ台があったのでタンカ台へ登り貢唐宝塔と拉卜楞寺の全景を撮影する。

tibet_bunkaken154撮影をしていると白人の集団がタンカ台を登ってくる。白人たちにはここも定番の場所になっているようだ。更に日本人のおばちゃんが集団でやってくるではないか!声をかけてみたらこれから九寨溝へ行くとのことだった。

tibet_bunkaken155タンカ台にいた小坊主

tibet_bunkaken156撮影を楽しむ白人たち

tibet_bunkaken157拉卜楞寺の路地

tibet_bunkaken158タンカ台をおりて再び僧坊を見ながらユースホステルへ戻る。戻ってみたら時間はまだ1030過ぎであった。

チベット人の乞食に襲われる

tibet_bunkaken1591400頃に遅めの昼食を食べに外へ出かける。拉卜楞寺の東側の通りにあるチベット人の食堂で昼食を食べる。食べ終わり外へ出てユースホステルに戻ろうと通りのど真ん中を歩いていると若いチベット人の乞食が「给我一块钱!(一元くれ!)」と右腕を掴んできた。

こちらは驚いて「干什么(何しやがる)」というと乞食は何か言いながら(普通話で無いので分からず)更に強く掴むので腕を振り解くと右手の甲が運悪く乞食の頬を掠めてしまう。乞食は犬のように唸りながら威嚇していたがこれ以上は襲ってこなかった。

この事態に土産物屋のおばちゃんたちの注目を集めてしまう。何とか、危機を脱したが通りは露天の土産物屋が並んでおり白人も見かける人通りの多い場所で乞食が襲ってくるとは・・・。夏河の乞食は危険だ。いや、平気で食堂の中にまで金を要求しに来る青海省、甘粛省のチベット文化圏の乞食が危険というべきだろう。まあ、とにかく怪我も泣く無事だったのでよかった。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 13.5元
合計 13.5元

今日も朝から拉卜楞寺へ

tibet_bunkaken1600700過ぎに今日も拉卜楞寺へ向う。昨日見物して分かったのだが朝は巡礼者が多く大経堂も門が開いているので入場券を買わなくても見物できるので、まずは大経堂を見物する。

tibet_bunkaken161修行僧が大経堂の中に集まっているようで靴が散乱している。靴を揃えるという習慣は無いようだ。大経堂を見物していると昨日と同様に修行僧に追い出された。さすがに大経堂の中は見物はできないようだ。まあ、入場券持っていないから退散するしかない。

tibet_bunkaken162大経堂の次はタンカ台へ向うが途中で 日本語の落書きを見つけるが「ごうかん」なんて誰が書いたんだ?

tibet_bunkaken163昨日に続きタンカ台に登ってみる。今日は天気が良いので昨日より眺めが良い。

tibet_bunkaken164タンカ台からの風景

tibet_bunkaken165タンカ台で拉卜楞寺を眺めた後に朝食に牛肉麺を食べてユースホステルへ戻る。

台湾人にヨーグルトをおごってもらう

tibet_bunkaken166ユースホステルに戻る途中でパンを買う。ユースホステルに戻り1階の広間でパンを食べていると隣に座った台湾人と知り合う。どれぐらい旅行をしているかとか次の行き先を話しているうちに林檎を貰い、更にヨーグルトまでおごってもらう。

ヨーグルトは2元なのだが、これが美味い!「近くの牧区のヨーグルトで朝入荷した」と老板が教えてくれた。台湾人と話をしながらテレビを見て昼過ぎまで一緒に過ごす。台湾人が部屋に戻り、老板が部屋の掃除で一人でテレビを見ていると、中国人と白人の2人組が客がやって来た。2人組は自分がユースの服務員と思い声をかけてきたので老板を呼んであげる。

tibet_bunkaken1671500頃、バスターミナルで明日の郎木寺行きの切符を購入する。夏河から郎木寺は1日1本だけで朝0740発だった。

tibet_bunkaken168帰りに夏河で最も白人率が高いと思われる華僑飯店の前を通り過ぎる。やたらと英語が目立つので初日に前を通り過ぎただけで白人宿と分かった。英語と白人が大好きな人には最適の宿だろうが中国に来てまで英語は・・・。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 4.5元
バス 40.5元 夏河→郎木寺
合計 45元

チベット文化圏旅行記~青海省 同徳・同仁編

西寧→同徳(カワスムド)

tibet_bunkaken0940650頃に起床する。0900発のバスに乗車するので荷物をまとめ出発の準備をする。相部屋の中国人たちも起きて出発の準備をしている。昨日はラサから帰る途中の中国人も来たがまだ寝ている。0815頃に塔頂陽光旅友驛站をチェックアウトして40路のバスで西寧汽車站へ向う。0830頃、西寧汽車站に到着する。

tibet_bunkaken095青海省の中心となるバスターミナルなので近代的です。でも、1800ぐらいに閉まってしまうので夜発のバスは無いようです。

tibet_bunkaken096検票口で切符を提示して同徳行きのバスに乗車するが、切符を持たないおばちゃんが検票口を強行突破しようとして係員に追い出されていた。0909に少し遅れてバスは発車する。

3820mの拉鶏山越え

tibet_bunkaken097西寧を出て途中まではタール寺へ行く道を通って行く。タール寺の近くを過ぎると穴だらけの道になるがすぐにちゃんと舗装された道路になり山を登って行き峠には「拉鶏山 海抜3820m」の標識とタクシーが2台停車していた。どうやら、この峠は観光地にもなっているようだ。それにしても、こんな所までタクシーで訪れるとは・・・。

tibet_bunkaken098拉鶏山を越えて一気に山を下り1100過ぎにトイレ休憩で停車する。トイレ休憩といってもトイレは無い。まあ、要するにその辺で立小便ということだ。トイレ休憩の間にバスはブレーキ部分に水をかけて冷却をしている。更に冷却水の補給をする。中国のバスやトラックは冷却水を補充する方式が多いようで道端に「加水」と書かれた看板がありここで冷却水の補給、洗車が行われる。この間に乗客はトイレや食事休憩となる。

tibet_bunkaken0991115頃にバスは 出発し1150頃、貴徳黄河大橋を通過する。

牛やヤクの群れに遭遇しながら同徳へ

tibet_bunkaken100黄河を渡り1200頃に食事休憩で30分ほど停車する。

tibet_bunkaken101食事休憩が終わりバスは同徳へ向けて出発し山を登り始める。峠にはタルチョや仏塔があります。

tibet_bunkaken102牛やヤクが行く手を立ちはだかります。

tibet_bunkaken103動物には交通ルールは通用しないようです。もっとも、中国人にも通用しませんが・・・。

tibet_bunkaken104まあ、こんな光景が何度も続きます。

tibet_bunkaken105峠を越えて平原へ出ると放牧された羊やヤクなどが道路上に立ちはだかる。クラクションを鳴らし羊やヤクなどを追い払いながらバスは平原を走る。

tibet_bunkaken106まあ、こういうのは旅行客は楽しめるでしょうが運ちゃんにとっては迷惑でしょう。

tibet_bunkaken107この羊やヤクの群れに何度も行く手を阻まれながら徐々に同徳へ近づいていく。まあ、運ちゃんにとっては羊やヤクの群れは迷惑なのだろうが、こちらとしてはこういうのは結構楽しめる。

同徳は田舎だった

tibet_bunkaken1081600過ぎに同徳汽車站到着。

tibet_bunkaken109まずは切符売り場で明日の沢庫行きの切符を購入する。

tibet_bunkaken110切符を購入して後は宿の確保だが相場の確認のためにバスターミナルにある交通旅社で1泊いくらか聞くと60元と高い。他に賓館を何件かあたるが田舎なのに60~70元と高いのでバスターミナル近くの永紅旅社で1泊25元で泊まる事にした。宿を確保したので早速同徳の街を散歩してみる。

tibet_bunkaken111特に見たいものは無いのだが街の西に仏塔が見えるので行ってみる。

tibet_bunkaken112仏塔の近くまで来ると入口には金剛須弥宝塔とある。

tibet_bunkaken113中に入ってみるが入場券売場は見当たらないので参拝客に混じって見物する。

tibet_bunkaken114その辺の路地を歩いていると、こういうのに遭遇します。

tibet_bunkaken115ちょっと高台に上ると同徳が一望できます。

仏塔を見物したら再び散歩をしながら夕飯を食べる店を探す。イスラム食堂で牛肉麺を5元で食べるが注文して待っているとチベット仏教の修行僧が托鉢?でしつこくお布施を要求してくる。もちろん金を恵んでやる気は無い!

玉樹へ行った時に坊さんがゴミを投げ捨てたり痰を吐いたりする光景を見ているのでチベット仏教に対して厳しく見るようになっている。それにこの修行僧が本物の修行僧かも疑わしい。糞坊主を無視しながら牛肉麺を食べて宿へ戻る。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 7.5元
宿泊費 25元
バス 1元 路線バス
バス 23.3元 同徳→沢庫
合計 56.8元

同徳→沢庫(ツェコ)

tibet_bunkaken1160600頃に起床。水道はいまだに断水したままだ。とりあえず、ポットのお湯で顔を洗って出発の準備をする。0730に宿を出て約15秒で同徳汽車站に到着。

tibet_bunkaken117河南行きのバスが沢庫に停車するのだがバスはドアが閉まったままなのでバスターミナルとバスの写真撮影をしているとチベット人の婆さんが金をせびりに集ってきた。初めは何かと思ったがどうやらバスを撮影したときに婆さんがバスの前にいたので婆さんは自分が撮られたと思い込んで撮影代をせびっているようだ。こちらとしては婆さんはどうでも良くてバスが重要だったので無視する。それにチベット語で話しかけられても分からない。

tibet_bunkaken118運ちゃんがバスのドアを開けると婆さんや足の無いおっさんと足の変形した兄ちゃんが乗車する。それに続いて自分も乗車して発車を待つ。0810発なのだが0807に発車する。

沢庫→同仁(レゴン)

tibet_bunkaken119平原を走り山を越え、途中で遊牧民や修行僧を乗せながら1040頃に沢庫到着。バスターミナルには停車せず街の中心で降ろされる。運ちゃんにバスターミナルの場所を聞いて沢庫汽車站で同仁行きの切符を購入する。

tibet_bunkaken120街の中でもヤクが歩いています。

tibet_bunkaken121沢庫→同仁の切符。何が書いてあるかほとんど読めません。バスに乗車するとすぐに発車するが客を集めながら街の中を走り再びバスターミナルに戻る。街の様子が見られたから別に文句は言わないが、でもこれだとバスターミナルが要らないのでは?

tibet_bunkaken122馬に乗るチベット人は今ではほとんど見ることがありません。代わりバイクに乗るチベット人がそこら中にいます。

tibet_bunkaken123バスターミナルを再び出発して沢庫から再び平原を走り抜けて山を下っていきます。

tibet_bunkaken124周囲は放牧されているヤクや牛があちこちにいる。山を越えていくと平原から森林地帯へと変化していき更に徐々に乾燥地帯へと変化していく。

tibet_bunkaken1251330頃、同仁の黄南汽車站に到着する。すぐに明日の夏河行きの切符を買おうとしたが切符売り場で「今は無い。明日の朝来て。」とのこと。朝一のバスは0800発ということなので0730ぐらいにバスターミナル行けば何とかなるだろう。

tibet_bunkaken126切符は明日にして宿を探す。賓館は高そうなのでバスターミナルと隆務寺の中間ぐらいにある頭龍旅社に宿泊する。多人間が1人5元だったが老板が2人部屋を10元で提示してきたので貸し切ることにした。

やはり、多人間だと民工に荷物を根こそぎ持っていかれそうなので10元で貸切の方がまだ安全だろう。でも、シャワー無し、コンセント無し、展望式ニーハオトイレは今迄である意味最高ランクの宿だ。

tibet_bunkaken127これが展望式ニーハオトイレです。どう考えても通行人からこちらのケツが丸見えになりそうな気がするのですが・・・。

隆務寺(ロンウォ寺)

tibet_bunkaken1281400頃、近くのイスラム食堂で牛肉麺を食べるが修行僧や乞食が店に入ってきて金を要求してくる。もちろん無視する。どうも、同徳や同仁は胡散臭い修行僧や乞食が活発に活動しているようだ。1430頃、隆務寺を見物するが工事中の場所が多く見物できない建物が多かった。道路沿いにはマニ車がたくさんあり参拝客が回している。

tibet_bunkaken129御覧の通り道路沿いに大量のマニ車が・・・

tibet_bunkaken130隆務寺

tibet_bunkaken131壁画は新しいがかなり力が入っているようにみえる。

tibet_bunkaken132隆務寺

tibet_bunkaken133一番奥にある建物が恐らく本堂のようで観光客がガイドに案内されて入っていくので後から入っていくと坊さんに呼び止められる。

tibet_bunkaken134「入場券を買わないと駄目か?」と思ったら坊さんが「どこから来たんだ?」と聞くので「日本です」と答えると坊さんが「こんにちは、こんばんは」など知っている日本語で挨拶してくる。とりあえず、見物して良いか聞いたら許可してくれたので中に入る。

tibet_bunkaken135一通り見物して通りまで戻ると入場券売場を発見してしまう。やはり、事前調査の通り有料だったようだが、どこからでも入れるようになっており逃票し放題の状態だ。まあ、いずれは寺を完全に塀で囲んで逃票できないようにするのだろう。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 10元
宿泊費 10元
バス 18元 沢庫→同仁
合計 38元

チベット文化圏旅行記~青海省 玉樹編

西寧→玉樹(ジェクンド)

tibet_bunkaken047朝は円が急騰していたので中国銀行で両替をしてくる。1030頃に塔頂陽光旅友驛站をチェックアウトして西寧汽車站へ向かう。1路のバスの車内で水筒を忘れてきたことに気付く。50元ぐらいで買った自分にとっては貴重品だ。かなり使い込んでいるので減価償却はできているが勿体無い事をしてしまった。

定刻どおり1100頃に玉樹行きバスが発車するが一番安いバスだったので乗客は民度最低の人民たちであった。灰皿が無いのにタバコを吸い、床に捨てる。お約束だが痰も床に吐いています。驚いたのだチベット仏教の坊さんまでが床に痰を吐いていた。仮にダライ・ラマが同じバスに乗ったら床に痰を吐くのだろうか?自分が思い描くチベット仏教の世界が崩れ去ろうとしている。

tibet_bunkaken0481500頃、山岳地帯に入ると道が悪くなるが途中でトンネル工事をやっており数年もすれば綺麗に舗装された道路になるのだろう。4000m以上の山を登り、2030頃に瑪多(玛多)の黄河沿到着。GPSを見ると海抜4200mを超えていた。瑪多では食事休憩なのだが自分は昨日買い込んだ饅頭で食いつないでいる。

tibet_bunkaken0492130頃、瑪多を出発する。既に周辺は真っ暗で何も見えない。地図を見るとこの先さらに海 抜の高い場所を通りそうなのだが外は闇で見えないので寝るしかない。途中でいくつかの町で客を降ろしていたが玉樹はいつ到着なのだろうか?

両替
中国銀行 200000円→13074.2元 1元=約15.297円

本日の出費
項目 金額 備考
バス 1元 路線バス
振込手数料 50元
合計 51元

深夜3時過ぎに玉樹到着

0300過ぎに車内が騒がしくなったので目が覚める。どこかの町に到着したようだが周辺の様子はよく分からない。乗客と運ちゃんの話を聞いていると玉樹に到着したようだ。乗客のほとんどは降りたが降りない乗客がいたので終点まで行くことにするが玉樹汽車站にすぐ到着する。

聞いていた話だと朝7時到着だったのだが早く到着するのにも時間を考えてほしい。ゴルムドに到着したときも深夜だったし青海省の長距離バスはどうなっているんだ。とりあえず、交通賓館で 30元の3人ドミに宿泊する。交通賓館なのに登記はなく、どうやら玉樹に公安は厳しくないようだ。部屋に案内されると先客に坊さんとおっさんがおり寝ていた。0330頃、自分も寝ることにする。

玉樹にユースホステル?

0700頃に起床するが水道が断水していた。服務員に文句を言ったら30分ぐらいで断水は解消した。0830頃、玉樹(ジェクンド)の町の北にある結古寺 (ジェグ・ゴンパ)を見に行く。北の高台にそれらしい建物が見えるので徒歩で向かう。

玉樹に到着した深夜は周辺の状況が何も分からなかったが、玉樹は四方を山に囲まれており景色の良い町だった。通りの建物もチベット風になっており店の看板や道路標識にもチベット文字が表示されている。住民のほとんどもチ ベット族だ。玉樹は恐らく青海省で最もチベット文化に触れられる町なのだろう。

tibet_bunkaken050広場にはチベット人の巨大な像があるのだが特にどういった人物の像なのかなどの説明は無かった。まあ、大体どこの町でも毛沢東像が定番なのだが玉樹にはチベット人の巨大な像があり毛沢東像が見当たらなかった。これは大人の事情って奴かな?結古寺は場所は分かっていても案内標識が無く入口の道が分かりづらかった。国道沿いの結古寺賓館の近くの路地を入るのだが1度通り過ぎてしまう。でも、通り過ぎても無駄にはならなかった。

tibet_bunkaken051結古寺賓館を過ぎると何故か、あのユースホステルのロゴの看板を見つけてしまう。ユースホステルのHPを見る限り玉樹には無いのだが一体どういうことだ。

結古寺(ジェグ・ゴンパ)を見物

tibet_bunkaken052結古寺への路地を進む。しばらくすると工事中の山門が見えてきた。ここから更に坂道を登り結古寺に到着!

tibet_bunkaken053遠くから見ると立派な寺院の様にも思えるのですが・・・

tibet_bunkaken054タルチョがたくさんあるのですが電線に絡まっているのは危ないような・・・

tibet_bunkaken055ちょうど、修行僧の集団に遭遇する。修行僧たちは特によそ者を見ても反応なし。

tibet_bunkaken056僧坊とか色々あるのですが計画的に建設したほうが良いのでは?

tibet_bunkaken057こちらは、勝手に寺の奥へ入っていくが至る所が工事の途中であった。

tibet_bunkaken058僧坊かな?

tibet_bunkaken059これって文革の跡かな?

tibet_bunkaken060結古寺はサキャ派のチベット寺院なのだが文化大革命で破壊された寺でここ数年でようやく復興が始まったとか・・・。確かに崩れた古い建物や集められたチベット文字が彫られた石版の破片とか見ると「紅衛兵に破壊されたのかな?」って思ってしまう。

tibet_bunkaken061修行僧もバイクに乗る時代のようです。

tibet_bunkaken062結古寺も復興が進むといずれは観光地化されてしまうのでしょうか?

tibet_bunkaken063寺は復興途中だが寺からは玉樹が一望でき景色は良い。青空も広がり大気汚染はあまり進んでいないようだ。ゴミのポイ捨てはあちこちにあったけど・・・。

西寧行きの切符を購入

tibet_bunkaken064結古寺を見物後は賽馬場へ1路のバスで行ってみるが賽馬節は既に終わっているので特に何も無かった。

tibet_bunkaken065賽馬場周辺

tibet_bunkaken066玉樹で結古寺を見たので明日は河卡へ移動して同徳へ向おうと思い玉樹汽車站へ行くが河卡行きバスが運行されていないことが判明する。それなら四川省へ出て九寨溝へ行こうと思い四川省に一番近い歇武への切符を買おうとするが、これも運行されていなかった。結局は西寧へ戻るしかなく西寧行きの切符を購入する。

玉樹を散歩

tibet_bunkaken067玉樹を散歩してみるが回りはチベット人ばかりだ。たまに回族を見かけるぐらいで本当にチベット人の町だ。

tibet_bunkaken068坊さんがアイスを食べていたりとちょっと不思議な光景も見られるが、乞食もいる普通の町だ。中高年の女性はほとんど民族衣装で、若い男性は長髪が多い。

tibet_bunkaken069まあ、良くも悪くもチベット文化を体験できる場所 だ。ちなみに玉樹は富士山より高い海抜3600mに位置しているので8月でも夜は上着必須です。昼間は長袖一枚で大丈夫です。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 11.5元
宿泊費 60元 1泊30元×2
バス 2元 路線バス
バス 115.3元 玉樹→西寧
合計 188.8元

玉樹→西寧へ

tibet_bunkaken0700730過ぎに交通賓館をチェックアウトする。玉樹汽車站は、隣というか同じ敷地なのですぐに到着する。バスの荷物室にバックパックを置いて外で時間を待つ。玉樹というチベット人の自治州なので乗客にはチベット仏教の修行僧が数人いる。そして、バスターミナルといえば新聞や飲み物などを売る売り子が必ずいるのだが、玉樹では経文が印刷された紙が売られていた。

tibet_bunkaken072修行僧も携帯電話を使う時代のようです。

tibet_bunkaken0710800過ぎに運ちゃんがバスのドアを開けて乗客が乗車し始める。自分は後方の通路側の席だったが、知らない振りして窓際に座る。しばらくして、チベット人のおっさんが席の番号を聞いてくるので答えると通路側の席に座った。窓際の席を何とか確保できた。撮影に最適な窓際の席で安心していると外で運ちゃんが白人の旅行客に地図を見せられ何か聞かれている。

少しすると外国人旅行客が荷物室にバックパックを置いて乗車してきたが何か困った様子だ。外国人旅行客が自分のすぐそばに来たので声をかけてみると切符を見せてきた。座席番号を確認すると外国人旅行客の席がチベット人の夫婦に占領されていた。チベット人の夫婦に外国人旅行客の席であることをいうと、「席を交換してほしい」と言ってきた。外国人旅行客が 「窓際の席にして欲しい」と言うとチベット人の旦那が「自分は41番で窓際だからいいでしょ」とか言ってくるので交渉成立。

外国人旅行客は最後部の窓際の座席に座ったというか、この外国人旅行客は中国語が話せるようだ。「アメリカ人ですか?」と聞いてみると「フランス人です」と答えてきた。年配のフランス 人1人で玉樹を訪れるとは凄い。0830になり発車時刻なのだがようやく乗客の確認をして0845に出発する。

通天河と巴顔喀拉山口を越える

tibet_bunkaken073玉樹を離れ国道214号を走り西寧へ向かう。途中で客を乗せながらバスは山岳地帯を走る。

tibet_bunkaken074山道を走っていると通天河を渡る。瑪多から玉樹は来るときは夜で寝ていて何も分からなかったが景色は凄く良く、有名な通天河も見られて西寧までよい旅路になりそうだ。

tibet_bunkaken0751時間ほどで歇武に到着する。歇武は四川省に一番近い町のようだが四川省へ向うバスは見当たらなかった。恐らく乗り合いタクシーとかで四川省へ向うのだろうか?

tibet_bunkaken076海抜4000m以上の山道をどんどん登っていきます。

tibet_bunkaken077

tibet_bunkaken078歇武を過ぎて山道をどんどん登っていくがチベット人が放牧をしているようで山の斜面に牛などの姿が見える。4000m以上の高地でも放牧が行われておりよい撮影の機会に恵まれた。

山を登っていくと峠にはタルチョが掲げられており峠を越えるときに乗車していた修行僧たちが叫びながら経文の書かれた紙を撒いていく。と、経文の書かれた紙を撒くまでは良いのだが実は紙以外にも残念なことに後ろの座席に座っていた坊さんがペットボトルを投げ捨てていたのだ。

他の坊さんやチベット人の乗客までも窓からゴミを投げ捨て車内で痰を吐いてタバコを吸う。この光景をダライ・ラマが見たらどう思うだろうか?ある意味で中国政府 のチベット人への政策が成功している証拠だろう。こちらとしてはチベット人やチベット仏教に対してのイメージが崩壊していった。

tibet_bunkaken079チベット人の集落

tibet_bunkaken080峠を越えるたびに修行僧は経文の書かれた紙を撒いていきます。

tibet_bunkaken081経文を撒くこの光景は西寧まで峠を越えるたびに行われていた。そして、西寧から玉樹の最も海抜の高い巴顔喀拉山口を越えていく。ここは海抜4829mだが誰も高山病にはなっていない。自分も何とも無く酸素ボンベすら必要ない。それ以前に買っていないけど・・・。

黄河を越えて瑪多から花石峡へ

tibet_bunkaken082巴顔喀拉山口を越えたら一気に山を下りてバスは平原を疾走する。1400頃、瑪多の黄河沿へ到着する直前に瑪多黄河橋を渡る。瑪多黄河橋は地図で確認する限りでは黄河の最も上流に架かる国道の橋だ。黄河といっても最上流部なので川幅はそれほど無い。橋の標識を見てようやく黄河だと分かったほど普段イメージしている黄河とはかけ離れていた。おかげで気付くのが遅れて撮影も遅れてしまった。

tibet_bunkaken083黄河を渡り瑪多の黄河沿に到着して、ここで昼食となり1時間ほど停車する。どうやら西寧⇔玉樹のバスは行きも帰りも瑪多の黄河沿で休憩になるようだ。

tibet_bunkaken084昼食はイスラム食堂で牛肉麺を食べる。5元で少し高いなと思ったら牛肉がたくさん入っていた。まあ、値段相応だった。食べ終わり外へ出るとフランス人が地図を見せながら乗客たちと話をしているので近寄って話を聞いてみる。地図には印が付いていたのでどこに行くのか聞いてみると花石峡で降りて瑪沁方面から西寧へ行き、最後に西安へ向うということだった。

でも、朝に切符を見たときは 行き先は西寧だったのだが・・・。ユーロ高で金持ちのフランス人には途中で降りてしまっても痛くないのだろう。ここで、フランス人に「田舎はどこ?」と聞 かれたので「日本です」と答えると予想していなかったようで少し驚いていた。周りの乗客も「日本、日本」と言っている。まあ、こんな所で日本人に遭遇する なんて考えられないだろうな。

乗客にとっては日本人とフランス人に遭遇することの方がもっと考えられないだろうな。乗客たちは日本人とフランス人が目の前にいるので色々と質問してくる。「どこで中国語を覚えたんだ?」「日本の東京に住んでいるのか?大阪に住んでいるのか?」「フランスのどこに住んでいるん だ?」「どんな仕事をしているんだ」とか乗客はかなり興味津々のようだ。

フランス人は逆に乗客に「仕事で西寧にいくの?」「何の仕事をしているの?」とか 聞いている。乗客は「出稼ぎに行く」と話しており予想通り民工だった。フランス人はベトナムに住んでいるようでベトナム語関連の仕事をしているようだ。

tibet_bunkaken0851500頃、食事休憩が終わりバスは西寧へ向かい走り出す。

tibet_bunkaken086平原を爆走して行き1時間ほどで花石峡に到着する。ここでフランス人がバスを降りるが何も無い田舎で瑪沁方面のバスがあるとは思えない。ヒッチハイクで向うのだろうな。

チベット人の放牧地を通り西寧へ

tibet_bunkaken087徐々に放牧されている家畜が増えてきます。

tibet_bunkaken088道路わきでも牛や山羊たちが草を食べています。

tibet_bunkaken089花石峡を過ぎると徐々にヤク、山羊、羊、馬の姿が多くなってくる。チベット人の放牧地に入ったようだ。チベット人のテントも多く見えるようになり、どうやらここは放牧に最適の場所のようだ。

tibet_bunkaken090毛皮を積んだトラックにも遭遇したりします。

tibet_bunkaken091チベット人の住居が集まり遊牧民の小さな集落が形成されています。

tibet_bunkaken092たまに道路わきに停車しているトラックには牛やヤクなどが乗せられていたり、毛皮が積まれていたりするのを見かける。更にテントが集まり小さな集落のようになっている所ではテントの中にビールが積まれているのが見えたりした。どうやら、商店もあるようだ。

1800前に河卡の手前でトンネルと橋の建設現場を通り過ぎる。数年後には完成して交通の便がよくなるのだろう。しかし、この辺境の地にまで開発の波が押し寄せるということなのだろう。これがチベット人にとって良いか悪いかはまだ判断できないだろう。

2230頃、西寧汽車站に到着する。まだ路線バスはあるようなのだが本数が少ないので待っているより歩いた ほうが良いと判断して一昨日まで滞在していたユースホステルの塔頂陽光旅友驛站へ向う。

やはり塔頂陽光旅友驛站は快適

2300頃、塔頂陽光旅友驛站に到着する。階段を登ると入口はまだ開いており入ると宿のおばちゃんが覚えていたようで「帰ってきたの?こんな時間にどこに 行ってたの?」と聞いてきた。確かにこんな時間に再び来る客は珍しいだろうな。2泊することにしてパスポートと会員証を出すが「一昨日までいたから記録が あるからいいよ」と確認なしで保証金も前回より安くなっていた。

今回は前回とは別の部屋だったが服務員に案内されるときに一昨日水筒を忘れたことを言ったら一緒に部屋を確認してくれて水筒を無事発見する。ドミトリーだったから運良く残っていたが個室だったら確実に破棄されていただろう。水筒を回収して部屋に着くと先客が一人寝ていた。こちらは外で夕飯というか夜食を食べてから寝ることにする。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 10元
宿泊費 60元 1泊30元×2
合計 70元

同徳行きの切符を購入

tibet_bunkaken0930900頃、西寧汽車站で明日の同徳行きのバスの切符を購入する。相変わらず切符売り場は混雑している同徳行きのバスの切符を購入後はユースホステルで洗濯とHP作成、情報収集で過ごす。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 17元
バス 2元 路線バス
バス 49元 西寧→同徳
合計 68元