とりあえず路線についても調べてみたのですが、分かる範囲内で書いておきます。
注意1.複数の資料を調べていますが距離などの数値が微妙に異なっているので間違っている可能性大です。念のため書かれていることは鵜呑みにしないでください。
注意2.中国語を翻訳しているので途中で意味不明の日本語が出てきますが無視してください。
京哈線(京哈线)
南は北京を起点に北は東北の黒龍江省ハルビンまで途中、河北省、天津市、遼寧省、吉林省を経由していく。全長1412km、171駅。1881-1911年に建設され北京とハルビンを結ぶ主要幹線鉄路である。
京滬線(京沪线)
北は北京から南は上海までを結ぶ。1968年に完成、全長1463km。元は北中南の3区間に別れていた。北は京山鉄路の北京-天津で1897-1900 年に建設される。中は津浦鉄路の天津-浦口(南京)で1908-1912年に建設される。南は滬寧鉄路の上海-南京で1905-1908年に建設される。 1968年に南京長江大橋が完成し京山鉄路、津浦鉄路、滬寧鉄路が結ばれ京滬鉄路(京滬線)となる。中国を南北に結ぶ大幹線である。
京広線(京广线)
北は北京から南は広東省広州市までを結ぶ。途中河北省、河南省、湖北省、湖南省を経由していく。全長2294km、248駅。1897-1936年に建設 される。1950年代末から1988年までに全線複線化、電化が行われる。中国を南北に結ぶ主要鉄路幹線である。
京九線(京九线)
北は北京西駅から南は香港の九龍駅まで途中9つの省、市を経由して結ぶ。全長2536kmもしくは2553km、202駅。敷設された光ケーブル2273km、架線約4000km、新たに建設された変電所50ヵ所。中国を南北に結ぶ主要鉄路幹線である。
京包線(京包线)
南は北京から北は内蒙古自治区包頭までを結ぶ。全長751km、44駅?。1923年に開通、旧名称は京綏線、平綏線。1958年に複線化、技術規格統一の工事実施。主要幹線鉄路である。
京原線(京原线)
東は北京から西は山西省原平市までを結ぶ。全長444km、53駅。1960-1971年に建設される。
京通線(京通线)
南は北京から北は内蒙古自治区通遼市までを結ぶ。全長836km、92駅。1972-1980年に建設される。
豊沙線(丰沙线)
東は北京から西は河北省懐来県までを結ぶ。全長121km、17駅。1952-1955年に建設される。1984年に全線電化。
濱綏線(滨绥线)
黒龍江省ハルビンを起点に東は黒龍江省綏芬河までを結ぶ。全長548km。清の光緒24年(1898)に建設開始、軌道はロシアと同じ1524mmを採 用。義和団事件で工事は一時中断するも光緒27年(1901)に開通。日本占領時には標準軌に変更されるが、ソ連軍進駐後は1524mm、ソ連軍撤退後は 標準軌に変更された。ハルビン東駅からは牡丹江、綏芬河経由でロシア・ハバロフスク行きの国際列車が運行されている。
濱洲線(滨洲线)
黒龍江省ハルビンを起点に西北の内蒙古自治区満州里までを結ぶ。全長935km、99駅。旧名称は中東鉄路。光緒24年(1989)に建設開始、光緒26 年(1900)に完成。線路はハルビンから西北の大慶、チチハルを経由してロシア国境の満州里に達する。大慶で産出される石油の輸送を担う重要幹線の一 つ。シベリア鉄道に接続しており北京-モスクワの国際列車が通過する。
長白線(长白线)
東は吉林省長春市から西は吉林省白城市までを結ぶ。全長333km、25駅。1958-1970年に建設される。
長大線(长大线)
北は吉林省長春から南は遼寧省大連までを結ぶ。全長579.5km。1898-1903年、1907-1934年に建設される。
瀋丹線(沈丹线)
東は遼寧省丹東市から西は遼寧省瀋陽市までを結ぶ。全長277km、43駅。1904-1911年に建設される。初めは軽便鉄道であったが1911年に標準軌に変更される。瀋大線の蘇家屯駅から東へ伸び丹東へ到達する。朝鮮への国際列車はこの路線を通る。
瀋吉線(沈吉线)
南は遼寧省瀋陽から北は吉林省吉林までを結ぶ。全長446km、50駅。1925-1928年に建設される。
瀋山線(沈山线)
北は遼寧省瀋陽から南は河北省秦皇島市山海関を結ぶ。全長439.1km。
包蘭線(包兰线)
東は内蒙古自治区包頭から西は甘粛省蘭州までを結ぶ。全長980km。1954年10月に建設開始、1958年7月に開通。華北地区から西北地区への主要幹線の一つ。
集通線(集通线)
東は内蒙古自治区通遼から西は内蒙古自治区集寧までを結ぶ。全長943km。地方鉄路幹線であり内蒙古自治区政府が世界銀行より1.5億ドルの融資を受け て鉄道部と共同で1990-1994年に建設する。これにより自治区西部から自治区東部、東北部への石炭輸送が改善する。
石太線(石太线)
東は河北省石家庄市から西は山西省太原市までを結ぶ。全長231km、35駅。1904-1907年に建設される。旧名称は正太鉄路。建設当時はメーターゲージであったが1940年代に標準軌に変更される。
焦枝線(焦枝线)
北は河南省焦作から南は湖北省枝城までを結ぶ。全長772km。1970年11月に建設開始、1971年7月に開通。焦作から洛陽、南陽、襄樊を経由して枝城に達し、黄河、漢水、長江の三大流域を縦断している。
太焦線(太焦线)
北は山西省太原から南は河南省焦作までを結ぶ。全長434km。1970-1979年に建設される。京広線と並行する南北交通の幹線の一つであり、山西省で産出される石炭の輸送、京広線の混雑緩和、湖南省方面への輸送力強化を担っている。
滬杭線(沪杭线)
上海から浙江省杭州までを結ぶ。全長201km、36駅。1906-1909年に建設される。旧名称は滬杭甬鉄路。
隴海線(陇海线)
東は江蘇省連雲港から西は甘粛省蘭州までを結ぶ。全長1759km。1904に建設開始、1936年に連雲港-宝鶏が開通、1945年に天水まで開通、 1952年に全線開通。1988年に鄭州-蘭州の1187kmが電化、徐州-宝鶏の1033kmが複線化される。
杭甬線(杭甬线)
西は浙江省杭州市から東は浙江省寧波市までを結ぶ。全長171km、29駅。1906-1914年、1936-1937年に建設されるが日中戦争により撤 去される。1953-1957年に再建設される。寧波駅からは北侖港まで支線がある。浙工省内の重要幹線である。
浙贛線(浙赣线)
東は浙江省杭州から西は湖南省株洲までを結ぶ。全長955km。1899年に清朝政府によって建設が始まり1937年に開通。
鷹厦線(鹰厦线)
江西省鷹潭から福建省アモイまでを結ぶ。全長694km。1954-1957年に建設される。現在は単線だが2010年以降に複線化される計画。
荊沙線(荆沙线)
湖北省荊門から湖北省沙市までを結ぶ。全長90km、8駅。1986-1988年に建設される。湖北省地方鉄路総公司が運営。
湘桂線(湘桂线)
北は湖南省衝陽市から南は広西チワン族自治区憑祥市までを結ぶ。全長1013km、112駅。1937-1939年、1950-1955年に建設される。
湘黔線(湘黔线)
東は湖南省株洲から西は貴州省貴陽までを結ぶ。全長905km、108駅。
黔桂線(黔桂线)
北は貴州省貴陽市から南は広西チワン族自治区柳州市までを結ぶ。全長610km、76駅。1939年に建設開始、1940年年末に柳州-金城江が開通、 1941年2月から金城江-独山の建設開始。1943年5月に開通するが、1944年冬に清泰坡までの工事が日中戦争により停止。終戦後に工事が再開して 1958年12月に全区間開通、1953年3月より正式運転開始。
川黔線(川黔线)
北は重慶市から南は貴州省貴陽市までを結ぶ。全長463km、65駅。1959-1962年、1964-1965年に建設される。四川省と湖南省、広西チワン族自治区など南方各地への接続を担う。
成渝線(成渝线)
西は四川省成都から東は重慶までを結ぶ。全長504km、64駅。1950-1952年に建設される。1980年代末に電化完了。
達成線(达成线)
東は四川省達州から西は四川省成都までを結ぶ。全長403km、46駅。1992-1997年に建設される。土溪駅-成都北駅間は達成鉄路有限責任公司が管理。
成昆線(成昆线)
北は四川省成都から南は雲南省昆明までを結ぶ。全長1100km、135駅。1958-1970年に建設される。
南昆線(南昆线)
東は広西チワン族自治区南寧から西は雲南省昆明までを結ぶ。全長896km、95駅。1990年12月に建設開始、1997年3月に開通、1997年12月に運転開始。重要幹線の一つ。
滇藏鉄路(滇藏铁路)
東は雲南省昆明から西はチベット自治区ラサまでを結ぶ計画。現在は昆明-大理は開通済み、現在は大理-麗江が建設中。10年以内にシャングリラまで延長する計画。ラサまで一体何年かかるんだ?
昆河線(昆河线)
北は雲南省昆明市から南は雲南省河口瑶族自治県までを結ぶ。全長468km、62駅。滇越鉄路とも呼ぶ。1904-1910年に建設された。中国で最も早 い時期に建設されて鉄路の一つでもあり、最も長いメーターゲージの鉄路である。日中戦争時には旧日本軍のベトナムからの侵略を防ぐために250kmの区間 で線路が撤去された。新中国成立後に復旧工事が始まり1957年に全線復旧。路線は昆明北駅から東へ伸び水晶波駅付近で南へ延び、宜良、開遠を経由して河 口へ到達する。ベトナム・ハノイまで一本の線路で結ばれ国際列車が運行されていたが現在は昆河線全線で工事が行われ国際列車を含む全列車が運休。運行再開 すれば危険な山岳地帯をバスで通らずに済む。
宝成線(宝成线)
北は陝西省宝鶏から南は四川省成都までを結ぶ。全長688.2km。1952-1956年に建設される。1975年に全線電化。
西康線(西康线)
北は陝西省西安から南は陝西省安康までを結ぶ。全長268km、28駅。1996年12月に建設開始、2001年に完成。単線電化路線。
蘭新線(兰新线)
東は甘粛省蘭州市から西は新疆ウイグル自治区ウルムチ市までを結ぶ。全長1912km、191駅。1952-1962年に建設される。1980年代に蘭州 -武威間の電化工事が行われ、1994-1996年に武威-ウルムチ間の複線化工事が行われる。路線は蘭州から西へ伸び黄河を越えて海抜3000m級の鳥 鞘峰、祁連山北麓のシルクロード河西回廊を通過し、酒泉、嘉峪関、敦煌、トルファンを経由していく。
北疆線(北疆线)
南は新疆ウイグル自治区ウルムチから北は新疆ウイグル自治区阿拉山口までを結ぶ。全長456km、36駅。蘭新鉄路西段とも呼ばれる。カザフスタンへの国際列車は北疆線を通っている。
南疆線(南疆线)
北は新疆ウイグル自治区トルファンから南は新疆ウイグル自治区カシュガルまでを結ぶ。全長1446km、86駅。1974-1979年、 1997-1999年に建設される。蘭新線のトルファン駅からトルファン盆地を通過してシルクロードの天山南路を西へ進みカシュガルへ到達する。
青蔵鉄路(青藏铁路)
青海省西寧からチベット自治区ラサまでを結ぶ。全長1956km。西寧-ゴルムドの814kmは1979年に開通、ゴルムド-ラサの1142kmは 2006年7月1日に運転開始。世界で最も標高の高い場所を通過する鉄道である。車両には高山病対策の与圧装置が装備されている。
鉄路の等級
中国の鉄道には等級が存在します。日本でいえば幹線と地方線みたいなものでしょう。中国の《鉄路線路設計規範》の中に規定があり、旅客貨物輸送量によって 等級が決まります。中国の鉄道には3つの等級がありⅠ級、Ⅱ級、Ⅲ級に分かれ具体的には以下のように規定されます。
Ⅰ級鉄路:鉄路網の中核を担い 、年間旅客貨物輸送量2000万トン以上。
Ⅱ級鉄路:1.鉄路網の中核を担い 、年間旅客貨物輸送量2000万トン以下。
2.鉄路網での連絡、補助作用を担い 、年間旅客貨物輸送量1000万トン以上。
Ⅲ級鉄路:ある一区域での服務、地区の運輸性質を持つ鉄路、年間旅客貨物輸送量1000万トン以下。
駅の分類
駅の等級
中国の駅には等級が存在します。駅の等級には特等站、一等站、二等站、三等站、四等站、五等站の6等級があります。北京駅、上海駅は特等站に属するようですが詳しい規定については不明。
業務での分類
業務上の性質から3つに分類されます。
1.旅客駅(客运站):旅客専用の駅
2.貨物駅(货运站):貨物専用駅
3.貨客駅(客货运站):旅客と貨物の両方の業務を行う駅