ハルビン→牡丹江
04:50頃に起床して出発準備を整える。既に外は夜が明けて掃除のおばちゃんたちが道路清掃をしている。05:30頃、ユースホステルをチェックアウト。早朝出発だと当直の兄ちゃんを起こすパターンを予想していたが、既にレセプションではお姉ちゃんが仕事中ですぐにチェックアウトできた。朝の早いハルビンは勤務時間も早くから始まるようだ。撫順街のバス停から89路のバスでハルビン東駅へ向かう。運賃は1元だが既にバスは通勤ラッシュで混雑している。
入口で切符と身分証の確認、手荷物のX線検査を済ませて待合室へ。駅員はパスポートの中身は確認しておらず実名制の意味は?
待合室では既に改札口に行列ができており、乗車バトルのために並ぶ。06:50頃、改札が始まり乗車バトルに突入する。おばちゃんの集団を回避して乗車する車両へ向かう。乗車口に列はなく順調に乗車、荷物の置き場所を確保して乗車バトルは終了。
今回は07:01発、K7225次、ハルビン東→七台河で牡丹江へ移動する。席は当然ながら硬座、運賃は29.5元だ。
07:01発車であるが3分遅れの07:04に発車して牡丹江へ向かう。
列車がエアコン無し、扇風機の非空調なので通常のエアコン付き列車より運賃が安い。乗車率は7割ぐらいでカオス度は抑えられている。
今では貴重なエアコン無しの非空調列車は窓が開けられるので風が心地よいし旅情に浸ることができる。
しかし、ここは中国なので簡単に旅情には浸ることが許されない。一般の乗客に紛れて乗車しているおサルさんたちがペットボトルやスープの入ったカップ麺の容器などを窓からポイ捨てする。列車内にはゴミ箱があるし、乗務員が定期的に清掃もしている。それでも、窓からポイ捨てだ。偉大な古代中国の先人たちはこの光景を見てどう思っているのだろうか?古代中国の美徳はどこへ行ったのだ?悲しい現代中国の現実が目の前に・・・。
おサルさんがいなければ平和な田舎を走る列車で、車内販売のおばちゃんが「啤酒、飲料、鉱泉水、花生、爪子、方便麺」といつもの掛け声で車内を廻ってくる。
牡丹江
12:40頃、牡丹江に到着して、ここで殆どの乗客が下車していく。牡丹江駅は北口と南口に別れており正面は南口になるので、南口から駅を出る。
駅を出るとボリタクの運ちゃんたちが待ち構えていたが、そのまま通りすぎて周囲を確認する。
そして、駅前には武警の装甲車が配備されている。ハルビンなら省都だから分かるのだが、牡丹江でなぜ装甲車を配備する?自動小銃を持った武警も警備に付いているが、民族問題や宗教問題で牡丹江が出てきた覚えはないのだが・・・。
駅の状況を確認してから、eLongで予約しておいた匯隆快捷賓館(汇隆快捷宾馆)へ向かう。駅前通りを東へ5分ほど歩いたビルの片隅にあった。外人は宿泊したことがなさそうで追い出されるかと思ったが大丈夫であった。老板娘がパスポートの写真、ビザ、入国スタンプをスマホで撮影して、とりあえず登記完了。
部屋は1泊59元でトイレ・シャワー付き、窓なしの部屋だ。あと使わないけどPCがあった。
Wi-Fiの電波状況は良好だが回線自体が遅いようでタイムアウトが多い。
一番重要そうなのはバスターミナル(客运站)へ行く6路と16路のバスだろう。
あとは牡丹江の川岸にある博物館や江濱公園へ行く20路のバスかな。
路線バスを確認したので切符売場へ行き12306.cnで予約しておいた明日の東京城行きの切符を受け取るが、今まで切符は簡体字で姓名を入力していたが、今回は試しに繁体字でやってみたら問題なく発券された。繁体字が使えるのならわざわざ簡体字で入力する必要ないな。簡体字だとたまにパスポートの署名と違うと文句言われることもあったし・・・。
切符を受け取ったので駅前通りの太平路を南へと歩いて牡丹江へと向かう。太平路には地下商業街が出来ており牡丹江の街が凄い発展している。冬は相当寒いから地下商業街のほうが都合が良いのだろう。
江濱公園
14:10頃、江濱公園に到着する。公園には八女投江紀念群雕がある。この八女投江というのは8人の抗日戦士の女性たちのことで、いわゆる抗日英雄です。牡丹江沿いにある江濱公園が市内最大の観光地のようです。
しかし、像の前を腹出し半裸のおっちゃんが通り過ぎる。抗日英雄たちの像の前で腹出しってOKなの?
八女投江紀念館
近くには八女投江紀念館があります。そこで紀念館を見物していくことにする。入口には誰もいなかったのですが、奥の部屋に人がいたので見物できるか聞いてみて、台帳に名前とパスポート番号を記入して見物する。
2Fと3Fが展示スペースなのだが、2Fが反日プロパガンダ全開の展示内容で非常に興味深い。
3Fが紀念館の本来の目的だと思われる八女投江の展示になる。16:30頃、カルフールへ行ってみると、何と潰れていた。牡丹江では儲からずに撤退していたようだ。
牛肉麺
大潤発
17:30頃、台湾系スーパーマーケットの大潤発(RT-Mart)へ寄る。カルフールは大潤発との戦いに敗れていたようだ。
で、まずは価格調査をしてみる。コカ・コーラ600ml(2.8元/約58円)、ペプシコーラ600ml(2.8元/約58円)、ペプシコーラ900ml(3.9元/約78円)、康師傅のミネラルウォーター550ml(0.8元/約16円)、1.5L(1.6元/約32円)、バナナ500g(2.98元/約59円)となっていた。ペプシの900mlとか微妙な容量は珍しいのだが需要あるのか?
醤油炒飯
18:30頃、また腹が減ってきたので醤油炒飯(8元/約160円)を食べる。ちょっと銭を使いすぎになっている。やはり元高とか関係なく物価が高くなっている。
宿へ戻ると老板がオンライン登記するからパスポート貸してくれと来る。老板娘はオンライン登記のやり方を知らなかったようだ。
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
食費 | 18.9元 | |
宿泊費 | 118元 | 1泊59元×2 |
バス | 1元 | 路線バス |
合計 | 137.9元 |
牡丹江→東京城
07:30頃、牡丹江駅にやってきた。今日は東京城の渤海国上京龍泉府遺址を訪れる。まずはいつもの切符と身分証の確認、手荷物のX線検査をして待合室へ。ちょうど改札が始まりそのまま乗車する。
今日乗車するのは、08:00発、牡丹江→東京城の6242次、席は硬座で4元、距離70kmだ。
08:00に列車が発車する。車内はほぼ満席で地元民の足として活躍しているようだが、おサルさんが紛れており床に唾を吐いている。礼節の国である中国なのに、なぜおサルさんが多い?
車両は当然ながら地元民用の列車となると廃車寸前の旧型車両なのでエアコン無し扇風機車両だ。窓が開けられ風が心地よい。
今日は順調にいけば渤海国上京龍泉府遺址を午前中で見物して午後に牡丹江へ戻る予定だ。そのまま、東京城から夕方の長春行きの2168次で図們、延吉へ抜けることも可能なのだが東京城の状況がよく分からないので牡丹江からの日帰りにした。まあ、地図を見る限りそこそこの街のようなので何とかなりそうな気もするが・・・。列車が小さな駅に停車するたびに地元民や保線のおっちゃんたちが下車していく。
08:50頃、寧安に到着して半分近くが下車する。牡丹江より小さい街だが、寧安市はこの辺りの中心地になり、東京城鎮や渤海鎮は寧安市に属している。
ホームへ降りて出口へ向かう。東京城の駅舎はボロく駅前の店は少ない。しかし、周辺へのバスやボリタクが多数待機しておりカオス度は高いが活気もある。
駅前は店は少ないが駅前通りを100mほど歩くと国道201号が駅前通りになり、店が多く賑わっているというか無秩序に露天があり路駐も酷くカオス度が高い。駅から200ー300mの所が東京城で一番賑わっている場所になり3路のバスの発着点がありバスに乗車する。3路のバスが渤海鎮へ行くバスで運賃は1元。
ロンリープラネット東北によれば3路のバスで終点まで行くと渤海国上京龍泉府遺址はすぐということである。10:10頃、バスが発車して渤海鎮へ向かう。渤海鎮の入口で城壁跡と文物保護単位の石碑を通り過ぎる。石碑がなければ城壁跡とは気付かず畑や水田のあぜ道と思ったままであった。
10:35頃、渤海鎮の中心を通り抜けた所で標識があったので渤海中学の近くで下車する。ロンリープラネットだと終点までとあるが途中下車して歩く。近くの商店で朝食代わりにペプシコーラ600ml(3元/約60円)を購入。田舎の商店なのでちょっと高めであるがちゃんと冷えた奴なので冷蔵庫代ということで理解する。
渤海国上京龍泉府遺址
ペプシを飲みながら歩いていくと、10:50頃、入場券売場に到着。入場料は30元で、売場のお姉ちゃんに「韓国人?」と聞かれたので日本人と答えておく。
11:00頃、小さい博物館があったので、まずは見物しておく。出土品とかはほとんどなくお世辞にも博物館と呼ぶには・・・。出土品は別の場所で厳重に保管か?
渤海国は698年から926年に中国東北部にあった国だ。高句麗の遺民とされる大祚栄により建国され、唐王朝より渤海郡王に封じられる。日本とは貿易により交流があったようだ。
遺跡は石垣や宮殿の基礎部分が残っているだけだが、その敷地は広大で唐の都・長安を参考に整備されていたようだ。
何もないに等しい田舎の観光地なので観光客はいないと思っていたのだが、意外にも団体観光客や自家用車で来ている家族連れもおり、それなりに観光客がいた。そのせいなのだろうか博物館はボロかったのに道路や駐車場はきちんと整備されていた。
広大な宮殿跡を歩いて見て廻るが天気が晴れで暑い。天気予報だと「雷陣雨」と雷雨のはずなのだが雨降る気配は全くなし。まあ、晴れなのでよいが中国の天気予報は当たらない。
遺跡を歩いているとハングルの団体さんがやってくる。北か南のどちらか知らないが、渤海国は中国と朝鮮半島の歴史認識問題になっている。まあ、こちらには渤海国がどちらの国に属するかはどうでもよいことだ。渤海国がこの地にあったということで十分である。
興隆寺
12:40頃、渤海国上京龍泉府遺址を出て興隆寺へ向かう。13:10頃、興隆寺に到着する。入場料は20元。
興隆寺は南大廟とも称され、創建は渤海国三代王の大欽茂の治世(737-793)で当時の渤海国上京城内において最大の寺院であった。
金代と清代において再建され、金代では「石仏寺」、清代では「興隆寺」と呼ばれた。
現存する建物は清代の物で馬殿、関聖殿、天王殿、大雄宝殿、三聖殿などがある。
関聖殿
関聖殿は名前の通り三国志の関羽がまつられている。
個人的には最も重要な建築物である。
関聖殿は清の咸豊5年(1855)に建立され、幾度か修繕されてきたが2012年の修繕で現在の姿になる。春秋を読む関羽像の両脇には関平と周倉が控えています。
13:40頃、興隆寺を離れ南に見える大きな建物へ向かう。博物館か何かだろうか?田舎の渤海鎮でも渤海国で村興しをやるようで観光開発真っ最中で道路とかの整備が進んでいる。
13:50頃、渤海上京遺址博物館に到着するが、まだ工事中であった。やはり博物館であった。周辺からの出土品はこちらに展示するのだろう。
14:00頃、興隆寺に戻り駐車場に停車している3路のバスに乗車して発車を待つ。3路のバスの終点は興隆寺で寺からそのまま北へあぜ道を歩けば渤海国上京龍泉府遺址であった。やはり、ロンリープラネットにあった通り3路のバスで終点の興隆寺まで乗車するのが一番良かったようだ。14:10頃、バスが発車して東京城へ向かう。運賃は1元。
駅前通りに入りバスターミナルの東京城客運站で停車したので下車して、バスの状況を確認するが時刻表や運賃表が見あたらない。牡丹江へ行くバスはあるようだが、その都度おばちゃんに確認しないといけない。利用価値は低そうだ。
駅前通りにあるスーパーマーケットでバナナ500gで1.98元を4.2元分を購入。
それと吉林省の地ビールの哈韵原汁麦啤酒500ml(2.5元/約50円)を購入して駅へ向かう。
東京城→牡丹江
15:00頃、東京城駅で牡丹江域の切符を購入。17:04発、6243次で運賃は4元だ。既にホームには列車が停車しているが発車直前まで待機なのだろうな。
ポメラの調子が悪い
待機中にポメラDM5で旅行記を書いていくがキーボードが壊れて使いものにならない。こんな状態だ
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13106111808
http://yamada.sailog.jp/weblog/2014/03/pome-20c0.html
購入して1ヶ月ぐらいで動作が怪しくなり現在ではまともに動作しない。中国にいるので保証期間内でも修理は無理だし・・・。元々は前使ってたDM5も同じ症状でベトナムのフエで廃棄して、タイのチェンマイ滞在中にネットで購入して日本から発送してもらったのだが、また同じ症状だ。原因はフレキシブルケーブル辺りのようだが、何ですぐに同じ症状で悩まされる?
どうも同じような故障に悩まされている人が多そうなのでDM5はキーボードに欠陥を抱えているのか?おかげで旅行記作成に重大な支障をきたしている。
16:30頃、待合室が混雑してきた。切符売場も行列ができている。カオス度が急上昇する中で待合室を見回すと、おサルさんが紛れているようでペットボトルやちり紙を床にポイ捨てしている。そして、ペットボトル回収のおばあちゃんが、せっせと回収中だ。
16:45頃、改札が始まりホームへ。乗車口には行列ができているのでしばらくホームで待機する。
そして、先頭の機関車を撮影したいところだがホームから機関車がはみ出ているので線路上から撮影はできないので離れて撮影。機関車はDF4Dで東風4型が牽引してくれる。
ひと通り撮影して列車に乗車する。今回の車両はもちろんエアコン無しの扇風機車両だ。発車前だがバナナ食べながらぬるいビールを飲む。ビールは冷えていないのでおいしさは感じられない。買わなきゃよかった!
17:04に定刻通りに列車が発車して牡丹江へ向かう。乗車率は3割ぐらいで空席が目立つ。利用客は地元民以外に鏡泊湖からの観光客もいた。東京城から鏡泊湖へのバスがあるのか?それともボリタクをチャーターか?
17:20頃、石頭で長春行きの2168次の通過を待つ。通過する2168次を見る限る硬座は満席で混雑している。これだと東京城から2168次で図們や延吉へ抜ける場合は硬臥の切符を事前に確保していないとかなり危険であろう。硬座だと荷物置き場がなく危険すぎる。安全策で牡丹江へ戻る日帰り旅行でよかった。
18:50頃、牡丹江駅に到着。そのまま切符売場へ行き予約しておいた明日の延吉行き、2168次の切符を受け取る。
素炒青菜蓋飯
夕飯はイスラム食堂で素炒青菜蓋飯(8元/約160円)を食べる。牡丹江にも回族のイスラム食堂があった。イスラム食堂は中国各地にあるので非常に重宝する。
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
食費 | 19.5元 | |
鉄道 | 4元 | 東京城→牡丹江 |
バス | 2元 | 路線バス |
渤海国上京龍泉府遺址 | 30元 | |
興隆寺 | 20元 | |
合計 | 75.5元 |