日本からポメラDM100到着
09:20頃、郵便局の配達員から電話がありEMSを取りに行く。日本で注文したポメラDM100がようやく到着だ。18Fから1Fの入口まで行くと大悦城のマンション住民が小包の受け取りに集まっている。日本だと宅配便とかは高層マンションでも玄関まで配達だが、中国の場合は配達員が入口に到着すると受取人へ電話して取りに来てもらう方式だ。
自分も伝票にサインにして配達員から日本からのEMSを受け取るが箱がでかい。過剰梱包なのだが箱が結構傷めつけられているので中国へ送る場合はちょうどいいようだ。8月1日に大阪から発送して8月6日に瀋陽到着なので、まあ1週間以内でEMSが到着だ。
早速開封の儀で箱を開ける。外箱は傷めつけられているが緩衝材でポメラは無傷である。動作も今のところは問題なしだがDM100はでかい。今まで使っていたDM5は折りたたみ式で持ち運びに便利だったが、キーボードのフレキシブルケーブル辺りに構造上の問題があるようでキーボードが故障。しかも、DM5は同じ故障で2台目の廃棄だ。DM100はでかいがキーボードの故障なく長期間使用できると期待している。頼むから、もう故障しないでくれ!
遼寧省から内蒙古自治区へ
日本から補給物資を受け取ったので瀋陽から次の内モンゴル自治区へ移動できる。早速移動の準備で12306.cnで今日の瀋陽北→通遼、明日の通遼→大板の切符を購入する。
続いてウォルマートで買い出しだ。今回はバックパック(179元/約3580円)を新しく購入する。2009年に北京のカルフールで購入したバックパックに穴が空いたので交換である。6年使ったが十分元はとれただろう。宿に戻り昼前に出発の準備を整えて先にチェックアウトだけしておく。列車は夕方発車なので15:00頃まで居座らせてもらう。
15:10頃、宿を出て中街から地下鉄1号線に乗車して青年大街で2号線に乗り換え、15:55頃、瀋陽北駅に到着。切符売場で15分ほど並び12306.cnで予約した通遼行きの切符を受け取る。いつもの切符と身分証の確認、手荷物のX線検査を済ませて待合室へ入るが、今日も駅員はパスポートの中身を確認せずにスルーだ。
やたらとでかい待合室で待機となるが、待合室といっても、瀋陽北駅の待合室には売店、土産物屋からマクドナルド、ケンタッキー、吉野家まである。
それとアメリカには店舗がないけどおそらく中国で一番有名な牛肉麺チェーン店の美国加州牛肉面大王(California beefnoodle king U.S.A)もある。待合室といっても日本でいうエキナカに相当する。
瀋陽北→通遼
18:00頃、乗車バトルに備え自動改札機の前に陣取る。ただし自動改札機だと乗車バトルより自動改札機の反応が遅いのと自動改札機を使ったことのない乗客により渋滞が発生する方が面倒である。
これから乗車する列車は18:43発、瀋陽北→霍林郭勒のK5078次で通遼まで移動する。席は硬座で運賃は46.5元だ。このK5078次は8月中の増発列車で観光用だろうか?
18:27頃、駅員の合図で改札が始まり競馬場のゲートのように各馬一斉にスタートとはいかず、自分はスタートダッシュに成功したが隣のおばちゃんたちは自動改札に慣れておらずピーピー警告音鳴らせて渋滞だ。自分は空いているホームへ移動し乗車する。
荷物置き場は問題なく確保して発車を待つ。18:43に定刻通り瀋陽北を発車する。乗車率は2割ぐらいで空いていたが、すぐ瀋陽で一気にほぼ満席となるが無座の乗客はいないので需給の均衡がとれている列車のようだ。荷物棚の方は空きスペースがあるので比較的難易度は低い方だろう。
瀋陽を出てからは停車駅ごとに乗客が少なくなり遼寧省から内モンゴル自治区へ入ると乗車率はかなり下がり3列シートを占領して寝ている乗客が出現し始める。どうやら田舎を走る夜行列車のようだ。まあ幸い今回の列車は痰吐きのおサルさんがいないのでかなり平和な方だ。
内蒙古自治区通遼へ
16分遅れで23:36に通遼到着。出口を出たらそのまま切符売場へ行き12306.cnで予約しておいた明日の大板行きの切符を受け取る。次の目的地は大阪ではなく大板だ。この大板鎮は巴林右旗にあり、この巴林右旗の北にある白塔子鎮には遼慶州白塔と呼ばれる遼代の白塔がある。この塔が目的地だ。なぜこの塔を目指すかは後々分かります。
切符を受け取ったので、次は宿探しではなく、そのまま待合室へ行き必殺の駅寝だ。軍資金不足なので駅寝です。この先も外国人が訪れそうもない田舎へ行くので外国人お断りの宿に遭遇する確率が高く安宿に泊まれそうもないので高い賓館に宿泊することを想定して節約です。
ちなみに通遼は交通の要衝になっており深夜でも列車の本数が多く利用客も多い。駅前にもバスターミナルの通遼汽車站があり、賓館や旅店などの宿も多く揃っている。まさに交通の要衝と言っていいだろう。でも、観光地は市内に博物館があるぐらいだ。
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
食費 | 31.1元 | |
鉄道 | 46.5元 | 硬座 瀋陽北→通遼 |
鉄道 | 21.5元 | 通遼→大板 |
地下鉄 | 2元 | |
日用品 | 211.5元 | |
合計 | 312.6元 |
通遼で駅寝
日付が変わりウォルマートで買い込んでおいた饅頭を夜食に食べて過ごす。01:30頃になると待合室は人が少なくなり静かになってくる。代わりに痰吐きの音が良く響くが・・・。
そして、駅寝の達人たちが既に駅寝中だ。今日はこの辺で駅寝することにする。04:30頃、夜が明けてきた。待合室は徐々に混雑してきてカオス状態になる。
通遼→大板
今日乗車するのは09:30発、通遼→シリンホト(錫林浩特)の6035次だ。席は硬座、大板まで運賃は21.5元、距離は347km、4時間51分の乗り鉄だ。瀋陽→大板まで直通列車があるのだが、6035次は貴重な非空調なので乗車する。
08:30頃、改札口の先頭を陣取り乗車に備える。通遼駅の利用客にはおサルさんが紛れ込んでおり他の列車の改札では割り込みが頻発している。今、08:52発、満洲里→フフホトのK276次の改札をやっているが目の前をおサルさんが一匹通過して列へ割り込んでいった。
09:15頃、改札が始まり列車に乗車。荷物置き場を確保して機関車のDF4Dの撮影へ向かうが駅員に因縁付けられて撮影禁止であった。通遼では撮影されると都合が悪いらしい。まあ、他でもいくらでも撮影できるから問題ないけど。列車に乗車して窓を開けようとしたら全開にできないように改造されている。やられたよ!これは大きな問題だ。ゴミのポイ捨て防止で少ししか開けられないようになっている。この列車はおサルさんの乗車率が高いようだ。
09:29に定刻より1分早く列車が発車する。乗車率は5割ぐらいで今のところは平和だ。列車内は中国語以外の言語も聞こえるので、おそらくモンゴル語だろう。内モンゴル自治区の徐々に出てきた感じだ。
外の風景は主にトウモロコシ畑が続くが草原や荒れ地も出てくる。停車駅ごとに乗客の入れ替わりが多く乗車率は下がり3列シートを占領して昼寝という光景が各所で見受けられる。田舎の平和な列車だ。
14:20頃、大板に到着する。ここは内モンゴル自治区赤峰市巴林右旗大板鎮。で、何でこんなド田舎の大板で下車したのかというと契丹の慶州白塔へ行くためだ。2012年に日本で契丹の文物展があり、TBSの世界ふしぎ発見でも契丹が取り上げられており、その番組内で慶州白塔が紹介されていた。
まあテレビに影響されてやって来たというところかな。この慶州白塔は何もない草原の中にポツンと千年近くも立っている。これはかなり重要度が高い。
駅前の通りを街の方へ少し歩くとバスターミナルの大板汽車站に到着。昨日、eLongで汽車站賓館を予約してあり、とりあえず1泊100元で2泊する。さすがにバスターミナル併設の賓館なら外国人お断りというのはないので安心だと思ったら外国人お断りであった。バスターミナルに併設された賓館で外国人お断りは初めてである。
老板娘が派出所に外人が泊まれる賓館を聞いてくれてバスターミナル脇の友誼商務賓館と人民政府近くの巴林賓館が宿泊可能とのことだが、友誼商務賓館に乗り込んだら満室で巴林賓館はネットで確認した時点で1泊300元とかなので問題外である。進退窮まる。ちなみにバスターミナル前を1路のバスが通っており街の中心へ移動できる。
遼慶州白塔はあきらめて赤峰へ向かうことにする。次の目標は赤峰の南の寧城県にある大明塔(遼中京城遺址)だ。なので、そのままバスターミナルで赤峰行きのチケットを購入。16:00発で67元だ。
チケット購入時に前のおっちゃんが慶州白塔のある白塔子行きのバスを聞いていて、08:30にバスがあることが分かる。待合室へ移動して出発を待つが待合室に手荷物預かり所がある。これなら早朝に大板に到着して荷物を預けて白塔子へ行くという戦法が使えるではないか!赤峰とか他地域へ行くバスがある時間までに戻ってこれるかという問題は残るが・・・。機会があれば遼慶州白塔へは再挑戦しよう。
16:00になりバスが赤峰へ向かう。高速を飛ばして、18:35頃、バスターミナルの赤峰汽車站に到着する。
さて、問題の宿探しだがバスターミナル周辺に賓館が多くあるので手当たり次第突撃する戦法をとるが、1軒目の君安賓館であっさり宿泊OKであった。1泊78元の部屋だが70元でいいよということで2泊する。
部屋はトイレ・シャワー付き、それとテレビ、エアコンもある。何より窓付きなのがよい。窓からは線路が見え列車の通過音が聞こえる。WiーFiの電波も良好だが回線自体が少し遅い。
バスターミナルでバスの状況を確認するが北京、フフホト、天津などから各地へのバスが頻繁に出ているようだ。まあ、バス情報はbus365.comで確認すればよいだろう。
それと赤峰汽車站と赤峰駅の移動は35路など路線バスで可能だ。
夕飯はイスラム食堂で青菜拉麺(8元/約160円)と蛋炒飯(9元/約180円)を食べる。
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
食費 | 17元 | |
宿泊費 | 140元 | 1泊70元×2 |
バス | 67元 | 大板→赤峰 |
合計 | 224元 |
赤峰駅
06:00頃、赤峰汽車站で明日の正藍旗行きのチケットを購入する。バスが08:00と09:20の2本あり08:00発のバスにしておく。正藍旗までの運賃は100元だ。続いて36路のバスで赤峰駅へ向かう。
06:50頃、赤峰駅に到着し切符売場で天義行きの切符を購入。赤峰駅は駅舎が新しく立派だ。
駅舎の外壁には赤峰周辺の史跡を描いた巨大壁画がありデザインに力が入っている。待合室へはいつもの切符と身分証確認、手荷物のX線検査があるが、パスポートは中身を確認せずというかパスポートなのかも確認していなかった。実名制意味なし・・・。
赤峰→天義
今回乗車する列車は07:32発、赤峰→山海関のK7384次だ。天義までの移動で席は硬座、運賃は8.5元、天義までの109kmを2時間13分で走る。
既に改札が始まっており改札口に並ぶが2つの改札口のうち、なぜか片方だけ切符と身分証確認をしている。で、自分は運悪く身分証確認の方に並んでしまい待つことに・・・。他の乗客たちは文句言っているけど駅員は真面目に業務を遂行しているだけだ。ただし、もう片方の改札口は身分証確認していないので意味ないような・・・。
07:20頃、ホームへ降りて行先票の撮影をして列車に乗車する。
車両はエアコン無しで非空調の扇風機車両だ。窓は全開まではできないが半分開けられるようになっている。K列車なのに非空調というのは珍しい。
07:32に定刻通り発車する。乗車率は8割ぐらいで3列シート占領して寝いているおばちゃんがいる。荷物棚は2割ぐらいしか埋まっていないので利用客は地元民中心のようだ。今日の赤峰の天気は晴れだが朝はかなり涼しく扇風機は非稼働、窓もほとんど開いていない。田舎の平和な列車だ。
08:45頃、気温が上がってきて扇風機が稼働し始め窓も開き始める。そして、1元アイスの車内販売も始まる。
遼中京城遺址大明塔
ロンリープラネット内蒙古によれば、駅前から3路のバスで大明塔へ行けるので、3路のバスに乗車して発車を待つ。10:25頃、バスが発車しておばちゃんが運賃回収を始める。大明塔までの運賃は4元だ。途中でバスターミナルの寧城汽車站を経由して大明塔へ。
県城を出てしばらく走ると塔が見えてきた。11:05頃、大明塔の前で下車する。この時間になると真夏の暑さでかなり暑い。湿度が低い分まだマシな方だが・・・。
大明塔は遼の最盛期に建立された塔で高さ80.22mのレンガ造りの塔であり、高さは中国第3位、体積は中国第1位を誇っている。大明塔周辺が遼中京城遺址になっており、遼の都である中京があった場所である。
中京が造営されたのは1007年で、契丹と遼の五京のひとつになる。中京は北宋の開封を参考に造営されており、都城は外城、内城、宮城の三重城になっている。
金代には北京路大定府、元代には大寧路、明代には大寧衛が設置されたが、明の永楽元年(1403)に廃止され徐々に廃墟へと変わっていった。大明塔には伝説では地下宮殿があるそうで、もし地下宮殿の存在が確認されれば経典などの宝物が発見される可能性が高い。発見されれば北京の雲居寺を上回る規模かもしれない。今後の調査に期待だ。
今では周辺はトウモロコシ畑の広がる田舎であるが、大明塔と城壁の跡が当時ここが遼の政治と経済の中心であったことを示している。
大明塔はとにかくでかい。トウモロコシ畑が広がる田舎にこのような塔があること事態驚きである。塔は外から見るだけで登ることはできないが敷地内には遼中京遺址博物館がある。でも、閉館中であった。正門が工事中なので博物館も工事中か?
観光客は田舎にも関わらず家族連れが車で来ていた。そこそこ有名な観光地のようだ。12:30頃、3路のバスに乗車して県城へ向かう。運賃は4元で、13:10頃、天義駅に到着し切符売場で赤峰への切符を購入する。
天義へ戻る
14:59発なのでまだ時間があるので駅周辺を散歩してみる。通りの名前に契丹街や中京街の名称があり土地柄を表している。
昼食をどこかで食べようと食堂を探しているとイスラム食堂を発見。
天義→赤峰
駅へ戻り待合室へ入るが、いつもの切符と身分証があると思って駅員のおばちゃんに切符とパスポートを出したら払い戻しの退票のハンコを押される。何かおかしい。天義駅では切符と身分証の確認をしていなかった。おばちゃんに退票だと思われてハンコ押されていた。切符売場は身分証必須なのに待合室は昔のままで手荷物のX線検査だけであった。こんな平和な駅は初めてである。
赤峰への列車は14:59発、山海関→赤峰のK7383次だ。席は硬座で運賃は8.5元、赤峰までの109kmを2時間7分で移動する。
14:59発であったが30分ほど遅延が発生して改札が始まるが、ここで問題が発生する。天義では切符と身分証の確認をしておらず、てっきりやっていると思って切符とパスポートを駅員のおばちゃんに渡したら退票だと思われて間違えて退票のハンコを押されており、改札口で駅員のおっちゃんが通してくれない。おばちゃんに助けを求め、おばちゃんの天の声でおっちゃんを黙らせて改札口フリーパスだ。やはり、どこの国でもおばちゃんは最強である。
列車が入線してくるが乗車口のカオス度が高い。少し待って乗車して15:41に天義を発車する。
車両はエアコン無しの非空調の扇風機車両だ。開いている窓からの風が心地よい。17:55頃、約50分遅れで赤峰に到着する。
そして、駅前の通りでは交通事故の現場検証が行われていた。乗用車とスクーターの事故だ。でも、道路に血の跡がないので大した事故ではなさそうだ。中国は交通事故が多すぎる。
18:15頃、駅前から35路のバスに乗車する。運賃は1元だ。18:35頃、赤峰汽車站に到着し宿へ戻る。
バスターミナルの東区画の地下に中規模スーパーマーケットがあり特売のビールを購入。330mlで1元(約20円)、500mlで2元(約40円)だ。
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
食費 | 19.7元 | |
鉄道 | 8.5元 | 硬座 赤峰→天義 |
鉄道 | 8.5元 | 硬座 天義→赤峰 |
バス | 100元 | 赤峰→正藍旗 |
バス | 10元 | 路線バス |
ATM手数料 | 7.5元 | |
合計 | 154.2元 |