シルクロード旅行記2015 カザフスタン国境ホルゴスでビザラン

ウルムチ南駅

07:25頃、ユースホステルをチェックアウトしてBRT1号線でウルムチ南駅へ向かう。

07:50頃、ウルムチ南駅に到着。朝から駅前には多数の武警と装甲車で警備中だ。まずは手荷物のX線検査とボディチェックを受けて駅敷地内へ。

続いて身分証と切符の確認を受けて、最後に駅入口で手荷物のX線検査を受けるが、ここで係員のお姉ちゃんに十徳ナイフ持ち込み禁止と言われるが、北京と上海はOKなのになぜウルムチはダメなのか聞くとお姉ちゃん答えに困る。

まあ、大人の事情で外国人に説明するのは都合が悪いのだろう。ここでおばちゃんの係員に相談してテープで巻いて持ち込みOKとなった。外人だから今回だけということのようだ。中国人だとおばちゃんに説教されるのだろうな。

ウルムチ南→伊寧

08:00頃、待合室に入り改札が始まるのを待つ。

今日は08:43発のT205次で伊寧まで614kmを移動する。列車で約11時間の旅になり、もちろん席は硬座で運賃は86元だ。08:30頃、電光掲示板に「晩点未定」の表示が・・・。遅れが発生しているようだ。

08:45頃、改札が始まり、09:00頃に乗車する。車内は無座の客が多くカオス度が高いが、荷物の置き場所を心配したが幸い網棚に空きがあり何とか置き場所は確保できた。

09:22に39分遅れで列車が発車して、天山山脈の北側を走っていく。乗車している車両は乗客が多いのに2つあるトイレのうち1つは故障で使えない。おかげでトイレには列ができているし、親子連れは母親がガキにゴミ箱へ小便をさせている。
さすが何でもありの中国だ。

13:00頃、比較的大きな町の奎屯に到着して、車内のカオス度は少し低下する。列車が再び走り始めると外は乾燥地帯で畑や不動産バブルの波が押し寄せてマンション建設中の町とかが見られる。南には天山山脈が見え天山山脈に沿って西へ向かっているのがわかる。ちょうどシルクロードの天山北路にあたる部分だ。

16:05頃、精河南に到着する。車内は無座の乗客はいないようで空席もある。そして、中国語以外の言語が多く聞こえる。かなりの辺境地域になるので中国であって中国でない。まあ、東トルキスタンとも呼ぶが・・・。

18:40頃、乗車している車両のトイレが鍵を掛けられ使えなくなった。T205次のトイレは線路へまき散らしでなくタンク回収の方式なのでタンクが満杯になったからということであった。途中駅で青海チベット鉄道のゴルムド駅みたいにバキュームカーに回収というのはやっていないようなので終点の駅だか車両基地でしか回収していない様子だ。

水だけは途中の大きな駅だと給水作業をしているのだが汚物回収は無しのようだ。おかげで緊急事態の乗客は他の車両へ向かっていく。早めにウンコしておいてよかった。下手したら自分も緊急事態で漏らすところだ。中国の鉄道は設備が新しくなってもメンテナンスはチャイナクオリティなので、これなら昔ながらの線路へまき散らしの方がマシなような・・・。

19:36頃、定刻より3分早く伊寧に到着する。

伊寧

駅前は自動小銃を持った公安や武警がやたらと多い。

おまけに駅前の柵には有刺鉄線まである。伊寧はそんなにも治安が悪いのか?何やら非常に重要な大人の事情があるらしい。

駅前からバスに乗車するのだが混雑しているので1本後のバスに乗車することにして待機する。

19:50頃、駅前から17路バスに乗車するが、予想通り空いており客は自分を含め3人であった。梧桐麗景のバス停で18路のバスに乗り換え博愛医院で下車する。

新疆伊桟国際青年旅舍

通りから路地に入り、20:40頃、ユースホステルの新彊伊桟国際青年旅舎に到着する。予約はしていなかったが部屋は空いていたのだが、8人ドミトリーと6人ドミトリーは公安局の大人の事情で外国人不可で、1泊45元(会員料金)の4人ドミトリーに3泊する。

伊寧での拠点は確保したので、まずは一安心である。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 11元
宿泊費 135元 (1泊45元(会員料金)×3
バス 3元
合計 149元

伊犁州客運中心

09:50頃、伊梨州客運中心を訪れる。ここは伊寧の長距離バスターミナルになる。バスターミナルには武警の装甲車や有刺鉄線の柵が配備され警備が厳重だ。まず、建物内へ入ると手荷物のX線検査があり、それから待合室へ入ったりチケットが購入できる。

伊梨からはウルムチはもちろんだが、天山山脈の南側にあるコルラ、クチャ、カシュガルや北のアルタイ地区へのバスもある。そして、那拉提草原の那拉提へのバスもある。

そして、時刻表にはカザフスタン国境のホルゴス(霍尔果斯)行きのバスが見あたらないが、ちゃんとホルゴス行きのバスも出ている。写真を撮っておきたかったが30m以内のところに武警の装甲車があり雰囲気的にヤバそうなのでやめておく。

林則徐紀念館

10:20頃、12路のバスで林則徐紀念館へ向かう。運賃は1元だ。

11:00頃、林則徐紀念館に到着。

林則徐は清朝の欽差大臣でイギリスによるアヘン密輸を取り締まりを行いアヘン戦争が勃発した。

アヘン戦争により林則徐は欽差大臣を解任され、伊梨へ左遷されたが林則徐は伊寧で治水工事に力を入れ現在でもその功績はたたえられている。

展示内容はアヘンについての内容が多い。まあ、林則徐紀念館なので当然かな?

伊犁河

11:30頃、林則徐紀念館を出る。11:50頃、三中のバス停から18路のバスで伊犁大橋へ向かい、12:30頃、伊梨大橋に到着する。

伊犁河からは雪の残る天山山脈が見えるが曇っており霞んで見える。伊犁河は昨晩雨が降ったせいで茶色く濁っていた。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 9元
バス 3元 路線バス
合計 12元

カザフスタン国境のホルゴスへ

08:15頃、ユースホステルを出て伊梨州客運中心へ向かう。今日は中国から日帰りでカザフスタンへ行くのだ。ようするにビザランというやつだな。08:35頃、バスターミナルに到着し、09:30発のホルゴス(霍尔果斯)行きのチケットを購入。運賃は19.5元でバスに乗車して発車を待つ。

09:19に客が集まったので予定より早く出発する。10:50頃、ホルゴス入口の八十間房子辺境検査站に到着するが、バスはそのまま通過していく。他の車両は全て停車させられていた。

11:10頃、ホルゴス国際汽車站に到着する。

バスの情報を確認するとカザフスタンのジャルケント行きが1日4本ある。

国際バスターミナルから国境のゲートまでは約2kmだが、建物がでかいので歩いて行くと遠くからでもすぐに分かる。
国境越えはここを参考にしたほうが良い。

ホルゴスから中国→カザフスタン

11:35頃、カザフスタン国境の中国側イミグレーションのホルゴス口岸に到着する。10分ほどゲートの前で人の流れを観察する。ゲート前には当然だが記念撮影している観光客や土産物屋もいるのだが、人民元とテンゲの両替屋のおっちゃんたちも多数いる。ゲートから少し北に国門景区があり国境の石碑まで見物できる。もちろん、有料だが・・・。

そして、カザフスタンへ出国する中国人とカザフスタン人がホルゴス口岸へ入っていく。入口のゲートで武警に見せているので、自分も武警にパスポートを提示して外国人が通れるか聞いてみるとOKということで建物内へ。まずは税関で手荷物のX線検査を済ませて出国カウンターの列に並ぶが、雰囲気が重苦しく警備が厳しい。

行列が長くかなり待つが周囲から中国語はほとんど聞こえない。おそらく聞こえている言語はカザフ語だろう。ようやく自分の番になるが武警がパスポートの増補欄を入念に確認している。そして、ビザをいつどうやって取得したか聞いてくるので、当たり障りのない答えで上手く誤魔化して、12:25頃、出国する。

外にはカザフスタン側へのワゴンが停車しているが、運賃は3000テンゲ、人民元だと100元とボッタクリだ。まあ、皆3000テンゲ払って乗車しているのだが、国際バスターミナルからだと本数は少ないが70元で最寄りの町まで行くのだが、運ちゃんに「たけーよ!」と中国語で交渉するが通じずに値下がりせず。ホルゴスでは運ちゃんたちには中国語は通じず役に立たず、カザフ語でないとダメだ。

そして、ちょうどアルマトイ行き国際バスが停車していたので運ちゃんにカザフスタン側まで乗せてもらうよう頼んだが、カザフスタン側なら乗せられるが中国側ではダメということでこれもダメ。仕方がないので100元払ってボッタクリワゴンに乗車するが、昼時だからなのか不明だがゲートが閉まっており約1時間足止めで、さらに19人乗りワゴンに30人まで数えられたが、それ以上乗車してすし詰めで、13:40頃に発車する。この劣悪な環境でも乗客はしっかり3000テンゲ徴収されていた。

そして、自分は席無しでワゴンの中で埼京線や大阪環状線といい勝負になる混雑を体験する。乗車時には武警の身分証確認があるが、定員オーバーは見て見ぬ振りというかどうでもいいようだ。さらにゲートでも身分証確認があるが定員オーバーはどうでもよいらしい。中国側イミグレーションからカザフスタン側イミグレーションまでは道路は最短距離で結ばれずに大きく遠回りしている。おかげで目の前にカザフスタンが見えてもやたらと時間がかかる。

14:00(カザフ時間12:00)頃、カザフスタン側イミグレーションの手前でゲートが閉まっており足止めになる。ゲート前には1時間ほど前に交渉したアルマトイ行きのバスが停車していた。カザフスタン側も昼休みで業務を休むのか?

その間に運ちゃんが入国カードをもらってきて配ったり、代筆したりしてくれる。自分は乗客のカザフ族のおっちゃんに分からないところを記入してもらう。待っている間にバスの写真をを撮っていたら入国カードを代筆してくれたカザフ族のおっちゃんが撮影をやめるように言ってくる。どうやらここの国境地帯は非常に厳しいようで大人しくしていたほうが良さそうだ。

14:15(カザフ時間12:15)頃、ゲートが開いてカザフスタン側イミグレーションに到着する。建物に入り入国カウンターの列に並ぶが、カザフスタンの係官の目に留まりパスポート確認と入国目的を聞かれるが、カザフ語や英語が分からず、中国のカザフ族のお姉ちゃんに通訳してもらい中国語で何とか会話する。パスポートとかには問題なかったが、イミグレーション内で日記書くのは禁止ということでポメラをしまう。あと、携帯電話も禁止で注意される者もいた。

やたらと長い入国の行列に並び、ようやく自分の番になるが、係官のお姉ちゃんに入国目的を英語で聞かれるが自分の幼稚園児以下の英語では、なかなか通じない。何とか今日中に中国へ戻るというのは通じたようでノービザで入国スタンプを押してもらう。続いて税関検査だが数人が税関へ入ると扉が閉められ検査が終わると次の数人が税関へ入るという方式であった。税関検査は手荷物のX線検査だけで終了して、15:00(カザフ時間13:00)頃、入国完了。イミグレーションを出ると、さきほどのボッタクリワゴンやアルマトイ行きの国際バスが停車しており、ここで目的地への車に乗車して出発していく。

カザフスタン→中国

15:10(カザフ時間13:10)頃、自分は中国へ戻るだけなので、どこから出国カウンターの建物に入れるかゲート前にいた朝青龍に似た兵士に聞いてみたが、これが間違いであった。英語で最寄りの町のジャルケントまで行けとかいうし、デジカメの写真確認してボッタクリワゴンの画像を消去するように因縁付けられる。

とりあえず、画像は大した物ではないのでので消去しておく。で、「ジャルケントへ行け」というのが、「ここにいろ」に変わり、カザフ語で色々聞かれるがカザフ語が分からないので答えようがない。そして、兵士が知っている日本語は「馬鹿」と「よし」であった。おいおい、隣の反日国家の人間かよ!

で、まじめに相手するのも面倒なので、のらりくらりとしていると約15分後の15:25(カザフ時間13:25)頃、建物を指さして「行っていいよ!」と解放される。どうやら、暇なところに日本人なんかが来たので暇つぶしに足止めをしたようだ。で、指さした建物が出国用の建物のようだ。というか、目の前の建物と分かっていたら聞かずにそのまま入ればよかったな。

建物に入ると税関があるが、係官は米ドル持ってないか聞いてくる。中国から来て戻るのに何で米ドルなんか持っている必要があるんだ!と、言いたいところだが実はカンボジアで使わなかった米ドルが少しだけあるけど・・・。手荷物のX線検査を済ませると中身を開けるように指示してくる。デジカメと電子辞書ぐらいしかないが中身を確認する。

あと、財布とスマートフォンを確認。財布には数ドル分の米ドルがあったが、福沢諭吉先生と赤の毛沢東だけ見せるが興味ないようで、やたらと米ドルないか聞いてくる。もちろん、無いと答えると税関検査終了。3分ほどで終わったが、1ドル札でも見せると非常に長くなりそうな気配がする。どうも、税関には腐敗臭が漂っているような・・・。

続いて出国カウンターでパスポートを提出。空いてはいたが時間がかかり、15:35(カザフ時間13:35)に出国するが、建物から出る前に麻薬探知犬だかの犬を連れた係官のパスポート確認あり。建物を出るとバス乗り場のようで、ここでバスやボッタクリワゴンが来るのを待つ。

で、日本人なんかがこんなところにいるので、さきほどの係官から質問責めを受けるがカザフ語は分からない。そこで、すでに2時間以上バス待ちしているというカザフ語がペラペラの義烏の中国人のおばちゃんが通訳をしてくれる。さすが義烏の商人!世界中に雑貨を輸出しているだけのことはある!通訳してくれたおかげで何とか旅行中とか説明できたが、係官の同僚が集まってきて警備上関係ない質問ばかりして解放されず・・・。警備に戻ってくれ!

約1時間半待って、17:00(カザフ時間15:00)頃、ようやく中国行きのオンボロ寝台バスが到着。17:20(カザフ時間15:20)頃、バスに乗車する。運ちゃんに運賃を聞くが中国語が通じず、おばちゃんに通訳してもらい2000テンゲとのこと。テンゲは持っていないので人民元でいくらか聞いてもらうと80元でレートが悪い。

しかし、これを逃すと中国へ戻れないので乗車する。帰りは何とか座れたが、オンボロ寝台バスなのでほとんどの乗客は立ったままだ。おまけに明らかに定員オーバーで常磐線の我孫子あたりの乗車率を余裕で上回っている。この劣悪な状態でも運ちゃんは、しっかり2000テンゲ徴収している。かなり阿漕な商売だ。

17:45(カザフ時間15:45)頃、バスが出発する。国境の緩衝地帯を大回りして、18:00頃、中国側イミグレーションに到着、建物に入ると手荷物のX線検査がある。続いて入国カウンターの列に並ぶ。並んでいる間に入国カードを記入し自分の番になる。

出国で武警に色々と聞かれたから入国でも聞かれるだろうと予想していたら案の定、入国目的と今日出国して何故また入国するか聞いてきた。入国目的は当然ながら旅行と答えておく。出国当日に再入国した理由はシルクロード旅行で中国とカザフスタンの出入国スタンプがあればシルクロード旅行の記念になるからと説明すると武警は納得してくれた。

続いて税関で手荷物のX線検査を受ける。ここで係官に「カメラ持っている?」と聞かれパスポートを提示してカメラを取り出す。おっちゃんの係官にカメラの画像を見せるように言われるが、おねえちゃんの係官の方がパスポートを見て今日出国して再入国している理由を聞いてくるので、先ほどと同じ説明をすると納得してくれた。

で、デジカメの画像を見せようとしたら、おっちゃんの係官「行っていいよ!」と興味がなくなったみたいだ。手荷物検査は2ー3分で終了して、18:30頃、ホルゴス口岸を出て中国・カザフスタン国境のビザランが完了した。外には両替屋のおっちゃんたちが多数いたが疲れて相場を聞く気力もない。ホルゴス駅からの列車も発車してしまって乗り鉄できないし、そのまま国際バスターミナルへ向かう。

18:50頃、ホルゴス国際汽車站に到着。伊寧行きのチケットを購入してワゴンに乗車する。運賃は20元で19:30出発だ。

19:25頃、客が集まったので早く発車する。20:50頃、伊梨州客運站に到着する。

今回の中国・カザフスタン国境越えの感想は警備が厳しいので他の人はやらない方がいい!ある程度の中国語で説明ができないと入国拒否されそうな雰囲気あり。国境越えは初めから国際バスを使えである。ボッタクられて体力と精神力を消耗するだけです。

夜に明日の伊寧→ウルムチ南、明後日のウルムチ南→カシュガルの切符をネットで予約しておく。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 8元
バス 19.5元 伊寧→ホルゴス
バス 20元 ホルゴス→伊寧
バス 100元 (3000テンゲ)中国→カザフスタン
バス 80元 (2000テンゲ)カザフスタン→中国
鉄道 75元 硬座 伊寧→ウルムチ南
バス 167.5元 硬臥 ウルムチ南→カシュガル
合計 470元