区間車で台北→新竹
0745頃、台北駅にやってきた。今日は乗り鉄をするのだが、まだ何処へ行くかを決めていない。時刻表を見ながら西回りと東回りどちらにしようか迷ったが西回りに決めて区間車で新竹へ行く事にする。区間車は日本で言えば普通列車だ。切符は窓口と自動券売機のどちらでも購入できるが試しに窓口で購入を試みる。
台湾の切符売場でも自分のインチキ中国語が何とか通じて切符が購入できた。切符は磁気切符なので自動改札を通りホームへ。台湾は大陸のような割り込みがないし、自動券売機もちゃんと稼動して利用客は自動改札の使い方をちゃんと知っている。どこかの大陸の人民どもとは大違いだ。
0810発の区間車に乗車して新竹へ向かう。切符の購入から乗車まではっきり言って日本とほとんど同じだ。大陸の列車になれていた自分は久しぶりの日本と同じ乗車の仕方に戸惑っていた。これは自分が知らないうちに相当人民化していたという証拠だろう。
車内は通勤時間帯でも空いており座って新竹へ移動だ。大陸の列車と違い車内で乗客が痰を吐いたり、ガキが小便をするといったこともなく非常に快適というか日本の列車と同じだ。0945頃、新竹に到着する。
バスで新竹→竹東
新竹からは内湾線が内湾(内灣)まで延びているのだが新竹-竹東が工事中で竹東駅までは駅の隣にあるバスターミナルの新竹北站からバスの代行運転があるのだが自分は知らないうちに代行運転でなく駅の隣にあるもう一つのバスターミナルの新竹総站(新竹總站)から普通に運行されている新竹-竹東-下公館のバスで竹東へ向かう。
後で知ったのだが代行バスは運賃が51台湾ドルで1時間に1本しかないようだ。しかし、新竹-竹東-下公館のバスは44台湾ドルで15-30分間隔で運行さ れているようだが、竹東総站(竹東總站)から竹東駅へは東へ徒歩で10-15分ほどの距離がある。
区間車で竹東→内湾
といってもしっかり撮影だけはしておく。1両編成の典型的なローカル線だ。1140頃、内湾に到着する。
内湾を散歩
内湾(内灣)に来てみたものの実は内湾に何があるか全く調査していない。
とりあえず、駅を出てみると観光地にありそうな土産物屋街がある。どうやら内湾は観光地らしい。土産物屋を覗いていると「客家」の文字が目立つ。
後で分かったのだが内湾は客家と山岳少数民族が多く住む地域であった。
内湾は田舎なのだがセブンイレブンがあったり観光バスの駐車場があったりして想像していたほどの田舎ではなかったようだ。
区間車で内湾→竹東
1220頃、内湾駅に戻ってきた。自動券売機で切符を購入して待合室で待つが内湾駅は日本の田舎の駅とほとんど同じ雰囲気だ。
大陸では田舎の駅に自動券売機なんて絶対になく代わりに蝿が飛び交っている。それに比べ台湾は熱帯、亜熱帯に属するのに蝿が少ない。というか、蝿がいない。
大陸なんて東北部の駅ですら蝿が飛び交っているのだから如何に不衛生か再認識させられる。
1240頃、列車が到着する。帰りも1両編成でローカル列車の旅だ。
途中で車内検札があったのだが車掌さんは日本と同じように低姿勢だ。おまけに切符を見せると「謝謝」と言っているではないか!大陸では考えられない光景だ!
大陸ではほとんどが複数人で検札をしてキセルをしようとする人民どもを捕まえているので「謝謝」なんて言わない。むしろ客を客とは思わず犬や豚だと思っているようだ。まあ、客の人民どもがキセルしようとするので仕方ない部分もあるが・・・。
竹東に到着し駅前には新竹行きの代行バスが停車していたが乗車せずに竹東総站から新竹行きのバスに乗車する。
区間車で新竹→台北
1430頃、新竹駅に到着。台北行きの切符を購入してホームで列車を待つ間に撮り鉄実行!大陸と違い日本と同じようにホームで列車を待てるので撮り鉄も自由に出来る。
1630過ぎ、台北駅に到着する。階段を上がり改札口へ向かっていると構内放送で日本語が聞こえてきた。日本語の話せる駅員もいるのか?さすが台湾だ。臺鐵は侮れん!
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
鉄道 | 232台湾ドル | 台北⇔新竹 |
鉄道 | 36台湾ドル | 竹東⇔内湾 |
バス | 88台湾ドル | 新竹⇔竹東 |
合計 | 356台湾ドル |
区間車で台北→基隆→瑞芳
0800頃、宿を出て台北駅へ。今日は平渓線を 乗り鉄しに行くのだ。台北駅でまずは切符を購入しなければならないのだが台鉄でも日本のオレンジカードに相当する自動售票機購票卡が450台湾ドルで販売されており、500台湾ドル分の切符を購入する事が出来るのだ。短期の一般の旅行者は使い切れない可能性があるが鉄なら短期の旅行でも十分使いきれるだろう。
で、自動售票機購票卡を購入して自動券売機の前に来たところであることを思い出した。それは、台鉄でも中壢-台北-基隆でも悠遊卡が使え運賃が1割引になるという事だ。今回は先に悠遊卡で乗車するのを試してみるが、これが後に大幅な予定変更をもたらす事になる。
列車に乗車して0915頃、瑞芳に到着するが改札口に悠遊卡の端末が無い・・・。数秒考えてすぐに気が付いた!瑞芳は悠遊卡が使える駅でないことに・・・。実は3駅前の八堵で基隆への路線と分かれていたのだ。仕方がないので予定変更で八堵へ戻り基隆へ行く事にする。1015頃、基隆に到着する。
駅を出て少し歩くと目の前に基隆港が見える。駅前は港なのだ!基隆港を少し見物して再び瑞芳へ向かう事にする。
基隆では自動售票機購票卡で切符を購入して列車に乗車するが八堵で目の前で瑞芳行き列車を逃してしまう。乗り継ぎに失敗して八堵で約30分足止めに・・・。
1225頃、ようやく瑞芳に到着する。瑞芳は自動改札機が導入されていない田舎駅なのだが平渓線の菁桐行きの列車の始発駅になっている。
1日券で瑞芳-菁桐
そして、瑞芳駅では平渓線一日周遊券が販売されており購入する。周りの観光客も皆、平渓線一日周遊券を購入している。
1300頃、菁桐行きの2両編成の列車が到着して乗車する。乗車率はそこそこで座席は全て埋まっておりほとんどは観光客だ。山の中を走り十份に到着すると半分ほどの乗客が下車していく。
十份は平渓線で最大の観光地で十份瀑布が有名だ。でも、十份瀑布は工事で休業中という情報を入手していたし乗り鉄が目的なので素通りする。
1340頃、菁桐に到着する。菁桐駅は日本の植民地時代の昭和6年(1931)に建てられた駅舎がまだ使われており日本の田舎駅の雰囲気が漂っている。駅舎を撮影して乗ってきた列車に再び乗車して瑞芳へ戻る。
九份へ行ってみる
1445頃、瑞芳に到着。このまま台北へ戻ろうと思ったが駅前を散歩してみる事にする。バス停で何処行きのバスがあるのか確認していると九份行きのバスがある事を見つける。九份は 台北近郊の有名な観光地で行こうと思っていたので予定変更で九份へ行く事にする。
バス停でバスを待っていると日本人の姉ちゃん3人組とガイドらしいおばちゃん1人がやってくる。会話を聞いていたら姉ちゃん3人組も九份へ行くようだ。
そして、おばちゃんはガイドと思っていたがどうも違うようだ。姉ちゃんたちを観察していると隣にいた爺ちゃんが「あの3人日本人。もう1人朝鮮人ね。」といきなり日本語で話しかけてきた。この爺ちゃん自分が日本人だと見破っていたのだ。只者ではない。おまけにおばちゃんを朝鮮人と断言している。
確かに訛りのある日本語だが爺ちゃんは台湾人と朝鮮人の日本語が判別出来るようだ。 台湾のお年寄りは凄すぎる。九份行きのバスが到着し乗車する。運賃は22台湾ドルだ。
九份は「千と千尋の神隠し」のモデルになった街として日本では知られているらしく、台湾では二二八事件を取り上げた映画「悲情城市」のロケ地として知られている。
とりあえず、一番賑わっている基山街を歩いてみる。土産物屋や食堂が軒を連ねており観光客で人口密度がやたらと高い。
そして、日本人観光客もそこそこおり土産物屋には微妙な日本語表記もある。食堂からはいい匂いが漂っており朝から何も食べていない自分には拷問に近い状態である。基山街を見物して1630頃、バスで瑞芳へ戻り列車で台北へ戻る。
玉葱盗まれる
晩御飯にカレーを作るが冷蔵庫から玉葱が消えている。何者に貴重な玉葱を盗まれてしまった。まさか玉葱を盗まれるとは・・・。被害額は9台湾ドルだ。
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
鉄道 | 54台湾ドル | 平渓線一日周遊券 |
鉄道 | 377台湾ドル | 台北→二水 |
鉄道 | 39台湾ドル | 台北→基隆 |
鉄道 | 52台湾ドル | 瑞芳→台北 |
鉄道 | 21台湾ドル | 基隆→瑞芳 |
バス | 44台湾ドル | 瑞芳⇔九份 |
合計 | 587台湾ドル |
莒光号で台北→二水
0700頃、台北駅に到着。今日は台湾中部を走る集集線の乗り鉄に向かうのだ。0735発の莒光号に乗車して定刻通り1136に二水到着。
台湾鉄路文物展示館
二水から車埕行きの集集線に乗換えなのだが二水到着直前に蒸気機関車が見えたので見物に向かう。駅前には「臺灣鐵路文物展示館」の標識があったので入場料 取られるかと思ったら広場に蒸気機関車が2両屋外展示されているだけで入場券売場とかは一切ない。
展示されているのはCT278で川崎重工製で日本でいうC57とベルギー製の345号機関車の2両だ。こんな所にも日本の蒸気機関車があるとは・・・。
二水→車埕→彰化
二水駅へ戻り車埕行きの列車を待っていると目の前の車両が板バネを使った年代物の車両であった。台湾では今でもこのような車両が使われているとは鉄にはありがたい事である。そして、集集線の最大の売りはタブレット交換が行われている事だ。ホームでは昼食を食べている駅員の傍らにはタブレットがあった。タブレット交換が見られる集集線はかなり貴重だ。
そして、ホームの時刻表の片隅に「集集線1日券 80元」の文字が・・・。集集線でも周遊券が売られていたのだ。往復切符買うより8台湾ドルも安いし。自動券売機にはこんな貼り紙なかったぞ!後悔しつつ 1223発の列車に乗車して車埕へ向かう。
集集に到着すると遠足だか社会科見学の小学生が大勢乗り込んでくる。静かだった車内は急に賑やかになる。先生が集集線の歴史を説明しているがその中で「日本人が水力発電所を建設した」とか説明している。どうやらこの辺りでは日本の植民地時代に水力発電所が建設され ていたようだ。
車埕に到着して切符を買おうかと思ったら券売機がない。ここは券売機もない田舎のようだ。
まあ、車内精算すればよいのでそのまま列車に乗車する。列車が発車して精算をするが彰化に到着した時に何故か水里からの精算になっていた。3台湾ドル得をした。いや、周遊券を買いそびれていたので8台湾ドルの損が5台湾ドルの損になっただけだな。
彰化機務段の彰化扇形車庫
彰化で下車をして彰化機務段へ向かう。1500頃、彰化機務段に到着。
彰化機務段には大正11年(1922)に建設された彰化扇形車庫があり無料で見学できるのだ。入口で警備のおっちゃんにパスポートを提示して登記を済ませていよいよ見学だ。
さすが大正11年に建設された事だけはあり車庫には煙突が付いている。これは蒸気機関車が走っていた頃の車庫でなければ見ることはまずないだろう。そして、転車台も現役で稼動している。
車庫には蒸気機関車が3両納まっており鉄には涙物の光景だ。午後に訪れたので転車台は1回しか動いている所を見られなかったが満足度は高い。朝方だと機関車の出し入れが頻繁に見られるらしいが・・・。
太魯閣号で彰化→台北
彰化扇形車庫の見物を終えて1530頃、彰化駅へ戻る。後は台北へ戻るだけだが行きは海側の経路を通ったので帰りは山側の経路を通ることにして自強号の切符を購入する。
台湾の列車は普通列車に相当する区間車の他に復興号、莒光号、自強号があり自強号は日本の特急に相当する列車で台鉄で最も等級の高い列車だ。ホームで自強号の到着を待っている間に時刻表を確認すると乗車する自強号の車種が太魯閣号である事を知る。太魯閣号と言えば日立製作所が製造したTEMU1000が 採用されており営業運転での最高速度は130km/hだ。彰化-台北の所要時間は自強号は約2時間半だが太魯閣号は約2時間で走り30分短縮されている。思わぬ所で太魯閣号に乗車する機会がやってきた。
1600頃、太魯閣号が入線してきた。乗客は誰もおらず彰化始発であった。乗車して発車を待つが日本の特急列車と同じだと思ったが原型は885系だから当たり前か!
定刻通り1620に彰化を発車して最初の停車駅である台中へ向かう。速度はどんどん上がりGPSで速度を測る130km/hを表示している。狭軌で130km/hを出しているのはなかなか凄いでないか!しかも、振り子式だからカーブでも高速走行可能だ。
彰化では乗客はあまりいなかったが台中に到着すると一気に混雑してくる。といっても太魯閣号は無座切符(立ち席券)の販売がないので快適だ。何処かの大陸の列車のように農民工が乗り込んできて痰を吐くという事はないのだ。
そして、太魯閣号でも乗客が飲食しているが何処かの大陸みたいにカップラーメンを食べているのではない。日本の様に駅弁とかを食べているのだ。もう、日本と同じ光景である。さらに、台湾は列車内での携帯電話の使用は出来るようになっているが何処かの大陸のように大声では話さず静かに話している。それと、携帯で音楽を聴く際もヘッドホンを使用しており何処かの大陸のように大音量で周囲に騒音を流すような事はない。台湾と何処かの大陸は100年以上の差がある様だ。1825に台北に到着して今日の乗り鉄は終了!
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
鉄道 | 88台湾ドル | 水里→彰化 |
鉄道 | 416台湾ドル | 彰化→台北 |
鉄道 | 44台湾ドル | 二水→車埕 |
合計 | 548台湾ドル |