ロシア国境を乗り鉄・撫遠→黒河

出発準備

10:00頃、撫遠の中心街にあるスーパーマーケットでインスタントラーメンを購入して黒河行きの準備を整える。辺境地域でも棚には商品が溢れ品揃えは思ったよりもよい。
値段はペプシ600mlで3元とか微妙に高いのもあるが、康師傅のインスタントラーメン5袋セットが12.5元で田舎では一般的な価格だ。そして、北の辺境でもバナナが500gで2.99元で売られていた。

11:20頃、ユースホステルをチェックアウトして徒歩でバスターミナルへ。小雨が降る中で11:45頃、撫遠国際客運站に到着。撫遠駅へのバスは12:30出発なので、それまでは待機となる。バスターミナルは新しく町の規模からするとかなり大きい。国境の町として今後の発展を見込んで建設したのだろうが現状はバスの本数は少なく利用客も少ない。それにロシアとは陸路ではつながっていない。過剰投資にならなければよいが・・・。

バス12:10頃、バスに乗車して発車を待つ。席はすぐに埋まり利用客が結構多い。

撫遠駅

撫遠駅12:30にバスが発車して12:50頃、撫遠駅に到着。まずは切符売場へ行き予約していた切符を受け取るが並ぶ習慣のないおサルさんたちの割り込みがある。ロシアが近くても正真正銘の中国である。古代中国とは別物であるが・・・。

X線検査機切符を受け取り待合室へ行くがいつもの通り切符と身分証確認、手荷物のX線検査がある。

待合室待合室には売店がありここで食糧の補給ができる。撫遠駅は新しく無駄にでかい駅舎なのだが、雨漏りが2カ所もある。そして、トイレはすでに中国らしく掃除されておらず、何故か破壊されている部分もある。まだ、2012年の開業から約3年なのにどういうことだ?施工やメンテナンスはチャイナクオリティでボロが出てきているようだ。お得意のオカラ工程で建設したのか?

撫遠→綏化

K7066次の切符今日乗車する列車は13:58発、撫遠→ハルビン東のK7066次だ。途中の綏化で黒河行きの列車に乗り換える。席は硬座で綏化までの運賃は112元、距離845km、14時間52分の乗り鉄だ。

行先票改札が始まり列車に乗車するが車両がかなり古く傷んでおり廃車寸前の車両のようだ。硬座の乗客は少ないようで自分の乗車しいている車両は乗客は自分を含めて5人だ。おそらく前進鎮を過ぎると混雑してくるのだろう。どうも撫遠からは座席の硬座より寝台の硬臥のほうが乗客が多いようだ。

列車内定刻通り13:58に列車が発車してハルビン東へと走る。乗り換え駅の綏化には、明日の早朝04:50到着予定だ。そして、空いている今のうちにインスタントラーメンを食べておく。混雑してくるとカオス度が高くなりインスタントラーメンが食べられなくなる。

列車内イベント発生

予想通り前進鎮を過ぎると徐々に混雑して、23:00頃にジャムス(佳木斯)到着。そして、近くのガキがあの言葉を連呼し始める。「ニャオニャオ」だ。猫の鳴き声を真似ているのではない。「尿尿」で小便だ!

このパターンだと通路に放尿の確率が高い。母ザルがガキのズボンをおろし、ガキを抱えてトイレへ向かった。今回は床への放尿が回避された。しかし、ガキはチンコ丸出しで列車内を移動、いやチンコ付いてなかったな。アメリカでやったら児童虐待で逮捕されそうな気がするが・・・。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 15元
バス 5元 撫遠国際客運站→撫遠駅
合計 20元

綏化で乗り換え

03:00頃、夜が明け始める。すでに列車内は朝食のカップ麺を食べている乗客が多い。そして、目の前のおサルさんがゲップを連発する。しかも、1度や2度ではなく複数回もだ。なかなかレベルの高い客層だ。

綏化駅04:50頃、綏化に到着し下車する。下車する乗客が多く発車時刻を過ぎて駅の電光掲示板には次の列車が表示されている。切符売場へ行き12306.cnで予約した黒河行きの切符を受け取らなければならないが早朝でもすでに混雑している。珍しく自動発券機にも列ができておりフル稼働中だ。

こちらは窓口に並び順番を待つが、どうもおサルさんが多く割り込みが多い。おサルさんたちは切符を買おうとするが飼育係のおばちゃん、いや、窓口のおばちゃんに並んで購入するように言われ相手にされない。

15分ほど並んで切符を受け取り出口へ向かおうとするが割り込みのおサルさんたちが逆走してきて通路が塞がれ窓口が滞留する。窓口のおばちゃんが説教して追い払うが何が問題か理解しているのかは不明だ。このおサルさんたちは中国人なのだろうか?古代中国人は礼節とかを重んじていたが、現代中国人は・・・。文明は発展するはずだが中国は退化しているように思えてしまうのは自分だけか?

続いて切符と身分証確認、手荷物のX線検査を受けて待合室へ行くが、駅員はパスポートの中身を確認せず。これでは実名制の意味がない。

綏化→黒河

4031次の切符待合室へ入ったが、これから約4時間半待機して09:49発の4031次、ハルビン東→黒河に乗車する。席は硬座、運賃は44元、距離511km、約10時間の乗り鉄だ。

待合室は混雑はしているが座る場所は十分あるので問題はないと思ったが問題有りであった。ハエがやたらと多い。日本では考えられないハエの多さだ。どうやったら、これほどハエの大量発生が起こるのだ?ハエが飛び交う中で改札が始まるのを待つ。

改札口08:30頃、改札口の先頭を陣取っておくがおサルさんの痰吐きや唾吐きが多い。唐代には高度な文明を誇っていた中国であるが、現在は目の前で起こっている水準にまで低下してしまっている。孔子、孟子、杜甫、李白などの偉大な先人たちが築いてきた中国がおサルさんにより破壊されている。

改札口列が出来始めて列車の到着を待つが、ババア3人組が堂々と割り込んできたので後ろへ並ばせる。といっても、ババアたちは一番後ろではなくすぐ後ろに並んだだけであった。というか割り込み直したという表現が適切か?さすがにこれには呆れてしまうというか、これと似たような割り込みは以前にも遭遇したような・・・。ある意味で期待を裏切らないのが中国だ。

行先票09:45頃、改札が始まり乗車する。荷物置き場を確保して黒河まで約10時間の乗り鉄だ。

貴重なエアコン無し扇風機車両

扇風機車両09:49に定刻通り列車が発車する。今回は絶滅寸前の貴重な窓が開けられる扇風機車両だ。乗車率はほぼ100%だが荷物棚には少し空きがある。

昼頃になるとカップ麺を食べる光景が見られるが、お約束の展開で窓から容器を投げ捨てる光景が見られる。孔子や孟子たちは草場の陰で泣いているだろうが今日も中国は平常運転のようだ。古代中国の面影は一片のかけらもなく、ある意味でサルの惑星だろう。

畑途中の北安までは混雑していたが、北安から北は乗客が少ない。外はトウモロコシ畑や大豆畑が広がり徐々に森林地帯へ入っていく。

ロシア国境・黒河

黒河駅19:55にロシア国境の町・黒河に到着する。駅前にはボリタクと宿の客引きが多数待機している。駅前に宿が多数あるので特に予約しなくても客引きのおばちゃんに連れて行ってもらうのでも良いだろう。

今日の宿はeLongで予約しておいたおそらく黒河唯一のユースホステルの黒河緑竹青年旅舎だ。駅からは離れており黒河の中心街にあるので、とりあえず徒歩で向かう。

黒河駅を出たら左へ曲がりバスターミナルを通りすぎて大通りをひたすら歩く。昼間の到着なら駅前から4路のバスで市内へ楽に移動できるのだが、すでに路線バスの運行は終わっているので徒歩で行くしか無いのだが、2008年に訪れた時と比べると全く別の街に変わっていた。

まずは路線バスがある。そして、駅前から市中心部まで大通りが出来ている。自分の記憶では駅前から市中心部まではカオス度高めの路地なのだが、凄い変わり様だ。

舒美減肥中心20:25頃、市中心部のケンタッキーがある定交差点で右に曲がり目印の「舒美減肥中心」の看板を見つける。

黒河緑竹青年旅舎

黒河緑竹青年旅舎近くに小さく黒河緑竹青年旅舎の看板があったので中へ入り看板をたどりアパートの2Fへ。20:30頃、黒河緑竹青年旅舎に到着する。登記はオンラインではなく台帳への記帳だ。

黒河緑竹青年旅舎部屋は6人ドミトリーで1泊35元だ。アパートの1室をゲストハウスにしているようなのでドミトリーは少し狭めだが掃除はちゃんとしてある。欠点はトイレ・シャワー・洗面台が1室にまとまっているので朝晩の混雑する時間帯に要注意だ。ここが別々になっていると助かるのだが・・・。

黒河21:00頃、夜食を食べに出かける。黒河の中心街には夜市をやっておりロシア人もいたりして賑わっている。

冷麺とか

冷麺近くの食堂で冷麺(8元/約160円)と麻辣豆腐蓋飯(9元/約180円)を食べる。食後はスーパーマーケットでビールでも買おうと思ったら、黒河は21:00ぐらいで店や夜市の屋台が閉まり始めている。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 17元
宿泊費 70元 1泊35元×2
合計 87元

中国ロシア国境・大ウスリー島ツアー

ロシア国境の大ウスリー島へ

撫遠の日の出の時刻は03:12で滅茶苦茶早い。夏至の時は03:00が日の出の時刻で日本ではあり得ない時間だ。07:00頃、大ウスリー島(黑瞎子岛)ツアーへの準備をしていると老板娘が朝食一緒に食べようときたので老板たちと一緒に朝食を頂く。08:00頃、ユースホステルを出てバスターミナルへ向かう。

大ウスリー島ツアー

撫遠国際客運站08:15頃、撫遠国際客運站に到着。大ウスリー島行きのバスに乗車するが昨日申し込み時に受け取ったレシートを運ちゃんに見せたらチケットに交換してということで窓口に案内されるが、ちょうど昨日の申し込み時のおっちゃんがチケットの交換に追いかけてきてすぐに交換完了。ちなみにツアー代金は50元だ。

バス08:25頃、バスが発車する。大型バスに乗客は12人だが途中で団体さんを乗せてほぼ満席だ。空席が少しあるので当日でも朝早く行けば当日の申し込みも大丈夫そうな雰囲気だ。大ウスリー島までは約40kmの道のりだ。

バスチケット途中で天気が曇りから雨に変わる。涼しくても雨が降っていては困る。大ウスリー島に到着するまでに雨は止むだろうか?

参考:大ウスリー島(ロシア側)はこんな所

撫遠駅

撫遠駅08:40頃、撫遠駅に到着する。どうやら列車の到着待ちのようだ。08:50頃、県城の撫遠国際客運站→撫遠駅のバスも到着し列車の乗客は切符売場や待合室へ消えていく。

09:00頃、ハルビンからの列車が到着して乗客たちが客運站行きのバスやボリタクに乗車していく。そして、この大ウスリー島行きのバスにも乗車してくる。撫遠駅周辺は駐車場があるだけで売店や招待所とかは一切ないので速やかにバスに乗車しないと13:00ぐらいまでバスがなくボリタクだけになる。県城行きの客が多くて臨時バスがあれば別だが・・・。

09:10頃、バスが撫遠駅を出発して大ウスリー島へ向かう。この頃には雨が止み天気は曇りになる。今日のツアー客は全部で32人になった。

烏蘇鎮

ウスリー島ツアー客09:45頃、烏蘇鎮の遊覧船の船着き場に到着する。

観光フェリーここからは遊覧船で大ウスリー島を見物する事ができる。遊覧船は50元だが、どうもいまいち興味がわかないので遊覧船はパスして約30分待つ。

対岸はロシアお金持ちの中国人観光客たちを乗せて遊覧船が出航していき自分は船着き場から対岸のロシアを眺めながら待つ。

烏蘇鎮の石碑10:30頃、遊覧船が戻ってきて次の観光地の東方第一哨へ向かうが途中に烏蘇鎮の石碑があり記念撮影が始まる。

東方第一哨

東方第一哨そして、すぐ近くには東方第一哨があった。船着場から川沿いに徒歩で100-200mの距離であった。これなら待っている間に散歩していれば見つけて先に見物できたな。

東方第一哨は名前の通り最東端の哨戒所らしい。兵士が常駐はしているが特に警備しているという様子はなく観光客が自由に見物している。ここは観光用に存在しているだけで哨戒所としては機能しておらず兵士用の宿舎に思える。この様子から軍事上の本当の最東端の哨戒所は別の場所にあるような気がしてきた。10:45頃、バスに戻る。

太陽広場

太陽広場10:50頃、バスが出発して次の太陽広場へ向かう。10:55頃、太陽広場に到着する。30分の自由行動となり中国人観光客は巨大モニュメントで記念撮影。

大ウスリー島の教会

ロシア正教の教会初めは太陽広場の位置が分からなかったのだが対岸に教会があるのを見つける。ニュースで見たことのある大ウスリー島のロシア正教の教会だ。すぐ近くにはロシアと中国の哨戒所があり国境だということが分かる。

ロシア黒龍江(アムール川)の対岸にはロシアの民家や国旗が見えてロシア領だということも実感できる。

国境の石碑太陽広場には国境の石碑があり国境線沿いに位置しているということが分かる。11:20頃、土産物屋にあるトイレで用足しをしてバスへ戻る。

黒瞎子島湿地公園

11:30頃、バスが出発する。次は大ウスリー島(黑瞎子岛)へ向かう。11:40頃、烏蘇大橋を渡り大ウスリー島へ入る。大ウスリー島は中国語では黒瞎子島と表記している。黒瞎子は熊を意味しており熊が住んでいるので黒瞎子島と呼ばれている。面積は約327平方kmあり香港の約3分の1、マカオの約12倍の広さがあり西半分が中国領となっている。

黒瞎子島湿地公園11:50頃、黒瞎子島湿地公園に到着。入口ではマスコットだろうか?黒熊の像がお出迎えだ。

黒瞎子島湿地公園30分の自由行動となるが虫が多い。藪蚊やブヨの類だと思うがやたらと多い。

黒瞎子島湿地公園撫遠の県城でも藪蚊とかが多かったのだが、この辺りはもの凄い多さだ。とりあえず、湿地公園を少し散歩して終わりにする。

ロシア側の哨戒所跡公園の入口にはロシア側の哨戒所跡があり建物が残されている。立入禁止になっており外から見物する。中国とロシアの関係が悪化するとロシアの侵略行為の証拠とか言って愛国主義基地になりそうな気がするのは自分だけだろうか?

大ウスリー島の中国ロシア国境

国境のフェンス12:20頃、バスが出発。次は島の中間地点にある中露国境の石碑へ向かう。12:35頃、中露国境の石碑に到着するが目の前に有刺鉄線のフェンスが見える。

国境の石碑そして、フェンスの向こう側の草地に中国側の国境の石碑が見える。フェンスの向こう側はロシアとの緩衝地帯になっているようで観光客は入れず遠くからフェンス越しに石碑を眺めるだけであった。

辺防巡邏路近くには辺防巡邏路の石碑があり、此処から先は国境警備用の道になっているようだ。

国境警備用の道石碑から先の道は未舗装の巡回用の道があったが不用意に歩くのは危険なので眺めるだけにする。

国境のフェンス10分程度の短時間の滞在であったが国境地帯だけあって兵士が見えなくてもフェンスとかの周囲の状況を見るだけで緊張感がある。

東極宝塔

東極宝塔12:45頃、バスが出発する。3分ほどで東極宝塔に到着するが営業してらず外から眺めるだけだ。ガイドのおばちゃんは中に入ると罰金200元なので柵を越えないようにと注意を促す。で、自家用車で来ている観光客は柵を越えて記念撮影中だ。

この国境地帯に中華式の巨大な塔が建てられている。こんな辺境にこんな巨大建造物・・・。何かロシアへ対して政治的意図があるのか?

12:50頃、バスが出発する。これで観光地は全て廻り撫遠の県城へ戻る。夕方の列車に乗車する乗客がおり途中13:30頃、撫遠駅に立ち寄る。これだったらユースホステルをチェックアウトしてツアーに参加してもよかったな。列車で朝到着した客の中に、そのままバスに荷物を預けたままでツアーに参加して駅で降りた客がいたので撫遠に宿泊せずにハルビンやジャムスへ戻ることも可能だ。

14:00頃、バスターミナルの手前で下車する客がいたので一緒に下車してツアーは終了。
終日ツアーだと思っていたが半日で終了した。

撫遠にもある路線バス

1路バスちょうどバス停の前で降りたので撮影しておく。撫遠にも路線バスが走っているのだ。ユースホステルへ戻り明日の撫遠→綏化と明後日の綏化→黒河の切符を12306.cnで予約しておく。

夕飯は冷麺

冷麺夕飯は冷麺屋で冷麺(8元/約160円)を食べる。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 10.9元
鉄道 112元 硬座 撫遠→綏化
鉄道 44元 硬座 綏化→黒河
合計 166.9元

鉄道で洛陽・関林から中国最東端駅・ロシア国境の撫遠へ

ハルビン行き準備

ビールと包子今日は洛陽から鉄道でハルビンへ向かう。09:00頃、スーパーマーケットの丹尼斯(Dennis)で食料と缶ビールを購入。近くの包子屋で1個0.5元の包子を10個購入して朝食兼昼食に食べる。で、包子を食べながら缶のコカコーラより安い公爵ビール330ml(1.4元/約28円)を飲む。朝から冷えたビールなんか飲んでダメ人間全開である。

関林駅

昼前にユースホステルをチェックアウトして青年宮のバス停から53路のバスに乗車し、龍門大道太康路口で下車して100-200mほど離れた太康路龍門大道口東のバス停から96路のバスに乗車して終点の関林駅へ向かう。運賃はそれぞれ1元の合計2元だ。

関林駅12:50頃、関林駅に到着。切符を受け取ろうと切符売場へ行くが窓口が閉まっており午後は14:30からの販売開始になっている。関林駅は列車の本数が少なく利用客が少ないので切符の販売時間が短く午前は07:20ー10:30、午後は14:30ー16:30で、その他の時間は発車30分前からの販売になっている。まあ、基本は洛陽駅を利用するから存在自体があまり知られていない関林駅はこのような状況なのだろう。

外人使用不可発券機でも、発券機は稼働しているのでネットで予約していれば受け取りは可能だ。ただし、二代身分証がないと使えないので外人には意味がない。英語での表示があるのにパスポート読み取り機能がなく外人が使えないというのはどういうことだ?ある意味でチャイナクオリティを代表している。

関林→ハルビン

14:30になり窓口が開くが最初は混んでいるので少し待ってから並ぶ。そして、今日のハルビン行きの切符を買おうとしたおっちゃんは窓口のおばちゃんの「只有站票(立ち席しかない)」の言葉を聞くと買わずに立ち去った。さすがに中国人のおっちゃんでも約30時間、2277kmを立ち席で移動というのはできないらしい。

関林→ハルビンの切符15:00頃、ようやく切符を受け取る。利用客のほとんどいない駅だが手荷物検査はしっかりやっているが、切符と身分証の確認はやっていなかった。実名制の意味なし・・・。

K1064次の行先票これから乗車する列車は、重慶北→ハルビンのK1064次で、関林16:03発、ハルビン翌日22:28着、関林→ハルビンの2277kmを30時間25分で移動、運賃は硬座で251元だ。上野-札幌1214kmの北斗星より長距離で、ある意味で難易度は高い。15:55頃、改札が始まり列車が入線してきた。乗客が少ないので乗車バトルは発生せずにホームへ移動し乗車する。

ハルビンまでカオス度高し

列車内16:03に定刻通り列車が発車する。列車内は連結部に無座の客が溢れておりカオス度が高いのと荷物棚の状況からして農民工が多い。これではハルビンまで無座というのは自殺行為だろう。関林駅でおっちゃんがハルビンまでの無座切符を購入しなかったのも納得だ。

カオス度が高いのでハルビンまで色々とイベントが発生しそうであるが遅延せずに無事到着してほしいが、このカオス度の高さですでにイベント発生ともいえるけど・・・。斜め向かいの席には肥料袋が置かれているし、持ち主のおばちゃんはこちらの席に足投げ出していたし・・・。

16:10頃、お茶のお湯を補給に給湯機へ向かうが、その道のりが遠い。同じ車両なのに通路に農民工のおっちゃんが寝ていたり、豚のおばちゃんが通路を塞いでいたり、あとはお約束の通路に足を投げ出すとかで車内の移動が大変だ。GoProとかで撮影するとかなりカオス度が伝わるのだがあいにくそのような高級な装備は持ち合わせていない。おそらく某政府はこういった光景は外国人には見られたくないのだろうが、日本では味わえないカオス度を楽しみたいという場合は最高の観光資源だろう。

おばちゃんの足が邪魔

足おばちゃんの足が邪魔や!何でこちらの席にわざわざ足を投げ出すんだ?足投げ出さないでよ。今日も中国は平常運転だが、残念なことに孔子の教えは消えていた。

ハルビンまでサバイバル列車

19:00頃、車内検札で乗務員たちが横柄な態度で乗客の切符を確認していく。日本で同じ態度で車内検札したら苦情殺到であろう。

自分の座っている席は3列席の真ん中で一番居心地の悪い席なのだが、なぜ一番居心地が悪いのかというと両脇をおサルさんが座った場合うっとうしいのとやかましいからだ。さらにこの3列席は混雑時に通路側の席におサルさんが2匹座って更に狭くなるからだ。今回は正に通路側の席におサルさん夫婦が座っており非常に狭いのと暑苦しい。通路側の席を2人で座るのは別に構わないのだが、こちらの席にはみ出て座るのは勘弁してほしい。

それとはみ出て密着するのはやめてくれ!暑苦しいのとおっさんに密着されるという精神的打撃が大きい。すでに対面のババアの足が投げ出されてこちらの席は狭くなっているのに、さらに密着されるのは拷問だ。今回の列車は距離、所要時間、車内環境の三拍子揃ったサバイバル列車だ。無事にハルビンに到着することは不可能だが、倒れずに到着できるか?

本日の出費
項目 金額 備考
食費 17.2元
バス 2元 路線バス
合計 19.2元

天津

早朝の列車内04:30頃に目が覚める。すでに夜が明けて外は明るいが列車内はマナーなど存在しないカオス度全開の世界で乗客の多くが疲れて燃え尽きている。通路はゴミ溜めで環境は劣悪だ。でも、朝から元気な乗客もいます。

06:00頃、天津駅に到着する。乗客の多くが下車してカオス度が低下する。でも、農民工のおっちゃんたちが乗車してきてカオス度が再上昇。天津出発後は朝食の時間帯になり給湯機前にはカップ麺を持ったおっちゃんたちが集まっている。列車内の各所ではカップ麺をすする音が鳴り響く。そして、通路では乗務員がホウキで床にポイ捨てされた空き缶やペットボトルなどを片づけている。

07:00頃、乗務員たちが横柄な態度で車内検札を始める。台湾、タイ、ベトナムと比較すると乗務員の勤務態度は劣悪だ。隣の窓際の席に座っているおサルさんが朝食のカップ麺を食べているのだが、食後にタバコを吸い始めた。デッキ以外は禁煙なのだがおサルさんには関係ないらしい。なかなかレベルの高い列車だ。

11:00頃、ウンコがしたくなったのでトイレへ行くが扉を開けると爺さんが脱糞中であった。爺さん慌てて扉を閉めるが鍵を掛けるという事は知らないようだ。恐ろしい光景を見せられてしまった。

13:00頃になると昼食にカップ麺を食べたおっちゃんたちがトランプを始めるがやかましい。というか、中国人なら麻雀だろ!農民工のおっちゃんたち金を賭けているわけでもないのに盛り上がっている。近くではガキが寝ているので少しは静かにして欲しいものだ。ガキが目を覚ますとおっちゃんたちよりやかましくなるし・・・。

瀋陽北駅

瀋陽北駅15:10頃、瀋陽北駅に到着する。ようやく東北三省の遼寧省までやってきた。農民工のおっちゃんたちがトランプでうるさかったがここでタバコを吸いに外へ行き一時静かになる。ここで乗客がかなり降りて乗車率は5割ぐらいになる。ハルビンまであと7時間の道のりだ。

夕飯は盒飯

盒飯(弁当)18:00頃に盒飯(弁当)の車内販売があり夕飯に購入。値段は10元(約200円)でコンビニ弁当をショボくした感じだ。

長春

長春駅18:50頃、長春駅に到着する。これで吉林省まで到達。黒龍江省ハルビンまでは約3時間半だ。

快速の長春-昆明の行先票停車中に隣に停車していた快速の長春-昆明の行先票を撮影。

ハルビン

ハルビン駅22:28頃、ハルビンに到着する。2277kmと約30時間半の乗り鉄が終わり河南省から黒龍江省までやって来た。久しぶりの長距離であったが倒れずに何とか到着した。

ハルビン駅前しかし、これはまだ移動の途中である。出口を出てほとんど照明のない駅前を歩いて切符売場へ。緯度が大阪と同じくらいの洛陽から北海道稚内より北のハルビンは予想外に暑い。駅前には野宿のおっちゃんとかがいてカオス度高めだ。

切符売場切符売場でそのまま20分ほど並んでネットで予約した撫遠行きの切符を受け取る。そう、このまま中国最東端の駅である撫遠へ向かう。切符を受け取り駅前のボッタクリ食堂で10元の麺を食べて待合室へ。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 20元
合計 19.2元

ハルビン→撫遠

ハルビン→撫遠の切符日付が変わり、K1227次、00:27発、運賃は124元で硬座だ。
距離970km、所要時間15時間16分の乗り鉄になる。昨日の関林→ハルビンの約30時間半を入れると45時間を越えてしまう。

乗車バトル

00:15頃、改札が始まり乗車バトルが開始される。今回は改札口の先頭を陣取ることができなかったので乗車バトルに参戦することになる。周囲には割り込みのおサルさんの他にも腹出しのタヌキもいたりと手強そうな相手ばかりだ。数匹のおサルさんに割り込みされながら何とか改札を通過してホームへ向かう。

列車内続いては荷物置き場が確保できるかである。列車に乗車して自分の席を確認するとオスブタが寝ていたので起こしてどかす。そして、バックパックを荷物棚に置くが、またオスブタが寝ていたいたので起こしてどかす。

00:27に定刻通り列車が発車する。乗車率は8割ぐらいで横になって寝ている乗客が見受けられる。外はいつの間にか雨が降っていた。撫遠の天気は大丈夫か?まあ、隣に抱き枕が似合いそうなオスブタがいるが一眠りすることにする。

日の出が3時半

夜が明けると外の景色がいつもの中国とは少し違っていた。トウモロコシ畑に山には森が広がっており、防風林もある。樹木とかを見ると北海道に近い感じだ。でも、畑の中の建物が結構ボロイので中国と分かる。日の出の時間が早朝03:35ぐらいで早く、かなり東に来ているのが実感できる。03:00ぐらいで明るくなり始めるので朝が早いとしかいいようがない。

列車内は途中駅からの乗客でほぼ満席でカオス度が高い。でも、ゴミのポイ捨てが少ないので、まだかなりマナーはマシな方だ。でも、床に痰を吐くおサルさんがいるから大して変わらないかな?

07:50頃、ジャムス(佳木斯)に到着する。ジャムスは黒龍江省東部最大の都市で交通の要衝である。ここで半分以上の乗客が下車する。

13:00頃、前進鎮の近くまでやってきた。すでに北海道より北にいるのだが、この辺りでは稲作が行われており夏の気候は稲作ができるほど温暖なようだ。

13:20頃、前進鎮に到着する。前進鎮は以前の終点で2011年まで中国最東端駅だった。2008年に訪れたときと比べ駅前は発展していたが終着駅から途中駅になってしまったので価値は大幅に低下している。前進鎮を発車すると乗車している車両の乗客は自分を含め4人だけになった。撫遠までの利用客はほとんどいないようだ。

中国稲作最北限?

水田撫遠までは水田が広がっており大穀倉地帯となって中国の重要な食糧供給源として機能しているようだ。日本稲作最北限の北海道遠別より北の北緯48度で稲作が行われているのには驚きだ。

中国最東端駅・撫遠

撫遠15:41頃、ハルビンから約15時間掛けて中国最東端の撫遠に到着する。

瀋陽-撫遠の行先票ようやく乗り鉄が終わった。

撫遠駅-バスターミナルのバスロンリープラネット東北によれば駅から県城までは9kmぐらい離れており路線バスはなく、県城のバスターミナルと駅をバスが1日2本運行されているので、それに乗らないとボリタクになってしまう。駅を出るとバスターミナル行きのバスが停車しているというか路線バスで使われている奴じゃないか!路線バス無いと書いてあっても見た目が路線バスじゃないか!

県城まで5元でっかく5元と表示されており、そのまま乗車する。乗車するとバスは1日2本ではなく3本になっており、撫遠駅行きは08:30、12:30、15:00の3本だ。

時刻表とツアー案内そして、大ウスリー島へのツアーも1人50元でバスターミナル発で毎日やっていた。

撫遠バスターミナル客が集まってバスで撫遠の県城まで移動する。運賃は5元で所要時間約20分、16:10頃、バスターミナルに到着する。バスターミナルでツアーの受付をやっていたので明日の大ウスリー島へのツアーを申し込んでおく。1人50元で08:20に集合ということである。

撫遠はロシアとの国境の町で見所は撫遠の東約40kmの所にある大ウスリー島だ。黒龍江(アムール川)にある島で長年領土問題があったが2008年に国境線が確定して島の中に国境線がある。

撫遠時刻表あとはバスの運賃時刻表を確認しておく。

撫遠運賃表

撫遠運賃表国境の辺境地帯なのでバスの本数は少ない。

撫遠一路向東青年旅舍16:15頃、バスターミナルからeLongで予約しておいたユースホステルの撫遠一路向東青年旅舍(抚远一路向东青年旅舍)へ向かう。

撫遠一路向東青年旅舍16:30頃に到着し外人お断りかの心配があったが、外国人OKの宿であったので1泊35元の4人ドミトリーに2泊する。

辺境でも地上げ屋

地上げ屋と戦闘中夕飯を食べに外へ出かけるが撫遠の街は国境の町なので建物が新しく開発が進んでいるように見えるが通り沿いには、このような古い建物もあったりする。

地上げ屋と戦闘中数年前まではかなりの田舎であったことを伺わせるが、ここも再開発で不動産業者がチンピラ雇って追い出しをしているようだ。こういった立退き問題は中国各地で発生していると言っても過言ではない。ここは少なくても3年以上追い出しの嫌がらせを受けているようだ。

兵役逃れ防止横断幕あと、この横断幕は兵役逃れするなと言っている。このような横断幕があるということは兵役逃れが深刻なのかもしれない。

冷麺

冷麺夕飯は東北名物の冷麺(10元/約200円)を食べる。

黒龍江(アムール川)食後はイミグレーションの撫遠口岸へ行き黒龍江(アムール川)と対岸のロシアを見物。

犬肉湯熱麺

犬肉湯熱麺冷麺だけだと物足りなかったので別の店で犬肉湯熱麺(狗肉汤热面)(10元/約200円)を食べる。犬のだしがしっかりとれたスープで旨い。でも、冷麺の方が美味かったな。

公安の宿訪問

19:00頃、老板娘が登記するからパスポート貸してときたので登記に行く。しかし、オンラインでパスポートの登記をあまりしたことが無いようで老板を呼んで登記しようとするが老板もあまりやったことがないようで派出所に電話して公安に来てもらう事になる。

しばらくすると公安が2人到着。1人は撮影係でビデオカメラを回してパスポートやこちらとの質問のやりとりを撮影。「ハメ撮りの監督かよ?」と思ったがツッコミはやめておく。もう一人は職務質問担当でどこから来た、何しに来た、次はどこへ行く、いつ帰る等色々質問してくる。

というか、ここまで旅行以外に何しに来るんだよ?ビザの有効期限ギリギリまでいるとか答えると面倒なことになるのでロンリープラネット東北を見せながら当り障りのない答えをしながら説明をする。ガチガチの定番観光地を答えると却って怪しまれるので調兵山の蒸汽機車博覧園とか微妙なところを答えると老板が公安にどんな観光地かの追加の説明をしてくれ何とか理解してくれた。

公安の撮影タイムが終わり引き上げるが、老板たちにはオンライン登記の説明はしていない。説明しなきゃ来た意味ないだろ!今度は老板娘がオンライン登記と格闘する。20:00頃、一緒に項目を埋めて何とか登記完了となる。

20:30頃、派出所から電話が掛かってきて老板が色々と質問に答えるというか、パスポート番号とかオンラインで登記した内容を電話で再度確認しておりオンライン登記の意味があるのか?というか、アンタたちさっき来てパスポート確認していただろうが!何のためにビデオカメラまで回しているんだよ?

で、老板も面倒なようで明後日の朝にはバスで黒河へ移動するとか答えている。本当は鉄道で移動なのだが・・・。こうして公安の面倒な問い合わせに老板は答えていた。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 18元
宿泊費 70元 1泊35元×2
バス 5元 撫遠駅→バスターミナル
大ウスリー島ツアー 50元
合計 143元