シルクロード旅行記2015 トルファンの世界遺産・交河故城

トルファン駅到着

07:52頃、37分遅れでトルファン駅に到着する。天気は快晴で涼しいが昼には気温30度以上の真夏日になるのだろう。トルファン駅からトルファン市内までは50kmほど離れており駅近くのバスターミナルの大河沿汽車客運站からバスで移動となる。駅前にはホータンやウルムチ行きのバスが停車しているが利用しないのでそのまま通過する。

まず、駅の様子を確認するため切符売場へ行くが、まず駅の入口で身分証確認があり続いて切符売場の入口で手荷物のX線検査とボディチェックがある。2008年に訪れたときは切符売場への手荷物持ち込みはできなかったが、今回は警備は厳しいが手荷物は持ち込めた。

昨日の柳園駅もそうだったが切符売場へ入るだけでボディチェックがあったのでウルムチ鉄路管理局の管轄駅だけ他の地域より警備体制が厳しい。これはやはり漢族とウイグル族の大人の事情か?

切符売場を出てバスターミナルへ向かうがボリタクの運ちゃんの客引きが酷い。相手にせず駅前の坂を上っていくと「バスターミナルはなくなった」「上からバスは出ていない」とかいってくるが信じずに坂を上り交差点を右(東)へ歩いていく。

バスでトルファン市内へ

5ー10分して、08:15頃、大河沿汽車客運站に到着する。

バスターミナルあるやん!やはり、東トルキスタンでも、ここは中国のようで平気で人を騙してくる。

まずはバス情報を確認してトルファン行きのチケットを購入する。

運賃は11元、09:00発だ。新彊ウイグル自治区では長距離バスにも実名制が導入されており購入時にパスポートが必須になっておりチケットに名前とパスポート番号が印字される。これも漢族とウイグル族の大人の事情が影響しているようだ。

出発まで時間があるのでバスの前で待機していると目の前でおばちゃんがガキに小便させている。ここはトイレでなく駐車場なのだが・・・。トイレはおばちゃんの前方30mほどのところにあるぞ!ここは東トルキスタンだが、中国であった。

09:00頃、バスが出発する。途中で客を乗せながら定員オーバーでバスが走る。交通ルールはあってないようなもので、いつもの中国の日常である。

09:45頃、トルファン市入口の国道の料金所を通過するが、ここに検問所がありここで運ちゃんが乗客の身分証を回収するが、自分はパスポート回収されずそのまま素通りで外人は対象外のようだ。公安の身分証確認が終わりトルファン市内へ入る。一体何のための検問だろうか?

10:20頃、バスターミナルに到着するが、すでにトルファンは日差しが強く暑い。そして、7年前とは違いバスターミナルは移動して新しくなっていた。
まずはバスターミナルでバスの状況を確認しようとしたら時刻表や運賃表が一切なく調査できずであった。仕方がないので今日の宿へ向かう。

バスターミナルから直線距離で約2.4km離れており、ひたすら歩く。
久しぶりのトルファンの印象だがとにかくハエが多い。以前もこんなに多かったかな?
そこらじゅうでハエがブンブン飛んでいる。市内にはビルが建ったり建設ラッシュで発展中なのだが、衛生面に関してはその辺の中国の田舎と同じでハエが飛び交っている。

11:15頃、eLongで予約しておいた吐魯番達卜青年旅舍(吐鲁番达卜青年旅舍/Dap Youth Hostel)に到着する。予約しておいた部屋は1泊35元の8人ドミトリーで2泊する。

宿泊登記は問題なかったがレセプションのカウンターの後ろに武装警察が使っていそうな盾が2つあった。盾には「民兵」の文字がある・・・。日本のコンビニでもレジカウンターに木刀や竹刀の類が隠してあるけど、トルファンでも何かあるのでしょうか?

で、このユースホステルはウイグル族の民家を改装しており西域の雰囲気が出ている。
そして、8人ドミトリーには欧米人の先客がいたが、何と張掖のユースホステルで同じドミトリーだったスイス人であった。ここはBooking.comでも予約できるから欧米人がいても不思議はないな。

13:00頃、昼食に牛肉麺(7元/約7元)を食べる。昨日の午前中に牛肉麺を食べて以来の食事だ。トルファンの物価は牛肉麺7元、炒飯類10元、ミネラルウォーター500ml1元、ペプシ600ml3元、ナン2.5元といった感じだ。物価は敦煌や嘉峪関よりちょっと高い感じだが、スーパーの特売品に康師傅のミルクティー500mlが1.99元だったり頑張っている部分もある。

食後はウイグル族の店でナン(2.5元/約50円)を2枚購入する。夕方に新彊ウイグル自治区の地場系スーパーの阿尔曼超市でブルーベリージュース480ml(3元/約60元)を購入する。地場系スーパーでイスラム教とのための店なのだがビールとかも扱っているが、ウイグル文字の入った地元の商品が豊富なのが特徴だ。でも、大規模店舗が少なくコンビニ程度の店が多い。

ユースホステルに戻り天気予報を調べてみたら今日のトルファンの最高気温は33度であった。あれだけ日差しが強ければ当然の気温だな。最低気温は14度でかなり涼しく寒暖の差が激しい。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 17元
宿泊費 70元 (1泊35元×2)
バス 11元 (大河沿→トルファン市)
合計 98元

トルファン郡王府

08:30頃、ユースホステルを出て南東へ約2km離れた蘇公塔とトルファン群王府へ向かう。バスで近くまで行けるが歩いていける距離なので歩いていく。09:00頃、トルファン群王府に到着。入場料は20元だが建物が新しすぎるのと今までの経験上、こういった建築物はことごとくハズレを引いているので外から見るだけにしておく。

トルファン群王府はトルファン群王の額敏和卓(1694-1777)の邸宅である。額敏和卓は清朝に帰順し康煕年間から乾隆年間にかけて武勲を挙げ乾隆帝から群王に封じられている。

周辺にはブドウ畑で覆われているがまだ1ヶ月ぐらい時期が早く果実は成っていなかった。

蘇公塔

09:10頃、群王府の斜め向かいにある蘇公塔を訪れる。

入場券売場にトルファンの観光地の料金表があったので撮影しておく。

そして、トルファンでは観光地のセット券が何種類も販売されており単体で買うより安く見物することができる。ただし、有効期限がどうなっているかは不明だ。

蘇公塔の入場料は45元で、ここは見物しておく。

蘇公塔は額敏塔とも呼ばれ、清の乾隆42年(1777)に建立される。高さ37mのイスラム様式の塔で新彊ウイグル自治区で現存する最も古い塔である。蘇公塔はトルファンの主要観光地として知られているが、モスクでもあり礼拝所にもなっている。

10:20頃、蘇公塔を離れて裏手のバス乗り場へ向かう。蘇公塔の裏手が6路のバスの終点になっているのだが案内表示とかはない。代わりに道路の路面にバスが転回した跡が残っているので、ここが終点というのがわかる。10:35頃、6路のバスに乗車してトルファン市内へ戻る。運賃は1元だ。

トルファン賓館の前を通過して、10:45頃、市中心の高昌路にある大十字のバス停で下車する。

大十字からは5路のバスで葡萄溝口、202路のバスで高速鉄道のトルファン北駅へ行くこともできる。そして、この高昌路に地下街ができていた。トルファンに地下街があるというのは驚きである。田舎のはずがいつの間にか都会に変貌していた。

11:00頃、トルファン客運站に行ってみるがタクシーの客引きがしつこい。日本語で返答して撃退していったが、一人だけ日本語ペラペラのウイグル族に遭遇してしまう。ああ、あの人か!ネットで評判の悪いバスターミナル前で日本語を話すガイドだよ。自分も以前2回ほど遭遇している。まあ、あまり関わらない方がよさそうなのでバスターミナルを離れる。

昼頃、トルファン博物館に到着する。百度地図やグーグルマップでは古いトルファン博物館しか表示されておらず、この新しい博物館はまだ掲載されていなかった。トルファン博物館は入場料無料でパスポートがあれば入場券がもらえる。

内部は撮影禁止なのだが誰もそんなことにはかまわず記念撮影中だ。展示内容は恐竜の化石からシルクロードに関する展示まであるのだが一番の見所はトルファンで出土したミイラだ。以前の博物館では見学者はほとんどおらずミイラの扱いは大切にされている様子はなかったが、この新しい博物館ではちゃんと展示されており見学者も多くかなり待遇改善された様子だ。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 15元
バス 1元 路線バス
蘇公塔 45元
合計 61元

白駝青年旅舎

09:20頃、ユースホステルの達卜青年旅舎をチェックアウトする。15分ほど歩いて火焔山賓館の敷地内にある白駝青年旅舎に到着する。eLongで予約してあり1泊40元の8人ドミトリーに4泊する。

部屋は広さは普通でベッドにはコンセントや照明はなし。OAタップで電源は確保できる。部屋の掃除はあまりしていない感じで空き瓶やペットボトルが大量にある。ハエはいなかったので、まあいいかな?共同のトイレ・シャワーは許容範囲内。
WiーFiの状態は良好。トルファン博物館まで徒歩10分、天馬超市は徒歩3分で立地はまずまずだ。欧米人は数人いたが客は少ない感じだ。

世界遺産 交河故城

10:30頃、市政府のバス停から101路のバスに乗車して交河故城へ向かう。運賃は1元だ。終点の交河路口から約4kmほど歩いて、昼頃、交河故城に到着する。

交河故城の入場料は70元である。

交河故城は世界最大、最古の版築で築かれた都市遺跡で周囲を深さ約30mの断崖で囲まれ要塞都市でもある。

紀元前2世紀頃には車師の人々が居住しており紀元前108-450年の間は車師前国の都であった。その後は高昌国や唐の支配下にあったが14世紀に戦火で放棄された。2014年にシルクロードの一部として世界文化遺産に登録されている。

都市遺跡で敷地は広いのだが木が一本も生えていないので日差しの強いトルファンでは見物も一苦労だ。5月とはいえ最高気温は平気で30度以上の真夏日である。それでも今日は涼しい方で暑いと38度とかまで上がるそうだ。水は500mlのペットボトルより1.5Lとかを用意しておいた方がよい。

1時間ほどの短時間しか見物していないが、13:00頃、交河故城から約4km離れたバス停へ向かう。遺跡を隅々までしっかり見物するには2時間ぐらい欲しいところだが、あまりの暑さで倒れそうなので切り上げた。

交河故城からひたすら歩いて、14:10頃、101路の終点に交河路口に到着する。1路や102路のバスなら交河故城からさらに近い約2.7kmのところの兴渔水产公司まで来るのだがバスの本数が少なく結局遭遇することはなかった。


101路のバスに乗車して新城西門で下車する。

カレーズ民俗園

運賃は1元でバス停から南へ歩いていき、14:25頃、カレーズ民俗園(カレーズ博物館)に到着する。入場料は40元だ。

ここは地下水路カレーズの博物館であり、カレーズの歴史や工法を知ることができ、実際に地下のカレーズを見学することができる。でも、入場料40元はボッタクリ。

15:00頃、新城西門のバス停から101路のバスに乗車して市内へ戻る。運賃は1元だ。

15:15頃、天馬超市のバス停で下車して目の前の白駝青年旅舎に戻る。そして、徒歩3分ほどのところにある天馬超市でトルファンワインのトルファン紅酒750ml(9.9元/約198円)を購入する。

夕飯はナンを食べながらトルファンワインを飲むがトルファンワインの中の安ワインを購入したので正直言って普段酒を飲まない自分にとっては不味いワインであった。ワインといっても原材料に白砂糖と表記されている時点で本物のワインではないというのはわかっていたが、高いちゃんとした奴なら美味いのかな?

本日の出費
項目 金額 備考
食費 16.9元
宿泊費 16元 (1泊40元×4)
バス 3元 路線バス
交河故城 70元
カレーズ民俗園 40元
合計 145.9元

イスラム教聖地の吐峪溝

朝から天気は曇りで涼しい。08:30頃、トルファン客運站を訪れる。今日は吐峪溝(吐峪沟)を訪れようと思い、吐峪溝行きのチケットを買おうとしたが直通バスはないらしく吐峪溝近くを通過する魯克沁(鲁克沁)行きのチケットを購入する。運賃は15元でパスポート必須であった。

時間までバスターミナルの待合室で待機となるが、ここでトルファンのバス運賃時刻表を見つけ撮影しておくが、魯克沁(鲁克沁)行きが11:00からの運行になっている。先ほど購入したのは10:00発なのだが・・・。時刻表はあまりあてにならないかも?

09:40頃、バスに乗車して出発を待つが雨が降ってきた。年間降水量30m程度のトルファンで雨に遭遇するのはかなり珍しい。でも、雨といってもごく僅かで降水量として観測されるほどではない。

10:00頃、バスが出発するが乗客は自分と地元民6人、欧米人1人の8人だけなので途中で客を乗せながらの運行となる。途中、火焔山景区で欧米人が下車して、ベゼクリク千仏洞との分岐点、アスターナ古墓群近くの二堡を通過して、11:00頃、吐峪溝の標識が見えてきて、分岐点で下車する。

あとは約3km歩いて、11:45頃、吐峪溝に到着する。入場料は30元だ。
(吐峪溝への行き方はこちらの情報が詳しい)

吐峪溝は2000年代前半まで外国人立ち入り禁止の秘境であったが現在は自由に観光できるようになっている。そして、吐峪溝はイスラム教の聖地でありマザール(麻扎)と呼ばれる聖人の霊廟がある。

景区内には古民居やドイツ人探検家の家があるのだが、どうみてもボロ家だ。所々に人が住んでおらず崩れた廃墟もあり、これで30元取るのはボッタクリだろ!さらに霊廟のマザールは料金表には出ていない別料金20元になっていたし、吐峪溝千仏洞は立ち入り禁止になっていたし。

おまけに吐峪溝大峡谷は砂防ダムだかの大型治水工事中で大峡谷の景観が失われそうな気配が・・・。さらに峡谷には地元民が捨てたのか大量の生活ゴミが・・・。

はっきり言って吐峪溝は、ただのボッタクリ観光地で見る価値なしであった。いや、立入禁止で見られない所も多いな。13:00頃、吐峪溝を離れて来た道を戻る。

西遊記の火焔山

13:40頃、分岐点まで戻ってきた。あとはトルファン方面へ向かうバスを待つだけだが、分岐点の近くに火焔山の石碑があるではないか!目の前の山が西遊記にも出てくる火焔山であった。これでわざわざ火焔山景区へ行く必要はなくなった。

しかし、トルファン方面のバスが来ない。たまにボリタクが通るのでアスターナ古墓群近くの二堡までいくらか聞いてみると20元とかなめたことをいう。まあ、この辺は予想通りだ。二堡までは10kmあるので10元なら出してもよいが特に急いではいないので断っておく。バスが来るまでは火焔山を眺めながら待つが天気が晴れてきたので気温が上がり暑い。

まだ真夏ではなく風があるのでマシだが、トルファン郊外の観光は見物時間が短くてもツアーで回った方が絶対によいだろう。日差しの照りつける道路でバス待ちは生命の危険がある。吐峪溝は往復に手間がかかる割には見る価値がなかった。まあ、火焔山景区、アスターナ古墓群、高昌故城へのおおよその道はわかったので良しとしよう!

16:15頃、西の空が怪しい雲行きになってきた。空が茶色っぽいし強風が吹いている。どうやら砂嵐が近づいているようだ。

16:30頃、ようやくバスを捕まえ乗車する。バスが砂嵐の中を西へと走る。しかし、砂嵐といっても、これは序の口程度だ。本当の砂嵐は前が見えなくなるほどの強さだ。夜になりウルムチでの宿確保のためにユースホステルの新疆雷鳥国際青年旅舍を予約しておく。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 5元
宿泊費 10.5元 ネット予約:新疆雷鳥国際青年旅舍
バス 30元 トルファン↔吐峪溝分岐点
吐峪溝 30元
合計 75.5元

アスターナ古墓群

朝から晴れでトルファンらしい天気だ。10:25頃、トルファン客運站へやってきた。今日はアスターナ古墓群と高昌故城へ向かう。今日も魯克沁(鲁克沁)行きのチケットを購入しバスに乗車する。

バスは10:50発で昨日と同じバスで運ちゃんは「あー!昨日の外人だよ!」というような反応を示している。10:50頃、バスが出発して火焔山景区を通過して、11:35頃、火焔山の南に位置する二堡で下車して、まずは最寄りのアスーターナ古墓群へ向かう。

西へ歩いて葡萄畑の中を歩いていくと左手(南)に観光施設っぽい建物が見えてくる。

昼頃にアスターナ古墓群に到着する。

入場料は40元で少し高めであるが唐代の古墓を見ることができる。

古墓には鍵が掛かっており見物は係員付き添いになり全部で3つの古墓を見物する。

地下の墓室内は撮影禁止となっており地上部分だけの撮影となる。

1カ所目の墓室は人物の壁画があり、2カ所目は鳥の壁画、3カ所目は夫婦のミイラが展示されている。見物自体は15分ほどで終わりあとは地上部分を見物するだけだ。

古墓自体は少々物足りないが展示室の上から周囲を見渡せるようになっており火焔山の絶景が見られる。12:40頃、アスターナ古墓群から高昌故城へ向かう。

南へ歩くが日差しが強く体力の消耗が激しい。水筒の水は残り少なく心許ない。そして、歩いていると葡萄畑の脇で灌漑用の井戸水が汲み上げられているのを見つける。井戸の脇では地元のウイグル族のおっちゃんが顔を洗って水を飲んでいる。地元民が飲んでいるので井戸水飲んでも大丈夫かな?熱中症で倒れて干物になるのもいやなので、トルファンの井戸水で水分補給する。この後、下痢ピーピーになるかもしれないが背に腹は代えられない。

高昌故城

14:00頃、三堡の東にある高昌故城までやってきたが、入口は高昌故城の南側にあるようで、現在地は高昌故城の北側におり、さらに6kmぐらい歩く必要がある。入口まで歩くと本当に熱中症になりそうなので北側の城壁跡だけ見物して二堡へ向かう。

高昌故城へは現地ツアーを申し込むか、トルファン客運站の前から三堡行きのボリタクで高昌故城まで行ってもらうしかなさそうだ。15:15頃、二堡に戻ってきた。15:25頃、トルファン行きのバスに乗車する。16:10頃、トルファン客運站に到着する。運賃は10元であった。行きは15元だったのだが、帰りは10元になっており、おそらくバスターミナルの外だと安いようだ。

トルファンワイン

夕飯はナンと饅頭だ。それとまたトルファンワインを買ってきた。今度は砂糖入りの安酒でなく、ちゃんとしたワインだ。産地もトルファンの葡萄溝で正真正銘のトルファンワインだ。

ただし、値段が30元(約600円)で一昨日買った砂糖入りの安ワインの3倍以上の価格だ。もう超贅沢しています。代わりに毎日ナンとかしか食べられないですけど・・・。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 36.2元
バス 15元 トルファン→二堡
バス 10元 二堡→トルファン
アスターナ古墓群 40元
合計 101.2元

とりあえずデータ復旧する

一時帰国の原因となっていた吹っ飛んだデータが一部救出できた。毎日少しづつデータを復元してきてようやく復元が終わった。終わったといってもHDDのMBRが吹っ飛んでいたのでセクタスキャンで滅茶苦茶時間はかかるし交通事故現場の動画データは復旧できなかった。まあ、これで少しづつWEBサイトの更新ができる。

夕方になりドミトリーに台湾人2人と中国人1人の3人組がやってきた。元々は1人で行動していたが張掖から3人で行動して新疆ウイグル自治区を廻るそうだ。台湾人の兄ちゃん2人組は観光地の入場券が高いとか中国ではどこがおすすめかとかの情報交換をする。

中国人の兄ちゃんは日本人に会うのは初めてということで色々と歴史教科書とかについて聞いてきたので、教科書に南京大虐殺が掲載されており被害者数に様々な意見があることや、日本では自由に政府批判ができ首相官邸の前で自由に抗議行動が行われているとか、愛国心についても殆どの日本人は興味が無いし、学校で教師が子どもたちに愛国を語ったら抗議殺到とか言ったら、頭を抱えていた。

台湾人の兄ちゃんは笑いながら台湾も同じようなもので自由に政府批判できるとか言っており、中国の学校教育は洗脳とかまで言い放っていた。中国人の兄ちゃんは教師が言っていたことと違うと語り、黙りこんで考え込んでしまった。中国人の兄ちゃんに何かが起こっているようだ。台湾人の兄ちゃんはその様子を楽しそうに見ていた。何か困るようなこと言ったか?

そして、台湾人の兄ちゃんがトルファンにいる中国人は何も恐れていないと言い、唯一恐れていることは銭が無くなることだと語る。中国人は銭が全てだとある意味で核心を突く。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 13.2元
合計 13.2元

シルクロード鉄道旅行記~トルファン編

T216次 硬座で敦煌→トルファン

sichouzhilu135昼に宿を出て莫高窟行きのバスで敦煌駅へ向かう。途中で客を拾いながら進むので1時頃に敦煌駅到着。

sichouzhilu136これが、2007年7月時点の駅舎。プレハブ小屋です。

sichouzhilu137T216次は0816発なので、まだ7時間も時間がある。待合室で待っているのは別に良いのだが暇でしょうがない。周辺の様子を伺っていると敦煌駅の駅員は女性ばかりで男がいない。公安の3人は男なのだが駅員が女性ばかりとは珍しい。まあ、隣に建設中の駅舎が完成すれば駅員も増員されるだろうから今の体制は仮なのだろう。

sichouzhilu138いよいよ乗車します。特快なので良い座席がかなり期待できます。

sichouzhilu1391930頃になって改札が始まる。改札を通過して列車に乗り込むが硬座車両は1両だけしかない。この珍しい編成の硬座車両に一番乗りをする。かなり混雑すると予想していたが予想に反して空席が目立つ。

sichouzhilu140これが硬座かと疑うほどの豪華さです。

sichouzhilu141外に出て機関車の撮影までできる余裕があります。

sichouzhilu142この豪華な車両と旅行客の中をおなじみの尿素の袋を持って民工のおっちゃん登場です。

sichouzhilu143特快の硬座なので車内は綺麗になっている。硬座といっても利用客は旅行客が9割以上で今までの硬座とは全く違う。しかし、やはりいました。特快でも民工の人が乗車しています。でも、ウルムチ行きだから何しに行くのかな?石油施設に出稼ぎ?特快に民工が乗車すると周りは観光客ばかりで凄い不釣合いに見えてし まいます。

2015に定刻より1分早く発車する。発車してしばらくすると「列车长办公席」に硬卧に补票する乗客が集結している。一昨日には既に売り切れのはずだったのが余っているのだ。おかげで硬座の乗客の約半分が硬卧へ移っていき硬座は空席だらけになる。2110過ぎに最初の停車駅「瓜州」に到着すると大雨で線路が寸断されたと放送が入り3時間ほど停車する。おまけにエアコンが効きすぎていて少々寒い。非空調車で暑さには慣れていたがエアコンの寒さには 弱くなっていた。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 13.5元
バス 3元 路線バス
合計 16.5元

5時間遅れでトルファン到着

sichouzhilu144砂漠だと少しの雨でも洪水になるようで日付が変わってからようやく瓜州を発車する。この頃には乗客は寝ているのだが特快の硬座車両で信じられない光景を目にすることが出来た。座席3つ占領して横になる乗客が続出しているのだ。特快の硬座車両でこんな光景は見たことありません。

sichouzhilu145やはり硬卧へ大量移動があったのが原因でしょうか?それだけ空席があるので自分は座席2つ占領させてもらって少しだけ眠った。

sichouzhilu146朝になり哈密に到着すると地元民が乗り込んできていつもの混雑に戻る。約5時間遅れの1301にトルファン到着。

トルファン駅前では用心してバスを探す

sichouzhilu147出口を通り外に出ると予想通りだがバスやタクシーの客引きが待ち構えていた。ただ、違うのはウイグル族などが多く漢族が少ないことだ。用心して周辺を注意深く見ると長距離バスはあるが路線バスは見当たらない。

周囲を見渡していると何族かは分からないがタクシーの運ちゃんが声をかけてくる。中国語と英語を巧みに使っているがこちらは無視する。タクシーの運ちゃんは「外国人でしょ!アメリカ人3人も一緒だ!」と言ってくる。タクシーには列車を降りたときに見かけた外国人3人がトランクに荷物を入れている。敦煌でタクシーは使ってならないことを再学習したので運ちゃんは信用せず無視する。アメリカ人3人組はいくら払うか知らないが鴨になったようだ。

駅周辺を歩くが招待所、旅館はあるが路線バスのバス停は無い。トルファン駅からトルファン市内までは40㎞離れておりトルファン駅は郊外の大河沿鎮にあるのだ。駅に戻りトルファン市内へ向かうタクシーを捜さなければならないかと思っていると、謎の兄ちゃんが「トルファンに行くのかい?ワゴンに乗らない?」と聞いてくるので料金を聞くと7.5元なので迷わず乗車する。

周りをゆっくり見てみると駅前にはウルムチ、コルラな どへ行くバスが停まっている。ただ、コルラ行きはバスでなくワゴンだ。「あのワゴンで本当にコルラまでいけるのか?」と心配するほどだ。少しすると中国人旅行客も乗車してきた。さらに謎の兄ちゃんが中国人旅行客にパンフレットを見せながらツアーの売込みをしている。謎の兄ちゃんは旅行会社の兄ちゃんだった。

ワゴンが出発するがすぐに停車して「ツアーの貸切になったのでバスターミナルからトルファンに行ってくれ!ごめん!」とか旅行会社の兄ちゃんが言ってきて大河沿汽車客運站で降ろされる。普通なら怒る所だが無料でバスターミナルまで乗せてくれたので特に怒らずにバスターミナルでトルファン行きの切符を買いバスに乗車する。

sichouzhilu148通路に荷物と子供は日本では問題ありだろうな。中国は問題無さそうだ。

sichouzhilu149バスは満員になり次第発車で旅行客と地元民が乗り込んでくる。1400過ぎ、満員になり出発するが通路には荷物と子供で通ることが出来ない。満員でなく定員超過という表現が合っていそうだ。

交通賓館の日本語ガイドは危険!

sichouzhilu150>1500頃にバスターミナル(吐鲁番地区客运中心)到着。宿や長距離バスの客引きを無視して目の前にある交通賓館に入ると早速おっちゃんが声をかけてきた。1泊いくらか聞くと料金表を指差してくる。ドミトリーがあるか聞くとあるとのことなので部屋を見せてもらい4人部屋を1泊25元で3泊することにする。

sichouzhilu151フロントで登記をしていると先ほどのおっちゃんが何人か聞いてくるので「日本人」と答えると日本語で話しかけてきた。このおっちゃんは日本語が出来るのだ。部屋に戻る際も付いて来て「どこ行くか決めたの?」「いつまでトルファンにいるの?」などと話しかけてくる。さらに「2Fが旅行社になっているから 今からちょっと予定決めしょう」とか言って2Fの吐鲁番假日旅游公司に寄る。このおっちゃんは交通賓館の2Fの吐鲁番假日旅游公司の日本語ガイドだったのだ。

で、この日本語ガイドの説明を聞いてみると「今日は今からなら交河故城、カレーズ、蘇公塔を見て、明日はアスターナ古墓、ベゼクリク千仏洞、高昌古城、火焔山へ行こう」と話をやたらと進めようとする。料金を聞いてみると入場券は自分で買って、車代などで390元と言ってくる。どうも胡散臭いのでその場で決断せず保留すると「ちょっと考えて4時にここに来て決めましょう」と言ってくる。

sichouzhilu1521600に再び2Fの吐鲁番假日旅游公司を訪れるとこちらの考え聞 かずに話しを始める。そこで話の途中で「高いから他の旅行会社に相談してみる」というと日本語ガイドは「そっちはいくらで考えているの言ってみて」と言ってくるがこちらは相場が分からないので「もうやめにしよう」と言って吐鲁番假日旅游公司を出る。どうも胡散臭いのでよく調べてからにしようと判断したが、後にこの吐鲁番假日旅游公司の日本語ガイドを信用しなくて良かったと確信する。

ドミトリーにイタリア人が来た

夕方は交通賓館の前にある新拓商城(バザール)を見物する。やはり新疆ウイグル自治区はイスラム文化圏だ!今までの中国の市場と全く雰囲気が違う。夕飯に烤包子(小麦粉の皮に羊肉、玉ねぎの入った春巻みたいな物)を食べる。そして、トルファンに来たのだからトルファン葡萄を食べなくてはならない。500gで3元の葡萄を1㎏購入する。

宿に戻ると4人部屋に新たに荷物が増えている。1人増えたようだ。インターネットで情報収集と明日の行動予定を考えていると2100頃に相部屋の白人さんが帰ってきた。この白人さんは中国語が話せるイタリア人だった。そのため、中国語での会話で意思疎通が出来たため非常に友好的に接することが出来た。但し、自分はインチキ中国語しか話せない。

お互い中国語で意思疎通が出来たのでイタリア人が「明日何時に起きるの?」と聞いてくるので「7時に起きるよ」と答えると、「明日の朝7時に電話しないといけないのだけど僕の携帯は目覚まし機能が無いから7時に起きたら起こしてくれない?」と言うので「いいよ!起きたら起こしてあげるよ」と返答する。もっとも自分も目覚まし時計は持っていないが7時なら起きているだろう。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 14元
宿泊費 75元 1泊25元×3
バス 7.5元 大河沿鎮→吐鲁番
合計 96.5元

新拓商城でバザール見物

sichouzhilu1530704起床。ちょっと寝坊したがイタリア人がぐっすり眠っているので起こしてあげる。どこかへ電話をしているがこちらは今日の予定を考える。0900頃にイタリア人がバックパックを担いで出て行った。自分は少ししてから新拓商城へ出かける。

sichouzhilu154ナンの店

sichouzhilu155特産の葡萄も売られています。

sichouzhilu156カキ氷の店もあります。食べたら恐らくあたります。

sichouzhilu157羊もご覧の通り。見事に解体されちゃってます。

sichouzhilu158新拓商城を散歩するが日用品から羊肉、果物まで何でも揃っている。

sichouzhilu159こんな感じで包子とか売る店もあります。

sichouzhilu160新疆での主食になりそうな烤包子。羊肉と玉ねぎが入っている。1個5角。

sichouzhilu161朝食に昨日食べた烤包子を買って食べながらバス停へ向かう。この烤包子は1個5角が相場なのだが店によっては1個1元で吹っかけてくるが「いらない」というとすぐに5角で売ってくるので極悪な商売というほどでは無さそうだ。

ただし、問題がひとつだけある。素手でビニール袋に入れるのだ。最近で汚染されて紙 幣を触っている手で袋で入れるのは問題だと思う。北京や上海と比べると衛生に関する考えには問題ありかもしれない。

カレーズ民俗園でガイドを頼む

sichouzhilu162102路のバスで終点の西門で降りてカレーズ民俗園へ向かう。1030頃、カレーズ民俗園に到着。入場料40元払って入場する。トルファンでは数少ない路線バスで行くことの出来る観光地で来てみたが前評判とかは一切調べていおらず、まずは博物館を見学する。

sichouzhilu163館内を見学していると無料でガイドが案内すると誘ってきたが聞いても完全に理解出来ないので断るがガイドもこちらがインチキ中国語を話すので「韓国人ですか?」と聞いてくるので「日本人です」と答える。すると何人かのガイドが何故か無料の案内を売り込んでくる。中国語がある程度理解できる日本人なので鴨に見えたのかもしれない。

その内の1人がカレー ズ以外の観光地も案内すると言うので「タクシー代がない」と一言言うと「路線バスと自転車で行ける所だけだから」というので色々聞いてみると套票(セット 入場券)を買ってくれれば交河故城と葡萄溝を無料で案内するとのこと。そういうことか!套票が売れれば給料になるという歩合制なのね。

sichouzhilu164本物のカレーズを使ってカレーズの掘る現場を再現したりとかなり力が入っています。

sichouzhilu165民俗博物館の下を流れるカレーズ。

sichouzhilu166地上にも作業の様子が再現されています。

sichouzhilu167干し葡萄の生産現場も見られます。路線バスと自転車だけで行ける所なら頼んでもよさそうだ。ということでガイドを頼むことにする。ガイドのカレーズの説明を聞きながら館内を見学する。しかも、珍しく話しを聞いても大体理解できた。

1100頃にカレーズ民俗園から交河故城へ向かうのだが、ここで予想外の事態が発生。自転車が一台しかない。で も交河故城まで3㎞ぐらいなので別に歩いても問題は無い。ガイドが自転車を押しながら一緒に歩いていく。歩きながら話をするがガイドは陳さんという女性で新疆師範大学の学生だそうだ。

話しながら歩いていると通り過ぎる車を呼び止めて運転手と話を始める。少しすると車に乗るように言われ乗るがガイドは自転車で後から追いかけるから交河故城まで先に行くように言われる。どうやらこの車に乗っている4人組は河南からの旅行客のようだ。車はゆっくり走るがガイドとの距離は離れていく、旅行客と話をすると新疆観光をしているそうでカシュガルまで行くらしい。さすがにガイドが自転車で追いかけるのが大変そうなので途中で引き返し、自転車をトランクに積み無理やり6人乗車して交河故城へ向かう。

交河故城

sichouzhilu1681140頃、交河故城に到着。旅行客4人組の1人は交河故城は見ないようでガイドに連れられ旅行客3人組と一緒に交河故城を見学する。ガイドと旅行客3人組の会話を聞いていると、どうやら車に乗せてもらう条件として無料の案内をするようだ。ただし、ガイドも無料で案内するだけでなく手持ちの団体客用の入場券を割引価格で販売していた。お互いにうまく利用しあっている。

sichouzhilu169交河故城は古代の城塞都市なのだが今では廃墟と化しているが観光客で賑わっている。ガイドの話を聞きながら交河故城を歩く。

sichouzhilu170旅行客3人組とガイドは同じ河南の人なので方言で話したりとこちらは何を話しているか理解できないが結構楽しく交河故城を見学できた。駐車場に戻ると待っていた1人は土産物屋で寛いでいた。再び6人乗車の窮屈な状態で市内へ向かう。途中交差点に警官がいるとガイドが隠れて 交差点を通過するという結構危ないこともしている。ちょうど昼時なので1人がナンを購入する。

昼食で嫌いな黄瓜が

市内に戻ると行き先が違うので車を降りてお礼を言う。車に乗せてもらっただけでも助かったのだがナンを1枚お土産に貰った。それにしても、今まで河南人は痰や唾ばかり吐いている人ばかりだったのに旅行客4人組とガイドは河南人でも全く違っていた。やはり車で旅行するような富裕層と大学で勉強するようなエリートは一般の河南人とは全く違う人種で礼儀正しい。自分が以前イメージしていた礼儀正しい中国人そのものだ。

次は葡萄溝へ向かうのだが昼時なので昼食を食べてから行くことにする。ガイドに「明日はトルファンのどこを見るの?」聞かれ、「高昌古城と火焔山とか」と答えると「郊外はやめたほうがいいよ。遠いし交通費も掛かる。見てもつまらないよ。」などと予想外の答えが返ってくる。普通ならここで「車を安く手配できるから明日行きましょう!」と売り込んでくる筈だ。このガイドはその辺の金儲けしか考えていないガイドとちょっと違う。
市内は路線バスで移動ということなのでバスに乗るのだが何故か自分だけバスに乗りガイドは自転車で移動という変な状況になっている。まあ、路線バス自体遅いので大して離れることは無かったが言われたバス停で降りる。結構移動距離があったので自転車で追いかけるのならバス代払ってあげて一緒に移動すべきだったと後悔する。ガイドがまだ追いつかないので目の前の超市で飲み物を購入する。

ちょうどガイドが追いついたので飲み物を差し出すと「これは嫌いなのだから換えてもらいましょう!いくらで買ったの?」と聞かれ「3元」と返答する。超市でミネラルウォーター2本に交換してもらう。やはり水が一番良いようで高い物は浪費と考えているようだ。

で、昼食なのだが近くの食堂に案内される。ここは普通の中華料理の店だ。ガイドは箸を持参しており割り箸は使わないようだ。これは環境保護で箸持参なのか、それとも割り箸にも衛生状態など危険なことがあるのだろうか?どちらにせよ感心させられた。料理はガイドにお任せしたところ黄瓜肉絲と西紅柿鶏蛋湯を注文していた。自分の嫌いな黄瓜の料理が注文されてしまった!

貰ったナンと一緒に食べながら話をするがガイドが「吃饱了」というので自分も「吃饱了」と食べ終わろうとしたら「まだ残っているから全部食べるように!」と言われてしまう。黄瓜肉絲を表情を変えずに食べるのは大変だ。自分にとっては拷問に等しい。何とか全部食べて店を出る。

近くにガイドが働 いている吐鲁番阳光旅行社あるので自転車をそこに置きに行く。この時、ガイドが旅行会社で働いているとはじめて知った。今までカレーズ民俗園で働いている と思っていた。大学生で旅行会社でバイトか社員か知らないが働いているのは凄い。しかも、导游证(ガイド許可証)も持っているのだから更に凄い!相当努力しているはずだ。吐鲁番阳光旅行社で少し休憩してから5路のバスで葡萄溝へ向かう。

葡萄溝は葡萄尽くし

sichouzhilu1711415頃、葡萄溝景区の入口に到着する。葡萄溝の地図を見ると微妙な日本語もあるがかなり広い。ガイドの話だと入口から葡萄溝まで8㎞ほどあるそうで移動手段を考えるということで入口の建物で少し待つ。しばらくすると呼び声がして外へ出ると車が1台停まっている。車に乗車するように言われガイドと一緒に乗車する。

sichouzhilu172今回も無料案内するということで乗せてもらったようだ。今回の旅行客は3人組の山東人らしい。この旅行客3人組、こちらが日本人だと知ると「この車、トヨタだよ!」と言う。確かにトヨタだ。しかもクラウンじゃないか!この旅行客3人組、かなりの金持ちのようだ。色々話をしていて中国語を学んだことを言うと、やはり南京大虐殺の事を聞かれました。すると、ガイドが「ここで話すことじゃない」などと気を使ってくれる。他の2人も「聞くこと無いでしょ」などと言う。まあ、こちらは聞かれても問題ないしむしろ聞かれることは大歓迎だ。ということで、「自由に言ってください。問題ないですよ。」と返答する。

まあ、話をしながら葡萄溝へ向かうとガイドが「あの山が火焔山ですよ!葡萄溝は火焔山の西にあるんですよ」と言う。旅行客3人組も「西遊記知っているだろ?」とか聞いてきて西遊記の話をする。葡萄溝に到着すると駐車場のあるレストランに車を停め葡萄棚の下で葡萄、干し葡萄、ハミ瓜、西瓜、羊の串焼きなどを食べながら「今の日本の首相は誰?」「靖国神社に行ったことある?」とか色々日本の事を聞かれる。

sichouzhilu173話しながら食べるのは良いが「この料理の代金は割り勘なのだろうか?」と思いながらいくらの出費になるか心配する。料理をやたらと注文するので結局食べきれず打包(持ち帰り)にしてもらうことにする。 で、いくら払うのかなと考えていると旅行客のおっちゃんの1人が店員に300元払っている。支払いが済み葡萄溝を見学する。

sichouzhilu174ウイグル族の伝統音楽もあります。

sichouzhilu175葡萄棚の下は土産物街になっています。

sichouzhilu176地図にあるとおり葡萄溝は火焔山の麓にあるのでわざわざ火焔山だけ見に行く必要はありません。

sichouzhilu177さすがトルファンといえば葡萄が特産なので葡萄棚の下に歩道がある。もちろん、土産物屋もたくさんあるが干し葡萄が一番多い土産物のようだ。値段は500gで30元ぐらいからのようだ。葡萄溝は入場料60元なのだが葡萄が収穫される夏の時期は、まさにトルファンの食を満喫するのに最高の場所だ。おまけに目の前が火焔山だ。葡萄溝にはいくつか景区があるようだがつまらない所もあるようで全部は見る必要は無いようだ。

sichouzhilu178トルファン名産の干し葡萄も産地直販です。

sichouzhilu179干し葡萄は物にもよりますが500g30元ぐらいからです。普通の葡萄が500g3元ぐらいなので干し葡萄は手間と時間がかかるだけあって値段は10倍になっています。

旅行客3人組が土産物屋で品定めをしている間にガイドが「ウルムチに行くなら今日あの人たちもウルムチに行くから一緒に乗せてもらったら?」と聞いてくる。トルファンからウルムチは車の移動が一般的で列車だと駅まで行くのでも時間が掛かり面倒だからだ。でも、自分はガイドに「鉄道が好きだから車はだめなんだ。宿代も明後日までの分を払ってあるから。」と答える。

sichouzhilu180ウイグル族のおばちゃんたちが寛いでいます。

sichouzhilu181後ろの山が火焔山です。

sichouzhilu182火焔山の麓にあるので葡萄溝と火焔山の2つが楽しめます。

仮に車で行くことを言ったら乗せてもらうように交渉するつもりだったのだろうか?再び車に乗車して葡萄溝を出て高昌北路で降ろしてもらう。金持ち旅行客3人組にお礼を言って分かれる。

1730過ぎに202路の路線バスに乗車する。ガイドは途中で降りて旅行会社に戻るので、ここで入場券代100元(交河故城、葡萄溝)をガイドに支払う。色々お世話になってガイドがバスを降りる際に何度もお礼を言う。

1800頃、交通賓館に戻る。今日は色々な意味で凄いトルファン観光になった。ガイドは旅行客の車を無料案内を条件にタクシー代わりに使い、団体入場券も売りさばく。さらに葡萄溝での食事代は金持ち旅行客3人組が支払って、こちらは一切お金を払っていない。タダで葡萄、ハミ瓜などを食べてしまったのだ。ガイドの交渉能力は凄すぎる。

自分もガイドに支払ったのは入場券代100元だけだ。あとは差し入れのミネラルウォーターだけだ。7時間近くも貧乏日本人旅行客1人を相手にして入場券代100元の売り上げだけだ。あと、交河故城で河南人の旅行客たちにも団体券売っていたな。労力とか考えるとこれで利益が出るのだろうか?

高昌古城や火焔山などに行くのを言ったら「やめた方がいい」「つまらない」と言ったりと普通なら「鴨がかかった」と大喜びで契約をとるはずなのだが・・・。今回は大当たりのガイドをめぐり合えたよう だ。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 18.5元
バス 4元 路線バス
坎尔井民俗園 40元
セット入場券 100元 套票L線(葡萄溝、交河故城)
合計 162.5元

トルファン地区博物館

sichouzhilu183昼頃にトルファン地区博物館へ行ってみる。ここにはアスターナ古墓群からの発掘品やミイラが展示されている。撮影禁止になっているのですが団体客が入るときは監視が付いているのですが自分1人だけだと展示室には誰もおらず撮影し放題だった。これはアスターナ古墓群出土の唐代の女性のミイラ。

sichouzhilu184ただし、これで入館料20元はちと高い。

蘇公塔、郡王府

sichouzhilu1851300頃に博物館から6路の路線バスで蘇公塔へ向かう。運賃は5角。蘇公塔は清の乾隆年間に建立された塔だが現在は立ち入り禁止らしい。入口まで来てみたがどうも入場料40元の価値があるとは思えない。

sichouzhilu186すぐ近くの群王府は入場料20元だったがここもどうも入ると後悔しそうな気がしたので外から写真だけとって交通賓館へ戻る。

sichouzhilu187途中バス停への道のりで白人さんの旅行客に蘇公塔への道を聞かれ教えてあげる。どうやら欧米人にも有名な観光地らしい。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 13.5元
バス 1元 路線バス
トルファン地区博物館 20元
合計 34.5元