雲南省シャングリラ(香格里拉)→奔子欄
シャングリラ(香格里拉)→奔子欄
今日はシャングリラ(香格里拉)を一旦離れて奔子欄(奔子栏)へ向かう。奔子欄はシャングリラ(香格里拉)と徳欽の間にある小さな町で茶馬古道のルートにもなっているおり、茶馬古道の時代には馬幇たちの商隊が奔子欄で補給を整えて金沙江を渡って行ったそうだ。
事前に調べた情報によれば奔子欄に泊まる旅行者は少ない。普通は奔子欄で昼休憩をして徳欽へ向かうそうで宿泊するのは珍しいようだ。
11:45頃にユースホステルをチェックアウトする。3路のバスでバスターミナルの香格里拉汽車站の西にある飛馬彫像のロータリー(飞马雕塑转盘路)へ行く。飛馬彫像のロータリー(飞马雕塑转盘路)の西から奔子欄行きのバスが出ている。
既にバスには数人乗っており、運ちゃんに運賃と出発時間を確認する。奔子欄までは25元で14:00出発とのことであった。
バックパックだけ先に預けて香格里拉汽車站へ向かう。先ほどから急に腹の調子が悪くなってきた。緊急事態だ!バスターミナルの香格里拉汽車站のトイレへ向かう。料金徴収のおばちゃんに0.5元支払うが、トイレはウンコ山盛りの地獄絵図であった。しかも、鍵が壊れていてニーハオトイレ状態だ。0.5元払ってトイレがこれでは相当酷い。
しかも、欧米人も多数利用している香格里拉汽車站だ。これでは中国政府のメンツは丸潰れだ。大多数の中国人は、これが世界標準だと思っているのだろうか?習近平国家主席が、この事実を知ったらシャングリラ(香格里拉)の書記は免職だろうな。
香格里拉汽車站から飛馬彫像のロータリー(飞马雕塑转盘路)へ戻るが、ここで書松(书松)の乗り合いタクシーを見つける。書松(书松)行きだと東竹林寺や塔巴林寺に行くことが可能だ。
バスに戻り出発時刻を待つが、13:30頃、急に晴れていた天気が崩れて雷雨になる。山の天気は急変しやすい。
14:00ちょうどにバスが出発する。この手のバスは客が集まり次第出発というのが、よくあるパターンなのだが珍しく定刻通りの出発だ。乗車率は7割から8割といったところだ。おそらく途中でも客を乗せて満席となるのだろう。
奔子欄に到着
奔子欄までの国道214号の道路状況は概ね良好だ。雨季なので所々で崖崩れや落石の跡が見受けられたがバスは順調に進む。16:30頃、奔子欄に到着する。国道沿いはレストランが数軒あるだけだが、町の中には宿、食堂や商店がそれなりにある。町自体小さいので集中して並んでいる。
まずは宿探しで町のほぼ中心にある好運来客桟(好运来客栈)に決める。3人ドミトリーで1泊15元だ。久しぶりに激安の宿にあたった。
でも、安いには理由がある。客層が、かなりのおサルさんのようで廊下で痰を吐く音が頻繁に聞こえる。そして、何故か登記なしだ。外国人と分かって泊めているのか、元々全ての客が登記なしなのかは不明だ。それと、奔子欄は電力事情が悪いようで停電中であった。
17:00過ぎに奔子欄を少し探検してみる。国道214号沿いにはレストランが数軒ある。それと、チョルテンもあり地元民がコルラしていた。
そして、中国のド田舎では珍しい歩道橋があるではないか!水路と兼用となっているが、これで地元民が安全に道路を渡ることができる。
中国では交通ルールを守らないのが常識となっているので、車も歩行者も左右を確認しないのが当たり前なので歩道橋を設置することは非常に意味がある。このド田舎で人を轢いたら確実に、そのまま走り去るだろう。
奔子欄で金沙江の吊り橋を渡る
金沙江が雲南省と四川省の境界になっており橋を渡れば対岸は四川省だ。そこで橋を渡り四川省へ行ってみた。
雲南省側に戻るが、橋を渡るバイクはノーヘル2人乗りナンバープレートなしだ。中国はバイクはノーヘルでも特に問題ないようだ。
でも、ナンバープレートは付けていないといけないはずなのだが、四川省と雲南省ではほとんどのバイクはナンバープレートなしだ。これは法律が機能していないと言って良いだろう。
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
宿泊費 | 15元 | |
食費 | 26元 | |
バス | 1元 | 路線バス |
バス | 25元 | 香格里拉→奔子欄(奔子栏) |
トイレ | 0.5元 | 香格里拉汽車站のウンコ山盛りトイレ |
合計 | 67.5元 |
世界自然遺産 三江併流・金沙江大湾
徒歩で奔子欄→金沙江大湾
奔子欄(奔子栏)を07:30頃に出発する。宿の近くの市場前にはシャングリラ(香格里拉)行きのバスが停まっている。
ロンリープラネット雲南には08:10出発とある。既に乗客が数人乗っていた。
今日の目的地は徳欽なのだが、まずは金沙江大湾を目指す。奔子欄から乗り合いタクシーを利用してもよいが、それだとボッタクられるだけでつまらないので徒歩で行く。
ロンリープラネット雲南によれば奔子欄から金沙江大湾までは上り坂で4kmとある。気合いを入れれば2時間で何とかなりそうだ。奔子欄を出てすぐの道標には1945と表記されている。恐らくラサまで1945kmという意味なのだろう。
それと、道標にはチャリダーや徒歩族の落書きが書かれている。上り坂で苦しめられて恨みの一言でも書きたい気持ちはわかるが、公共物に落書きするのは問題だ。さて、気合いを入れて国道214号を歩くが、08:00頃に雨が降ってきて道路脇の木の下に避難する。15分ほど様子を見るが雨は止みそうにないので強行軍で進む。
上り坂を上っていくうちに雨が止んで目の前にタルチョが見えてきた。タルチョで休憩をする。
休憩後、再びひたすら歩くが、後ろからチャリダーが追い抜いていく。追い抜いてくと言っても、ほとんど歩きと同じ速度で相当苦しそうだ。5人ぐらいのチャリダーに追い抜かれたが、ほとんどが単独だ。理塘のようにチャリダー軍団はいなかった。
1kmごとに休憩をとりながら進んでいくと休憩中のチャリダーに遭遇する。チャリダーから話しかけてきたので色々と情報を仕入れる。
奔子欄はチャリダーの補給基地になっているようで1泊するようだ。奔子欄を出発したら書松(书松)で休憩をとって徳欽を目指すそうだ。ただ時間や体力の問題がある場合は書松(书松)で1泊して、翌日、徳欽へ行くようだ。
徒歩族は書松(书松)で1泊でないと無理だそうだ。チャリダーから情報を仕入れたが、こちらが日本人と知って相当驚いていた。まあ、こんな所を日本人がバックパック背負って歩いているなんて考えられないよな。
休憩を終えてチャリダーが出発して自分も出発する。ひたすら歩くが、既に奔子欄から4km歩いたが、まだ金沙江大湾に到着しない。
ロンリープラネット雲南の奔子欄から金沙江大湾まで4kmというのは直線距離のことなのだろう。そうすると山の上まで歩かないといけないのだろう。一気に士気が下がってきます。とにかく歩かなければ金沙江大湾にはたどり着けない。頑張って歩くが太陽がでてきて急に暑くなってきた。
上着脱いでTシャツで歩くが汗が噴き出す。おまけに蝉が鳴き出して暑さ倍増です。8月とはいえ2000m以上の高地で蝉が鳴いているとは予想外であった。
世界自然遺産 三江併流の金沙江大湾
暑さに負けそうになったが、前方に金沙江大湾の看板が見えてきた。あと少しのようだ。
少し士気が回復して、10:50頃、ようやく金沙江大湾に到着した。奔子欄から金沙江大湾まで約6.5km、約3時間20分の道のりであった。
金沙江大湾の入場料は単独だと30元なのだが、現在は梅里雪山国家公園の金沙江大湾、飛来寺、霧濃頂の150元のセット券(套票)からの販売で金沙江大湾だけでは販売していない。自分は明永氷河までの228元のセット券(套票)を購入する。
セット券(套票)には特に有効期限は表記されていなかったが、8月中は大丈夫だろう。徒歩族じゃ全部回るのにも2~3週間ないと苦しいだろう。特に雨崩村のセット券(套票)は本当に1ヶ月欲しいよ。入場券をよく見ると世界遺産のロゴがある。金沙江大湾なども三江併流の区域だから当然か。
眼下に広がる金沙江大湾。そして、金沙江大湾に沿って道路がありトラックが小さく見える。
金沙江大湾で徳欽行きバスを捕まえる
昼頃、金沙江大湾の見物を終えて国道214号で徳欽行きのバスを待つ。この時間だとシャングリラを09:20に出発したバスが奔子欄で昼休憩をとっているはずだ。
バスを逃さないために車から見える位置にバックパックを配置して旅行客がいることをさりげなくアピールする。ただし、最近はヒッチハイカーがタダで乗せてもらうために各地で出没しているので、間違われないようにしないといけない。
国道脇で待機すること約30分、12:30頃に徳欽行きのバスがやってきた。両手を振って運ちゃんにちゃんと分かるようにアピールする。そして、間近に来ても両手を振って運ちゃんの目を見て客であることをアピールする。
バスは少し通り過ぎた所で停車したので、すかさず走ってバスへ向かいドアを叩く。ドアが開いたら徳欽までいくらかの料金交渉だ。40元ということで、待ってもらって荷物を取りに行く。(徳欽→奔子欄は36元)バスに乗車したら空いている席に座って作戦完了だ。バスに乗ったら安心だ。
幸い空席があったので乗れたのだが、奔子欄あたりで降りた客がいるのかもしれない。
バスは徳欽へ向かって順調に走っていく。途中の東竹林寺で旅行客を1人降ろして、書松(书松)で客を乗せ、15:15頃、徳欽に到着する。
バスターミナルにはチベットの昌都や芒康行きのバスが停車している。外国人が乗りたくても乗れないチベット行きのバスだ。まあ、今回は雨崩村から戻ったらチベット行きに挑戦してみるけど。上手く行くかは別だが。
徳欽は電力事情が悪い?
さて、今日の宿は徳新楼だ。徳新楼はロンリープラネット雲南や旅行人チベットにも掲載されているバックパッカー定番の宿だ。1人部屋で1泊40元だ。
でも、停電中だ。このところ停電している宿によく当たる。宿と言うより町や村だ。四川省の亜丁村、昨日の奔子欄、そして、徳欽だ。
これは工事による停電ではなく、強制的に停電させられているような気がする。ド田舎への電力供給を止めて、その分の電力を都会へ供給しているような気がする。でも、理塘や甘孜もド田舎だけど電力供給されていたのは、やはり暴動が起きてしまうという事だろうか?停電の本当の理由が気になる。
宿が決まり明日の明永村へのバスの切符を買いに行く。しかし、バスターミナルでは切符は売ってくれなかった。乗車して運賃を支払う方式であった。明永村へのバスは明日の朝確認ということになった。
一区切りついたので夕飯を食べに行く。四川料理の店で蛋炒飯を食べる。15元で高い。でも、徳欽は辺境で物資が自給できないので物価が高いのだ。
徳欽の町を歩くと停電中だけど発電機のある所だけ電力が確保されている。主に電力の確保されている場所は携帯電話の基地局だ。そして、金融機関も通常通り機能している。さらに一部のホテルやレストランも発電機が設置されていた。
ちなみに中国農業銀行のATMはVISAやMASTERのマークが付いていた。
徳欽の中心街である南平街を歩いていると、恐らく徳欽で一番大きなスーパーと思われる「爱家购物广场」を見つける。ここで食料を購入と価格調査をしておく。
インスタントラーメンとジュースを購入する。ジュース450mlが1.9元で安かったのだが、これには訳がある。蓋を見ると期限が迫っているからだ。こういうワケあり品が特売品として田舎に流れてくるのだろうか?
それと、お釣りに飴玉2個が混じっていた。1角札が無いようで0.2元分が飴玉になった。
シャングリラ→奔子欄→徳欽のまとめ
- シャングリラ(香格里拉)→奔子欄(奔子栏)のバスは香格里拉客運站の西にある飛馬彫像のロータリー(飞马雕塑转盘路)付近から14:00出発で25元。
- シャングリラ(香格里拉)→奔子欄(奔子栏)の道路状況
国道214号の路面は概ね良好。
トラックなど大型車多い。
土砂崩れ数カ所あり。 - シャングリラ(香格里拉)→奔子欄(奔子栏)の所要時間は約2時間半
- 奔子欄(奔子栏)には、16:30頃に到着
- 奔子欄(奔子栏)は停電多く電力事情は悪い
- 奔子欄(奔子栏)→シャングリラ(香格里拉)のバスは翌朝08:10?に中心部の市場付近から出発。
07:30にはバスが停車して客が乗っていた。 - 奔子欄(奔子栏)→金沙江大湾は約6.5kmの上り坂、徒歩で約3時間20分。
- 金沙江大湾の単独入場券の販売はなし。
最低でも飛来寺景区、金沙江大湾景区、霧濃頂景区のセット券(套票)150元を購入する。 - 金沙江大湾→徳欽のバスは40元。
シャングリラ(香格里拉)からのバスを上手く捕まえる。 - 金沙江大湾→徳欽の所要時間は約2時間15分
- 金沙江大湾→徳欽の道路状況
国道214号の路面は概ね良好。
一部工事区間あり。
土砂崩れ数カ所あり。
シャングリラ→奔子欄→徳欽のGPSデータ
あくまで参考データです。
実際に使用してデータが違っていたとか、公安に捕まった等の苦情は受け付けませんのであしからず!
- 香格里拉客運站
- N 27°50’22.01″
- E099°42’35.78″
- 香格里拉・得荣・徳欽の三叉路
- N 28°10’11.16″
- E099°23’20.45″
- 金沙湾大橋
- N 28°14’25.31″
- E099°18’22.74″
- 奔子欄の宿 好運来客桟(好运来客栈)
- N 28°14’29.31″
- E099°17’58.47″
- 奔子欄と金沙江大湾の間にあるタルチョ
(崖下にゴンパらしき建物あり) - N 28°14’51.71″
- E099°16’52.09″
- 金沙江大湾
- N 28°15’29.00″
- E099°16’27.55″
- 東竹林寺
- N 28°15’43.34″
- E099°13’59.66″
- 書松村(书松村)
- N 28°16’31.80″
- E099°11’20.75″
- 白馬雪山観景台
- N 28°18’23.44″
- E099°08’59.16″
- 峠(4237m)
- N 28°20’13.29″
- E099°04’40.21″
- 峠(4296m)
- N 28°21’07.64″
- E099°02’46.33″
- 峠(4329m)
- N 28°23’00.91″
- E099°00’19.99″
- 徳欽汽車站
- N 28°29’15.02″
- E099°54’52.65″
- 徳欽の宿 徳新楼
- N 28°29’11.86″
- E099°54’56.29″
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
宿泊費 | 40元 | |
食費 | 34.7元 | |
バス | 40元 | 金沙江大湾→徳欽 |
梅里雪山国家公園 | 228元 | 金沙江大湾・飛来寺・霧濃頂・明永氷河 |
合計 | 342.7元 |
雲南省徳欽→飛来寺
飛来寺へ
06:00頃に起床して出発準備を整える。外は霧が出ており遠くが見えない。06:30頃、宿をチェックアウトして徳欽汽車站へ向かう。西当温泉行きのバスが既にバスターミナルの外で待機している。
明永村行きのバスは見当たらない。バスターミナルの中を探しても見当たらない。バスターミナルのおばちゃんがいたので明永村行きのバスがないか聞くと午後にあるという。ロンリープラネット雲南だと07:00と15:00の1日2本とあったが1日1本であった。
予定を変更して西当温泉行きのバスに乗り飛来寺を目指す。06:45頃にバスが出発する。飛来寺までの運賃は5元だ。バスの乗車率は6割ぐらいといったところだ。
朝霧の中をバスが進んでいき、07:15頃、飛来寺に到着する。飛来寺には宿が多数あるが、まずはユースホステルへ行ってみるが満室だった。朝の時間帯なので、まだ部屋が空いていないそうだ。仕方ないので、ロンリープラネット雲南に載っていた、守望6740へ行ってみる。
あいにく1泊30元のドミトリーは満室だが、空いたらチェックイン(登記)すればよいという事でレストラン兼共有スペースで待たせてもらう。ここは境外人員接待証があるので外国人OKの宿だ。
天気の悪い飛来寺
ここの宿は国道沿いに面しており梅里雪山が一望できる絶好の立地条件だ。外の国道には梅里雪山の写真を撮ろうとする観光客が見受けられる。ここの宿は梅里雪山を撮ろうとする観光客には最適の宿だろう。
雲に隠れている事が多い梅里雪山だが、この宿なら夏でも冷える外で待たずに中で待つことができる。シャッターチャンスが来たら外へ出ればいいのだ。
08:50頃、前の国道をチベットの塩井行きのバスが通る。客を乗せていたが身分証を確認している様子がない。上手く行けばバスに乗れそうな気がする。無事に検問を突破できるかは謎だが。09:15頃には芒康行きのバスが通過する。芒康行きのバスは自転車や荷物を満載しており、飛来寺からの乗車は無理そうだ。
11:00頃、飛来寺景区へ行ってみる。飛来寺景区周辺には宿や食堂が十分にある。ユースホステルも2軒あった。
飛来寺景区周辺は朝はチベットやシャングリラへ向かう観光客や車で賑やかだが、昼近くになると人通りが少なくなる。
飛来寺景区からは梅里雪山は見えなかった。梅里雪山の見えない飛来寺景区はぼったくりだ。
飛来寺
飛来寺景区から1km弱ほど徳欽方面へ戻った所に「南卡扎西寺庙」の標識がある。ここが飛来寺だ。一般的には飛来寺といえば梅里雪山を見る飛来寺景区を指すが、この寺が本当の飛来寺だ。
パンチェン・ラマが訪れた記念に建立された寺だが、寺自体は非常に小さい。参拝客はいなかった。
宿に戻り今後の計画を練っていると、タクシーの運ちゃんが2人やって来た。このパターンは四川省稲城で経験しているので、相手にせずにおく。貧乏バックパッカーを相手にするより金持ちの中国人に声を掛けろよ!必要になったら、こちらから声をかけるから!
夕方の梅里雪山
夕方になり梅里雪山の雲が少なくなってきた。写真撮影の観光客が国道に集まってきた。この時期では貴重な撮影機会のようだ。
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
宿泊費 | 30元 | |
食費 | 15元 | |
バス | 5元 | 徳欽→飛来寺 |
合計 | 50元 |
明永氷河を目指して 飛来寺→明永村
バスで飛来寺→カワカブ大橋
06:00頃に起床して明永氷河への出発の準備を整える。夜明け前であるが外の国道には梅里雪山を見ようと観光客が集まっているが、梅里雪山は雲に覆われている。
07:00過ぎに宿をチェックアウトして飛来寺景区の入口と梅里青年旅社の辺りで西当温泉行きのバスを待つ。本来は明永行きバスに乗車しないといけないのだが、明永行きのバスがないので西当温泉行きバスで途中のカワカブ大橋(卡瓦格博大桥)まで行き、そこから徒歩で明永氷河へ向かうという作戦だ。
西当温泉行きのバスを待っていると、西当温泉行きのバスが徳欽方向ではなく反対の西当温泉やチベット方向からやってきた。既に西当温泉行きのバスは飛来寺に来ており客を拾いながら回っていたようだ。
今日は西当温泉行きのバスに乗り途中の瀾滄江の橋を渡ったT字路で下車して徒歩で明永村へ行く。バスは07:30に出発するということで、まだ時間がある。
バスに乗車して待つことにするが、乗客は19人乗りのバスで4人ほどだ。女性の乗客2人組から雨崩村に行くのか聞かれ、明永氷河へ行くと言ったら、運ちゃんが明永氷河に行かないと言って降ろそうとするので、瀾滄江の橋で降りて徒歩で明永氷河へ行くと説明して難を逃れる。
07:30頃にバスが出発する。満席で1人座れなかったのがいるが、定員オーバーでも多少のことは中国では問題なしになってしまう。バスは国道をチベット方面へ走っていき、途中で梅里雪山景区への道へはいる。
道路状況は舗装されており良好だが、土砂崩れと落石の跡が数カ所あった。08:30頃、瀾滄江に架かるカワカブ大橋(卡瓦格博大桥)の手前で梅里雪山景区の入場券売場に到着する。ここで明永氷河や雨崩村の入場券を持たない観光客は入場券を購入する事になるが、事前に入場券を購入していたのは自分だけで、残りの乗客全員が入場券を購入する。
しかし、梅里雪山景区の入場券はセット券(套票)のみの販売で雨崩村だけの単独入場券の販売はない。雨崩村は80元だが、飛来寺などの部分が150元で雨崩村だけに行くのでも合計の230元を払わないといけない。
そうなると当然のごとく不満の声が聞こえてくる。これは、ドラクエⅡに売れ残りのソフトを抱き合わせ販売しているのに近い。乗客は色々と不満を言ってはいるが、皆仕方なくセット券(套票)を購入している。
しかし、嫌々購入しているので時間がかかっており運ちゃんが早くするように催促している。橋の工事で道路の通行止めの時間が迫っているようだ。
08:45頃、瀾滄江の橋を渡った所でバスを降りて徒歩で明永村へ向かう。
カワカブ大橋から徒歩で明永村へ
カワカブ大橋(卡瓦格博大桥)から先は未舗装の悪路を瀾滄江に沿って約1km歩く。
分岐点になり舗装された道路になった。ここに通行規制の看板が出ていた。カワカブ大橋(卡瓦格博大桥)の補修工事で通行止めになるようだ。
上り坂が続きこまめに休憩をとりながら進む。晴れているので日差しが強く日陰を見つける度に休憩をとる感じだ。途中でチョルテンの建設現場に差し掛かると工事のおっちゃん2人に休んで行けと言われ少し休む。
徒歩で明永村へ向かう旅行者は珍しいようで声をかけたみたいだが、日本人だと分かると更に驚いていた。再び歩くと道路脇に湧き水があったりするので顔を洗ったりする。さすがに生水を飲むのは下痢しそうなのでやめておく。
明永氷河の明永村
明永村の入口に差し掛かると民家や畑が見えてきた。明永村はブドウ栽培が盛んなようでトウモロコシ畑に混じってブドウ畑が多い。
11:10頃、明永村に到着する。今日の宿はロンリープラネット雲南に掲載されていた崗堅賓館(岗坚宾馆)だ。しかし、中には誰もいない。誰か来るまで待たせてもらうことにするが、チェックアウトする客しか遭遇しなかった。しばらくすると、ようやく老板がやってきた。
1泊いくらか聞くと100元とかぬかすので、もっと安いのがあるだろと聞くと1泊30元のドミトリーがあった。ドミトリーは賓館ではなく、道を挟んで向かい側の老板のチベット式民家の自宅にあった。老板は普段は賓館にいないようで自宅にいるようだ。とりあえず宿は確保した。
13:00頃、明永氷河の入口を確認しに行く。明永氷河の入り口にはチョルテンがあり、駐車場になっている。明永氷河の入口が村で一番賑やかな場所で宿と食堂が数軒ある。でも長さは50m無いかもしれない。
しかし、明永村はハエが多い。宿もハエが多かったが、他の客桟や売店でもハエが飛び交っていた。氷河の近くで、こんなにハエがいるなんて異常としかいえない。衛生状態はかなり悪い印象を受ける。
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
宿泊費 | 30元 | |
バス | 20元 | 飛来寺→カワカブ大橋(卡瓦格博大桥) (西当温泉行きバスに乗車) |
合計 | 50元 |
梅里雪山 真夏の明永氷河
明永氷河までトレッキング
06:00に起床して、すぐに明永氷河へ向かう。外はまだ暗く誰もいない。もちろん明永氷河の入口には誰もおらず、そのまま素通りして登山開始。今日は一番乗りで明永氷河を目指す。
氷河から流れる川の音だけが辺りに響き周囲は状況はよく分からないが、道なりに山を登っていく。夜が明けて辺りが明るくなるが山道は険しくなる。何度も休憩しながら進むが、第一目標の太子廟にたどり着かない。
07:30過ぎに後方にチベット人4人組の観光客が迫ってきて追い抜かれた。チベット人は基礎体力が違うので、中年の日本人など相手にもならない。山道の途中で休憩所があり、ここから少しの距離だが桟道が設置され歩きやすくなった。
08:30頃、ようやく太子廟に到着する。ここにはラマ僧が1人住んでおり修行中であった。内部を拝観していると例の写真がありました。リタンのようにでかい写真はないのですが、ご禁制の観音菩薩の化身でノーベル平和賞を受賞した非常に徳の高い高僧の写真です。まあ、ある所にはあるのですね。
太子廟の次は明永氷河の観景台へと思ったけど、太子廟の裏の売店とレストランの所で明永氷河と蓮華寺の分かれ道になっており、先に蓮華寺へ向かうが山道がさらに険しくなる。
途中で長寿水という湧き水で休憩する。生水は避けた方がよいのだが、あまりの冷たさに負けて飲んじゃいました。長寿水を飲んで再び山道を歩く。
蓮華寺
山道から明永氷河が見えてくると、お香の匂いがしてきた。さらに歩くと蓮華寺に到着する。蓮華寺にはラマ僧は住んでいないようで、管理人のおっちゃんが一人住んでいた。
蓮花寺は創建時期は不明だが徳欽地区で最古の寺で文化大革命により破壊されたが2000年に再建された寺だ。
蓮華寺の裏からは明永氷河が見えた。時折、氷河が崩れる音が周囲に響く。
明永氷河
蓮華寺の次は明永氷河の観景台だ。下り坂だから楽勝だと思っていたが間違いであった。雨が降ったせいで滑りやすく危険なのだ。さらに坂が急なので下り坂でも慎重に歩かなければならない。足への負担はかなりある。足の疲れが酷い状態で明永氷河の観景台に到着する。
しかし、ここで雨が降ってきた。こういう時になぜ雨が降ってくるんだ。明永氷河の観景台で天気の回復を待つ。
雨が止んで晴れてきて、ようやく氷河の迫力を目の当たりにできた。天気は晴れたが梅里雪山の頂上付近が雲に隠れて残念な状態だが氷河はしっかり見られた。
この明永氷河は世界中の氷河の中でも低緯度に位置する珍しい氷河だ。夏は気温が高いのだが冬に大量の降雪があるために夏でも氷河が残っているのだ。しかし、地球温暖化の影響で年々氷河は後退しているという。
12:15頃、氷河を見たので、この後は戻るのだが、結構急な山道なので下りるのも大変だ。雨が降ったせいで滑りやすく、何度も転びそうになる。足の疲労も相当なものだが、何とか今日中に飛来寺まで戻りたいので気合いで歩く。麓で待機している馬が見えてきて、13:25頃、明永氷河の入口に戻ってきた。
日中合同登山隊の慰霊碑
GPSを確認すると2345mの地点まで下りていた。所要時間は約7時間、高低差が約800m、移動距離が約17kmであった。
明永氷河の入口には1991年にチベット仏教の聖山カワカブ登頂に挑戦し遭難した日中合同登山隊の慰霊碑があった。
徒歩で明永村→カワカブ大橋
13:30頃、宿に戻り、13:45に宿をチェックアウトする。12:00を過ぎていたが老板娘に追加料金を取られずに済んだ。それより、歩いてメコン川の入場券売場へ戻ろうとしていることに驚いていた。
既に足の状態が限界に近いのだが、さらに荷物にバックパックが追加になり、6km先の瀾滄江(澜沧江、メコン川の上流)を目指す。明永村からは下り坂が続くが舗装道路なので、明永氷河の山道よりはマシだ。下り坂の途中で、昨日の湧き水の場所に到着する。ここで、顔を洗って少し休憩する。いい感じの冷たさの水だったので飲んでしまう。
体力を回復させて再び歩くが、建設中のチョルテンの前で昨日のおっちゃん2人がおり、おっちゃんたちに呼び止められ休憩していく。こんな所を歩いている日本人は珍しいようで、何で車を拾わないんだと言っていた。
チョルテンを離れ瀾滄江を目指す。舗装道路が未舗装道路になりメコン川沿いを歩く。ここで足がもつれ転ぶが、まだ何とか歩ける。谷側に転んでいたら瀾滄江に落ちて水葬となっていたところだ。
メコン川沿いに歩いていくと通行規制で足止めになる。これから発破作業が行われるという事で、16:00頃に橋の手前で足止めになる。
発破が行われ爆音と土煙が舞い上がる。安全確認が行われ歩行者の自分だけ通行可になる。車は通るスペースがないので通行止めのままだ。
漢族とチベット人と一緒にタクシーで飛来寺へ
16:20頃、入場券売場に到着する。明永村から入場券売場まで約7kmあり、今日は既に25km歩いたことになる。しかも、平地でなく山道だ。ここで飛来寺方面のバスなりタクシーを拾う。
しかし、車は通行止めのままだ。通行規制が解除されるのは17:00だ。それまでここで休憩だ。休憩していると漢族とチベット人2人組が、いつの間にか近くにいた。話を聞いていると雨崩村から戻ってきたようだ。
そして、こんな所にいるバックパッカーは気になるようで話しかけてきた。日本人という事が分かると驚いて、さらに朝6時から明永氷河まで行って徒歩で瀾滄江沿いの入場券売場まで戻ってきた事に驚いていた。2人組は飛来寺へ戻るので一緒にタクシーなりバスを捕まえて戻ろうという事になった。
しかし、バスなりタクシーが通るかは分からない。シャングリラのチベット人は、この付近で泊まるような所はなく飛来寺へ必ず戻らないといけないという。もし、この付近で宿泊したら毒を盛られて危険だという。冗談だと思うが顔は真顔であった。
17:00になり通行規制が解除された。もし、バスやタクシーが来たら止めて1人20元で乗せてもらえるようにシャングリラのチベット人が交渉するという作戦だ。この辺りの運ちゃんはチベット人なので外人や漢族だとカモになってしまうからだ。数台のバスが来たがツアーバスだったので止まってくれず。
しかし、客のいないタクシーが来た。漢族と自分で道を塞ぎタクシーを止める。そして、シャングリラのチベット人が交渉開始!1人20元で交渉が成立して、17:15頃、タクシーで飛来寺に向かい、17:55頃、飛来寺に到着する。
ここで2人組と分かれて、ユースホステルの飛来寺覚色滇郷青年旅舍(飞来寺觉色滇乡青年旅舍)Deqin Feilai Temple youth hostelへ向かう。10人ドミトリーが空いており、1泊20元(会員料金)で宿泊する。
今日は非常に疲れた。歩きすぎで靴下は穴が空いてだめになった。
明永氷河のまとめ
- 徳欽(德钦)→明永村のバスは観光シーズンなのに運休していた。
- 飛来寺→明永村の乗り合いタクシーは1人25元だが人数集まらないと出発しない。
チャーターは片道250元、往復300元。 - 飛来寺からは西当温泉行きのバスと徒歩で何とかなる。
徳欽発、西当温泉行きのバスで西当温泉と明永村の分岐点のカワカブ大橋(卡瓦格博大桥)まで行き、徒歩で明永村へ行く。 - 徳欽→西当温泉のバスは飛来寺景区の入口近くを毎朝07:30に出発して、約1時間15分でカワカブ大橋(卡瓦格博大桥)に到着。
- カワカブ大橋(卡瓦格博大桥)を渡って左(下流)が西当温泉、右(上流)が明永村への道。
- カワカブ大橋(卡瓦格博大桥)の手前にチケット売り場がある。
飛来寺景区、霧濃頂景区、金沙江大湾の150元のセット券か飛来寺景区、霧濃頂景区、金沙江大湾、雨崩村の230元のセット券を持っている場合は明永氷河の単独券78元を購入する。
セット券を持っていない場合は、飛来寺景区、霧濃頂景区、金沙江大湾、明永氷河の228元のセット券を購入する。 - カワカブ大橋(卡瓦格博大桥)→明永村は徒歩で約2時間。
- 明永村は宿が数軒あるが、明永氷河の景区入口に集中している。
- 明永村はハエが多い。
- 日の出前の06:00は景区入口の小屋に誰もおらず入場券の確認なし。
- 景区入口(標高2345m)から約2時間半で太子廟(太子庙)(標高2904m)に到着。
道は険しい。 - 太子廟(太子庙)(標高2904m)から蓮華寺(莲花寺)(標高3194m)は約1時間、道は非常に険しいが寺の裏から明永氷河が見える。
- 太子廟(太子庙)(標高2904m)から明永氷河観景台(標高3073m)は約1時間、階段がきつい。
- 馬で行く場合は景区入口→太子廟は往復200元、景区入口→蓮華寺は往復250元。(太子廟-蓮華寺は道が険しいので片道のみ乗馬)
- 景区入口に日中合同登山隊の慰霊碑がある。
明永氷河のGPSデータ
あくまで参考データです。
実際に使用してデータが違っていたとか、公安に捕まった等の苦情は受け付けませんのであしからず!
- 飛来寺景区
- N 28°26’30.35″
- E098°52’35.04″
- カワカブ大橋手前の入場券売場
- N 28°28’04.29″
- E098°49’03.39″
- カワカブ大橋(卡瓦格博大桥)
- N 28°27’52.95″
- E098°48’55.32″
- 明永村の宿
崗堅賓館(岗坚宾馆) - N 28°28’17.39″
- E098°47’21.64″
- 明永氷河景区入口
- N 28°28’16.77″
- E098°47’07.47″
- 太子廟(太子庙)
- N 28°27’23.33″
- E098°45’52.92″
- 明永氷河の売店(太子廟の裏)
- N 28°27’18.69″
- E098°45’48.09″
- 明永氷河観景台
- N 28°27’20.25″
- E098°45’26.44″
- 蓮花寺(莲花寺)
- N 28°27’25.12″
- E098°45’24.59″
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
宿泊費 | 40元 | 1泊20元×2 |
食費 | 15元 | |
タクシー | 20元 | カワカブ大橋(卡瓦格博大桥)→飛来寺 |
合計 | 75元 |