セラ寺
1015頃、北京東路から503路のバスに乗車してセラ寺(色拉寺)へ向かう。セラ寺への途中には武装警察が警備しているのが見えた。1040頃、終点に 到着。運賃は2元。
参道を歩いて行くと入口が見えてきた。入場料は50元なので外から見るだけである。
入口で写真を撮っていると公安のおっちゃんが「何処から来たんだい?」と訊いてくるので「日本から来た」と返答するが通じなかった。でも、特に問題は無い様でセラ寺の外をコルラしながら見物する。
セラ寺はデプン寺、ガンデン寺に並ぶゲルク派三大寺院のひとつ。1419年に建立され最盛期には5500人の僧が修行していたそうだ。チベットが鎖国していた頃には日本人である事を隠して河口慧海や多田等観がセラ寺でチベット仏教を学んでいた。
セラ寺の外をコルラするのに金は要らないので貧乏旅行者には最適だ。巡礼者に混じってコルラをしつつ裏山に登って写真撮影をする。
そして、セラ寺の裏手には大量のタルチョがあり、如何にもチベットという雰囲気を味わえる。
公安の職務質問
セラ寺の東側を歩きながら岩に描かれた壁画を撮影したりする。途中に武装警察が警備していたが特に問題は無かった。
セラ寺からはラサの街が見えてポタラ宮も見える。ついでに地元民が石を投げて遊んでいる。
セラ寺から見えるポタラ宮を撮影して入口へと戻るが何やら後ろから誰かが呼びかけている。誰かと思えば公安の兄ちゃんだ。公安の兄ちゃんが「ここで何している?何処から来た?」と訊くので「旅行。日本から来た。」と返答。
そして、公安の兄ちゃんと愉快な仲間たちが集まってきて撮影していた物が気になるようで職務質問となり寺の入口へ。別に武装警察や公安の写真は撮っていないので問題ないが、どうやらポタラ宮を撮った時に前方で石投げて遊んでいたのは地元民でなく公安の兄ちゃんたちだったようで、休憩中かサボって遊んでいたのかは知らないが撮られたと勘違いしたらしい。
寺の入口ではさっきの公安のおっちゃんがベンチに座って同僚たちと談笑中。公安の兄ちゃんが「隊長!」とか呼ぶと公安のおっちゃんがこちらへ来た。あのおっちゃんは隊長だったみたいだ。
で、公安の兄ちゃんの報告を受けて日本人がうろついていた事を知る。隊長、気がつくのが遅いよ。最初に訊かれた時に日本人って言ったのに・・・。で、いつの間にか隊長の周りには部下10人ほどが集まっている。日本人が珍しいのか、よほど暇なのだろうか?
まあ、とにかく面白い事になってきた。隊長が携帯電話で何処かへ連絡して、デジカメの画像を確認という事になり一緒に見る事になるが風景だけなので特に問題は無い筈だ。確認後に隊長が携帯電話で再び連絡している。隊長より偉い人の所だろうか?
風景だけなので問題無しという事で 「帰っていいよ」という事になり職務質問は10分ほどで終了。そういえば、パスポートや入境証の確認はしていないな。まあ、いいか。1150頃、503路 のバスに乗車してラサ市内へ戻る。
ネットに繋がらない
一昨日から回線工事でネットに繋がらないのだが、今日の午後になっても未だに繋げずにいる。レセプションで「ネットに繋がらないニャン。どうなっているニャン?」と訊くとチベット人の姉ちゃんの「3日後にならないと繋がらないワン」 との答えに「困ったニャン」。本当に困った。HP更新できないよ。
ドミにアムドのチベット族がやって来た
夜になりドミに男3人組のチベット人がやって来た。チベット語の話せるA先生が3人組と話を始める。自分はちょうどニコニコ動画かyoutubeでDLした激流中国を見ていた。もちろん見ていたのは第6回「チベット 聖地に富を求めて」だ。
3人組のチベット人はアムドの出身で1人はラプラン寺がある夏河の出身だった。 しかも、大学で英語を専攻して博士号まで取得しておりチベット人の希望の星である。相当の努力家だ。どうりでチベット族なのにメガネをかけている訳だ。
でも、A先生が去年のチベット騒乱の事を訊いたら何も答えられないという事であった。複雑な大人の事情があるようだ。まあ、「壁に耳有り障子に目有り」で何処に共産党の諜報員がいるか分からないし・・・。
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
食費 | 12元 | |
バス | 4元 | 路線バス |
合計 | 16元 |
ネチュン寺
0940頃、北京東路から301路のバスでデブン寺へ向かう。車内は9割以上がチベット族で1010頃、デブン寺の近くに到着したようでほとんどの客が降りるので自分も一緒に降りる。運賃は2元。
山の方にゴンパが見えるので恐らくあれがデブン寺だろう。山への道を歩き始めるがテブン寺へ向かうバスが停車している。バスには巡礼者が乗車して発車を待っている。自分はバス代をケチって歩いて行く。
途中で道路が分岐しておりネチュン寺(乃琼寺)へ行ける様になっていたので、ちょっと見物していく事にする。1030頃、ネチュン寺に到着する。
どうせ入場料取られるから入口だけ見物と思っていたら入場券売場が無い。 警戒しながら中に入り素早く撮影。本殿内は真っ暗で撮影できなかったのでデブン寺へ向かう。
デブン寺
1100頃、デブン寺(哲蚌寺)に到着する。デブン寺はセラ寺、カンデン寺と並ぶチベット仏教ゲルク派三大寺院のひとつである。
1416年にゲルク派の教祖ツォンカパの弟子ジャムヤン・チュジュが創建しダライ・ラマ5世まではデブン寺で政務を執っておりダライ・ラマ14世もここで学んでいたとされている。さて、肝心の入場料なのだが入場券売場で訊くと冬は半額の25元と言われて心が揺れたが入口だけ見物で終了だ。
入口というか駐車場には土産物屋が数軒有り観光客と巡礼者が見物していた。
ラサは武装警察が守る
デブン寺からの帰りにバスから武装警察を撮影する。やっぱ、武装警察はかっこいいですねぇ。ラサの平和を守る為に24時間各所で警備しています。これで漢族は枕を高くして眠れるのでしょう。でも、チベット人は枕を高くして眠れるのだろうか?何時になったら武装警察の警備は無くなるのだろうか?
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
食費 | 15元 | |
バス | 4元 | 路線バス |
合計 | 19元 |
ジョカンとバルコル
1030頃、A先生とジョカンの近くへトゥクパを食べに行く。食後はA先生と別れてジョカン周辺を見物する。
ジョカン(大昭寺)は相変わらず巡礼者で賑わっており五体投地したりコルラをしている。
ジョカンの周りのバルコル(八庙街)を歩いていると「民族団結強化、中華民族の偉大なる振興を実現しよう」とかいう横断幕や「チベット百万農奴解放記念日の設立を熱烈に慶祝する」とかいう横断幕を見つける。多くを語る必要はないかな?
バルコルは土産物屋がたくさんあるが観光客がほとんどいないので儲かっているかは謎である。
そして、ジョカンの前では建物の屋上で武装警察が警備をしている。建物の屋上だけではなくジョカンを包囲するように北京東路、林廟東路、江蘇東路、朶森格 路のジョカンへ通じる路地には武装警察が配置されている。もちろん、バルコルにも武装警察が催涙弾や自動小銃を携帯して配置されている。中国政府は坊さんを恐れているのか?チベット仏教の坊さんは少林寺の坊さんみたいに戦えるとは思えないのだが?
魯固汽車站
ジョカンの近くにある魯固汽車站へ行ってみるが路地にバスが停車しているだけで切符売場は見当たらない。何処行きのバスがあるかもよく分からずカオス状態であった。
ポタラ宮広場の五星紅旗
今日は午前中から風が強く午後にポタラ宮広場へ行ったら五星紅旗がよくはためいていた。天安門広場同様に国旗掲揚台には武装警察が警備している。
ラサのイスラム食堂は駄目
夕飯にモスクの近くのイスラム食堂を数軒見て周るがほとんどの店でメニュー表が無いのだ。あっても「今日は麺しかない」とか商売やる気無しの状態だ。今まで中国各地のイスラム食堂を利用したがラサでイスラム食堂を利用するのだけは止めた方が良いと思った。チベット族の店でトゥクパやシャムデを食べていた方が絶対に良いだろう。
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
食費 | 11.5元 | |
合計 | 11.5元 |
バルコルで撮影
1000頃、ジョカンへ行きバルコルをコルラしながら動画撮影を試みる。バルコルには各所に公安や武装警察が配置されているので色々な意味で撮影困難である。うっかり、恥ずかしがり屋の公安や武装警察を撮ってしまうと映っている部分を消すように頼まれたりするので大変だ。決して因縁つけられて画像を消すように強要されたりカメラ没収とかではない。あくまで頼まれるのだ。
で、ジョカンの正面から撮影を開始するがいきなり自動小銃を持って巡回中の武装警察が 映ってしまった。これは決してワザとではない。偶然撮影中に武装警察が自分の前を通過しただけだ。決して前日に武装警察の巡回経路を調べたとか、巡回中の武装警察を見つけて待ち構えていた訳ではない。
武装警察が通り過ぎていよいよコルラ開始である。巡礼者に混じってバルコルを歩いて行く。もちろん、公安や武装警察が映らない様にしなければならないのだが巡回中の武装警察に遭遇してしまう。とりあえず、目の前で五体投地している巡礼者を撮影して誤魔化す。コルラが終盤に差し掛かると建物の屋上で警備している武装警察が映ってしまうが狙っていた訳ではない。偶然である。ジョカンの正面に戻って来てコルラ終了で ある。
公安に追い出されそうな気配が・・・
夕飯を食べ終えてユースホステルに戻るとA先生が呼んでいる。何かと思えばスタッフのチベット人の姉ちゃんにどうやって入境証無しで来たか訊くように頼まれたようだ。蘭州で切符を買って列車で来た事を伝えたが、どうやら公安が入境証無しで来た方法を知りたがっているようだ。
来月はチベット騒乱1周年なので何かが起こりそうな雰囲気なのだが、どうも何かが起こる前に公安にチベットから追い出されそうな気配がしてきた。まあ、公安としては何かが起こって見られたり撮られたりするのは都合が悪いのだろう。まあ、公安に「出て行け」と言われたら駅で切符買って出て行くけど・・・。
本当にラサから追い出されるかも
1940頃にスタッフのチベット族の姉ちゃんが「パスポート確認させて」ときた。A先生のパスポートも確認したかった様だが不在であった。本当に追い出されそうな気配がしてきた。あと何日ラサにいられる?
本当にラサから追い出し確定
1950頃、A先生が帰って来たのでスタッフの姉ちゃんがパスポートを確認したがっていた事を伝えレセプションへ行こうとしたらちょうどスタッフの姉ちゃんが自分のパスポートを返しに来たがどうも公安局の御達しでラサから出て行かなければならなくなった。
詳細について話そうとするとレセプションでという事 になった。ドミでは漢族の兄ちゃんが寝ているが大人の事情で聞かれてはいけないらしい。で、状況としてはチベット暦の新年の2/25ぐらいまでにラサを出て行かなければならなくなった。
宿にも最大であと1週間しかいられなくなった。明日はラサ駅で切符を買わなくては・・・。切符は残っているのか?A先生は早速知り合いのチベット人に外国人が追い出されるという情報を教えに出かけていった。
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
食費 | 16元 | |
合計 | 16元 |
ラサ駅で切符を買いに行くが・・・
0900頃、ユースホステルを出てポタラ宮の近くで89路のバスに乗車してラサ駅へ向かう。ラサ駅の近くでは公安の検問がありタクシーや一般車両がトランクや車の下を調べられている。爆発物の検査だろうか?路線バスは停車せずに素通りして1000頃、ラサ駅に到着する。
ラサ駅には公安と武装警察が警備しているが他の駅とは違いやたらと人数が多い。今日は西寧行きの切符を買う為に来たのだがラサ駅の隣にバスターミナルがあるのを見つける。
何処へいく路線があるか調べ てみようと思いバスターミナルへ行くが入口には武装警察が催涙弾を持って警備している。中に入ろうとしたら武装警察に呼び止められたので「切符を買いに来た」と答えたら「何処行きの?」と訊かれ「ゴルムド」と答えたら「ゴルムド行きは無い」と言われて中に入る事が出来なかった。まあ、追い出されたという事だ。
武装警察に追い出されたので本来の目的である西寧行きの切符を買う事にする。駅舎から100mほど離れた道路脇に入口があり公安が5人ぐらいおり身分証確認をしている。公安にパスポートを提示したら特に問題なく通過。
次は駅舎と入口に中間に爆発物が無いか金属探知機とX線検査があるプレハブ小屋があり、ここで金属探知機を通るとブザーが鳴って公安に呼び止められる。他の駅では金属探知機が鳴っても鳴らなくても関係無しだったのだがラサでは違うらしい。デジカメ、財布、GPSを出して再度通るがブザーが鳴る。
次にベルトを外したら公安が「行っていいよ」との事でプレハブ小屋を出る。まあ、厳密に検査していたらベルト外しても安全靴履いているから・・・。
ようやく駅舎にある切符売場へ入り2/27の西寧行きの切符を購入する。今回は健康カード(旅客健康登记 卡)が付いてきた。
拉薩汽車站
西寧やゴルムドへの長距離バスは拉薩汽車站から発車しているらしいので調査してみる事にする。
切符売場へ行き路線の確認をしてみるとシガツェ(日喀则)などのチベット自治区内の路線とゴルムド、西寧、成都への路線があった。他にもネパール(尼泊尔)のカトマンドゥ(加德满都)行きの国際バスまである。でも、外国人が利用できるかは?
ネパール領事館へ行ってみる
拉薩汽車站の次はノルブリンカの北にあるネパール領事館(尼泊尔领事馆)へ行ってみる。ネパール領事館には武装警察が警備しており撮影はできなかったが領事館の2軒ぐらい隣にある旅行会社でラサ(拉萨)→ダム(樟木)→カトマンドゥ(加德满都)へのバスとトヨタ車のチャーターの案内を見つける。
バスだと1人580元、トヨタ車(ランクル?)のチャーターだと1人680元になっている。まあ、人数が集まればの話だろうが実際にカトマンドゥ行くのなら便利かも?
旅行会社の入口にはラサ→カトマンドゥのバスと車チャーターの案内があった。
本当に1人680元でトヨタ車に乗ってカトマンドゥまで行くのか?
ネパール領事館の前は武装警察以外は誰もいなかった。事前に得ていた情報だとダムまでのチャーター車の客引きが屯しているとの事だが、冬の閑散期と外国人のチベットへの立入規制が厳しいのでいなくなったようだ。
でも、領事館は業務をしているようでネパールビザが幾らか訊いてみる事にする。職員のおっちゃんに「ネパールビザ幾ら?」と訊くとおっちゃんは電話中だったが指差した方向を見ると料金表があった。ネパールビザは3種類有り、15日175元、30日 280元、90日700元でどれもマルチビザになっていた。
拉薩東郊汽車客運站
ネパール領事館を出てノルブリンカから106路のバスに乗車して、次は拉薩東郊汽車客運站へ向かう。ユースホステルの前を通過して1130頃、拉薩東郊汽車客運站に到着する。
料金表を見てみるとここからはラサ近郊へのバスが発車しているようだ。
ユースホステルの前に武装警察の休憩所が・・・
ユースホステルに戻り1週間分の宿代を払うが、ちゃんと西寧行きの切符を見せてラサから出て行く事を伝えておいた。午後になって近くにあった武装警察の休憩所が工 事の影響でユースホステルの前、正確には去年のチベット騒乱で焼き討ちに遭った中国銀行の前に設置されていた。因みにこの武装警察は2054部隊と表示されていた。
ちょうど場所が去年焼き討ちに遭った中国銀行の前というのは何か意味があるのだろうか?
公安のネット封鎖が始まっていた
2/14からネットに繋がらないのだが夕方にレセプションで「ネットに繋がらないニャン。既に1週間経っているニャン」とチベット人の姉ちゃんに訊くと 「警察が方法が無いと言っている」との返答が・・・。通信回線で何故警察?すぐにこの返答からある推測が思い浮かんだ。一旦ドミに戻るがレセプションにある無線LANのルータは稼動しておりアクセスランプも不規則に点滅している。怪しい・・・。
LANケーブルを持ってノートPCとルータを接続するとネット に繋がった。しかし、チベット人の姉ちゃんが「ネットに繋いじゃいけないワン」「公安局が駄目だと言っているワン」「ネットカフェへ行ってワン」とか言っている。どうやら無線LANのパスワードを変えていたようだ。
そして、チベット騒乱1周年を控えて外国人の宿泊している宿で外国人にネットを使わせないように公安局が熱烈な指導をしていたようだ。チベット族の姉ちゃんも初めから「公安局に言われているワン」と言えばいいのに、工事中とか言っちゃっ て・・・。
まあ、公安局から「本当の事を言ったらどうなるか分かっとるんやろな?」「公安を舐めたらあかんで!中国にいられなくなるで!」とか公安の熱烈な指導を受けているのだろう。念の為言っておくがユースホステルは公安の熱烈な指導を受けているだけで脅迫とか強要を受けている訳ではない。
モバイル通信で公安に対抗
公安が熱烈な指導をするなら、こちらはモバイル通信でネットに繋いで対抗しちゃうもんね!去年、チャイナユニコム(中国聯通)の1年契約のCDMA網のデータ通信に加入しており、ちょうど今月末が契約期限なのでまだ使用できるのだ。
でも、CDMA網はチャイナユニコムからチャイナテレコム(中国電信)に売却されているからチャイナテレコムのデータ通信という事になるな。で、溜まっていたメールとか確認する。既に夜遅いので明日HP更新をする。公安がユースホステルを熱烈な指導でネットに繋がせない様にするから、ニコニコ動画にジョカンを巡回するカッコイイ武装警察をうpしちゃうもんね!
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
食費 | 10元 | |
宿泊費 | 70元 | 1泊10元×7 |
鉄道 | 226元 | 硬座 ラサ→西寧 |
バス | 3元 | 路線バス |
合計 | 309元 |