世界遺産 清福陵
07:00頃、中街のバス停から218路のバスに乗車して終点の東陵公園へ向かう。運賃は1元で、08:00頃に東陵公園到着。天気は曇りで雨が振りそうな気配がする。でも、天気予報だと昼頃は晴れとなっていたので大丈夫だろう。だぶん・・・。
清福陵の入場料は40元だが陝西旅游年票を使い無料で見物する。
清福陵は清の初代皇帝である太祖ヌルハチと皇后のイェヘナラ(葉赫那拉)氏の陵墓であり、瀋陽の東郊外にあるため東陵と呼ばれ盛京三陵のひとつである。
清福陵の造営が開始されたのは後金の天聡3年(1629)、崇徳元年(1636)に陵号を福陵と定められる。順治8年(1651)に完成し、その後は康煕、乾隆、嘉慶の時期に増築と改築がされていく。
清福陵は基本的には明朝の皇陵規則を踏襲しているが建築様式に満州族の特色も取り入れた陵墓となっている。1929年に一般公開され、2004年にユネスコの世界文化遺産に登録されている。
開門してすぐの時間帯だったようで観光客は少なめだ。7年前に訪れた時は、それほど興味がなかったので見物しなかったのだが、今回は無料で見物なので興味の有り無し関係なく見物だ。一部修復工事が行われていたので全ては見物できなかったが満足だ。でも、金払っていて工事で見物できないとなると文句を言いたくなるだろうな。
09:40頃、218路のバスで中街へ戻る。東陵公園が始発なので余裕で座れる。運賃は1元だ。
ちなみに東陵公園からは148路のバスもあり瀋陽北駅が終点になっている。座って瀋陽市内へ戻れるのだが渋滞が酷い。基本的には市内中心部のバスでの移動はやめておいたほうが良い。初乗り運賃2元で高いが地下鉄で行ける所は地下鉄で移動したほうが時間の節約ができ断然良い。
10:45頃、中街に到着するが、昨日乞食がいたところには別の乞食がいる。片目と両手がないのだが、これも中国の現実。社会主義国は福祉が充実しているはずなのだが、これはどういうことだ?この乞食は両手がないので1人で乞食生活というのは無理であろう。おそらく世話をする人間がいて組織化されているのだろう。
中街からは地下鉄で北陵公園へ移動する。途中の青年大街で地下鉄2号線に乗り換えて、11:30頃、北陵公園の南門に到着。
北陵公園の向かいには瀋陽市公安局出入境管理局があり、ここでビザの延長手続きが行われている。ノービザで入国してビザ申請する人とかは用がある場所だが、自分は来年まではビザには困らないのでスルーというか、ここにはいい思い出はない。
世界遺産 清昭陵
北陵公園には清昭陵があり入場料は50元である。北陵公園だけの場合は6元だ。高いが今回は盛京三陵を見物することに決めているので泣く泣く緑の毛沢東を1枚出す。
清昭陵までは1.5kmほど歩くのだが途中で清昭陵の墓主であるホンタイジの像がある。
そして、蒸し暑い。どれぐらい暑いかというと、これぐらい暑い。
そう、腹出し族が出没するほど暑い。あまりの暑さで世界遺産でも文明旅游どころではないらしい。
清昭陵は清朝第二代皇帝のホンタイジと皇后の陵墓である。造営が開始されたのは崇徳8年(1643)、順治8年(1651)に完成。その後、康煕、乾隆などの時期に増築と改築が行われた。1927年に一般開放され2004年にユネスコの世界文化遺産に登録された。
瀋陽市民の憩いの場である北陵公園にあるのと市内にあるという立地のために観光客と地元民で賑わっている。規模はヌルハチの福陵と比べればはるかに大きく歩くのも結構大変だ。
新楽遺址
13:30頃、北門から出て北陵公園の西にある新楽遺址へ向かう。14:15頃、地下鉄2号線の新楽遺址駅のC出口に到着。地下鉄の出口の前に文物保護単位の石碑があり、ここから西へ3分ほど歩いて新楽遺址に到着する。
入場料20元だが陝西旅游年票を使い無料で見物する。新楽遺址は1973年に新楽電工廠宿舎敷地内から発見され「新楽遺址」と命名された。
約7200年前から約4000年前の新石器時代の集落跡であり母系社会の遺跡である。
14:30頃、新楽遺址を離れて地下鉄で中街へ移動し宿へ戻る。宿へ戻りインスタントラーメンを昼食兼夕食に食べる。今日は節約でイスラム食堂へは行かずに乗り切る。夜は瀋陽故宮と張氏帥府の入場券をCtripで予約する。入場券売場で購入するよりも少しだけ安くなる。今回は2箇所で7元安く購入できた。牛肉麺1杯分だ。eLongでも観光地の電子チケット扱ってくれないかな?
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
バス | 2元 | 路線バス |
地下鉄 | 4元 | |
北陵公園(清昭陵) | 50元 | |
瀋陽故宮 | 58元 | Ctrip |
張氏帥府 | 55元 | Ctrip |
合計 | 169元 |
張氏帥府
08:40頃、宿を出て張氏帥府へ向かう。天気は曇だが蒸し暑い。中街を抜けて、08:55頃に瀋陽故宮の脇を通り、09:00に張氏帥府到着。正面の広場には張学良の像があり観光客が記念撮影をしている。
Ctripで予約しておいたので専用窓口で携帯のショートメッセージを見せて入場券を受け取る。入場券は通常は60元だがCtripでは55元。
張氏帥府は大帥府、少帥府とも呼ばれ北洋軍閥の張作霖、張学良親子の邸宅である。伝統的な四合院形式の邸宅と西洋建築の邸宅の2種類が残っている。
四合院形式の邸宅が残っているのには少々意外性があった。ドラマだと軍閥の邸宅は西洋建築ばかりなので四合院があるのは少し新鮮に感じた。
大青楼と呼ばれる邸宅はロマネスク様式で1922年に建設され青い瓦を使用していたので大青楼と呼ばれるようになった。
張氏帥府・関帝廟
そして、大青楼の脇には関帝廟がある。建立時期は不明であるが張作霖が修復しているので、それ以前に建立されていることは確実だ。ある意味で貴重な三国志遺跡である。
壁画には関羽の活躍が描かれているが説明がないので、どの場面か分からないのが多い。とりあえず分かったのは桃園の誓いと華雄が斬られる場面ぐらいだ。
10:15頃、張氏帥府を出て隣の趙一萩故居と瀋陽金融博物館を見物する。入場券は趙一萩故居と瀋陽金融博物館もセットになっているので見物しておくが、内部は撮影禁止になっている。趙一萩故居は張学良の愛人(後に正妻)だった趙一萩の住居だ。
瀋陽金融博物館は張作霖が設立した辺業銀行の跡地になる。金融博物館は見応えがあり国内外の金融に関する資料が展示されている。特に紙幣や貨幣の展示に力を入れている。偽札の展示はかなり興味深い。11:00頃、瀋陽金融博物館を出て瀋陽故宮へ向かう。
世界遺産 瀋陽故宮
5分ほどで瀋陽故宮に到着。Ctripで予約しておいた入場券を瀋陽故宮の対面にある瀋陽故宮旅行社で受け取るが、割り込まれたりして10分ほど待たされる。それでも入場券売場に並ぶよりは早く処理は済む。ネットでの予約で60元の入場券が58元で購入。
今日は夏休み中の土曜日なので入口は行列で滅茶苦茶混雑している。もう、どこへ行っても人だらけだ・・・。世界遺産を見物に来たのだが、何やら強制的に中国人の観光模様を見せられている。何で金払って中国人を見物しなければならないのだ。
瀋陽故宮は清朝が北京へ遷都する前の都で建物には満州族の特色が色濃く残っている。2004年にユネスコの世界文化遺産に登録された。
それに人を撮りに来たわけでないので、屋根や天井とかしか撮影ができない。
完全に失敗である。夏の観光シーズンは大都市の有名観光地は避けたほうが良さそうだ。
そして、暑くなると世界遺産といえども腹出し族が出現する。あまりの暑さで世界遺産でも文明旅游どころではないらしい。12:30頃、瀋陽故宮を出る。
酸辣白菜蓋飯
夕飯はイスラム食堂で酸辣白菜蓋飯(10元/約200円)を食べる。
ドイツビール
食後はウォルマートで品質保持期限間近の処分品ドイツビール3本セット(8.9元/約178円)を購入する。生産国はドイツであるが原材料表示に中国語があるので元から中国向けに生産されているようだ。元から中国向けの生産だと、このビールがドイツで売られているのか怪しんでしまうのは自分だけであろうか?
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
食費 | 18.9元 | |
合計 | 18.9元 |
瀋陽北→鉄嶺
05:00頃、起床して調兵山の鉄煤蒸汽機車博物館への遠征準備をする。天気予報だと雨みたいだが室内での見物なので遠征へ赴く。06:10頃、中街のバス停から105路のバスで瀋陽北駅へ向かう。運賃は1元。
06:30頃、瀋陽北駅に到着し切符売場へ向かう。早朝でも農民工のおっちゃんたちで溢れているのかと覚悟していたが、切符売場は空いており5分ほど列に並ぶだけで済む。待合室の入口でいつもの切符と身分証確認、手荷物のX線検査がある。瀋陽北駅は公安と駅員がパスポートと切符をちゃんと確認して、ちゃんと仕事している。すごい久しぶりの瀋陽北駅であるが待合室が新しくやたらと広くなっている。
これから乗車する列車は07:17発、重慶北→長春のK1571次で鉄嶺へ移動する。席は硬座で運賃は12.5元、鉄嶺まで67km、1時間4分の乗り鉄になる。
07:05頃、改札が始まりホームへ向かう。今回は荷物が少ないので荷物置き場確保など乗車バトルに参戦する必要がない。
重慶北からの長距離列車なので農民工列車を覚悟していたが列車内は思いのほか平和であった。07:17に列車が発車して鉄嶺へと向かう。
鉄煤蒸汽機車博物館
駅前にはバスターミナルの鉄嶺市客運中心があるが調兵山行きのバスはバスターミナルからの出発ではなく、バスターミナル北側の通りからの発車になる。
バスターミナル北側の通りへ行くと調兵山行きのバスが待機しており乗車する。08:35頃、バスが発車する。
車掌のおばちゃんに鉄煤蒸汽機車博物館までいくらか聞くと9元であった。
鉄煤蒸汽機車博物館は敷地内で蒸汽機車博覧園と蒸汽機車陳列館に別れており、それぞれ入場料が50元になり両方見物したら100元になる。かなり高いのだが陝西旅游年票を使い無料で見物する。
調兵山の鉄煤蒸汽機車博物館は名前の通り鉄煤集団が運営する蒸気機関車専門の博物館になる。調兵山は中国の蒸気機関車聖地として中国国内だけではなく海外の蒸気ヲタにも知られている。今日は聖地巡礼である。でも、本当の聖地巡礼は真冬に調兵山でSLの撮り鉄であるが、冬の寒さに耐えられない自分はこれが精一杯だ。
まずは蒸汽機車博覧園から見物するが上游型SY0063が館内に鎮座している。夏休みの日曜日にも関わらず客は自分一人だけだ。無料で見物しているので客とはいえないかもしれないが・・・。展示資料を一通り見てSY0063へ。運転室が開放されており運転室貸切状態で見物。
09:50頃、蒸汽機車陳列館へ向かうが雨が降っている。見物している間に雨が降ってきた。蒸汽機車陳列館には説明だと20両の蒸気機関車が展示されているようだが、外部展示のSY1770が見当たらない。運行中なのか?
まあ、とにかく蒸気機関車の撮影である。撮影していると、何と先客がいた。誰も居ないと思っていたら観光客が2人いた。まあ、2人だけなので静かで撮影には支障はない。
1999年製の蒸気機関車
ここで興味深かったのは1999年9月製造の蒸気機関車、上游型SY1771だ。
中国では1999年まで蒸気機関車が製造されていたのだ。windows95や98より後に製造された蒸気機関車があるというのには正直驚いた。これだけ新しければまだまだ走れるはずだ。そして、1999年10月製造の中国で最後に製造された蒸気機関車の上游型SY1772も鉄煤集団が所有しており現役で動いているらしいが今回はその姿は確認できず。陳列館にないのだからおそらく動いているのだろう。
10:30頃、鉄煤蒸汽機車博物館の前から鉄嶺行きのバスに乗車する。運賃は9元で、11:10頃、バスターミナル脇に到着。そのまま駅前から109路のバスに乗車して終点の鉄嶺西駅へ向かう。運賃は2元。
高速鉄道で瀋陽へ
12:05頃、鉄嶺西駅に到着する。鉄嶺西駅は高速鉄道の駅になるが市内から離れており、瀋陽から鉄嶺へ向かう場合は正直言って高速鉄道を使う意味は殆ど無い。
例えば瀋陽から鉄嶺のバスターミナルまで行くとすると、バスは瀋陽→鉄嶺、運賃24元で所要時間2時間。鉄道は瀋陽北→鉄嶺、運賃12.5元で所要時間1時間。高速鉄道は瀋陽北→鉄嶺西、運賃24.5元で所要時間20分、その後109路のバスに乗車、運賃2元で約40分。
これでは高速鉄道は意味が無い。乗り鉄するのには運賃を抑えられるのでいいかもしれないが・・・。
切符売場で瀋陽北への切符を購入して待合室へ。手荷物検査はいつも通り。新しい駅舎なので待合室が広い。空港みたいだ。
今回乗車するのは12:57発、長春→上海虹橋のG1256次だ。席は二等座で運賃は24.5元、鉄嶺西→瀋陽北の54kmを18分で走る。
高速鉄道は列車の入線前にホームで待機なので撮影にはちょうどよい。撮り鉄をして列車に乗車して瀋陽北へ向かう。
13:19頃、4分遅れで瀋陽北に到着するが、乗車口におサルさんが群がっていてなかなか降りられない。というか、何で退こうとしないのだ!車両は最先端でも利用客がおサルさんでは・・・。一部では文明人が並んではいるが、殆どの場所では群がっているだけであった。
瀋陽北駅から105路のバスで中街へ戻るが、昆明の公交ICカードを試しに使ってみたら使えた。運賃は1割引きの0.9元だ。瀋陽は昆明などの都市と公交ICカードの相互利用ができるようになっており、地下鉄では使えなかったが路線バスでは使用可能であった。
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
食費 | 12.5元 | 硬座 瀋陽北→鉄嶺 |
鉄道 | 24.5元 | 2等座鉄嶺西→瀋陽北 |
バス | 3.9元 | 路線バス |
バス | 9元 | 鉄嶺→調兵山 |
バス | 9元 | 調兵山→鉄嶺 |
合計 | 58.9元 |