赤峰→正藍旗
07:25頃、賓館をチェックアウトしてバスターミナルの赤峰汽車站へ向かう。今日は世界遺産の元上都遺址のある正藍旗へ移動する。バスのチケットは昨日購入しており08:00発の宝昌行きのバスで正藍旗にて下車、運賃は100元だ。10分ほど待合室で待機するが朝から乞食にたかられる。ほとんどの利用客は乞食を無視していたが一部が金をあげていた。
07:45頃、乗車開始となる。今回はチケットを早めに購入しておいたので最前列の席になった。眺めは良好で事故時にはフロントガラスへ突っ込む特等席だ。
08:00にバスが発車と思ったら3分早く出発する。乗車率は9割ぐらいで空席が若干あるが途中で客を拾うのだろう。バスはエアコンが利いておりなかなか良く、これから赤峰→多倫→正藍旗→宝昌へと西へ走っていく。正藍旗までは直線距離で約240kmだ。
さて、正藍旗に到着後に宿が確保できるかの問題がある。正藍旗で分かっている外国人OKの宿はロンリープラネットChinaにも掲載されていた正藍旗で一番高いと思われる元上都夏宮大酒店だけだ。eLongで確認すると1泊300元以上でとても泊まれない。世界遺産があるので外国人OKの宿が多ければよいのだが・・・。
09:20頃、老府鎮近くで公安の進京検査站で検問。公安と武警による身分証確認があるがパスポートの中身を確認するだけで登記は無し。数名の乗客の身分証だけ1度回収され少し待つが問題はなく、09:30頃にバスが発車する。進京検査站とあったので北京へ行く人間の監視か?
河北省へ入り渋滞
内モンゴル自治区から河北省へ入り、10:30頃、囲場を通り内モンゴル自治区の多倫への省道351号で渋滞にはまる。渋滞の原因は不明だが延々と渋滞が続く。青空が広がり周辺の景色はよいのだが、おサルさんの乗る車が多いようでペットボトルからタバコの吸い殻までのポイ捨てを何度も目撃する。こうして中国の道路はゴミだらけになるようだ。
15:10頃、康煕帝の像がある御道口を過ぎると渋滞を抜けた。周辺には草原とかの観光地があり、渋滞の原因は観光客が草原へ押し寄せたからか?
15:20頃、内モンゴル自治区へ再び入る。道路は省道から国道510号の2車線になり順調にバスは走る。
15:50頃、多倫車站に到着する。多倫から正藍旗までは国道520号を西へと走る。途中、元上都遺址の南を通り正藍旗へ入る。
正藍旗
16:30頃、正藍旗汽車客運站に到着。バスターミナルは町の南東の外れにある。とりあえず宿探しでバスターミナル隣の区画にある賓館をあたっていく。今回は苦戦が予想されたが1件目で宿が確保できた。1泊100元で高いが2泊することにする。で、登記は今までパスポートの登記をしたことがないので後でということになった。
フフホトとシリンホト以外には北京、天津、張家口、赤峰が主な路線のようだ。本数が少ないのでチケットは早めの確保が良いだろう。
正藍旗の西には元上都博物館があり、その隣には外国人OKで高い元上都夏宮大酒店がある。道を挟んだ東側にはフビライ広場がありフビライ・ハーンとマルコポーロの像がある。
イスラム食堂
18:00頃、イスラム食堂を発見!こんな田舎でもイスラム食堂がある。
酸辣白菜蓋飯(10元/約200円)を夕飯に食べる。モンゴル族の居住地域でもイスラム食堂があるので、いつもと同じように食事ができる。でも、モンゴル料理も食べたいが予算が・・・。
宿追い出される
宿へ戻ると老板娘が公安に因縁付けられたようで外人宿泊不可だと・・・。パスポートの登記をしたことがないという時点で怪しいなとは思っていたが、やっぱりダメであったか・・・。で、老板娘が外国人OKの上都賓館と匯力商務賓館を教えてくれたのだが、バスターミナルから離れていて1泊300元とかで高いよ。完全に外人からボッタクる気満々だよ。このままボラれるのは嫌なので考える。
大体バスターミナル近くに必ず外人OKの宿があるはずなので、ちょっと高そうな隣の188賓館に外人OKか聞きに行ってみる。で、レセプションのお姉ちゃんに聞いてみたら外国人OK、1番安い部屋は188元とのこと。もう、ここしかないな。ということで、188賓館に宿泊することになる。お姉ちゃんに色々と確認して朝チェックアウトして夕方まで荷物預かってくれるというので予定変更で正藍旗は1泊だけで廻る。
宿代は高いが田舎の賓館では上のレベルだろう。でも、部屋が無駄に広すぎる。半分の広さでも広いくらいだ。夜遅くにyhachina.comでフフホトにあるユースホステルの賓悦国際青年旅舍を予約しておく。
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
食費 | 11元 | |
宿泊費 | 188元 | |
宿泊費 | 20元 | 予約金:賓悦国際青年旅舍 |
合計 | 219元 |
バスチケット購入
07:00頃、正藍旗汽車客運站で14:30発の桑根達来行きのチケットを購入する。運賃は25元だ。チケットには藍旗と表記されており、正藍旗は藍旗とも省略されている。正藍旗汽車客運站は田舎の小さなバスターミナルだが売店があり荷物預かりもしている。早朝に到着して14:30発の錫林浩特行きのバスなどを確保すれば、午前中に元上都遺址を見物して午後には正藍旗を離れることも可能だ。
07:30頃、188連鎖賓館をチェックアウトして荷物を午後まで預かってもらい、12306.cnで桑根達来→包頭東の切符を予約しておく。
タクシー半日チャーター
とりあえず、バスターミナル近くでその辺を走っているタクシーを止めて運ちゃんのおばちゃんに元上都遺址まで昼までの半日チャーターで交渉すると行きたがらない。代わりに仲間の運ちゃんたちに連絡して元上都遺址まで半日チャーターで行ってくれる運ちゃんを探してもらう。
元上都遺址まで行ってくれる運ちゃんは見つかったが半日チャーターは150元とのこと。ロンプラの記事だと包車100元とあるので、繁忙期でも少し下げてほしい。おばちゃんにロンリープラネット内蒙古を見せて100元で何とかならないか聞いてもらうが、片道60元と待ち時間があるから下げられないということで、泣く泣く150元で運ちゃん手配。
08:00頃、手配したタクシーが到着して元上都遺址へ向かう。運ちゃんにこの辺りのタクシーは元上都遺址へは行きたがらないのか聞いてみたら、待ち時間が無駄で街中を流していた方が稼げるらしいそうだ。
世界遺産 元上都遺址
08:25頃、元上都遺址に到着し、駐車場代5元は運ちゃん負担。運ちゃんに11:30までに戻ると伝えて入口へ。入場料は50元に値上げされていた。
入口から遺跡までは1kmぐらいあり10元の電動カートが走っているが、広大な遺跡内部は徒歩になってしまう。
しかし、ここでは自転車のレンタルがある。一番安いチャリで10元だ。遺跡内部も自転車で見て廻れるので自転車が断然便利だ。自転車を借りて元上都遺址を廻る。
元上都遺址は正藍旗上都鎮の北東約17kmの金蓮川草原に位置している。元上都は元朝の二大首都(大都と上都)のひとつになり、フビライ・ハーンが元朝を建てた地である。
元朝では6人の皇帝が上都で即位し、歴代皇帝は毎年初春から秋まで上都で過ごした。現在の元上都遺址は宮殿、宮城、皇城、外城などの遺跡が残っており、保存状態は中国国内で最高の草原都城遺址となり、2012年にユネスコの世界文化遺産に登録された。
遺跡は予想を遙かに上回る広さだ。というか、地平線まで草原が広がっている。この草原の中に世界の中心があったというのには驚きだ。
夏の間は上都が首都になっていたのは避暑地としていたからだそうだが、実際暑さはそれほどひどくなく朝は涼しく過ごしやすい。昼間は日差しが強いが風が吹けば暑さは和らぎ日陰は涼しい。
途中で赤峰で非常食に購入しておいたチーズっぽい乳製品菓子を食べながら体力回復をする。
自転車で行けるところまで行ってみるが途中で道が無くなっているところもあるが、広すぎて草原の中を走る気が無くなってくる。見渡す限り草原でどこが遺跡の隅なのか分からない。
この広大な金蓮川草原だが観光客が滅茶苦茶多い。ツアーバスや自家用車で中国人観光客が押し寄せているのだ。
中国人の旅行熱はすごい。相変わらずポーズを決めて記念撮影しているが・・・。
11:30頃、駐車場へ戻るとちょうど運ちゃんが待っていてくれた。駐車場には数台のタクシーがおり少数だが包車(チャーター)で来ている観光客もいるようだ。正藍旗へ戻り、昼ちょうどに元上都博物館の前で降ろしてもらう。150元を払い運ちゃんは上機嫌で走り去った。こちらは半泣き状態だ。
正藍旗のフビライ広場へ
元上都博物館は見物せずにフビライ広場へ。博物館はちょうど昼休みで閉館だし。
立派なフビライ・ハーン像を見ながら広場を散歩。13:50頃、188連鎖賓館に戻るが老板や服務員のお姉ちゃんは外出中で不在。とりあえず戻ってくるまでの待ち時間中に明後日の包頭東→フフホト(呼和浩特)の切符を12306.cnで予約しておく。14:10になっても老板たち帰ってこないので、勝手に預けていたバックパックを回収して、隣の正藍旗汽車客運站へ移動。
正藍旗→桑根達来
14:20頃、改札が始まり錫林郭勒盟シリンホト(錫林浩特)行きのバスに乗車するが、なぜか自分の席におばちゃんが座っている。まあ、この手の事態はよくあることなのでおばちゃんに退くようにいうが予想通り嫌がっている。「最前列に座りたいから朝早くにチケット買ったんや」と言ったら、隣で最前列2席占領していたお姉ちゃんが荷物どかして、この空いた最前列席に座ることで一応解決する。
14:30、シリンホト(錫林浩特)行きのバスが発車、省道308号を北上しながら桑根達来へ向かう。草原の中を走り抜け省道から国道207号へ入る。
16:05頃、桑根達来鎮に到着し国道上で降ろされる。GPSを確認すると駅まで直線距離で1kmほど離れている。街中で降ろしてくれるのはよいのだが、駅の場所が分かっていないとボリタクの餌食になる可能性が高い。GPSを頼りに歩いていくと鉄道の信号機が見えてきた。線路沿いに来たようで駅に近づいているようだ。
16:35頃、桑根達来駅に到着、街からかなり離れており駅前に宿兼商店が4軒あるだけで、100mも歩けば草原と放牧中の牛がいるという土田舎だ。でも、ボリタクは待機していた。
桑根達来→包頭東
切符売場でネットで予約しておいた切符を受け取り、駅前で草原を見ながら待機。ちなみに集寧南から通遼は集通鉄路という地方鉄路会社の運営になっている。
これから乗車する列車は21:35発、通遼→包頭のK898次で包頭東まで移動する。席は硬座、運賃は91元、包頭東までの距離657km、所要時間10時間18分の乗り鉄だ。
19:00頃、腹が減ったので駅前の店で8元の麺を食べる。駅前の店は基本的に美味くないのだが、今回も美味くなかった。手打ちでなく乾麺なので美味くないのは当然だが、なぜか塩分多めで塩辛い。
20:00頃、外が冷えてきたので待合室で待機するが小さい田舎の駅なので待合室の人口密度が高い。そういえば入口での切符と身分証の確認はなかった。田舎では実名制は意味無しか?人口密度は高いがとりあえず座れた。
21:00頃、公安の身分証確認があるが外人のパスポートには用はないので中身は確認するがすぐに返却され何もなかったことに・・・。隣の兄ちゃんがこちらが日本人だと知ると「中国人は好きか?」と聞いてくるので「もちろん好き」と答えておく。古代中国人限定ですけどね。目の前の現代中国人の痰吐きのおっちゃんを好きになれというのは無理な話だ。
で、この兄ちゃんはやたらと「恨」を使い日本に対して色々と文句があるようだ。正直言ってこちらに言われてもね・・・。文句あるなら首相官邸へ行って来れ。デモするなら警視庁警備部警備一課に問い合わせてねと言いたいけど聞き流しておく。
21:45頃、K898次が入線して改札が始まる。元上都遺址へ行ってきた旅行客が多く寝台車の利用客が多い。硬座は満席にはなっておらず3列シートを占領して寝ている乗客がいるほどだ。まあ、いつもの田舎の夜行列車の光景だ。
17分遅れの21:52に列車が発車する。列車内はカオス度が低く平和で静かだ。これなら一眠りできそうだ。明朝に包頭東に到着する。
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
食費 | 8元 | |
鉄道 | 91元 | 硬座 桑根達来→包頭東 |
鉄道 | 9.5元 | 硬座 包頭東→呼和浩特 |
バス | 25元 | 正藍旗→桑根達来 |
タクシー | 150元 | 半日チャーター |
元上都遺址 | 50元 | |
自転車 | 10元 | |
合計 | 293.5元 |
包頭東
05:26にフフホト東駅に到着する。列車内は乗客が少なく途中駅でかなり下車しており乗車率は3割以下のようだ。
偽賓館に引っかかる
宿探しだがeLongで予約しておいた駅前の宜居商務酒店へ向かい看板出ていたので入るがレセプションには誰もいない。おっちゃんが声をかけてきたのでeLongの予約確認書を見せるとここだという。
で、おっちゃんに案内されてビルの3Fに行き登記するが部屋がeLongでの写真とかなり違いボロい。今時ブラウン管テレビって・・・。商務酒店というより民工用の招待所じゃないか?保証金100元払い登記完了だが、何か失敗した感が・・・。
財神廟
09:00頃、駅前通りを北へ道なりに歩いたところにある財神廟に到着。財神廟は清の嘉慶10年(1805)に建立されている。
財神廟の本殿には財神の比干と共に関羽が祀られている。こんな所にも関羽がと思ったが、よくよく考えてみたら比干の方は封神演義にも出てくる人物だ。
09:15頃、官井梁天主教堂を訪れる。1934年に建てられた比較的新しい教会だが包頭市文物保護単位に登録されている。
妙法禅寺(呂祖廟)
教会の隣にあるのが妙法禅寺で呂祖廟とも呼ばれている。2007年に訪れたことがあるのだが、比較的大きな寺になっており境内にはレンガなどの建設資材が大量に置かれており、まだ開発途中のようだ。有料かと思ったが入場券売場はなく無料であった。
妙法禅寺は清の咸豊11年(1861)に五台山の臨済宗の続洲大師により建立され、その後も拡張され内モンゴル最大規模の寺となるが文化大革命で破壊され、その後再建される。呂祖殿は1991年に修復され呂洞賓が祀られている。
伽藍殿には関羽、関平、周倉が祀られており関帝廟になっていた。
刀削麺
10:30頃、イスラム食堂で遅めの朝食兼昼食に刀削麺(8元/約160円)を食べる。この店はスープが濃い目なのが特徴。内モンゴル自治区は牛肉麺や刀削麺は8元ぐらいで食べられるが、ご飯類は比較的高く蓋飯は12元以上、炒飯は8元の店もあるが、ほとんどが10元以上なので麺類中心の食事になりそうだ。
11:00頃、包頭東駅から西へ約2kmの所にあるバスターミナルの包頭長途客運総站を訪れる。駅前のバスターミナルは廃止され、長距離バスはこの新バスターミナルからの運行になっている。
時刻表を撮影しておこうと思ったが近くにバスターミナルのおばちゃんがいるので因縁付けられそうなのでダメだというか、武警まで常駐しているので無理であった。包頭はバスターミナルに武警が警備しなければならないほど治安上の問題があるのか?
偽賓館から銭取り戻す
昼頃、宿へ戻ろうとするがeLongの写真とかなり違い何かおかしい気がするので周辺をちょっと調べてみると、宜居商務酒店がもう1軒あるではないか!これはかなりおかしいので中に入ってみると、ちゃんとしたレセプションがありお姉ちゃんがいる。
おねえちゃんにeLongの予約確認書を見せて聞いたら「ここだよ」とのこと。同じ建物に同じ名前の賓館があるけどと聞いたら、「うちはここだけ」との答えが、このパターンは・・・。どうやら騙されたようだ。
同じ建物に偽の賓館があり、そちらに引っかかってしまったようだ。日本で言うと歌舞伎町で目的の嬢のいる店へ行こうとして客引きに別の店へ連れて行かれて引っかかってしまうというのに近いな。
これはマズい。銭を取り戻さなければ!とりあえず、本物の賓館のお姉ちゃんに偽の賓館があることを伝え偽物の方へ戻る。ちょうどエレベーターにジジイがいたので文句言って100元の退銭を要求。ジジイが応対できないようでボスのババアが登場。
ババアにeLongの予約確認書見せて、ジジイが予約確認書見てここだと答えていたが実際は違うことを伝え100元の退銭を要求。ババアは朝来てもう昼だから50元まで返すと言うが、こちらとしては何言うとんねんなので、しつこく100元の退銭を要求。
ババアは上のランクの部屋に交換とかいって部屋を見せるが30元レベルの部屋はいらないので、しつこく退銭を言っていたら80元返金すると言ってきた。でも、こちらは100元返してもらわないと・・・。100元の返金言ってたらババアは切れ気味になってきた。でも、外人相手にトラブルが長引くと面倒なのは分かっているようだ。最終的には嫌々100元返金してきた。
100元取り戻し同じ建物の本物の宜居商務酒店へ移動。1泊88元の部屋に宿泊。偽の方と建物が同じなので間取りは同じであったがテレビはブラウン管から液晶に変わる。それと扇風機がエアコンになっている。
設備が全く違い、本物の方が格上だ。でも、商務賓館の割に設備は古め。しかも、Wi-Fi無いし、LANコンセントが代わりにあったけど・・・。偽物が多い中国だが同じ建物に偽の賓館があるとは・・・。精神的消耗が大きかったが勉強にはなった。中国は何でもありだ。13:00頃、包頭東駅で12306.cnで予約しておいたフフホト行きの切符を受け取る。
蛋炒飯
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
食費 | 16元 | |
宿泊費 | 88元 | |
合計 | 104元 |