ここでは乗車から降車まで簡単な流れを説明していきます。まず予備知識として以下の事を覚えて置いてください。
①日本のように自動改札ではありません。例外的に深圳や上海など和諧号を利用する時は自動改札がある。
②自由にホームに出入したりホームで待つことはできません。
③空港と同じように金属探知機とX線検査があります。
④日本のように駆け込み乗車はできませんので時間に余裕を持ちましょう。
駅に着いたら
切符を購入したら、いよいよ乗車なのですが最低でも発車1時間前には駅に到着するようにしましょう。入口は駅の中央付近にありますので、まずはここが最初の 関門になります。中国では日本のように自由に駅には入れませんので、ここで切符に表示されている列車番号と入口付近にある電光掲示板に自分が乗車する列車 番号が表示されているかを確認します。電光掲示板のない田舎の駅の場合はそのまま突入してください。列車番号が表示されていたら一緒に表示されている候车 室(待合室)の番号を覚えて入口へ突入です。入口では駅員が切符を確認していますので提示しましょう。電光掲示板に列車番号が表示されていない状態ですと 待合室がまだ開いていないので通してくれません。駅によっては切符の確認をしていないところもありますのでそういう場合は遠慮せずに入ってしまいましょ う。切符の確認がある無しだと候车室の状況は大きく変わってきます。切符の確認があると候车室の決まっていない乗客や切符を持たない関係のない人をつまみ 出してくれるので待合室は多少快適です。その代わり駅前は人で溢れかえっています。切符の確認無しだと深夜発の列車の乗客が候车室も決まっていないのに朝 から陣取っているなんてことがあります。さらに、乗客以外の人も紛れ込んでいますのでスリ、置き引きの危険性が増します。この違いは駅員のやる気の違いで しょう。
空港並みの保安検査
切符を提示したら次は金属探知機とX線検査が待っています。中国では駅でも空港並みの安全検査がありますので危険物はもちろん持ち込まないようにしましょ う。危険物を持ち込むと正直どんな目に遭うか分かりません。しかし、金属探知機での検査はいい加減なようで、自分はいつもブザーがなりますがそのまま素通 りしています。検査といっても本当に空港並みの検査を実施すると大混乱になるから金属探知機は形だけのようです。X線検査はごくまれに荷物を開けさせられ ている客がいるので、X線検査はきっちりと検査しているようです。まあ、一般の旅行客なら問題ないでしょう。検査の後に怪しい人民と思われると公安の身分 証確認が待っています。検査を通過したら候车室に向かいます。
候車室へ
さて、安全検査を通過したら待合室になる候車室(候车室)へ向かいましょう。途中に売店があれば食料、飲料を購入しても良いですが値段がスーパーで買うよ り割高です。はっきり言ってボッタクリ。小さな駅なら待合室は1つですが大きな駅だといくつもありますので候車室の電光掲示板に切符に表記された列車番号 を探しましょう。自分が待機する候車室を見つけたら、列車番号(车次)ごとに改札口がありますので乗車する列車の改札口に近い場所で待機しましょう。早く 駅に到着していれば椅子に座って待てますが1時間くらい前だと立っているか床に座り込むかして待つことになります。発車時刻まで1時間を切ると気の早い乗 客が改札口付近に並び始めますので常に周囲の状況に注意しましょう。のんびりしているといつの間にか行列ができていたなんてことになります。なるべく列に は前の方に並んでいないと後が大変です。
軟座(软座)や軟臥(软卧)の切符を持っていたら駅によっては専用の候車室がありますのそちらを利用しましょう。こちらは候車室がちょっと豪華になってお り改札も少し早く始まります。まあ、金持ちは優遇されるということですので軟座や軟臥の切符を持っていたら遠慮せず利用しましょう。
改札口は気合と根性で乗り切れ
発車30分前ぐらいから改札が始まりますがこの頃には改札口には長蛇の列が出来ています。改札口に駅員が現れいよいよ改札が始まるときには人民が一斉に列に 並ぶもしくは割り込みをして周辺は大混乱に陥ることもあります。中には改札を受けずに柵を乗り越えて突破する輩もいます。この危険な状態の中で改札口を通 過してホームへ向かいます。改札が終わったからといってもまだ安心はできません。ホームに向かう通路では乗客たちが我先にとホームへ向かっています。「列 車には乗れるんだから走らなくてもいいじゃん!」と考えていると乗車後が大変です。なぜなら、荷物の置き場所を確保しなければならないからです。日本と違 い乗客は大きな荷物をたくさん抱えており、網棚はすぐに満杯になってしまいます。のんびりしていると乗車したが荷物の置き場所がないということになります ので速やかにホームへ移動しましょう。
ある程度の都市の駅では茶座から有料で先にホームへ
人民の海に飛び込むのが嫌な人もいると思いますのでそんな方は茶座(サロン)から改札前にホームへ行くという方法があります。この方法はある程度の都市の 駅で使うことが出来ます。改札が始まる前に駅員が呼び込みをしており10元ぐらいで茶座から改札が始まる前にホームへ行き乗車できるというサービスです。 大都市の駅なら必ずあるので人民の海に飛び込むのが嫌な場合は茶座で先にホームへ行けるか聞いてから利用すると良いでしょう。
改札口は早めに閉まるので要注意
もし駅への到着が遅れた場合は最悪発車前でも乗車できない場合があります。中国では改札は発車時刻の5分前ぐらいに終了してしまいますのでこの点は注意し ておきましょう!何で早く改札が終わるのかって?人民に山手線のように駆け込み乗車されたらどうなるか分かるでしょ!
和諧号の場合は自動改札が導入されている
人 民の海に飛び込んで改札を突破するのが当たり前の中国ですが和諧号に乗車する場合は違います。候車室(候车室)に入る前に改札があるのです。しかも、上海 では磁気切符、深圳と広州ではIC切符の自動改札機が導入されているのです! 中国でも最新の設備が導入されて、さぞかし便利になったと思ったら実は大して便利にはなっていないのです。理由は簡単です。人民が自動改札機の使い方を知 らないのです。日本でsuicaが導入された頃はCMや駅にポスターを貼って使い方や利便性を宣伝していましたが、中国では和諧号に関してはニュース、新 聞などで大々的に取り上げていましたが、自動改札機はニュースで少し取り上げるだけでCMとかは一切無しなので当然ながら人民は使い方を知りません。です ので、自動改札機の前で田舎物丸出しの人民が見られるという事態に遭遇します。さらに、上海では磁気切符自体が普及していないので自動改札機がほとんど使 われていません。深圳では自動改札機に係員が常駐したりと自動改札機の意味が無くっている有様です。
列車に乗車
何とか改札を終えてホームに着いたら乗車する車両を探しましょう。中国では日本のように自由に乗車はできません。各車両の乗車口に乗務員が配置されており ますので切符に表示された車両をみつけて乗務員に切符を見せて乗車します。乗車する際は硬座に限っては99.9%と言ってよいほど乗客は並んでいませんの で体力勝負です。硬卧や软卧の切符の場合は乗車時もしくは発車後に切符と换票证を交換します。换票证は下車する一駅手前で車掌さんが切符に交換しに来ます ので失くさないようにしましょう。切符や换票证を失くしたり車内に置きっぱなしで途中の駅でホームに降りると再乗車できず荷物だけ終点に行く可能性があり ます。乗車したら荷物置き場の確保です。大きな荷物は必ず荷物棚に置くようにしなければいけません。何故なら座席下など床に荷物を置くと人民の痰や唾で汚 染されます。他にもガキが通路で小便をするので荷物が小便にやられるという事もありますので何としてでも荷物棚を確保しましょう。
無事に荷物置き場の確保ができたら発車まで席に座って待っているかホームに降りて売店で食料調達をするのもよいでしょう。但し、切符や换票证を持ってホームに降りましょう。荷物だけ出発では大変ですから・・・。
車内での過ごし方
列車が発車したらあとは目的地まで寝るなり風景を楽しむなりしてください。以下に車内の特徴を記してみたので参考にしてください。
車内の汚れ具合
ほとんどの列車は混雑しており、初めの30分ぐらいは綺麗ですが徐々に瓜子やみかんの皮などが床に散乱していきます。この傾向は席の等級が下になるほど顕 著に現れます。ある程度床にゴミが散乱してくると乗務員が掃除に来ますが、この汚れ方は日本の列車とは比べ物にならないほど早く、且つゴミの量が多いとい う恐ろしいものです。まあ、乗客の行動を観察して日本と中国の違いを比べるのも面白いです。
ト イレは1両に1つか2つ設置されていますがトイレットペーパーは99.9%ありませんので持参しましょう。というか、持参しないとやばいです。なお、トイ レは垂れ流し式なので停車駅が近づくと乗務員に鍵を掛けられて使用できないようにされてしまいます。もし、糞をしている最中に停車駅が近づいた場合は乗務 員に早く出てくるようにせかされます。なので、不便です。おまけに水の流れも悪く時間が経つに連れて汚れも凄くなっていきます。例えば人民の糞が的から大 きく外れていたりとか・・・。尚トイレは垂れ流し式なので便器内に財布を落とし流したら最後、ほぼ100%手元に戻る事はないでしょう。
車内販売と食堂車はボッタクリ
中国の鉄道にも車内販売があります。長距離列車になれば食堂車が連結されています。車内販売は日本と違い頻繁にあり且つ商品の種類もカップ麺、ビールから 果物まで豊富です。もちろん値段もボッタクリ。さらに中国では乗務員のよる靴下の実演販売や毛沢東グッズなど日本では見られない車内販売を楽しめます。長 距離列車に乗車していれば食堂車で食事を楽しむことができます。でも、料金が高いので金持ちしか利用できません。そこで、貧乏人には車内販売で快餐が用意 されています。内容は発泡スチロールの容器にご飯とおかずが入っています。価格は10-15元ぐらいとボッタクリ価格です。まあ、車内販売と食堂車は利用 せず前もってスーパーで食料調達が賢明です。完全に乗客の足元を見た商売です。
給湯器があるからカップ麺もOK
中国の列車には給湯器が設置されており、これのおかげで貧乏人はあらかじめ買い込んでおいたカップ麺で目的地まで食いつないでいきます。もちろんカップ麺 を食べるためだけに給湯器があるわけではありません。中国人はいつでもどこでもお茶を飲みますのでそのためにも給湯器があるのです。もし、給湯器が無けれ ば饅頭で目的地まで食いつなぐしかないので非常に重宝します。
夜になると身分証確認も
大都市へ向かう列車だと車掌と公安が身分証の確認に来ることがあります。香港の九龍行きなど国際列車は必ず身分証確認があります。
車内放送は中国名物?
中国の鉄道の特徴といってよいのが車内放送です。日本のように停車駅だけの案内ではありません。朝はラジオ、昼間から夜は音楽などが流されています。他に も主要都市の駅に近づくと都市の紹介をする放送もあります。日本だと苦情が来そうですが中国では当たり前になっています。外国人旅行客には評判悪いみたい だけど自分は車内放送が結構好きです。
到着後は出口へ
目的地に到着したら出口へ向かいましょう。ホームで写真撮影もよいのですが駅員の冷たい視線を浴びる前に撮影は済ませましょう。出口では駅員に切符を渡す と少し破いて返してくれます。日本と違い回収はしません。切符は領収書にもなるので仕事で出張の人は会社で出張費の清算時に切符を提出するのです。旅行者 にとっては記念品といったところでしょう。出口を出たら鉄道の旅は完了です。出口付近には宿の客引きなどがてぐすね引いて待ち構えていますので自力で突破 しましょう!