内モンゴル赤峰・遼中京遺址大明塔

日本からポメラDM100到着

09:20頃、郵便局の配達員から電話がありEMSを取りに行く。日本で注文したポメラDM100がようやく到着だ。18Fから1Fの入口まで行くと大悦城のマンション住民が小包の受け取りに集まっている。日本だと宅配便とかは高層マンションでも玄関まで配達だが、中国の場合は配達員が入口に到着すると受取人へ電話して取りに来てもらう方式だ。

日本からの荷物自分も伝票にサインにして配達員から日本からのEMSを受け取るが箱がでかい。過剰梱包なのだが箱が結構傷めつけられているので中国へ送る場合はちょうどいいようだ。8月1日に大阪から発送して8月6日に瀋陽到着なので、まあ1週間以内でEMSが到着だ。

ポメラDM100早速開封の儀で箱を開ける。外箱は傷めつけられているが緩衝材でポメラは無傷である。動作も今のところは問題なしだがDM100はでかい。今まで使っていたDM5は折りたたみ式で持ち運びに便利だったが、キーボードのフレキシブルケーブル辺りに構造上の問題があるようでキーボードが故障。しかも、DM5は同じ故障で2台目の廃棄だ。DM100はでかいがキーボードの故障なく長期間使用できると期待している。頼むから、もう故障しないでくれ!

遼寧省から内蒙古自治区へ

日本から補給物資を受け取ったので瀋陽から次の内モンゴル自治区へ移動できる。早速移動の準備で12306.cnで今日の瀋陽北→通遼、明日の通遼→大板の切符を購入する。

続いてウォルマートで買い出しだ。今回はバックパック(179元/約3580円)を新しく購入する。2009年に北京のカルフールで購入したバックパックに穴が空いたので交換である。6年使ったが十分元はとれただろう。宿に戻り昼前に出発の準備を整えて先にチェックアウトだけしておく。列車は夕方発車なので15:00頃まで居座らせてもらう。

瀋陽北駅15:10頃、宿を出て中街から地下鉄1号線に乗車して青年大街で2号線に乗り換え、15:55頃、瀋陽北駅に到着。切符売場で15分ほど並び12306.cnで予約した通遼行きの切符を受け取る。いつもの切符と身分証の確認、手荷物のX線検査を済ませて待合室へ入るが、今日も駅員はパスポートの中身を確認せずにスルーだ。

吉野家とかやたらとでかい待合室で待機となるが、待合室といっても、瀋陽北駅の待合室には売店、土産物屋からマクドナルド、ケンタッキー、吉野家まである。

美国加州牛肉面大王それとアメリカには店舗がないけどおそらく中国で一番有名な牛肉麺チェーン店の美国加州牛肉面大王(California beefnoodle king U.S.A)もある。待合室といっても日本でいうエキナカに相当する。

瀋陽北→通遼

自動改札機18:00頃、乗車バトルに備え自動改札機の前に陣取る。ただし自動改札機だと乗車バトルより自動改札機の反応が遅いのと自動改札機を使ったことのない乗客により渋滞が発生する方が面倒である。

K5078次の切符これから乗車する列車は18:43発、瀋陽北→霍林郭勒のK5078次で通遼まで移動する。席は硬座で運賃は46.5元だ。このK5078次は8月中の増発列車で観光用だろうか?

瀋陽北駅18:27頃、駅員の合図で改札が始まり競馬場のゲートのように各馬一斉にスタートとはいかず、自分はスタートダッシュに成功したが隣のおばちゃんたちは自動改札に慣れておらずピーピー警告音鳴らせて渋滞だ。自分は空いているホームへ移動し乗車する。

行先票荷物置き場は問題なく確保して発車を待つ。18:43に定刻通り瀋陽北を発車する。乗車率は2割ぐらいで空いていたが、すぐ瀋陽で一気にほぼ満席となるが無座の乗客はいないので需給の均衡がとれている列車のようだ。荷物棚の方は空きスペースがあるので比較的難易度は低い方だろう。

瀋陽を出てからは停車駅ごとに乗客が少なくなり遼寧省から内モンゴル自治区へ入ると乗車率はかなり下がり3列シートを占領して寝ている乗客が出現し始める。どうやら田舎を走る夜行列車のようだ。まあ幸い今回の列車は痰吐きのおサルさんがいないのでかなり平和な方だ。

内蒙古自治区通遼へ

通陵駅16分遅れで23:36に通遼到着。出口を出たらそのまま切符売場へ行き12306.cnで予約しておいた明日の大板行きの切符を受け取る。次の目的地は大阪ではなく大板だ。この大板鎮は巴林右旗にあり、この巴林右旗の北にある白塔子鎮には遼慶州白塔と呼ばれる遼代の白塔がある。この塔が目的地だ。なぜこの塔を目指すかは後々分かります。

通陵駅切符を受け取ったので、次は宿探しではなく、そのまま待合室へ行き必殺の駅寝だ。軍資金不足なので駅寝です。この先も外国人が訪れそうもない田舎へ行くので外国人お断りの宿に遭遇する確率が高く安宿に泊まれそうもないので高い賓館に宿泊することを想定して節約です。

ちなみに通遼は交通の要衝になっており深夜でも列車の本数が多く利用客も多い。駅前にもバスターミナルの通遼汽車站があり、賓館や旅店などの宿も多く揃っている。まさに交通の要衝と言っていいだろう。でも、観光地は市内に博物館があるぐらいだ。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 31.1元
鉄道 46.5元 硬座 瀋陽北→通遼
鉄道 21.5元 通遼→大板
地下鉄 2元
日用品 211.5元
合計 312.6元

通遼で駅寝

待合室日付が変わりウォルマートで買い込んでおいた饅頭を夜食に食べて過ごす。01:30頃になると待合室は人が少なくなり静かになってくる。代わりに痰吐きの音が良く響くが・・・。

待合室そして、駅寝の達人たちが既に駅寝中だ。今日はこの辺で駅寝することにする。04:30頃、夜が明けてきた。待合室は徐々に混雑してきてカオス状態になる。

通遼→大板

6035次の切符今日乗車するのは09:30発、通遼→シリンホト(錫林浩特)の6035次だ。席は硬座、大板まで運賃は21.5元、距離は347km、4時間51分の乗り鉄だ。瀋陽→大板まで直通列車があるのだが、6035次は貴重な非空調なので乗車する。

行先票08:30頃、改札口の先頭を陣取り乗車に備える。通遼駅の利用客にはおサルさんが紛れ込んでおり他の列車の改札では割り込みが頻発している。今、08:52発、満洲里→フフホトのK276次の改札をやっているが目の前をおサルさんが一匹通過して列へ割り込んでいった。

09:15頃、改札が始まり列車に乗車。荷物置き場を確保して機関車のDF4Dの撮影へ向かうが駅員に因縁付けられて撮影禁止であった。通遼では撮影されると都合が悪いらしい。まあ、他でもいくらでも撮影できるから問題ないけど。列車に乗車して窓を開けようとしたら全開にできないように改造されている。やられたよ!これは大きな問題だ。ゴミのポイ捨て防止で少ししか開けられないようになっている。この列車はおサルさんの乗車率が高いようだ。

09:29に定刻より1分早く列車が発車する。乗車率は5割ぐらいで今のところは平和だ。列車内は中国語以外の言語も聞こえるので、おそらくモンゴル語だろう。内モンゴル自治区の徐々に出てきた感じだ。

トウモロコシ畑外の風景は主にトウモロコシ畑が続くが草原や荒れ地も出てくる。停車駅ごとに乗客の入れ替わりが多く乗車率は下がり3列シートを占領して昼寝という光景が各所で見受けられる。田舎の平和な列車だ。

大板駅14:20頃、大板に到着する。ここは内モンゴル自治区赤峰市巴林右旗大板鎮。で、何でこんなド田舎の大板で下車したのかというと契丹の慶州白塔へ行くためだ。2012年に日本で契丹の文物展があり、TBSの世界ふしぎ発見でも契丹が取り上げられており、その番組内で慶州白塔が紹介されていた。

まあテレビに影響されてやって来たというところかな。この慶州白塔は何もない草原の中にポツンと千年近くも立っている。これはかなり重要度が高い。

大板汽車站駅前の通りを街の方へ少し歩くとバスターミナルの大板汽車站に到着。昨日、eLongで汽車站賓館を予約してあり、とりあえず1泊100元で2泊する。さすがにバスターミナル併設の賓館なら外国人お断りというのはないので安心だと思ったら外国人お断りであった。バスターミナルに併設された賓館で外国人お断りは初めてである。

老板娘が派出所に外人が泊まれる賓館を聞いてくれてバスターミナル脇の友誼商務賓館と人民政府近くの巴林賓館が宿泊可能とのことだが、友誼商務賓館に乗り込んだら満室で巴林賓館はネットで確認した時点で1泊300元とかなので問題外である。進退窮まる。ちなみにバスターミナル前を1路のバスが通っており街の中心へ移動できる。

大板→赤峰行きバスチケット遼慶州白塔はあきらめて赤峰へ向かうことにする。次の目標は赤峰の南の寧城県にある大明塔(遼中京城遺址)だ。なので、そのままバスターミナルで赤峰行きのチケットを購入。16:00発で67元だ。

チケット購入時に前のおっちゃんが慶州白塔のある白塔子行きのバスを聞いていて、08:30にバスがあることが分かる。待合室へ移動して出発を待つが待合室に手荷物預かり所がある。これなら早朝に大板に到着して荷物を預けて白塔子へ行くという戦法が使えるではないか!赤峰とか他地域へ行くバスがある時間までに戻ってこれるかという問題は残るが・・・。機会があれば遼慶州白塔へは再挑戦しよう。

赤峰行きバス16:00になりバスが赤峰へ向かう。高速を飛ばして、18:35頃、バスターミナルの赤峰汽車站に到着する。

君安賓館さて、問題の宿探しだがバスターミナル周辺に賓館が多くあるので手当たり次第突撃する戦法をとるが、1軒目の君安賓館であっさり宿泊OKであった。1泊78元の部屋だが70元でいいよということで2泊する。

君安賓館部屋はトイレ・シャワー付き、それとテレビ、エアコンもある。何より窓付きなのがよい。窓からは線路が見え列車の通過音が聞こえる。WiーFiの電波も良好だが回線自体が少し遅い。

赤峰バスターミナルバスターミナルでバスの状況を確認するが北京、フフホト、天津などから各地へのバスが頻繁に出ているようだ。まあ、バス情報はbus365.comで確認すればよいだろう。

バス停それと赤峰汽車站と赤峰駅の移動は35路など路線バスで可能だ。

鶏蛋炒飯

青菜拉麺夕飯はイスラム食堂で青菜拉麺(8元/約160円)と蛋炒飯(9元/約180円)を食べる。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 17元
宿泊費 140元 1泊70元×2
バス 67元 大板→赤峰
合計 224元

赤峰駅

06:00頃、赤峰汽車站で明日の正藍旗行きのチケットを購入する。バスが08:00と09:20の2本あり08:00発のバスにしておく。正藍旗までの運賃は100元だ。続いて36路のバスで赤峰駅へ向かう。

赤峰駅06:50頃、赤峰駅に到着し切符売場で天義行きの切符を購入。赤峰駅は駅舎が新しく立派だ。

赤峰駅の壁画駅舎の外壁には赤峰周辺の史跡を描いた巨大壁画がありデザインに力が入っている。待合室へはいつもの切符と身分証確認、手荷物のX線検査があるが、パスポートは中身を確認せずというかパスポートなのかも確認していなかった。実名制意味なし・・・。

赤峰→天義

K7384次の切符今回乗車する列車は07:32発、赤峰→山海関のK7384次だ。天義までの移動で席は硬座、運賃は8.5元、天義までの109kmを2時間13分で走る。

既に改札が始まっており改札口に並ぶが2つの改札口のうち、なぜか片方だけ切符と身分証確認をしている。で、自分は運悪く身分証確認の方に並んでしまい待つことに・・・。他の乗客たちは文句言っているけど駅員は真面目に業務を遂行しているだけだ。ただし、もう片方の改札口は身分証確認していないので意味ないような・・・。

K7384次の行先票07:20頃、ホームへ降りて行先票の撮影をして列車に乗車する。

列車内車両はエアコン無しで非空調の扇風機車両だ。窓は全開まではできないが半分開けられるようになっている。K列車なのに非空調というのは珍しい。

07:32に定刻通り発車する。乗車率は8割ぐらいで3列シート占領して寝いているおばちゃんがいる。荷物棚は2割ぐらいしか埋まっていないので利用客は地元民中心のようだ。今日の赤峰の天気は晴れだが朝はかなり涼しく扇風機は非稼働、窓もほとんど開いていない。田舎の平和な列車だ。

08:45頃、気温が上がってきて扇風機が稼働し始め窓も開き始める。そして、1元アイスの車内販売も始まる。

天義駅09:55頃、約10分遅れで天義に到着。

遼中京城遺址大明塔

3路バスロンリープラネット内蒙古によれば、駅前から3路のバスで大明塔へ行けるので、3路のバスに乗車して発車を待つ。10:25頃、バスが発車しておばちゃんが運賃回収を始める。大明塔までの運賃は4元だ。途中でバスターミナルの寧城汽車站を経由して大明塔へ。

大明塔県城を出てしばらく走ると塔が見えてきた。11:05頃、大明塔の前で下車する。この時間になると真夏の暑さでかなり暑い。湿度が低い分まだマシな方だが・・・。

大明塔大明塔は遼の最盛期に建立された塔で高さ80.22mのレンガ造りの塔であり、高さは中国第3位、体積は中国第1位を誇っている。大明塔周辺が遼中京城遺址になっており、遼の都である中京があった場所である。

大明塔中京が造営されたのは1007年で、契丹と遼の五京のひとつになる。中京は北宋の開封を参考に造営されており、都城は外城、内城、宮城の三重城になっている。

大明塔金代には北京路大定府、元代には大寧路、明代には大寧衛が設置されたが、明の永楽元年(1403)に廃止され徐々に廃墟へと変わっていった。大明塔には伝説では地下宮殿があるそうで、もし地下宮殿の存在が確認されれば経典などの宝物が発見される可能性が高い。発見されれば北京の雲居寺を上回る規模かもしれない。今後の調査に期待だ。

大明塔今では周辺はトウモロコシ畑の広がる田舎であるが、大明塔と城壁の跡が当時ここが遼の政治と経済の中心であったことを示している。

大明塔大明塔はとにかくでかい。トウモロコシ畑が広がる田舎にこのような塔があること事態驚きである。塔は外から見るだけで登ることはできないが敷地内には遼中京遺址博物館がある。でも、閉館中であった。正門が工事中なので博物館も工事中か?

城壁跡観光客は田舎にも関わらず家族連れが車で来ていた。そこそこ有名な観光地のようだ。12:30頃、3路のバスに乗車して県城へ向かう。運賃は4元で、13:10頃、天義駅に到着し切符売場で赤峰への切符を購入する。

天義へ戻る

契丹街牌坊14:59発なのでまだ時間があるので駅周辺を散歩してみる。通りの名前に契丹街や中京街の名称があり土地柄を表している。

イスラム食堂昼食をどこかで食べようと食堂を探しているとイスラム食堂を発見。

青菜拉麺イスラム食堂で青菜拉麺(7元/約140円)を食べる。

天義→赤峰

駅へ戻り待合室へ入るが、いつもの切符と身分証があると思って駅員のおばちゃんに切符とパスポートを出したら払い戻しの退票のハンコを押される。何かおかしい。天義駅では切符と身分証の確認をしていなかった。おばちゃんに退票だと思われてハンコ押されていた。切符売場は身分証必須なのに待合室は昔のままで手荷物のX線検査だけであった。こんな平和な駅は初めてである。

K7383次の切符赤峰への列車は14:59発、山海関→赤峰のK7383次だ。席は硬座で運賃は8.5元、赤峰までの109kmを2時間7分で移動する。

14:59発であったが30分ほど遅延が発生して改札が始まるが、ここで問題が発生する。天義では切符と身分証の確認をしておらず、てっきりやっていると思って切符とパスポートを駅員のおばちゃんに渡したら退票だと思われて間違えて退票のハンコを押されており、改札口で駅員のおっちゃんが通してくれない。おばちゃんに助けを求め、おばちゃんの天の声でおっちゃんを黙らせて改札口フリーパスだ。やはり、どこの国でもおばちゃんは最強である。

東風4型列車が入線してくるが乗車口のカオス度が高い。少し待って乗車して15:41に天義を発車する。

行先票車両はエアコン無しの非空調の扇風機車両だ。開いている窓からの風が心地よい。17:55頃、約50分遅れで赤峰に到着する。

交通事故現場そして、駅前の通りでは交通事故の現場検証が行われていた。乗用車とスクーターの事故だ。でも、道路に血の跡がないので大した事故ではなさそうだ。中国は交通事故が多すぎる。

18:15頃、駅前から35路のバスに乗車する。運賃は1元だ。18:35頃、赤峰汽車站に到着し宿へ戻る。

特売ビールバスターミナルの東区画の地下に中規模スーパーマーケットがあり特売のビールを購入。330mlで1元(約20円)、500mlで2元(約40円)だ。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 19.7元
鉄道 8.5元 硬座 赤峰→天義
鉄道 8.5元 硬座 天義→赤峰
バス 100元 赤峰→正藍旗
バス 10元 路線バス
ATM手数料 7.5元
合計 154.2元

瀋陽 太清宮・錫伯家廟・実勝寺

瀋陽→遼陽

瀋陽駅06:10頃、中街から地下鉄1号線で瀋陽駅へ向かう。今日は高速鉄道の乗り鉄と寺の見物へ出かける。06:30頃、瀋陽駅に到着し切符売場で遼陽行きの切符を購入する。

瀋陽駅いつもの手荷物検査とかを終えて待合室へ入るが空港みたいに広い。

瀋陽駅待合室そして、かなりくつろいでいる人もいる。

D9098次の切符07:12発、瀋陽→大連北のD9098次だ。席は二等座で運賃は19.5元、遼陽までの65kmを25分で走る。

改札が始まるが混雑しており空いてからホームへ向かう。今回は久しぶりの動画撮影だが駅員の視線が痛い。今回の車両はCRH5Aでアルストムのペンドリーノが元になっている。D列車なので最高速度は250km/hでの走行になる。

列車が発車して速度を上げていくが途中まで在来線との共用区間なので150km/hぐらいまでしか速度が出ていなかったが高速鉄道の専用線へ入ると速度を上げて240km/hを超えるが250km/hまでは速度を出さずに遼陽に到着。

広佑寺

広佑寺牌坊07:45頃、遼陽駅から駅前通りの中華大街を歩き、08:00頃、白塔公園の隣にある広佑寺に到着。入場料は40元なのだが陝西旅游年票を使えば無料なのだが入口には誰もおらずゲートが開放され地元民が素通りしているので自分も素通り。

広佑寺広佑寺は後漢の頃に建立された千年古刹で関外古刹とも称されるが、主な寺の歴史は金代に入ってからになる。金の皇統5年(1145)に金の第五代皇帝世宗の母が遼陽にて出家し朝廷の援助で寺が拡張され「大清安禅寺」の名を賜り清安寺と称される。

元代になると広佑寺に名を改め、元の皇慶2年(1313)に白塔が修復され、明の洪武5年(1372)に明軍が遼陽を攻撃し広佑寺が焼けるが、洪武16年(1383)に寺が再建され、その後も修復が繰り返されるが、義和団事件で戦火に巻き込まれ破壊される。

広佑寺現在の広佑寺は2002年に新しく再建された寺であるが寺には5つの世界一がある。世界最大の青石牌坊、世界最大の青銅香炉、世界最大の大雄宝殿、世界最大の殿内木製の金箔仏像、世界最大の宮灯となっている。

広佑寺確かに山門前の牌坊は巨大だし、大雄宝殿も今まで見てきた寺とは全く規模が違う。

広佑寺大雄宝殿の釈迦牟尼像は大きさに圧倒される。

広佑寺寺は新しいがちゃんと僧侶がおり参拝者も多く寺としての宗教活動が行われている。

広佑寺40元の入場料は高いが、陝西省の法門寺よりは見物する価値ありだ。

遼陽白塔

白塔公園08:45頃、広佑寺の隣の白塔公園へ移動。この白塔公園は元々は広佑寺の敷地で公園内に白塔(遼陽白塔)と円通禅院がある。白塔は中国に現存する76の古塔のひとつで高さ71m、八角十三層、東北部最高のレンガ塔であり、中国六大高塔之一である。

白塔公園白塔の建立は金の大定年間(1161-1189)になり800年以上の歴史がある。

09:15頃、遼陽駅へ向かう途中、駅前のバス停で行き先が東京陵と表示されたバスを見かける。これはちょっと気になる。まだ午前中だし何があるか見に行くことにする。高徳地図で位置だけ確認して、09:20頃、駅前から23路のバスに乗車して終点の東京陵へ向かう。運賃は1元だ。

東京陵

東京陵10:15頃、終点の東京陵に到着するが、バス停から東京陵までは離れており来た道を戻り線路沿いに北へ歩くと古陵飯店とかいうレストランがあり坂を登り、10:30頃、東京陵に到着するが門が閉まっている。すると、東京陵の隣に住んでいるおばちゃんが声をかけてきた。おばちゃんは管理人で入場料10元とのこと。門を開けてもらい内部を見物するが、おばちゃんは一目で日本人だと見抜いてた。大体田舎だと気づいてもらえないのだが、東京陵は日本人がたまに来るらしく外人慣れしている。

東京陵ここで説明の石碑を見てヌルハチの弟シュルガチの陵墓であることが分かる。事前調査なしなのでシュルガチに関しては何も知らずに陵墓を見物する。(後で調べたら周辺に幾つか清朝の陵墓があることが分かる)

東京陵夏なので陵墓は草が生え放題で墓の前にはスイカが供えられていた。

遼陽→瀋陽

11:00頃、23路のバスで遼陽市内へ戻る。昼頃に遼陽駅前に到着して切符売場で瀋陽行きの切符を購入するが、窓口で「高铁?普铁?」と聞かれる。高鉄は当然知っているが、普鉄は初めて聞く単語であったがすぐに理解した。普鉄はT列車やK列車などの在来線を指す単語だ。在来線は30分以上遅延していたので帰りも高速鉄道の乗り鉄にして切符を購入、そのまま待合室へ移動。

待合室瀋陽と比べれば小さいが遼陽も待合室が広い。

G711次の切符行きはD列車であったが帰りはG列車で、12:28発、遼陽→瀋陽のG711次、席は二等座で運賃は29.5元、遼陽までの65kmを24分で走る。D列車と所要時間変わらないが運賃は10元高い。

改札が始まるが自動改札機の前は列でなく群れができている。群れに飛び込んでも疲れるだけなので少し待ってホームへ向かう。ホームの階段でG711次の入線を撮影するが、乗車口には誰も並んでいない。2022年の冬季オリンピック開催地が北京になったのだがマナー向上は大丈夫か?

今回はG列車なので最高速度は300km/hまで出ていたが250km/hのD列車と同じ線路、所要時間なので、どこかで速度を落として時間調整しているようだ。瀋陽に到着し地下鉄1号線で中街へ戻る。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 10元
鉄道 19.5元 二等座 瀋陽→遼陽
バス 29.5元 二等座 遼陽→瀋陽
地下鉄 4元
バス 2元 路線バス
東京陵 10元
合計 75元

九一八歴史博物館

九一八歴史博物館09:30頃、中街のバス停から298路のバスで九一八歴史博物館へ向かう。運賃は相互利用できる昆明の公交ICカードで0.9元だ。10:30頃、九一八歴史博物館に到着する。言わずと知れた満州事変勃発の場所近くにある博物館、抗日記念館である。入場料は無料で特に身分証確認もなくそのまま入館。

九一八歴史博物館屋外には関東軍が爆破地点に設置した碑が展示されている。

九一八歴史博物館他にも色々と石碑が展示されている。館内は撮影禁止なので見て回るだけになるが見学者は撮影に熱心だ。記念撮影している見学者までいる。これでは禁止の意味無いような・・・。

資料展示が多いのだが館内は照明が暗く足元が少々危ないし一部ジオラマや拷問や解剖の様子を人形で再現した展示物は暗くてよく見えない。演出上暗くしないといけないのは分かるのだが、もう少し見物しやすくして欲しい。どういう展示内容になっているか実際に行ってみて確かめて欲しい。百聞は一見に如かずである。

11:00頃、博物館を出て隣の線路で撮り鉄しようと出口へ向かっていると、中国人の親子連れに記念撮影を頼まれる。で、撮影するのだが、おばちゃんは日本人に記念撮影を頼んでいるのに気づいているのかな?

満州事変現場付近で撮り鉄

CRH380BG博物館脇に線路があり、この周辺が南満州鉄道の爆破現場になる。ここから泥沼の戦争へと突き進むことになった場所であるが、今では撮り鉄にはちょうどよい場所になっている。一応表面上は平和な時代になったものだ。

CRH380BG在来線と高速鉄道の線路に分かれており、高速鉄道の撮影に向いている。30分ほどCRH380BGを撮影をしてから298路のバスで中街へ戻る。

夕飯はイスラム食堂で麻婆豆腐蓋麺(10元/約200円)を食べる。でも、まだ足りないので別のイスラム食堂で干拉麺(8元/約160円)を食べる。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 18元
バス 1.8元 路線バス
合計 19.8元

全真教龍門派の道観・太清宮

太清宮09:10頃、瀋陽故宮の北西にある太清宮を訪れる。入場料は2元で格安だ。

太清宮は清の康煕2年(1663)に全真教龍門派の第8代当主の郭守真により創建された道観(道教寺院)である。太清宮は創建時に三教堂と称しており、清の乾隆44年(1779)に太清宮と改称する。太清宮は東北地区の道教の中心地となっている。

太清宮瀋陽市内にある道教寺院であるが敷地はそこそこの広さがあり参拝客も多く賑わっている。歴史は古いが建物は比較的新しく工事中の部分もあり開発が進んでいる感じだ。

太清宮・関帝殿

関羽像境内には関帝殿があり関羽、関平、周倉の像がある。

壁画

赤兎馬像殿内には関羽の活躍を描いた壁画が描かれており、殿外には赤兎馬の像がある。

太清宮そして、太清宮の本殿は太上老君を祀る老君殿だが、個人的には全真七子の丘処機を祀る丘祖殿が意外に満足であった。金庸の武侠小説などでお馴染みの全真七子の丘処機だが、太清宮では全真教龍門派の創始者として祀られている。殿内に丘処機の像があり武侠小説ファンにはたまらないだろう。しかし、道士が常駐しており撮影はできず・・・。

錫伯家廟

錫伯家廟09:40頃、太清宮を出て実勝寺へ向かう。10:20頃、まずは実勝寺の隣にある錫伯家廟を見物。入場料は無料。

錫伯家廟元は清の康煕年間に建立されたチベット仏教寺院でありシボ族の信仰を集めており、錫伯家廟と呼ばれるようになった。チベット仏教寺院なのだが僧侶はおらず仏像も数体あるだけで寺院というよりもシボ族の歴史博物館になっている。

錫伯家廟レリーフ

錫伯家廟歴史博物館なので資料展示やシボ族の像やレリーフがある。

実勝寺

実勝寺10:40頃、実勝寺を見物。
入場料は無料だ。

実勝寺実勝寺は別名「皇寺」と呼ばれており清朝との関わりが深い古刹である。明の崇禎元年(1636)に造営が開始され崇禎3年(1638)に完成する。清朝が東北地区に初めて正式に建立したチベット仏教寺院であり、当時の盛京(瀋陽)で最大のチベット仏教寺院であった。

実勝寺建物は新しく再建されたようだが本殿ではラマ僧が読経しており、境内はタルチョがはためいておりチベットの雰囲気が漂う。

実勝寺周辺は観光開発の真っ最中で数年以内に土産物屋街などの観光施設が乱立しそうな雰囲気が漂っている。

昼前に宿へ戻り、延泊の手続きをする。と言っても、eLongで再予約してネットで支払いをするだけだ。1泊49元だがeLongで貯めていたキャッシュバックを使用したので実質0元だ。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 19.9元
太清宮 2元
合計 21.9元

世界遺産 清福陵・清昭陵・瀋陽故宮

世界遺産 清福陵

清福陵07:00頃、中街のバス停から218路のバスに乗車して終点の東陵公園へ向かう。運賃は1元で、08:00頃に東陵公園到着。天気は曇りで雨が振りそうな気配がする。でも、天気予報だと昼頃は晴れとなっていたので大丈夫だろう。だぶん・・・。

清福陵清福陵の入場料は40元だが陝西旅游年票を使い無料で見物する。

清福陵清福陵は清の初代皇帝である太祖ヌルハチと皇后のイェヘナラ(葉赫那拉)氏の陵墓であり、瀋陽の東郊外にあるため東陵と呼ばれ盛京三陵のひとつである。

清福陵清福陵の造営が開始されたのは後金の天聡3年(1629)、崇徳元年(1636)に陵号を福陵と定められる。順治8年(1651)に完成し、その後は康煕、乾隆、嘉慶の時期に増築と改築がされていく。

清福陵清福陵は基本的には明朝の皇陵規則を踏襲しているが建築様式に満州族の特色も取り入れた陵墓となっている。1929年に一般公開され、2004年にユネスコの世界文化遺産に登録されている。

清福陵開門してすぐの時間帯だったようで観光客は少なめだ。7年前に訪れた時は、それほど興味がなかったので見物しなかったのだが、今回は無料で見物なので興味の有り無し関係なく見物だ。一部修復工事が行われていたので全ては見物できなかったが満足だ。でも、金払っていて工事で見物できないとなると文句を言いたくなるだろうな。

218路09:40頃、218路のバスで中街へ戻る。東陵公園が始発なので余裕で座れる。運賃は1元だ。

148路ちなみに東陵公園からは148路のバスもあり瀋陽北駅が終点になっている。座って瀋陽市内へ戻れるのだが渋滞が酷い。基本的には市内中心部のバスでの移動はやめておいたほうが良い。初乗り運賃2元で高いが地下鉄で行ける所は地下鉄で移動したほうが時間の節約ができ断然良い。

乞食10:45頃、中街に到着するが、昨日乞食がいたところには別の乞食がいる。片目と両手がないのだが、これも中国の現実。社会主義国は福祉が充実しているはずなのだが、これはどういうことだ?この乞食は両手がないので1人で乞食生活というのは無理であろう。おそらく世話をする人間がいて組織化されているのだろう。

地下鉄中街駅中街からは地下鉄で北陵公園へ移動する。途中の青年大街で地下鉄2号線に乗り換えて、11:30頃、北陵公園の南門に到着。

瀋陽市公安局出入境管理局北陵公園の向かいには瀋陽市公安局出入境管理局があり、ここでビザの延長手続きが行われている。ノービザで入国してビザ申請する人とかは用がある場所だが、自分は来年まではビザには困らないのでスルーというか、ここにはいい思い出はない。

世界遺産 清昭陵

入場券北陵公園には清昭陵があり入場料は50元である。北陵公園だけの場合は6元だ。高いが今回は盛京三陵を見物することに決めているので泣く泣く緑の毛沢東を1枚出す。

北陵公園まずは入口を通り北陵公園へ。

ホンタイジ像清昭陵までは1.5kmほど歩くのだが途中で清昭陵の墓主であるホンタイジの像がある。

清昭陵牌坊そして、12:00頃に清昭陵の牌坊に到着。観光客が多い。

腹出し族そして、蒸し暑い。どれぐらい暑いかというと、これぐらい暑い。

腹出し族そう、腹出し族が出没するほど暑い。あまりの暑さで世界遺産でも文明旅游どころではないらしい。

清昭陵清昭陵は清朝第二代皇帝のホンタイジと皇后の陵墓である。造営が開始されたのは崇徳8年(1643)、順治8年(1651)に完成。その後、康煕、乾隆などの時期に増築と改築が行われた。1927年に一般開放され2004年にユネスコの世界文化遺産に登録された。

清昭陵

清昭陵

清昭陵

清昭陵

清昭陵瀋陽市民の憩いの場である北陵公園にあるのと市内にあるという立地のために観光客と地元民で賑わっている。規模はヌルハチの福陵と比べればはるかに大きく歩くのも結構大変だ。

新楽遺址

新楽遺址13:30頃、北門から出て北陵公園の西にある新楽遺址へ向かう。14:15頃、地下鉄2号線の新楽遺址駅のC出口に到着。地下鉄の出口の前に文物保護単位の石碑があり、ここから西へ3分ほど歩いて新楽遺址に到着する。

新楽遺址入場料20元だが陝西旅游年票を使い無料で見物する。新楽遺址は1973年に新楽電工廠宿舎敷地内から発見され「新楽遺址」と命名された。

新楽遺址

新楽遺址約7200年前から約4000年前の新石器時代の集落跡であり母系社会の遺跡である。

新楽遺址竪穴式住居が復元されたりと整備されている。

14:30頃、新楽遺址を離れて地下鉄で中街へ移動し宿へ戻る。宿へ戻りインスタントラーメンを昼食兼夕食に食べる。今日は節約でイスラム食堂へは行かずに乗り切る。夜は瀋陽故宮と張氏帥府の入場券をCtripで予約する。入場券売場で購入するよりも少しだけ安くなる。今回は2箇所で7元安く購入できた。牛肉麺1杯分だ。eLongでも観光地の電子チケット扱ってくれないかな?

本日の出費
項目 金額 備考
バス 2元 路線バス
地下鉄 4元
北陵公園(清昭陵) 50元
瀋陽故宮 58元 Ctrip
張氏帥府 55元 Ctrip
合計 169元

張氏帥府

張学良像08:40頃、宿を出て張氏帥府へ向かう。天気は曇だが蒸し暑い。中街を抜けて、08:55頃に瀋陽故宮の脇を通り、09:00に張氏帥府到着。正面の広場には張学良の像があり観光客が記念撮影をしている。

張氏帥府入場券Ctripで予約しておいたので専用窓口で携帯のショートメッセージを見せて入場券を受け取る。入場券は通常は60元だがCtripでは55元。

張氏帥府張氏帥府は大帥府、少帥府とも呼ばれ北洋軍閥の張作霖、張学良親子の邸宅である。伝統的な四合院形式の邸宅と西洋建築の邸宅の2種類が残っている。

張氏帥府四合院形式の邸宅が残っているのには少々意外性があった。ドラマだと軍閥の邸宅は西洋建築ばかりなので四合院があるのは少し新鮮に感じた。

張氏帥府大青楼と呼ばれる邸宅はロマネスク様式で1922年に建設され青い瓦を使用していたので大青楼と呼ばれるようになった。

張氏帥府・関帝廟

関帝廟そして、大青楼の脇には関帝廟がある。建立時期は不明であるが張作霖が修復しているので、それ以前に建立されていることは確実だ。ある意味で貴重な三国志遺跡である。

関羽像この関帝廟は珍しく関平と周倉の像が関羽像の隣にはいない。

関羽、関平、周倉壁画に関羽と共に描かれている。

斬華雄壁画には関羽の活躍が描かれているが説明がないので、どの場面か分からないのが多い。とりあえず分かったのは桃園の誓いと華雄が斬られる場面ぐらいだ。

張作霖像この関帝廟の最大の特徴は張作霖が祀られていることだ。

壁画張作霖像があり張作霖の活躍を描いた壁画がある。

10:15頃、張氏帥府を出て隣の趙一萩故居と瀋陽金融博物館を見物する。入場券は趙一萩故居と瀋陽金融博物館もセットになっているので見物しておくが、内部は撮影禁止になっている。趙一萩故居は張学良の愛人(後に正妻)だった趙一萩の住居だ。

瀋陽金融博物館は張作霖が設立した辺業銀行の跡地になる。金融博物館は見応えがあり国内外の金融に関する資料が展示されている。特に紙幣や貨幣の展示に力を入れている。偽札の展示はかなり興味深い。11:00頃、瀋陽金融博物館を出て瀋陽故宮へ向かう。

世界遺産 瀋陽故宮

瀋陽故宮入場券5分ほどで瀋陽故宮に到着。Ctripで予約しておいた入場券を瀋陽故宮の対面にある瀋陽故宮旅行社で受け取るが、割り込まれたりして10分ほど待たされる。それでも入場券売場に並ぶよりは早く処理は済む。ネットでの予約で60元の入場券が58元で購入。

瀋陽故宮今日は夏休み中の土曜日なので入口は行列で滅茶苦茶混雑している。もう、どこへ行っても人だらけだ・・・。世界遺産を見物に来たのだが、何やら強制的に中国人の観光模様を見せられている。何で金払って中国人を見物しなければならないのだ。

瀋陽故宮瀋陽故宮は清朝が北京へ遷都する前の都で建物には満州族の特色が色濃く残っている。2004年にユネスコの世界文化遺産に登録された。

瀋陽故宮一応は瀋陽故宮を見物できるが周囲がやかましい。

瀋陽故宮それに人を撮りに来たわけでないので、屋根や天井とかしか撮影ができない。

瀋陽故宮瀋陽故宮は人口密度が高くやかましい。

瀋陽故宮完全に失敗である。夏の観光シーズンは大都市の有名観光地は避けたほうが良さそうだ。

腹出し族そして、暑くなると世界遺産といえども腹出し族が出現する。あまりの暑さで世界遺産でも文明旅游どころではないらしい。12:30頃、瀋陽故宮を出る。

酸辣白菜蓋飯

酸辣白菜蓋飯夕飯はイスラム食堂で酸辣白菜蓋飯(10元/約200円)を食べる。

ドイツビール

処分品ドイツビール3本セット食後はウォルマートで品質保持期限間近の処分品ドイツビール3本セット(8.9元/約178円)を購入する。生産国はドイツであるが原材料表示に中国語があるので元から中国向けに生産されているようだ。元から中国向けの生産だと、このビールがドイツで売られているのか怪しんでしまうのは自分だけであろうか?

本日の出費
項目 金額 備考
食費 18.9元
合計 18.9元

瀋陽北→鉄嶺

瀋陽北駅05:00頃、起床して調兵山の鉄煤蒸汽機車博物館への遠征準備をする。天気予報だと雨みたいだが室内での見物なので遠征へ赴く。06:10頃、中街のバス停から105路のバスで瀋陽北駅へ向かう。運賃は1元。

待合室06:30頃、瀋陽北駅に到着し切符売場へ向かう。早朝でも農民工のおっちゃんたちで溢れているのかと覚悟していたが、切符売場は空いており5分ほど列に並ぶだけで済む。待合室の入口でいつもの切符と身分証確認、手荷物のX線検査がある。瀋陽北駅は公安と駅員がパスポートと切符をちゃんと確認して、ちゃんと仕事している。すごい久しぶりの瀋陽北駅であるが待合室が新しくやたらと広くなっている。

自動改札機自動改札機が配備され北京南駅みたいな感じだ。

K1571次の切符これから乗車する列車は07:17発、重慶北→長春のK1571次で鉄嶺へ移動する。席は硬座で運賃は12.5元、鉄嶺まで67km、1時間4分の乗り鉄になる。

瀋陽北駅07:05頃、改札が始まりホームへ向かう。今回は荷物が少ないので荷物置き場確保など乗車バトルに参戦する必要がない。

K1571次の行先票のんびりとホームを歩いて行先票を撮影していく。

列車内重慶北からの長距離列車なので農民工列車を覚悟していたが列車内は思いのほか平和であった。07:17に列車が発車して鉄嶺へと向かう。

鉄嶺駅約1時間の乗り鉄で、08:20頃、鉄嶺に到着する。

鉄煤蒸汽機車博物館

鉄嶺市客運中心駅前にはバスターミナルの鉄嶺市客運中心があるが調兵山行きのバスはバスターミナルからの出発ではなく、バスターミナル北側の通りからの発車になる。

調兵山行きのバスバスターミナル北側の通りへ行くと調兵山行きのバスが待機しており乗車する。08:35頃、バスが発車する。

チケット車掌のおばちゃんに鉄煤蒸汽機車博物館までいくらか聞くと9元であった。

鉄煤蒸汽機車博物館09:15頃、鉄煤蒸汽機車博物館で下車する。

鉄煤蒸汽機車博物館料金表鉄煤蒸汽機車博物館は敷地内で蒸汽機車博覧園と蒸汽機車陳列館に別れており、それぞれ入場料が50元になり両方見物したら100元になる。かなり高いのだが陝西旅游年票を使い無料で見物する。

調兵山の鉄煤蒸汽機車博物館は名前の通り鉄煤集団が運営する蒸気機関車専門の博物館になる。調兵山は中国の蒸気機関車聖地として中国国内だけではなく海外の蒸気ヲタにも知られている。今日は聖地巡礼である。でも、本当の聖地巡礼は真冬に調兵山でSLの撮り鉄であるが、冬の寒さに耐えられない自分はこれが精一杯だ。

鉄煤蒸汽機車博物館まずは蒸汽機車博覧園から見物するが上游型SY0063が館内に鎮座している。夏休みの日曜日にも関わらず客は自分一人だけだ。無料で見物しているので客とはいえないかもしれないが・・・。展示資料を一通り見てSY0063へ。運転室が開放されており運転室貸切状態で見物。

鉄煤蒸汽機車博物館09:50頃、蒸汽機車陳列館へ向かうが雨が降っている。見物している間に雨が降ってきた。蒸汽機車陳列館には説明だと20両の蒸気機関車が展示されているようだが、外部展示のSY1770が見当たらない。運行中なのか?

鉄煤蒸汽機車博物館まあ、とにかく蒸気機関車の撮影である。撮影していると、何と先客がいた。誰も居ないと思っていたら観光客が2人いた。まあ、2人だけなので静かで撮影には支障はない。

1999年製の蒸気機関車

鉄煤蒸汽機車博物館ここで興味深かったのは1999年9月製造の蒸気機関車、上游型SY1771だ。

鉄煤蒸汽機車博物館中国では1999年まで蒸気機関車が製造されていたのだ。windows95や98より後に製造された蒸気機関車があるというのには正直驚いた。これだけ新しければまだまだ走れるはずだ。そして、1999年10月製造の中国で最後に製造された蒸気機関車の上游型SY1772も鉄煤集団が所有しており現役で動いているらしいが今回はその姿は確認できず。陳列館にないのだからおそらく動いているのだろう。

10:30頃、鉄煤蒸汽機車博物館の前から鉄嶺行きのバスに乗車する。運賃は9元で、11:10頃、バスターミナル脇に到着。そのまま駅前から109路のバスに乗車して終点の鉄嶺西駅へ向かう。運賃は2元。

高速鉄道で瀋陽へ

鉄嶺西駅12:05頃、鉄嶺西駅に到着する。鉄嶺西駅は高速鉄道の駅になるが市内から離れており、瀋陽から鉄嶺へ向かう場合は正直言って高速鉄道を使う意味は殆ど無い。

例えば瀋陽から鉄嶺のバスターミナルまで行くとすると、バスは瀋陽→鉄嶺、運賃24元で所要時間2時間。鉄道は瀋陽北→鉄嶺、運賃12.5元で所要時間1時間。高速鉄道は瀋陽北→鉄嶺西、運賃24.5元で所要時間20分、その後109路のバスに乗車、運賃2元で約40分。

これでは高速鉄道は意味が無い。乗り鉄するのには運賃を抑えられるのでいいかもしれないが・・・。

待合室切符売場で瀋陽北への切符を購入して待合室へ。手荷物検査はいつも通り。新しい駅舎なので待合室が広い。空港みたいだ。

G1256次の切符今回乗車するのは12:57発、長春→上海虹橋のG1256次だ。席は二等座で運賃は24.5元、鉄嶺西→瀋陽北の54kmを18分で走る。

G1256次高速鉄道は列車の入線前にホームで待機なので撮影にはちょうどよい。撮り鉄をして列車に乗車して瀋陽北へ向かう。

G1256次13:19頃、4分遅れで瀋陽北に到着するが、乗車口におサルさんが群がっていてなかなか降りられない。というか、何で退こうとしないのだ!車両は最先端でも利用客がおサルさんでは・・・。一部では文明人が並んではいるが、殆どの場所では群がっているだけであった。

瀋陽北駅から105路のバスで中街へ戻るが、昆明の公交ICカードを試しに使ってみたら使えた。運賃は1割引きの0.9元だ。瀋陽は昆明などの都市と公交ICカードの相互利用ができるようになっており、地下鉄では使えなかったが路線バスでは使用可能であった。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 12.5元 硬座 瀋陽北→鉄嶺
鉄道 24.5元 2等座鉄嶺西→瀋陽北
バス 3.9元 路線バス
バス 9元 鉄嶺→調兵山
バス 9元 調兵山→鉄嶺
合計 58.9元

遼寧省瀋陽・世界遺産 清永陵

朝からタバコを吸うサルに遭遇

06:30頃、起床して出発の準備を整える。07:30頃、チェックアウトするがレセプションが混雑しており少し待つ。少し待つのは良いが前の客のおっさんがタバコを吸いながらチェックイン手続きをしている。タバコの状態から歩きタバコしながら来てチェックインのようだ。

しかも、灰皿がないので灰を床に落とす。朝から嫌なものを見てしまった。レセプションのお姉ちゃんはサービス業だから文句言わずに接客しているが、こんなおサルさんが商務賓館に宿泊するとは・・・。まあ、バックパッカーが商務賓館に宿泊しているのもおかしいけど。

丹東→瀋陽

丹東駅07:55頃、丹東駅に到着する。いつもの切符と身分証確認、手荷物のX線検査を済ますが、公安はパスポート開くが中身確認せずに返却。ここでも外国人は用なしのようだ。待合室で待機となるが2008年に訪れた時の旧駅舎と比べ現在の駅舎が立派すぎる。

K7592次の切符今日乗車する列車は08:33発、丹東→錦州のK7542次で瀋陽まで移動する。席は硬座で運賃は41.5元、瀋陽までの距離は264km、所要時間4時間31分になる。

行先票08:15頃、改札が始まり列車に乗車して発車を待つ。

丹東駅荷物置き場は余裕で確保して一安心。ガラガラの車両は直ぐに満席となる。

08:33に列車が丹東を発車する。車窓から風景を眺めながらと思ったが眠くなったで一眠りと言いたいところだが、ポメラのキーボードが壊れて使い物にならないないので寝て体力回復しかなかった。ポメラが壊れていなければ、その都度旅行記を書くのだが現在は夜にまとめて旅行記を書くので深夜まで入力作業に追われる。この移動時間で寝不足を補う。それにしてもなぜポメラは購入後4ヶ月で壊れるのだ!

瀋陽

瀋陽駅13:15頃、約10分遅れで瀋陽に到着する。昨日eLongで予約しておいた宿へ移動するので駅の地下にある出口からそのまま地下鉄1号線の改札へ移動。

地下鉄13:30頃、瀋陽駅の駅舎を見ることなく地下鉄1号線に乗車する。東中街まで運賃は2元。

尚儉太空艙

大悦城13:50頃、東中街で下車してC出口を出ると商業街が広がっている。地図と住所を確認しながら歩いてウォルマートの対面にあるショッピングモールの大悦城に予約していた宿の尚儉太空艙(尚俭太空舱/Shenyang Shangjian Capsule Hostel)があるが看板出ていないしショッピングモール内にホステルがあるのは考え難い。

大悦城住居棟ショッピングモールには住居棟があるのでそちらにあるのだろう。とりあえずショピングモールの警備員に聞いてみると、やはり「マンションの方じゃないの?」というので住居棟へ行く。住居棟の警備員に聞いてみると「東棟じゃないの?」という返答が・・・。住居棟が東西の2つに分かれていたので東棟の警備員に聞いたら、ここの18Fであった。エレベーターで18Fまで上がり、14:30頃、尚儉太空艙に到着する。

eLongで1泊49元で予約したが台帳を見ると他サイトや飛び込みだと高いっぽい。支払いは昨晩予約時にネットで済ましているし、eLongで貯めておいたキャッシュバックを使用したので実質0元である。今回は日本から補給物資を発送したりするのでとりあえず7泊で補給完了まで宿泊する。

尚儉太空艙で、部屋だが日本でいうカプセルホテルみたいなものになっている。共有スペースは普通のゲストハウスなのでカプセルホテルとゲストハウスを組み合わせたような感じだ。

16:00頃、朝から何も食べていないので食事に出かける。すぐ近くにイスラム食堂があったので遅めの昼食というか早めの夕飯だ。

麻婆豆腐蓋麺

麻婆豆腐蓋麺麻婆豆腐蓋麺(10元/約200円)を食べるが、他の客がビールを注文していたりする。イスラム食堂なのに酒を提供しており、瀋陽のアラーはかなり寛容なようだ。酒飲まなければ売ること自体はOKなのか?

瀋陽食後は周辺を散歩するが瀋陽の中心街の中街なので周辺は大都会だ。

ハルビンビール小麦王スーパーマーケットがあったのでキンキンに冷えたハルビンビール小麦王330ml(2.1元/約42元)を購入する。やはり、暑い日は冷たいビールに限る。

ウォルマート16:45頃、続いて宿の向かいにあるウォルマートへ行く。

インスタント麺ここで長期滞在に備えインスタント麺を袋(6.5元/約130円)と箱(9.9元/約198円)で購入。これで1週間の滞在に備える。

17:30頃、宿へ戻りポメラDM100をコジマネットで注文。海外転送サービスで中国へ送る準備をする。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 28.5元
地下鉄 2元
合計 30.5元
項目 金額 備考
ポメラ 18003円
合計 18003円

SK汽車客運站

SK汽車客運站08:00頃、地下鉄1号線の東中街駅から瀋陽駅へ向かう。運賃は2元。今日は朝から雨が降っていて外へ出るか迷ったが、天気が回復するのを祈って世界遺産の清永陵へ向かう。08:30頃、瀋陽駅近くの南バスターミナルSK汽車客運站にやって来た。

SK汽車客運站運賃時刻表瀋陽にはいくつかのバスターミナルが駅近くのSK汽車客運站がバスの本数も多く使い勝手良い。

SK汽車客運站運賃時刻表

SK汽車客運站運賃時刻表

SK汽車客運站運賃時刻表

瀋陽→永陵

瀋陽→永陵のチケット09:00発の永陵行きのチケットを購入して待合室へ。

バス08:50頃、改札が始まり新賓(新宾)行きのバスに乗車する。この新賓行きのバスが清永陵の前を通過する。

バス車内今回のバスは中国では遭遇したことのない2列+1列のシート配列になっている。こんな高級仕様のバスはカンボジアでプノンペン→シェムリアップの移動で乗ったバスだけだ。しかし、高級仕様のバスだが自分は最後列で4列シート、おっちゃんとおばちゃんに挟まれ高級仕様とは程遠い。

09:00にバスが発車して高速道路を走り撫順を通過して更に東へと走る。11:30頃、永陵鎮の牌坊を潜ると左手に清永陵への道が見えるが、そのまま永陵鎮の街へ向かう。

永陵客運站

永陵客運站11:35頃、街の中心にある永陵客運站に到着し下車する。

永陵客運站時刻表

永陵客運站時刻表とりあえず、帰りのバスのこともあるので時刻表を確認しておく。
瀋陽へのバスは15:20が最終のようだ。瀋陽行きを逃しても撫順行きの最終が16:30なので、最悪は撫順を経由して瀋陽へ戻れそうだ。

世界遺産 清永陵

永陵への分かれ道で、来た道を戻り20分ほどで先ほどの牌坊に到着。

石碑ここが分かれ道になっており清永陵の石碑がある道を歩いて行く。

永陵への道歩くが雨が止む気配が全くなく清永陵への道も霞んでいる。

清永陵12:10頃、清永陵に到着する。入場料は50元であるが陝西旅游年票を使い無料で見物する。

清永陵清永陵は清王室の祖陵で2004年にユネスコの世界文化遺産に登録されている。清永陵は瀋陽にある太祖ヌルハチの陵墓である福陵(東陵)とホンタイジの陵墓である昭陵(北陵)と合わせて盛京三陵と称されている。永陵が造営されたのは清朝が北京を都に定める前であり、永陵は盛京三陵の筆頭とされ清王朝の関外第一陵である。永陵は初め興京陵と称されていたが順治16年(1659)に永陵と改称される。

清永陵陵墓にはヌルハチの父タクシ、祖父ギオチャンガ、曾祖父フマンら6人が葬られている。

清永陵陵墓の規模は小さく質素であるが、清王朝にとって重要な場所であり康煕帝、乾隆帝、嘉慶帝らが9度訪れている。

清永陵あいにくの雨で来たのは失敗であった。この天気でも観光客が結構いたのは驚いたが・・・。

瀋陽へ戻る

バス車内12:30頃、清永陵を離れ永陵鎮へ戻る。12:55頃、永陵客運站に戻ってきた。ちょうど瀋陽行きのバスが停車していたので乗車する。運賃は44元で、永陵客運站はバスターミナルと言ってもバスは道路脇に停車しているだけなので、バスチケットは乗車時に購入であった。

13:00頃、バスが発車して途中で客を乗せながら瀋陽へ向かう。これなら牌坊の所で待っていても良かったかな。この帰りのバスは4列シートでいつもの中国仕様のバスだ。

15:35頃、瀋陽南バスターミナルのSK汽車客運站に到着。地下鉄1号線で中街へ戻る。運賃は2元。

牛肉炒飯

牛肉炒飯遅めの昼食でイスラム食堂で牛肉炒飯(8元/約160円)を食べる。

乞食食後に中街の牌坊付近を歩いていると乞食がいる。社会主義国になぜ乞食がいる?

瀋陽周辺はこんな大都会なのだが・・・。弱肉強食の中国である。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 8元
地下鉄 4元
バス 45元 瀋陽→永陵
バス 44元 永陵→瀋陽
合計 101元

東北三省旅行記~瀋陽メラミン牛乳

N198次 硬座で白河→瀋陽北

dongbei_40105:00過ぎに起床して出発準備を整えて06:30頃にユースを出る。

dongbei_402白河駅までは2分ほどで到着して待合室へ入るが白河駅にはX線検査装置が導入されておらず駅員と公安が荷物を開けて確認するのだが入口に誰もいないので検査無しで改札が始まりホームへ出る。白河は終点になっているのだが地図上だと線路 は延吉まで繋がっているので貨物列車がこの先を延吉まで走っている可能性がある。旅客列車も延吉まで運行されていると便利だと思うのだが・・・。

dongbei_40307:00に白河を発車して列車は瀋陽へと走り始める。車内は乗車率50%ぐらいから始まり駅や乗降所に停車する毎に混んできて乗車率はほぼ100%になる。しかし、通化に到着するとほとんどの乗客が降りて車内は田舎を走る路線ならではの光景が広がる。それは、昼寝をする人民たちである。

dongbei_4043列シートを1人で占領して昼寝をするのだが靴を脱がず土足のままで昼寝をする人民もいて人民たちの貴重な生態をうかがい知る事が出来た。

dongbei_40520:15頃、瀋陽北駅に到着する。切符は瀋陽駅までなのだが乗換えの列車が瀋陽北発なので下車して出口へ向かう。

瀋陽北で駅寝

出口を出て切符売場へ行き明日のK668次 瀋陽北→鷹潭と14日の2025次 鷹潭→アモイ(厦門)の切符を購入しようとするがK668次は問題なかったが2025次が売切れで買えなかった。恐らく2025次は鉄路局が違うので切符の割当てが無かったのだろう。それに途中駅の鷹潭では尚更買えないだろう。それでも鷹潭へ行けば最悪でも無座の切符は買えるだろう。
切符購入を終えてこの後をどうするかが問題だ。K668次は明日の1804発なので発車時刻までどう過ごすか考えたのだが明日の昼間は6月に瀋陽を訪れた際に失敗した瀋陽蒸気機関車博物館の見物だ。

そして、明日の朝までは瀋陽北駅の待合室で駅寝する事にする。日本でも鉄が無人駅で駅寝する事があるが中国では金の無い民工が駅寝をして列車の乗り継ぎをするのだ。深夜は待合室も空いており横になって寝ることも出来るのだ。でも、置き引きの危険性は高いのだが・・・。待合室で寝ている人民たちに混じり自分も寝る事にする。さすがに横になると熟睡して置き引きに遭いそうなのでベンチに座ったままで寝たり起きたりを繰り返す。

本日の出費
項目 金額 備考
鉄道 253元 硬座 瀋陽北→鷹潭
合計 253元

深夜2時頃にバックパックを預ける

02:00頃に切符売場の隣にある荷物預かり所でバックパックを預ける事にするが、ここの婆さんが最初は預り証に20元とか記入するので、「高いだろ!やめておく!」とか言ったら「2日分だ」とかほざくので「夕方まで預けるだけだ。日付は変わっているぞ!」と言ったら10元になった。

因みに瀋陽北駅だと手荷物の保管料は2-6元で一番大きい高さ60cm以下だと6元で割高である。料金表では高さ60cm以下の荷物までの様に表示されているが、実際は人民たちの巨大な荷物も預けられているので大きめの荷物は割増料金で預かってくれる。

瀋陽蒸気機関車博物館

dongbei_406夜も明けて07:30頃、瀋陽での目的地である瀋陽蒸気機関車博物館へ向かう事にする。駅前から114路のバスで終点の鉄西森林公園で下車するのだが 114路のバス停が見当たらない。仕方ないので次の北京路で114路に乗車して08:20頃、鉄西森林公園に到着する。バスを降りて南へ10分ほど歩くと瀋陽蒸気機関車博物館に到着する。

dongbei_407瀋陽蒸気機関車博物館には日本の植民地時代に大陸を走っていた「あじあ号」の機関車であるパシナ型が保存されている。 で、博物館に到着したものの開館している様子は無いのでおそらく09:00開館だと判断して待つ事にする。

dongbei_40809:00を過ぎて警備員が扉を開けたので入場券売場を聞くと「まだ開館していないよ。」との事。そこで、「何時開館ですか?」と聞くと何やら何時に開館とかの問題ではなく博物館自体がまだ工事中という事らしい。751のプレートは・・・。パシナ型を発見!しかし、ここまで来てお預け状態は辛い。

そして、見物に来た家族連れも開館時間を聞いていたが結局帰っていった。自分はこのまま手ぶらで帰る訳には行かないのでガラス越しに館内を撮影するが確かにまだ工事中の所がある。せっかく来たのに中途半端な鉄分補給になってしまった。いや、むしろパシナ型の後ろ部分だけガラス越しに見せられて鉄分不足になってしまった。

09:30頃、114路のバスで瀋陽北駅へ戻るがバス停は駅前ではなく駅前の郵便局の対面にある迎賓街(迎宾街)にあった。こ こじゃあ見つからない訳だ。

カルフールで伊利の牛乳を購入

dongbei_409瀋陽北駅に戻ってきたが列車は夕方の発車でまだ8時間ほど余裕がある。そこで、カルフールで食料調達と時間を潰す事にする。中国ではメラミン入り牛乳が大問題になっており普段は多少の残留農薬とかも気にしない人民たちですら牛乳や乳製品を買わなくなっている。おまけに、蒙牛、伊利、光明などの有名ブランドの牛乳からもメラミンが検出されたりするのだからもう大騒ぎだ。

dongbei_410おかげで事件発覚後はスーパーの牛乳や乳製品のコーナーからは客が消え空きの棚が出てきたりと人民たちが寄り付かない状態だったが、瀋陽のカルフールでは牛乳の安売りというか在庫処分が行われて人民たちが牛乳を買っていたのだ。危ないと分かっていても人民は安さに弱いらしい。

特に売れていたのが伊利の牛乳1Lで5.9元なのだが2本買うと1本おまけという販売手法で人民たちが見事に購入している。2本買うと1本おまけだから実質3Lで11.8元なのだが、実際この価格は本当に安いのだ。どれくらい安いかというとコカ・コーラ600mlが2.5 元くらいなのだが、伊利の牛乳は600ml当たり2.36元になる。コカ・コーラより安いというのは通常ではありえない事だ。それだけ消費者離れが深刻で不良在庫化しているのだろう。

dongbei_411そこで、今回は敢えて在庫処分されている伊利の牛乳を買うことにした。しかも、箱買いで6Lの牛乳だ。購入する際には生産日を確認したのだがよく見ると生産日が2008/8/19になっている。これは中国政府も問題ないと宣伝している生産日なのだが、勘の良い人は気づいているだろうがこの牛乳はオリンピック真っ只中で事件発覚前に生産された牛乳だ。

中国政府はオリンピック中で事件を隠蔽していたし、メラミンの検出体制が整う前に生産された牛乳だ。この牛乳が安全だという保証は何処にも無い。仮にメラミンが入っていなくても別の物が入っているというオチもありそうだし・・・。しかし、ここは敢えて危険を冒してメラミンが入っているかもしれない牛乳を購入する。まあ、今更メラミン入り牛乳で騒いでいるようでは中国で旅は続けられない。

dongbei_412因みに雑学であるが、中国には日本と違い2種類の牛乳があるが安全な牛乳とメラミン牛乳という意味ではない。中国では純牛乳(纯牛奶)と鮮牛乳(鲜牛奶)に種類が分けられ日本の牛乳に相当するのが鮮牛乳になりますが市場に流通している大多数は純牛乳になります。

鮮牛乳は日本の牛乳と同じように冷蔵で消費期限も短いのですが味は純牛乳より上のようです。価格も高いです。但し、冷蔵で消費期限が短いので販売されている地域が大都市に限られています。

一方、純牛乳は未開封なら常温で半年ぐらい保管する事が出来るので中国各地へ輸送でき長期間の保存が出来るので販売店でも売れ残りの可能性も低く抑えられます。中国で牛乳といったら通常は純牛乳を指します。ただ、鮮牛乳と純牛乳については製造方法がどう違うのか、純牛乳は何故長期間の常温保存が出来るのか謎の部分もあります。

K668次 硬座で瀋陽北→鷹潭

カルフールでの買い物を終えて瀋陽北駅に戻るが入口で人民の喧嘩に遭遇する。初めは人民同士の喧嘩であったがいつの間にか人民と公安の喧嘩になっていた。喧嘩の原因は不明だ。

dongbei_413K668次 瀋陽北→鷹潭の切符

dongbei_414待合室は相変わらず大混雑。

dongbei_415ようやく乗車です。

dongbei_41614:00頃から駅の待合室で改札を待ち1740頃に改札が始まり列車に乗車する。

dongbei_417車内は徐々に混雑して乗車率はほぼ100%になる。

dongbei_418そして、饅頭とメラミンが入っているかもしれない伊利の牛乳が夕飯なのだが牛乳なんか飲むので周りの人民たち の視線を集めてしまう。人民たちは「危険」「メラミン」とか話しており牛乳はまだ危険だと思っているようだ。実際危険なんだろうけど・・・。18:04に 定刻通り発車して江西省鷹潭へと向かう。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 44.3元
日用品 17.8元
荷物保管 10元
合計 72.1元

遼寧省旅行記~瀋陽

4302次 硬座で丹東→瀋陽

liaoning_0560530頃に起床して0650頃、丹東駅へ向かう。丹東駅は新駅舎を建設中で現在は仮駅舎となっている。

liaoning_0570705頃に改札が始まりホームへ向かう。

liaoning_058ホームを歩いていると何と丹東→新義州の列車が停車しているではないか!まさか北朝鮮への国際列車を目撃できるとは思っていなかった。この機会を逃すことはできないので、まずは車内に荷物を置いて急いで撮影へと向かう。

liaoning_059北朝鮮行きの列車を撮影していると駅員のおばちゃんが何か言っている。

liaoning_060いつもの事ながら中国では鉄はまだ珍しいようで行動を理解してくれないようだ。もっとも国境の駅という事もあるのかもしれないが・・・。日本なら「撮り鉄か」で終わってしまいそうなのだが中国はまだその域に達していない。

liaoning_0610730に定刻 どおり丹東を発車して瀋陽へ向かう。今回は座席が窓側ではなかったので昼寝して過ごす。何もしないまま瀋陽へ行ってもつまらないので瀋陽に近づいてきた所で香港でもらった法輪功の大紀元時報と人民報を人民が自由に見られるように車内において瀋陽駅へ降りた。人民はあの新聞を読んでどう反応するだろうか?

帥府国際青年旅舎

liaoning_0621230頃、瀋陽駅前から環路のバスに乗車して故宮で下車する。西へ歩いて瀋陽故宮を通り過ぎた所に瀋陽での拠点にする帥府国際青年旅舎がある。このユースホステルは国際ユースホステル連盟の国際青年旅舎HPの加盟リストには入っていないのだが入口にはおなじみのロゴがある。別のユースホステル団体の中国青年旅舎には加盟しているので、そちらのロゴは目立つようになっている。ちょっと胡散臭いのだが会員証は使えて料金は1割引になった。

瀋陽の電脳街「三好街」

liaoning_0631430頃、環路のバスで三好街へ向かう。三好街は瀋陽の電脳街で日本の秋葉原みたいな所だ。PC関連の店はメーカー製からパーツまで豊富にある。パーツに関しては中古品も豊富だ。それにゲーム関連の店もありXBOX360などが売られていたが店員は商売よりゲームに熱中しているのが多かった。

liaoning_064但し、三好街の特徴としては商品に価格表示がないのだ。人によって価格が高くもなるし安くもなるという事だ。まあ、これは中国共通かな?試しにデジカメの価格を数店で聞いてみたが安い所もあるが少し高めの所もある。中国語が少し話せて見た目が外国人でなければぼったくりに遭遇する確率は低く抑えられそうだ。

人民と裸の付き合い

宿に戻り1週間ぶりにシャワーを使おうと思ったら壊れていた。代わりに同じ建物内のシャワー屋が利用できるようになっていたのでシャワー屋へ行ってみたら 日本の銭湯に近い方式だったので人民たちと強制的に裸の付き合いになってしまう。これは欧米人の方々にとってはかなりの試練かもしれない。自分にとってもかなりの試練だった。どうして、ここまで来て見たくもない人の裸を見なきゃいけないんだ。

何故か廊下に糞が・・・

3kg1.5元で安売りされていた梨を買って部屋で食べて後片付けをしていると廊下でおばちゃんが掃除をしていたのだがこの時は特に気にしていなかったが、トイレに糞があるのを発見してしまう。糞があるというのは糞を流していないという意味ではなく便器からかなり離れた所に糞があるという意味である。

どうやら誰かが糞を漏らしたらしい。そして、部屋へ戻る途中で廊下でおばちゃんが片付けていたのは何と糞であった。廊下でも誰かが糞を漏らしたようだ。いや、これは漏らしたというよりも意図的に脱糞したのではないかと疑ってしまう。いくら仕事とはいえおばちゃんも大変だ。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 17.1元
宿泊費 144元 1泊36元×4
バス 3元 路線バス
合計 164.1元

瀋陽故宮

liaoning_065午前中にカルフールで充電池を購入して午後は瀋陽故宮へ行ってみる。

liaoning_066瀋陽は1625年に後金の都になり、瀋陽故宮は清の建国式典が行われた場所でもあり世界文化遺産に登録されている。入場料は50元で金持ちしか見られないようになっているので、いつもの事ながら外から眺めて終了である。

張氏帥府

liaoning_067東北軍閥といえば張作霖だ。この張氏帥府は張作霖と長男の張学良の官邸兼邸宅であり大帥府や小帥府とも呼ばれている。

liaoning_068瀋陽故宮の南にあるので徒歩10分ほどで辿り着ける。入場料は50元で張氏帥府と近くの金融博物館などが見学できるようになっている。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 8元
雑貨 35元 充電池
合計 43元

世界文化遺産 清昭陵

liaoning_069今日は明け方から雨が降っていたのだが0830頃に雨が止んだので0930頃に清昭陵へ向かうことにする。バスに乗車して1040頃、清昭陵のある北陵公園に到着する。

liaoning_070世界文化遺産に登録されているだけの事はあり綺麗に整備されている。入場料は北陵公園6元、清昭陵30元となっていた。自分は皇帝や王の陵墓はなるべく見物するようにしているのだが今回は入口だけの見物にしておいた。

まあ、これは自分が清朝の皇帝にあまり関心がないのと世界文化遺産に登録されている有名観光地で、瀋陽には日本総領事館があるほど日本人が多く訪れそうな場所だからだ。やはり見物するならマニアックな皇帝や王の陵墓で日本人が少ない場所でないとな。

張作霖爆殺現場

liaoning_0711130頃、瀋陽駅と瀋陽北駅の中間にある京哈線と瀋大線が交差する張作霖爆殺事件の現場を訪れる。東北軍閥の張作霖が北京で蒋介石の国民党軍に破れ列車で奉天へ戻る際に関東軍の独断により列車ごと爆殺されたという場所だ。この事件では時の首相であった田中義一が昭和天皇に内閣総辞職を迫られて総辞職するほどの事態になっている。

liaoning_072上の線路が北京からの張作霖が乗る列車が通過した京哈線で、関東軍がこの橋脚の部分に爆弾を仕掛けて列車ごと張作霖を爆殺した。下は大連-瀋陽を結ぶ瀋大線。

liaoning_073張作霖爆殺事件は中国では「皇姑屯事件」と呼ばれ現場には皇姑屯事件発生地の石碑がある。

liaoning_074そして、現在の現場は人民のゴミの不法投棄場所と化していた。教科書にも出てくる重大事件の発生現場なのに一体どういう事なんだ?もはや、人民にとっては張作霖爆殺事件はどうでもよい事なのか?この惨状にはがっかりさせられた。

雨が降り宿へ戻る

午後になり曇り空だった天気が一気に悪くなり雨が激しく降ってくる。これ以上の市内見物は無理と判断して宿へ戻り大人しくする事にする。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 14元
バス 3元 路線バス
合計 17元

満州事変発端の地・柳条湖と九一八歴史博物館

liaoning_0750730頃、宿を出て満州事変発端の地である柳条湖へ向かう。満州事変は1931年9月18日22時30分頃に瀋陽郊外の柳条湖付近で関東軍参謀・石原莞爾、板垣征四郎の指揮で南満州鉄道を爆破し中国側の仕業として各地で軍事行動を開始し東北部を占領した事件だ。まあ早い話がこれ以後の戦争の発端となったという事だ。0800頃、九一八歴史博物館に到着。

liaoning_076以前は入場料20元だったらしいが無料になっていた。で、ここには関東軍司令官・本圧繁により書 かれた奉天忠霊祠石碑と関東軍により設置された記念碑の柳条湖爆破地点碑が展示されているのだが、わざわざ倒して展示している。それほど日本嫌いなら産業廃棄物処分場にでも捨ててしまえばと思ってしまうのは自分だけだろうか?そして、博物館は閉まったままになっており建物内に入れなかった。改装中なのだろうか?

liaoning_077九一八事変柳条湖爆破地点碑

liaoning_078博物館だから色々と日本鬼子の展示が満載だと期待していたのだが、かなりがっかりさせられてしまった。代わりに爆破現場がどこなのか線路沿いに歩いてみるがそれらしい記念碑が見当たらない。まあ、線路沿いに紀念館を建設して終わりのようだ。自分としては具体的にどの場所が爆破現場だったのか知りたかったのでがっかりだ。せっかく線路沿いにいるので柳条湖事件の現場付近で撮り鉄を開始する。

liaoning_079中国では尋ね人の貼り紙をよく見かける。どうやら行方不明になる人が多いらしい。

世界文化遺産 清福陵

liaoning_080325路のバスで瀋陽北駅へ移動して1030頃、168路のバスで東陵公園へ移動する。東陵公園には世界文化遺産の清福陵がある。

liaoning_081福陵は清の太祖ヌルハチ(努尔哈赤)と孝慈高皇后のエホナラ氏(叶赫纳喇氏)の陵墓である。1140頃、東陵公園に到着する。入場料は30元なので入口だけ見物して早々に立ち去る。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 9.9元
バス 10元 路線バス
合計 19.9元

端午節の振り替え休日なのに公安庁へ

今日は月曜なのでビザ申請に遼寧省公安庁出入境管理局へ行ってみたが昨日が端午節だったので今日は振替休日というのを忘れてうっかり来てしまい警備のおっ ちゃんに「今日は休みだよ」と言われてしまった。仕方ないので歩いて宿へ戻るついでに瀋陽市公安局出入境管理処の場所も確認してみるが調べた場所にはそれらしい建物や看板すらなかった。
宿に戻り念のためにビザ申請で必要になるかもしれない臨時宿泊登記証明をもらうが、この時に老板が瀋陽市公安局出入境管理處の行き方を教えてくれた。どうやら北陵公園の対面に移転したようだ。それにしても、瀋陽はやたらと暑い。今日の最高気温は28度らしい。どうりで東北部 でも外に裸族が出没しているわけだ。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 14元
宿泊費 72元 1泊36元×2
バス 1元 路線バス
合計 87元

遼寧省公安庁ではビザ手続きをしていなかった

1000頃、瀋陽北駅から217路のバスで遼寧省公安庁出入境管理局にやってきた。公安庁は各地の公安局を束ねる場所で日本なら県警本部に相当する機関だ。今回は公安局でなく親分の公安庁でビザ申請を受理してくれるか試すという事だ。出入境管理局は公安庁の対面のビルにあるのだが警備のおっちゃんがなかなか通してくれなかったのだが日本人と気づいたらすんなり「3Fだよ」との事。下手くそな中国語なんだからすぐに外人だと気づいてくれよ!

で、3Fの窓口でビザ申請に来たことを伝えると後ろの方にいたお偉いさんが「ここじゃやってないんだよ!北陵公園の対面に公安局があるからそこで申請して!」みたいな事 を言われる。公安庁でもやっていると思ったが考えが甘かった。

瀋陽市公安局出入境管理處

公安庁を出て通りをそのまま北へ歩いて1030頃、北陵公園の対面にある瀋陽市公安局出入境管理處に到着するがビザ申請の4Fは大混雑で既に今日の番号札の発券は終了していた。1030で既に満杯とはどういうことなんだ?この後訪れた人たちは保安に「明日来て」と追い返されていたが自分は今日申請しないと不受理だった場合に深圳へ退避が間に合わなくなってしまう。

保安に「今日申請しないと間に合わない」と言ったら課長(科长)に相談するように言われて4時間待って課長(科长)にノービザの期限が迫っていることを告げて何とかならないかお願いしたら足りない書類や申請書のチェックをしてくれて「座って待つように」と一言。書類に不備は無さそうでノービザ申請も大丈夫なようだ。更に2時間待って1600過ぎに番号札を持っていない人の受付が始まったが、ここで思わぬ災難が・・・。キャッシュカードは預金証明にならないということで不受理になってしまった。

これには課長も「カードじゃ駄目なんだよ。銀行で預金証明書をもらって明日また来て」みたいな事を言ってくるが中国銀行の口座には2万元の残高はないし、国際キャッシュカードも10万円くらいしかないので全額引き出しても足りない。この瞬間、ノービザ申請の野望は消えうせて深圳へ退避する事を決意する。

深圳行きの切符を購入

1730頃、瀋陽北駅にやって来た。今やらなければいけない事は13日がビザの期限なので、それまでに深圳に辿り着き香港へ出る事だ。で、ここで買わなければいけない切符は明日のT188次 瀋陽北-深圳の切符か明日、明後日の瀋陽北-広州東の切符だ。何れかの切符が買えなければ進退窮まる事になる。切符売り場の列に並び20分ほどで順番が回ってきた。
明日の深圳行きがあるかを聞いたら奇跡的に残っていた。もちろん硬座の切符を購入する。これで、今回の旅で最長距離である3152㎞を硬座で移動する事になる。おまけに車内2泊で35時間23分の乗り鉄の旅だ。硬臥でもこれほどの移動をした覚えがないのでどうなる事か・・・。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 10元
鉄道 320元 硬座 瀋陽北→深圳
バス 5元 路線バス
コピー 1元
合計 336元

6381次 無座で瀋陽→世博園

liaoning_0820500頃に起床して朝一の環路のバスで瀋陽駅へ向かう。

liaoning_0830550頃、瀋陽駅に到着して世博園行きの切符を購入する。ついでに6/15の深圳西→重慶北の 切符も購入する。世博園は2006年に世界園芸博覧会が開催された場所で元々は瀋陽植物園だった場所だそうで現在は博覧会跡地を園芸関係のテーマパークにして瀋陽の定番観光地になっているらしい。

liaoning_084よく見るとこの1編成で普慢からN列車、A列車まで運用されているようだ。

liaoning_085で、何でこんなつまらない確率99%の場所に早起きして行くのかというとここに瀋陽市蒸気機関車博物館(沈阳市蒸汽机车博物馆)があるらしいという情報を得たからだ。細かい情報を集めていないので本当にあるかは分からない。でも、調べる価値はありそうなので行ってみる事にした。列車に乗り込むが早朝の列車なので各車両に乗客は4,5人しか乗車していない。

liaoning_086列車が発車して張作霖爆殺事件の現場を通り過ぎ瀋陽北駅へ。

liaoning_087そして、世博園に到着するが開園は0900からになっている。とりあえず、園内の地図を確認するのだが蒸気機関車の博物館が見当たらない。どうも、怪しい。おまけに入場料 50元で貧乏人からすればぼったくりだ。

悩んだ挙句にもっと情報を集めてから出直す事にして168路のバスで瀋陽市内へ戻る。後日結果としてこの判断が正しい事だった判明する。瀋陽市蒸気機関車博物館は世博園(瀋陽植物園)にあったのだが鉄西区へ移転している事が分かった。危うく50元をドブに捨てるところだった。

T188次 硬座で瀋陽北→深圳

liaoning_088昼頃に宿を出て333路のバスで瀋陽北駅へ向かう。今日は1750発のT188次に乗車して深圳へ移動するという強行軍を開始するのだ。それも、硬座で3152㎞の旅で今までの旅で最長距離の移動になる。おまけにダイヤ通りに運行されると35時間23分の旅だ。さすがに青春18きっぷと大垣行臨時夜行で鍛えた鉄でも乗りたくない列車だろう。

liaoning_089発車まで5時間ほど時間があるので待合室で気長に待つことにする。

liaoning_090そして、1720頃に改札が始まり列車に乗車して 荷物を置いて発車時間まで撮り鉄開始である。

liaoning_091今回は特快で車両は25Kで典型的な藍皮車(蓝皮车)なのだが、乗客が乗車している間は食堂車(餐车)では乗務員が整列して出迎えている。これが普快の緑色の車両の緑皮車(绿皮车)なら食堂車の乗務員は確実に休憩でくつろいでいるだろう。さすが特快となれば乗務員の質も格段に高い。たまに例外もあるが・・・。T185次は瀋陽北-深圳の運行だし乗務員の質も高そうなので広州鉄路局の運行かと思っていたが後で車内放送とかで瀋陽鉄路局による運行だと分かった。

liaoning_092そして、撮り鉄をしているといつの間にか隣のホームにCRH5が停車しているではないか!CRH5はフランスのTGVを製造しているアルストムの技術を導入している高速鉄道だ。まあ、TGVの兄弟分ってところかな?

liaoning_093CRH5の撮影をして車内に戻り1750定刻どおりに列車は発車する。発車後は中国の鉄道ではおなじみの車内放送で音楽が流れ始めるのだが、しかし、乗客は中国人である。大人しく車内放送を聴いているわけがない。

各自携帯電話で音楽を流し始める。中国は日本と違い車内で携帯電話を使うのは問題ないのだが、その使い方には特徴があるのだ。周囲を気にせず大声で話すのはもちろんの事だが、音楽も大音量で流すのだ。中国ではヘッドホンを使うという習慣は無い様で音楽を聴くときも周囲を気にせずに大音量で聞くのだ。

どうして大音量で音楽を聞くのかというのは人民に質問した事がないので不明なのだが、推測としては、ヘッドホンを買う金がない。周囲に携帯電話を持っている事を自慢したい。というのが 思い浮かんだのだが、どちらにせよ中国人の不思議な習慣である。

夜になり乗警(乘警)の身分証確認が始まるのだが、パスポートを提示すると乗警はパスポー トの中身すら確認せずにすぐに返してきた。どうやら、見なかった事にしたらしい。周囲の乗客は「コイツ何者だ?」という目で見ているのだが、この後に予想外の展開が発生する。2人掛けシートの4人ボックス席なのだが自分以外の3人の人民が全て身分証不携帯だったのだ。乗警は特に怒りもせずに名前だけ聞いて端末に入力してお咎め無しなのだ。

身分証の携帯は義務の筈なのに、どうして逮捕しないんだ?どう考えても彼奴らは怪しいだろっ!身分証不携帯で罪にならないのでは一体何の為の身分証確認なんだ?こうして、身分証不携帯の怪しげな人民3人に囲まれて車内1泊目へと突入する。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 5元
鉄道 1.5元 無座 瀋陽→世博園
鉄道 231元 硬座 深圳西→重慶北
バス 5元 路線バス
発券手数料 5元
合計 247.5元

特快といえども硬座は民工列車と化す

liaoning_094夜も明けて何時の間にやら天津を過ぎて山東省を走行していた。途中で水滸伝の梁山泊がある梁山を停車することなく通過して安徽省に入る。そして、阜陽(阜阳)を過ぎる頃になると車内がやたらと混んできた。昼食にカップ麺を食べる為にお湯を入れに行くが、連結部と洗面台に無座の乗客とおなじみの尿素と書かれた肥料袋の荷物が溢れていた。

そう、既に特快も出稼ぎ労働者の民工が溢れる民工列車と化していたのだ。というか、民工は連結部で寝るなっ!通行の邪魔だろっ!因みに今回の35時間23分の旅での食事はこのカップ麺1個だけである。それにしても、民工で溢れ始めたのに気付いてからは連結部以外でも乗車率が徐々に上がって行き南昌を過ぎる頃には3人掛けシートが4人掛けになっていたり通路に座り込む人民、タバコを吸う人民や床にポイ捨てされたゴミも見かける ようになる。

どうして、民工が乗り込んでくると車内環境が悪化してくるのだろうか?はっきり言って民工どもには特快に乗って欲しくない!いや、民工は特快に乗るなっ!普慢と普快だけに乗れっ!こうして、車内はゴミ捨て場へと変貌しそうだったのだが乗務員が頻繁に清掃作業をするので座席周辺だけはとりあえず 衛生状態を保つことに成功する。さすが特快の乗務員だ。しかし、連結部は民工たちの溜まり場なのでゴミと痰とタバコの吸殻で溢れていた。こうして車内2泊目へと突入する。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 0元
合計 0元

遼寧省旅行記~大連・旅順・丹東

6331次 無座で大連→旅順

liaoning_0250530頃に起床して旅順への出発準備を整える。今日は雨が降るらしいので傘を準備して大連駅へ向かう。

liaoning_0260630頃、歩いて5分足らずで大連駅に到着。待 合室へ向かうと既に改札が始まっている。

liaoning_027問題なく改札を通過してホームへ降りて撮影開始。今回は未開放地区への列車に乗車するので撮影は自粛するのだが、 実は公安の目の前で撮影していたりする。公安は特に気にせずにホームの巡回をしていた。どうやら隠れているより堂々としていた方が安全なようだ。

追加情報:2010/1/11の朝日新聞朝刊によると旅順が対外開放された。これにより小日本が旅順を歩いていても拘束される事は無くなりそうだ。でも、軍事施設はもちろん非開放なので写真を撮ったりすると命の保証は無いだろう。

liaoning_0280655に定刻どおり列車が発車して車内検札が始まる。乗務員と乗警がやって来て切符を提示して無事にやり過ごす。大連では乗客は少なかったが次の沙河口で一気に通勤ラッシュになるが徐々に乗車率は下がっていき旅順の手前では乗車率1割程度になっていた。

liaoning_0290845頃、雨の降る旅順に到着する。出口に公安がいたが身分証確認もなく無事外へ出る。どうやらキセルを警戒しているだけのようだ。

liaoning_030そして、未開放地区でまずは旅順駅の撮影だ。旅順駅は100年の歴史があり大連市文物保護単位にも指定されている。で、駅の目と鼻の先には軍港の旅順港があるのだが、さすがにここは撮影できないので近くのバス停で5路のバスに乗車して二〇三高地へ向かう。

二〇三高地

liaoning_0310900頃、終点の石板橋に到着して道を真直ぐ歩いていくと二〇三高地の看板が見えてきた。

liaoning_032更に進むと二〇三高地の入場券売場に到着する。入場料は30元になっている。まあ、わざわざ二〇三高地に登る必要はないし既に目の前に見えているので十分だ。それ以前に天気が悪いので早々に引き返す。

liaoning_033最寄のバス停は5路の石板桥(石板橋)だ。旅順へ列車で訪れたら駅前の海沿いの通りから乗車する。

水師営

liaoning_0345路のバスで旅順駅に戻り12路のバスに乗り換えて水師営へ向かおうと思ったが何時まで経ってもバスが来ないので徒歩で旅順の城区へ移動する。海沿いに軍 港を見ながら歩いて進むが途中で軍港游園とかいう観光客が集まる場所の前を通る。どうやら軍艦を背景に記念撮影をできる公園のような場所なのだが切符売場には入場料が表示されていない。普通なら窓口のおばちゃんに聞くのだがここは未開放地区なのでうっかりへまをするといけないので結局入場料とかは分からずだ。

でも、中国人観光客を対象といえども軍艦を背景に記念撮影ができるような場所があるのでは既に未開放地区にしておく意味は無い様に思えるのだが?旅順の城区に入り8路のバスに乗車して水師営へ向かう。昼頃、水師営に到着するがどこに乃木大将とステッセル中将の会見場があるのか分からず彷徨う。

暫くしてバス停の先に観光バスが停車しているのを見つけ近寄ってみると入場券売場があり水師営に到着する。ここの入場料は40元だがここは古い小屋が並んでいるだけで見る価値があるか疑問らしいのだが外から窺うだけでも40元の価値があるように思えない。早々に立ち去り信号のある交差点まで戻り大連行きのバスに乗車して大連の周水前まで戻る。周水前からは路線バスで中山広場へ向かう。

中山広場

liaoning_0351500頃、中山広場に到着。中山広場周辺には日本時代の建物が残っており旧大和ホテルや旧大連市役所などを見物する。これは大連賓館で旧大和ホテル。

liaoning_036旧大連市役所。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 10元
宿泊費 30元
鉄道 52元 硬座 大連→丹東
バス 3元 路線バス
バス 5元 水師営→大連
合計 100元

N139次 硬座で大連→丹東

liaoning_0370600頃に起床して0800頃に大連駅へ向かう。待合室へ入るとちょうど改札が始まる直前であった。

liaoning_038そして、改札口には自動改札機が設置されている。大連も深圳や広州と同様にかなりの都会になっているようだ。でも、自動改札機は稼動していなかった。

liaoning_039改札が始まり列車に乗車して荷物を置き客車と機関車の連結作業を見物する。今回は途中の瀋陽までが電化区間なのでSS9型に牽引されていくのだ。SS9型は最高速度170㎞/hの高性能の電気機関車なのだが何故か重連運転になっている。

liaoning_040連結作業を見物。

liaoning_041因みに客車は22型なので最高速度は120㎞/hです。客車の編成自体が少ないのでかなりの無駄遣いだ。

liaoning_042連結作業の撮影を終えて再び乗車するのだが、大連駅のホームにどこぞのHPからパクリましたという様な新幹線がの画像が使用された看板がある。ちゃんと使用許可は取ってあるのだろうか?新幹線勢揃いの画像は鉄が見たら分かるでしょ!

liaoning_0430845に定刻どおり発車し丹東へ向かう。1400頃、瀋陽に到着して電気機関車からディーゼル機関車へと切り替わり丹東へ向かう。1907に4分遅れで雨の降る丹東に到着。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 7.5元
宿泊費 30元
合計 47.5元

中朝友誼橋・鴨緑江断橋

liaoning_0440800頃に中朝国境の鴨緑江に架かる中朝友誼橋と鴨緑江断橋を見物しに行く。中朝友誼橋は日本のテレビでも度々出てくる定番の中朝国境だ。

liaoning_045橋は架かっているのだが鉄道、トラックの往来は見受けられない。もちろん人の往来もない。中越国境の東興、河口に架かる友誼橋のような活気は全くない。

虎山長城・北朝鮮見物

liaoning_0460955頃、駅前の丹東客運站から虎山長城行きのバスに乗車する。事前調査だと15路のバスが虎山長城へ行くらしいのだがバス停が見つからなかった。途中で客を拾いながら1100頃、虎山長城に到着する。

liaoning_047虎山長城は万里の長城の一部で山海関や老龍頭よりも東にある。但し、虎山長城には昔の古い長城は残っていないらしく復元された物しかないらしい。おまけに入場料は40元だ。長城は外から見るだけにして、ここでの目的は中朝国境を見ることだ。 GoogleEarthで確認したら川幅が狭く間近に北朝鮮が見られそうだったので、うまくいけば北朝鮮の兵士が見られるかもしれない。

liaoning_048対岸が北朝鮮で道路の間近に国境線がある。

liaoning_049とりあえず虎山長城の周辺を歩いてみるとすぐに国境が見えてきた。川が国境になっているがこの辺りは川幅が狭くなっている。畑のあぜ道を通って川岸へ向かうと遠くから地元民が声をかけてきた。もちろん無視して更に進むと後ろから怒鳴り声が聞こえてくる。どうやら川岸に近づけさせたくないらしい。この川が北朝鮮国境のようだ。すぐ近くの派出所に通報されると厄介なので他の場所を探す。

liaoning_050おとなしく道路沿いに歩いていると川幅が数mまで狭くなっている所があったり遠くに北朝鮮の監視所らしい建物も見える。そして、兵士は見つけられなかったが北朝鮮の人民がいた。

liaoning_051北朝鮮側には監視所らしき建物があるが人の気配は感じられない。

liaoning_052このように国境の川沿いには中国側、北朝鮮側の双方に有刺鉄線が張られている。

liaoning_053北朝鮮の人民がいたといっても今回は2人しか目撃できなかった。畑とかは耕してあるようなのだが人民が農作業をしているという光景は見られなかった。 1330頃、虎山長城で宽甸(寛甸)からのバスを拾って丹東へ戻る。虎山長城へは宽甸(寛甸)行きなどのバスが虎山長城の前を通過するようなので交通の便 はそれほど悪くはなさそうだ。

再び中朝友誼橋と鴨緑江断橋

liaoning_0541450頃、再び中朝友誼橋と鴨緑江断橋にやって来た。

liaoning_055北朝鮮側に工場が見えるのだが稼動している様子はない。煙突から煙は出ておらず、ただの飾りになっているようだ。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 13元
宿泊費 30元
バス 4.5元 丹東→虎山長城
バス 5元 虎山長城→丹東
合計 52.5元

遼寧省旅行記~準備

K38次 硬座で桂林→広州

liaoning_001昼頃に桂林花満楼国際青年旅舎をチェックアウトして桂林駅で1842発のK38次を待つ。まだ6時間ほどあるのだがのんびりと気長に待つことにする。 K38次は柳州発で桂林に1828着なのだが時間になっても到着しない。どうやら遅れているようだ。1840頃に列車が到着して1851に桂林を発車した。

K38次は広州までは北回りの湖南省の衡陽を経由していく、本当はまだ通っていない広西チワン族自治区の玉林を経由する南回りを通りたかったのだが 狙っていたT40次がどうやら硬座車両が連結されていないようなので諦めざる得なかった。K38次は硬座は満席であったが寝台の硬臥は空いているようで車 内放送で案内をしていた。そして、駅を通過するたびに乗車率が下がっていき1人でシートを占領して横になることができた。これじゃあ硬臥は売れ残るな。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 15.7元
日用品 6.5元
合計 22.2元

広州駅でデジカメを落とす

0640頃、広州駅に到着して切符売り場に向かうがこの後に今回の旅で最大の悲劇に見舞われる。切符売り場で、まずは5/30の広州→漢口と5/31の漢口→威海の切符を買うのだが広州→漢口は無座切符で民工たちによる凄い展開が待ち構えている事が確定した。ついでに5363次の広州→深圳西の切符も買おうとしたが窓口のおばちゃんが「窓口が違う」とか言って追い出される。発券システムは同じなのにどうしてまとめて買わせないのだろうか?
そして広東省内の専用切符売り場に並び直して5363次の広州→深圳西の切符を買おうとするが窓口のおばちゃんが端末もたたかずに「没有」(無い)の一言。切符の販売状況を示す電光掲示板には無座と硬臥は「有」になっているのだが「没有」の一点張り。「D列車の切符は要らないから特快か快速の切符が要る」と言うと「没有」 と「バスで行きな!」と吐き捨ててきた。

別の窓口で聞いて端末を叩かせても表示されず電光掲示板に無座が「有」になっていることを言っても「没有」とかほざいている。どうやらD列車の切符を強制販売しているようだ。おまけにこの時にリュックからデジカメを落としていた。リュックは前に抱えていたので掏られてはいないのだが実はリュックのファスナーが購入した時から壊れており、ちゃんと閉まっていなかったので見事に切符売り場を彷徨っている内に落としてしまった。念のため周囲を探すが既に民工が拾って持ち去った後のようだ。

どうも今日は厄日のようだ。というより、夏はあまり良いことが無い。去年は安徽省合 肥でデジカメを1度掏られて、新疆ウイグル自治区ではバスで移動中に居眠りして財布を掏られている。この手の災難は何れも上着がTシャツだけの夏に発生している。それ以外の季節は懐にデジカメ、財布をしまって全く問題が無いのだ。まあ、今回は自分の落ち度だから仕方が無いのだがデジカメを落としたのと窓口のおばちゃんの態度に心中穏やかでない状態で深圳へ向かう方法を考える。

改札口を強行突破で乗車

liaoning_002まずは基本の站台票(入場券)を買って車内精算する方法だが、ここも窓口のおばちゃんが「切符売り場で買え」とか言って站台票を売ろうとしない。切符売り場で買えないからここに着たのに・・・。仕方が無いので最終手段で先ほど買った5/30の広州→漢口の切符で入場する。

もちろん日付は隠して入場で駅員が呼び止めても聞こえない振りして待合室まで強行突破する。5363次は遅れており0840頃に到着する。ホームには何故か切符を持ったおばちゃんがおり一体どのようにして購入したのか気になったが乗車して車内精算をする。車内精算は桂林→広州のK38次の切符を見せて問題なく精算できたのだが精算金額が31元でぼったくりだ。CRHを利用しない貧乏人への新たな嫌がらせの気配がする。

そして、更に車内にはかなり空席があった。駅の窓口では「没有」の一点張りで切符を売ってくれなかったのだが実際には空席があるし一体どういう事だ。やはりD列車の高い切符を無理やり買わせる魂胆なのだろうか?

賽馬會摩星嶺青年旅舍

1100頃、深圳西に到着してバスと地下鉄で福田口岸から香港へ入りMTRとスターフェリーを乗り継いで中環に到着する。中環からは徒歩で上環へ向かい1430頃、ユースホステルの送迎バス発着場所を見つけてバスが来るのを待つことにする。1640頃、バスに乗車して1700の発車を待つ。1730頃、賽馬會摩星嶺青年旅舍に到着する。

両替
中国銀行で引き出す 2692.50元=3000香港ドル 2692.50元1元=1.114206香港ドル

本日の出費
項目 金額 備考
鉄道 31元 無座 広州→深圳西
鉄道 68元 無座 広州→漢口
鉄道 78元 硬座 漢口→威海
地下鉄 3元
バス 2元 路線バス
発券手数料 5元
合計 187元
項目 金額 備考
宿泊費 500元 1泊100香港ドル×5
鉄道 34.8香港ドル
フェリー 1.7香港ドル スターフェリー
合計 36.5香港ドル

ビザ申請で不受理になる

0730過ぎにユースホステルの送迎バスで上環へ移動しトラムで湾仔へ向かう。0820頃、既に行列の出来ている香港外交部に到着する。0920頃、ようやく中に入り申請の順番を待つが1040過ぎまで待つことになる。順番が来て窓口に申請表を提出するが係官に「現在Lビザは30日までで帰りの航空券と宿の予約証明書が必要だ」と言われて不受理になってしまった。

前回は3月下旬にビザ発給が厳しくなった直後に申請した時は航空券とかは言われなかったのだが更に厳しくなっていた。まあ、航空券とかが必要なのはHPを見て何となく気づいていたのだが見事に門前払いを喰らった。

深水渉でデジカメを購入

香港でビザ申請不受理となり今後の計画が大幅に狂うことが確定してしまったのだが、新しいデジカメを調達するために深水渉の高登電脳商場と黄金商場へ向かう。高登電脳商場と黄金商場は香港の電気街で秋葉原のラジオデパート、ラジオセンター、パソコン店が凝縮された場所だ。

1200頃、深水渉に到着する。2つの商場は別々の場所にあると思っていたら同じビルに入っていた。デジカメを買いに来たのだがここで3時間ほどカオス状態の電気街を見物する。高登電脳商場と黄金商場は香港の定番の電気街なのだがPC店は腐るほどあるのだがデジカメを扱う店は少なかった。まあ、とりあえず専門店で品定めをして今回はオリンパスのFE-310を購入した。

本日の出費
項目 金額 備考
鉄道 12.8香港ドル
フェリー 3.9香港ドル スターフェリー
デジカメ 1150香港ドル
メディア 115香港ドル xDピクチャーカード1G
電源プラグ 8香港ドル
合計 1289.7香港ドル

ユースホステルに籠もる

liaoning_003ビザ申請不受理になってしまったので香港ではやることが無い。宿代もまとめて払っているので5/30まで山の上に籠もることになる。

liaoning_004まあ新しく購入したデジカメの操作に慣れるようにするしかないな。で、夜景とかを撮影してみた。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 0香港ドル
合計 0香港ドル

中国人は面子が大事

今日もユースホステルに籠もって情報収集をするのだが、知り合った広州人の陳先生が今日広州へ帰るそうで周辺の欧米人に片っ端からメモ帳にメッセージを書いてもらっている。皆快くメッセージを書いており色々と良い思い出ができたようだ。そして、暫くすると自分の所にも来て日本語でメッセージを書くように頼んできたのだが、こちらは何を書けばよいか良く分からないのだが、とりあえず書いてあげたら喜んでくれた。

陳先生は大学生のようで帰ってから周囲に集めたメッセージを自慢するらしい。香港旅行だけでも十分自慢になると思うのだが色々と見栄を張らなければいけないらしい。陳先生は広州の大学生で香港旅行に来ているのだから金持ちのお坊ちゃんなのだろう。でも、学生が平日に香港旅行って大丈夫なのか?

本日の出費
項目 金額 備考
食費 0香港ドル
合計 0香港ドル

武漢人と話をする

さて今日もユースホステルに籠もるのだが昨日は広州人の学生が帰ったので今日は武漢人の蘇先生と色々と話す時間ができた。蘇先生は英語がうまく欧米人と普通に会話をしているのをよく見かけていたので欧米の事情に詳しいと思っていたら日本の事にもかなり興味があるようだ。当然ながら日本のアニメ、ゲーム、ドラマについて色々知っていた。

まあ、日本のアニメとかに興味を持つのは中国の若者には当たり前なので特に驚かないのだが、ここは無線LANが使えるので一緒に日本のニュースを見ながら話をしていくと蘇先生から「日本では毎日こんなにも殺人事件があるの?」と聞かれてしまった。見ていたニュースでは3件の殺人事件が報道されていたが日本人からすれば3件ぐらいは多いとは思わないのだが、確かに中国では殺人事件の報道が極端に少ない。

CCTVでは殺人事件の報道は滅多に無く地元TV局が報道するぐらいだ。そして、デートクラブ摘発のニュースにかなり興味津々の様子で「こういう所に行った事あるの?」「料金はいくらぐらい?」とか聞いてくるし店内の映像とか見て笑っていた。そして、お約束の小泉純一郎の靖国参拝や福田内閣の支持率が低い事とかについての事情を知る限りの知識を動員して話をすると、かなり驚きと興味を持って聞いてくるし質問もしてきた。

どうやら中国国内だと日本側の情報が手に入りにくいようだ。色々と話をしていくうちに蘇先生はオーストラリアに移民する準備をしている事を話してくれた。道理であんなにも英語が流暢で政治の話でも冷静に聞いていて普通の中国人と違う訳だ。でも、どうして移民するのだろうか?一旗あげるのか?それとも自由を求めてなのか?この辺については敢えて聞かなかった。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 0香港ドル
合計 0香港ドル

スターフェリーとMTRで深圳へ

liaoning_0050600頃に起床して厨房で漢口までの食料として一昨日欧米人からもらった卵でゆで卵を作る。0700過ぎにチェックアウトして上環までの送迎バスを待つ ことにする。0730頃、送迎バスで上環へ移動して徒歩で中環のスターフェリー乗り場へ移動する。スターフェリーで香港島を離れ九龍半島の尖沙咀へ。

liaoning_006尖沙咀のスターフェリー乗り場では法輪功の人たちが大紀元時報を配っていたのでもらってMTRに乗車して尖東から羅湖へ。

liaoning_0070900頃、羅湖口岸から深圳へ入るが税関では荷物のX線検査があったが中身までは検査せず待ち込み禁止のはずの大紀元時報もそのままである。まあ、税関の職員は機械のモニターを見ておらず世間話をしている様子だった。税関を抜けて深圳側の免税店まで来ると何やら警察の規制線が張られている。

そして、通行人に見えないように一部に衝立があるのだがよく見ると奥には黒人が倒れている。しかも、公安がビデオカメラで撮影しているので事件か何かの現場検証のようだ。とすると、あの黒人は既に死んでいるということか?立ち止まって覗いていると公安の視線がこちらに向いている。どうやらここには居てはいけないらしいので速やかに深圳へ出ることにする。 しかし、警備厳重な場所になぜ黒人の死体が?

D714次 2等座で深圳→広州

liaoning_008深圳駅で広州行きの切符を購入するが75元もした。ただでさえ広州鉄路集団の路線は切符が高いのにCRHの切符を購入では悲鳴をあげたくなる。

liaoning_009改札口へ向かうとIC自動改札機があるのだが何故かすべて稼動しておらず1ヶ所おきに使えないようになっている。

しかも、全てに人員が配置されている。前回はこんな事は無かったのだが理由は容易に推測できた。IC自動改札は中国ではまだ非常に珍しいようで人民は使い方をよく理解していないのでIC自動改札機の前でもたついたり、自分が通るIC自動改札機に切符を通さずに隣のIC自動改札機に通すという笑える光景がよく見られるのだ。

そして、こういった事を防止するために人員配置をしたり1ヶ所おきにしか使えないようにしたようだ。これではもはや最先端のIC自動改札機を導入した意味が無くなっている。中国では自動改札機は普及しそうに無い。

liaoning_010D714次は定刻どおり1003に発車して広州へと向かう。前回乗車した時は最高速度が180㎞/hしか出ていなかったのであまり期待していなかったが今回は201㎞/hまで出ている。CRH1だってとりあえずは200㎞/h以上出せるようだ。

しかし、よく揺れて乗り心地は悪い。これは車両の問題ではなく線路の問題だろう。深圳-広州は元は在来線でカーブが多いのだ。早く専用軌道を建設して欲しいものだ。1120頃、広州駅に到着する。

2805次 無座で広州→漢口

liaoning_011広州からはこれまでの金持ち専用列車から一気に非空調の民工専用の2805次で漢口へ向かう。しかも、今回は今までと違いより一層民工の視点で鉄道の旅を楽しむ為に無座切符になっている。・・・・。いや違う。無座の切符しか残っていなかったんだ。誰が好き好んで無座切符で民工どもと車中泊するんだ!

liaoning_0121330頃、改札が始まり人民ダッシュに負けないように場所取りの為に走る。座席指定なら心に余裕があるのだが今回は違う。ホームを走り乗車して真直ぐ使われていない乗車口を占領する。中国の鉄道では車両の左右に2ヶ所の乗車口があるのだが何故か始発から終点まで1ヶ所しか使っていない。たまに終点で2ヶ所使うこともあるけど・・・。

なので無座切符の民工にとっては乗車口は荷物が置けて座れるかなり重要な場所なのである。日頃から民工の行動を観察して きたので今回は自分が実践することになった。まずは床に香港でもらったフリーペーパーを敷いて荷物と座る場所を確保する。もちろん、荷物は他の民工が占領 場所に勝手に荷物を置かないようにように微妙に間隔をあけて置く。

1353に定刻どおり発車して漢口までの民工体験の旅が始まる。因みに反対側の乗車口に は民工4人がござを敷いてタバコを吸っている。こちらは1人で占領しているので作戦はほぼ成功のようだ。但し、乗車口は喫煙場所にもなっているのでタバコ臭いのと短時間座るだけでも尻が痛くなるのが欠点だ。乗車率は余裕で100%以上で列車は走り続け停車駅の度に混雑が増して連結部にも民工が溢れてきたというか既に限界に達している。

そして、公安の身分証確認が始まりパスポートを提示すると公安の反応は民工たちの身分証確認の時と違って驚いていた。まあ、この驚きは民工たちの中にどうして日本人がいるのかという事だろう。公安はパスポートの中身を確認すると何も言わずに返却してくれた。いや返却したというよりも「見なかった事にして厄介事には関わらない様にしよう」という感じだ。こういった状況でも1人で乗車口を守り抜き乗車率が下がり始める深夜に突入していく。

本日の出費
項目 金額 備考
鉄道 75元 二等座
合計 75元
本日の出費
項目 金額 備考
鉄道 34.8香港ドル
フェリー 1.7香港ドル スターフェリー
合計 36.5香港ドル

1066次 硬座で漢口→威海

liaoning_0130440頃、湖北省武漢の漢口駅に到着する。出口を出てまずは切符売り場へ。

liaoning_014ここで1066次の切符を1961次の成都行きに変更しようとしたが、四川大地震の影響で運行停止になっていた。ということで、そのまま0801発の1066次に乗車して威海へ向かうことになる。待合室で朝食に昨日作ったゆで卵を食べる。そういえば昨日は食事無しだったな。

liaoning_0150730頃改札が始まり乗車する。乗車率100%以上で発車して威海へ向かうが途中の阜陽から一気に乗車率が下がり始めて1人で3列シートを占領することになる。

liaoning_016そして、夕方に徐州に到着すると再び乗車率が急上昇するがこの先は停車駅の度に乗車率は徐々に下がっていく。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 0元
合計 0元

フェリーで威海→大連

liaoning_0170500頃、威海に到着する。駅から威海港へ移動しなければならないのだが実は威海のフェリー乗り場の場所や路線バスについて全く調べていないのだ。とり あえず人民たちが歩く方向へ向かうとバスターミナルの威海汽車站に到着するがバスターミナルは目的地ではないので目の前のバス停で路線を確認すると、どうやら駅は開発区にあり市区から離れているようなので市区へ移動する。

liaoning_018市区で降りて彷徨っていると道路標識に「威海港客运站(威海港客運站)」の文字を発見する。そして、バス停でも1路のバスが威海港客運站へ行くのを見つけるが、何と1路はバスターミナルを通過する路線だった。初めから乗っていれば・・・。 幸い威海港客運站までは3つ先のバス停で徒歩圏内だったで助かった。0720頃、威海港客運站に到着する。切符売場には既に列ができており自分も並ぶこと にする。

liaoning_019威海→大連のフェリーは1日3便で朝1便、夜2便の運行になっている。0730になり切符の販売が始まる。切符を購入して待合室で乗船が始まるのを待つ。 0830頃、乗船開始になるが威海→大連のフェリーは身分証がないと乗船できないようになっていた。以前乗船した海口-広州や海口-海安などでは身分証の確認は無かったのだが・・・。

liaoning_0200900になると威海を出港して大連へと向かう。大連までは約8時間の船旅だ。船内ではやる事が無いので溜まっているHP制作に励むが人民たちがやたらと後ろから覗き込んでいる。中国では列車内でもノートPCで遊んでいる金持ち中国人を見る事があるのだが、まだ人民にはノートPCは珍しいのだろうか?というより人民たちの行動が後ろから覗き込むという1つの行動しかないので分かりやすい。

liaoning_0211630頃、大連港に到着する。大連は まだ涼しく上着が必要だった。

大連到着

liaoning_022大連港からは13路のバスで大連駅へ移動する。

liaoning_023大連駅の周辺で宿を探さなければならないのだが安そうな宿は建物がやたらと古くて「大丈夫か?」と言いたくなる物ばかりだ。もしかして日本時代の建物なのだろうか?新しい建物は賓館や酒店とか高そうな所ばかりだ。駅周辺を彷徨っていると駅の東に建物がそこそこ新しそうで宿が4件ほど集まっている所を見つける。その中から海婷旅社に宿泊することにする。

部屋に荷物を置いたら、まずは大連駅で明日の旅順行きの切符を購入する。旅順は二〇三高地と水師営以外は外国人は立ち入り禁止らしいのだが問題なく普通に切符は購入できた。青蔵鉄路みたいに「入境証を出せ」みたいな事はなかった。

liaoning_024大連ではどら焼きが売られていた。どら焼きといえばドラえもんというのは中国、日本の共通認識のようだ。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 18元
宿泊費 30元
鉄道 4.5元 硬座 大連→旅順
バス 2元 路線バス
フェリー 120元 威海→大連
合計 164.5元