シルクロード鉄道旅行記2012

航空券を購入する

お盆休みにシルクロードを鉄道旅行する。ウルムチからカシュガルを鉄道で目指すが昼間に天山山脈を越えるので目の前には絶景が広がる。
日本からウルムチまでは一気に飛行機で移動するので楽天トラベルやExpediaなどで航空券を探したがHISにて条件にあった航空券があったので購入する。

  • 中国国際航空(航空会社コード:CA)
  • エコノミークラス
  • 往路: CA0926 成田空港15:15 –> 北京首都国際空港18:10
  • 往路: CA1295 北京首都国際空港19:45 –> ウルムチ地窩堡国際空港23:55
  • 復路: CA1478 カシュガル空港18:00 –> 北京首都国際空港00:15
  • 復路: CA0925 北京首都国際空港09:25 –> 成田空港13:55

*カシュガル→北京のCA1478はウルムチ経由になる。
*実際には機材故障とかで上記の日程では運航されなかった。

料金明細
項目 金額 備考
航空券料金 127500円
燃油特別付加運賃 15380円
国内空港使用料 2040円
旅客保安サービス料 500円
中国空港使用料 2470円
航空保険料 660円
合計 148430円

ウルムチ→カシュガルの切符をネットで予約

  • 5826次 ウルムチ08:38 –> カシュガル翌10:32 軟臥340元

中国铁路客户服务中心でウルムチ-カシュガル(距離:1588km)の切符を予約購入する。今回は一番切符の高い軟臥(日本のA寝台に相当)で移動することにする。340元はかなり高い!因みに一番安い硬座は93元である。支払いには中国のネットバンキング対応の銀行口座が必要なので中国工商銀行の口座で支払う。

宿を予約する

2012/6/13と6/16にYHA Chinaで予約する。今回はカシュガルのユースホステルに宿泊してみる。

  • カシュガル老城青年旅舎(喀什老城青年旅舍)
  • 宿泊期間:
  • 部屋:8人ドミトリー
  • 料金:1泊40元
  • 北京炮局工廠青年旅舎(北京炮局工厂青年旅舍)
  • 宿泊期間:
  • 部屋:4人ドミトリー
  • 料金:1泊50元

旅の総費用

両替
王府井にあった中国工商銀行ATMでスルガ銀行VISAデビットカードを使い引き出す
3000元(¥38744円 1元=約12.8円)

使用金額
総費用の半分以上は航空券代である。人民元の使用金額は3410.1元で日本円換算(1元=13円)だと約44331円である。日本円換算の総旅行費用は197561円となる。

項目 金額 備考
航空券 148430円
鉄道 4800円 京成上野⇔成田空港
合計 153230円

中国滞在費 3410.1元

1時間半遅れで成田から北京へ出発

sichouzhilu2012_005東京駅から快速エアポート成田に乗車して成田空港へ向かう。お盆の出国ラッシュを予想していたのだが、中国国際航空のチェックインカウンターには20分ほど並ぶだけで済んだ。チェックインの際にバックパックを機内に持ち込む事と北京でウルムチ行きの便に乗り継ぐ事を告げると北京-ウルムチの搭乗券まで発券してくれた。保安検査から出国手続きは5分ぐらいで済み搭乗口でひたすら待つ。

sichouzhilu2012_00614:35頃、搭乗手続が始まり機内へ移動するが出発時刻の15:15になっても飛行機は動かない。そして、遅延理由の説明が無いまま1時間が経過し、しばらくすると出発の案内がようやく始まるが、ここでイベントが発生する。

隣の中国人のおっちゃんが離陸前なのに携帯電話を使っており客室乗務員の姉ちゃんに2回、兄ちゃんに1回注意されたのだ。これだけ注意されれば携帯電話の電源を切ると思ったら全く気にせず通話中である。まだ成田にいるのに既にモラルは中国国内のようだ。

おっちゃんの行動に自分は驚きと殺意を抱いたが1時間以上機内に閉じこめられた自分には注意する気力は残っておらず、墜落しても「没有办法」と思っていた。16:49におっちゃんが携帯電話の電源を切らないまま離陸する。

機内放送で北京到着が18:55頃と知るのだがCA1295便は19:15搭乗開始、19:45出発なので、北京到着後の空港内の移動時間、入国手続を考慮すると間に合わないような・・・。間に合わなかったら、便の変更や払い戻しは可能だろうか?

非常に悪い状況の中でCA926便は北京へ飛んでいくが17:50頃、隣のおっちゃんが、またやらかしてくれた。突然歌い始めたのだ。中国だと列車やバスに乗車していると稀に一人で歌っている人を見かけるのだが飛行機でもいるとは・・・。

19:00頃、約1時間遅れで北京首都国際空港に到着する。飛行機を降り走ってイミグレーションへ向かうが、目の前に入国待ちの列が・・・。19:30頃、入国手続きを済ませ19:40頃、国内線乗り継ぎカウンターに到着する。

ウルムチ行きも遅延

sichouzhilu2012_007ウルムチ行きCA1295便は19:45出発なので時間的には既に手遅れなのだが、乗り継ぎカウンターへ行くと搭乗券にC34と搭乗口を記入され行くように指示される。19:50頃、C34搭乗口に到着する。外に飛行機が駐機されているがカウンターには誰もいない。間に合わなかったようだ。

便の変更とか出来るか確認しなければならないのだが、カウンターに誰もいないので近くにいた掃除のおばちゃんに聞いてみたら「あっちのカウンターに係員がいるから聞いて みて!」というように教えられる。掃除のおばちゃんにお礼を言って隣のC33搭乗口の係員のお姉ちゃんに聞いてみたら端末を叩いてくれて返ってきた答えは 「CA1295便は20:30出発ですよ」との事。

自分は聴き間違いと思ってもう一度確認するが同じ答えだった。近くにあったモニターで確認したら確かにウルムチ行きのCA1295便(深圳航空のZH1295便との共同運航便)は20:30発に変更になっていたのだ。助かった!これでウルムチへ行ける。

中国の国内線はよく遅れると聞いていたのだが、今回は良い方へ作用してくれた。一安心して搭乗手続きが始まるのを待つ。

sichouzhilu2012_00820:10頃、搭乗手続きが始まり機内へ移動する。自分の斜め前の席には日本人の女性2人組が座っていた。20:30頃、出発するが誘導路でしばらく待機してから離陸する。

sichouzhilu2012_009機内放送でウルムチへは00:55到着で所要時間3時間50分と判明する。機内食にはイスラム教徒でも食べられるように面条と鶏肉飯が用意されていたので鶏肉飯を食べて今回の旅行の為に購入したポメラで旅行記を書いていく。00:40頃、ウルムチ地窩堡国際空港に到着する。

本日の出費
項目 金額 備考
鉄道 2400円 京成上野→空港第2ビル
合計 2400円

民航巴士でウルムチ駅へ

sichouzhilu2012_010飛行機を降りて気づいたのだが、CA195便には日本人ツアー客が10人ぐらい乗っていた。当初の予定ではウルムチ地窩堡国際空港を出てタクシーでウルムチ駅へ移動しようと考えていたのだが、3号出口の近くに「民航巴士」「机场」「火车站」の文字が見え、出口を出ると民航バスが停車していたので車掌のお姉 ちゃんにウルムチ駅に行くか聞くいたところ、駅へ行くという事なので乗車する。運賃は10元である。

sichouzhilu2012_01101:20頃、ウルムチ地窩堡国際空港を出発して、途中でウルムチ市内の明園、紅山を経由して02:00頃、ウルムチ駅に到着する。駅の近くにある安そうな宿を巡るが外国人お断りになっており、残っているのはカザフスタン行き国際列車の切符売場のある湘友酒店しかないのだが、一応駅前では高級ホテルに入るので宿泊料はぼったくりだからウルムチ駅の切符売場入口で野宿することにする。

周辺には農民工のおっちゃんたちがいて少々危険な雰囲気も漂っているのだが、荷物が無くならないように朝まで寝たり起きたりを繰り返す。

ウルムチから和田玉龍号でカシュガルへ

sichouzhilu2012_01206:00頃、切符売場の入口に列が出来始めたので並んで入口が開くのを待つ。

sichouzhilu2012_013今回の旅行の目的はウルムチから鉄道で天山山脈を越えてカシュガルまでの1588kmの乗り鉄なので、中国铁路客户服务中心で予約しておいた5826次の切符を受け取らなければならないのだ。06:30頃、切符売場の営業が始まったので安全検査を通過するが、ここで列に並んで待つことの出来ないおばちゃんが強行突破しようとして駅員に怒鳴られていた。

切符売場の営業が始まったのだが、開いている窓口が1043次専用窓口の2つだけで他の切符は07:30から発売となっており大混雑している。駅員たちにはやる気があるのだろうか・・・。窓口開く気がないなら自動券売機を設置しろよ!

07:00頃、5826次の当日販売分の窓口がいつの間にか開いており並ぶが、周辺には割り込みをしてくる共産党の調教が行き届いていないお猿さんが多く油断できない。まじめに並んでいる人とお猿さんとの小競り合いも発生している。

しかし、お猿さんの群れに天敵の公安が来ると状況が一変する。公安はお猿さんたちを容赦なく追い払い窓口周辺を平和にしてくれた。公安は権力を行使したいだけかもしれないが、こちらにとっては大歓迎である。07:30頃、お猿さんの群れを警戒しながらネットで予約購入しておいた切符を受け取り、待合室へ向かうが駅の入口では駅員が切符と身分証を照合していた。

sichouzhilu2012_014中国の鉄道では 切符に実名制が導入されており切符に身分証番号と氏名が記載されており、表向きは他人が使用することが出来ないようになっているのだが、今まで確認をしている所を一度も見たことがなかったのだがウルムチ駅では確認をしていたのだ。これは駅員のやる気があるのだろうか?それとも東トルキスタン独立運動を警戒した政治的な理由だろうか?待合室へ入ると既に混雑しており座る場所が殆ど無い。

sichouzhilu2012_015今回は軟臥の切符を購入したのでウルムチ駅に軟席候車室があれば軟席候車室から乗車できるので探してみると2Fの茶座の隣に軟席候車室があった。

sichouzhilu2012_016軟席候車室(软席候车室)は軟座や軟臥の乗客専用の待合室であり、硬座や硬臥の乗客が利用する候車室より空いておりホームへ優先的に入場できるのだ。

軟席候車室で時間まで待つことになるが、改札が始まる前に駅の売店でカップ麺と飲み物を調達することにする。今回は今麦郎の紅焼牛肉面を4個と統一の冰紅茶を1本購入するが、値段がぼったくりであった。紅焼牛肉面が1個6元、冰紅茶が4元だ。スーパーマーケットの倍の値段だ。

sichouzhilu2012_01708:30頃、軟席待合室の改札が始まった。もちろん、硬座よりホームへ優先入場である。今回乗車する5826次はウルムチ-ホータンを結ぶ普快だ。「和田玉龍号」の別名も付いている。利用する軟臥は8号車で5826次には、この1両だけ繋げられている。8号車に乗車して乗務員に切符を換票証に交換してもらいホームへ出て機関車の撮影へ向かう。

sichouzhilu2012_018しかし、機関車を撮影していると駅員に撮影禁止と言われ車内で大人しくすることになる。ウルムチ駅での撮影はどうやら御法度のようだ。

sichouzhilu2012_01909:00頃、約20分遅れで列車が発車しトルファンへと向かう。

sichouzhilu2012_02011:00頃、トルファンに到着し機関車の交換を行い進行方向が逆になり天山山脈へと向かう。

sichouzhilu2012_021トルファンを出た頃は荒涼とした乾燥地帯が広がっていたが、荒涼とした風景の中に風力発電の風車が数多く立てられているのが確認できた。

sichouzhilu2012_022荒涼とした風景の中に風力発電の風車が数多く立てられている。

sichouzhilu2012_023天山山脈へ近づいてくると乾燥帯にも草が少しばかり見受けられるようになる。

鉄道で天山山脈を越える

sichouzhilu2012_024魚児溝(鱼儿沟)を過ぎ天山山脈の雪解け水が集まって出来た川が流れる阿拉渓谷に沿って天山山脈を登り始める。

sichouzhilu2012_025風景も徐々に草や木が見えてくる。

sichouzhilu2012_026昼頃、軟臥で同じコンパートメントになったおばちゃんが盒飯を買っていたのだが、これが20元というぼったくり価格だ。でも盒飯と言っても、よく見かけるぶっかけ飯や猫まんまと言う類でなくコンビニ弁当を貧弱にした程度である。盒飯の中では上の部類になるだろう。盒飯の話はこれくらいにして、天山山脈越えの話に戻そう。

sichouzhilu2012_027標高が上がってくると木がなくなり草だけになり高原地帯に入ってきたようだ。

sichouzhilu2012_028そして、残雪が残る山が見えてきた。

sichouzhilu2012_0298月でも天山山脈に雪が残っているのだ。山の頂には万年雪が残り高原には牛が放牧されていた。

sichouzhilu2012_030標高2900mまで登ると扎亥萨拉駅で列車交換のため停車する。

sichouzhilu2012_031扎亥萨拉駅を過ぎると徐々に標高が下がってくる。

sichouzhilu2012_032昼食のカップめんを食べる為に6号車へお湯をもらいにいく。7号車から前は硬臥で6号車も硬臥なのだが他の車両とは違っていた。それはお湯を沸かす為の石炭ボイラーがあり車内には煙が充満してサウナ地獄になっていた。窓全開、扇風機全開でも裸族が見受けられるほどの凄まじさであった。

sichouzhilu2012_03318:20頃、和静に到着する。和静を過ぎると景色は畑や胡楊の木が目立つようになってくる。

sichouzhilu2012_03420:30頃、コルラ(库尔勒)に到着する。まだ、日没になっていないが疲れたので寝ることにする。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 28元
合計 28元

カシュガルに到着

sichouzhilu2012_03507:40頃、起床する。GPSを見ると、まだ日の出前だが外は一面荒野になっていた。顔を洗い、朝食のカップめんを準備する。

sichouzhilu2012_03607:57頃、巴楚に到着 する。巴楚の辺りから荒野に草が生え始める。しかし、よく見ると水たまりがあったりしており、どうやらこの地域では珍しく雨が降ったようだ。どうりで天気が曇りなわけだ。

sichouzhilu2012_037アルトゥシュ(阿図什)に近づくと景色は荒野から葡萄畑へと変わってきた。この辺りは農業が盛んなようだ。

sichouzhilu2012_03810:50頃、カシュガルに到着する。

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sichouzhilu2012_040天山山脈越えの1588kmの乗り鉄は無事に終了した。

sichouzhilu2012_041駅前から28路のバスに乗車してエイティガール寺院の近くで下車する。

sichouzhilu2012_042エイティガール寺院の南の路地を西へ進むとカシュガル老城青年旅舎に到着する。

sichouzhilu2012_043中国に来てから体を洗っていないので、まずはシャワーを使い体を洗うことにする。

sichouzhilu2012_044そして、いよいよカシュガル観光でなく、喉が渇いているので超市を探す。2007年にカシュガルを訪れたときにエイティガール寺院の寺院の近くにあったよ うな記憶があるので探すと伊合拉斯超市がエイティガール広場の南に有ったのだが、地下式の店舗だったかな?

sichouzhilu2012_045まあ細かいことは気にせずイムランコーラ(伊木然可乐)等を購入してエイティガール広場で休みながら飲むが、カシュガルではコーラはコカ・コーラやペプシ以外にイムランコーラ(伊木然可乐)が流通しているようだ。今はラマダンの時期で日中は飲食禁止なのだがアラーには大目に見てもらうことにする。

しかし、曇りだった天気が雨に変わり観光出来る状態ではない。カシュガルで雨が降ってくるとは想定外である。いや、アラーの怒りを買ったのかもしれない。

カシュガル国際汽車站

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sichouzhilu2012_047この天気では観光する気にはならないのでカシュガル国際汽車站(喀什国际汽车站)に向かいパキスタン、キルギス行きのバスの情報収集を開始するが、国際バスの運賃表だけ撮影に成功するが、それ以外の撮影はやめておいた方がよいような雰囲気が漂っているのでやめておく。

ユスフ・ハズ・ジャジェブ墓

sichouzhilu2012_048次に人民公園へ向かい徒歩で南へ向かう。ユスフ・ハズ・ジャジェブ墓(玉素甫・哈斯・哈吉甫墓)に到着して見物する。入場料は30元である。

sichouzhilu2012_049ユスフ・ハ ズ・ジャジェブ(1019-1085)はカラハン朝の思想家である。

sichouzhilu2012_0501069-1070年にかけてウイグル文字で書かれた書物「福楽智慧」はカラハン朝のスルタンに献上され、スルタンよりハズ・ジャジェブ(哈斯・哈吉甫)の称号を与えられている。

sichouzhilu2012_051ウイグルの偉大な人物の墓なのだが感想は一言「ぼったくり」である。

sichouzhilu2012_052あれで30元は酷いだろ!この頃には天気は回復し太陽も出てきた。

高台民居

sichouzhilu2012_053続いて高台民居を訪れるが入場券売場のおばちゃんが昼寝中だったのだが素通りせず入場券を買うために昼寝中の所を起こすが何故か「現在観光客は見物できない」と言われ追い返される。昼寝の邪魔をしたからか?

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カシュガルでもビールが買える

sichouzhilu2012_056次に香妃墓を訪れようと思ったが既に1800になっていたので明日訪れることにする。喉が渇いたので漢族が経営する超市でビール2本を購入する。新疆啤酒、乌苏啤酒がそれぞれ2.4元だ。カシュガルでも漢族の店ならビールが買えることをこの時知る。

sichouzhilu2012_057ウイグル族の街なのだがビールで夕飯兼水分補給をして町並みの写真を撮りながら21:00頃、宿へ戻る。22:00頃に日没になり寝ることにする。

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本日の出費
項目 金額 備考
食費 16.7元
バス 6元 路線バス
ユスフ・ハズ・ジャジェブ墓 30元
合計 52.7元

朝食は清湯牛肉麺

sichouzhilu2012_05907:00頃、起床するが、どうも調子がよくない。缶ビール2本で二日酔いだろうか?それとも、まともに食事をしていないからか?08:30頃、客運站の 近くで朝食に6元の清湯牛肉麺を食べる。ここの店は老板は漢族のようだが、厨房で麺を作っているのはウイグル族のおっちゃんだ。厨房では中国語でない言語 (ウイグル語?)が飛び交っており雰囲気的によい!

sichouzhilu2012_06009:30頃、漢族の超市で飲み物とヨーグルトを買い、客運站のバス停から20路のバスで香妃墓へ向か う。

アバクホージャ墓

sichouzhilu2012_06110:00頃、終点の香妃墓に到着するが、以前来た時の記憶がないのでバス停から香妃墓までの道がわからない。とりあえず道を少し歩くと見覚えのある建物が遠くに見える。香妃墓だ!

sichouzhilu2012_062入口の場所とかも思い出したが、とりあえず脇道を歩いてシルクロードの雰囲気を味わいながら香妃墓へ向かう。

sichouzhilu2012_063香妃墓周辺は古い民家が取り壊されており再開発が始まっているようで数年で土産物屋街とかが出来てしまうのだろう。途中で取り壊された民家跡にロバが繋がれていた。

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sichouzhilu2012_065香妃墓は正式名をアバクホージャ墓(阿巴克霍加麻扎)と呼び、イスラム教白帽派の指導者であったアバクホージャ一族72人が葬られているマザール(霊廟) である。

sichouzhilu2012_066清朝の乾隆帝の妃である香妃が埋葬されたから香妃墓と呼ばれているのだが、近年の研究では香妃はここには埋葬されておらず清東陵に埋葬されているそうだ。

平和そうに見えたカシュガルだが

sichouzhilu2012_06720路のバスで市内へ戻り、11:00頃、人民広場の前を通ると朝には何もなかった広場に公安や武警の車両が停車している。平和そうに見えたカシュガルだがテロ事件を警戒しているのだろうか?これだけ厳重に警備していれば漢族は安心して暮らせるだろう。ウイグル族が安心するかは・・・。

とにかく公安や武警の活躍は撮影しなければと思いバスから、こっそり公安や武警の活躍する様子を撮影する。

エイティガール寺院

sichouzhilu2012_06812:00頃、エイティガール寺院を訪れる。

sichouzhilu2012_069エイティガール寺院は1422年に創建された新疆ウイグル自治区最大のモスクである。

sichouzhilu2012_0702007年に一度訪れているのだが、前回は入場券売場で引き返してしまったが今回はモスクの内部まで見ていくことにする。

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sichouzhilu2012_073内部は人が少なく静かである。でも、礼拝の時間になれば賑わうだろうし違った雰囲気の写真も撮れるのだろう。

昼食はヨーグルト

sichouzhilu2012_07413:00頃、伊合拉斯超市でヨーグルトなどを購入してカシュガル老城青年旅舎へ戻る。ベッドのシーツを洗濯機の脇に置いてきたりチェックアウトの準備をして、先ほど購入してきたヨーグルトを昼食に食べる。

カシュガルを歩く


13:55頃、カシュガル老城青年旅舎をチェックアウトしてカシュガルの街を歩く。

バスでカシュガル空港へ

sichouzhilu2012_075エイティガール寺院の近くにある民貿のバス停から2路のバスに乗車してカシュガル空港へ向かう。

sichouzhilu2012_07615:00頃、カシュガル空港の前に到着する。

北京行きの便が・・・

sichouzhilu2012_077カシュガル空港の入口で駅やバスターミナルでやっているいい加減な安全検査をしていたのだが、ここでペットボトルの飲み物を没収される。どうやらカシュガル空港の建物内は液体物の持ち込みは禁止ということらしい。しかし、チェックイン時に預けるお土産の酒とかは他の客が持ち込んでいた。基準が曖昧で不満である。没収された飲み物は警備員が休憩時に美味しく頂くようだ。

sichouzhilu2012_078チェックインカウンターで搭乗券を発券してもらい、バックパックを今回は預けておく。次は搭乗するためのちゃんとした安全検査を済ませ待合室(候机厅)で時間まで待つことにするが、今回北京まで乗る中国国際航空のCA1478便の出発時刻が18:00から18:40に変更され18:30頃に搭乗ゲートが開く。18:40過ぎに出発するが誘導路で待機したまま一向に動く気配がない。
sichouzhilu2012_07919:30頃、何か問題があったようで戻って乗客と荷物を全て降ろされる。

sichouzhilu2012_08020:30頃、乗客にカップ麺とソーセージが配られる。心中複雑である。中国で飛行機が遅れると乗客が騒いで乱闘が発生するそうだが、今回は皆我慢しているようだ。カップ麺とソーセージを食べて大人しく待っていると放送でCA1478便に対して「宾馆休息」とか言っているのでホテルで休むよりこのまま待っていようと判断する。

しかし、この判断が重大な過ちであった。23:00頃、最終便が出る時間帯になり、係員が声をかけてきたので CA1478便はどうなったか聞くと「運行取り消しになった」の答えが・・・。案内のモニターには「办票截止」が表示されたままで「已取消 」になっていないじゃないか!係員の話によれば乗客はホテルに移動したり、他社の便に変更したりしたそうで、チェックインカウンターか案内カウンターで変更手続きするように言われ案内の係員に聞きに入ったら、自分と同じようなヘマをしたのが4人いた。

4人がいなくなり係員に聞くと明日の朝にCA1478便が出発するそうで乗客は海尔巴格大饭店に宿泊しているのでタクシー拾って行ってくれとの事。場所を聞くとチニワク賓館の近くと言うから驚いた。カシュガル市内じゃないか!係員の話のよれば空港の近くにはホテルは無く市内に行かないとホテルはないとの事。

23:50頃、空港を出て真っ暗な通りでタクシーを待つ。というか、こんな時間にタクシー通るのか?でも、先ほどの4人組は白タクに乗り込んで市内へ向かっていった。真っ暗な通りに自分一人だけ残される。タ クシーが3台通るが客を乗せていたために素通りされる。そして、前を通った白タクのウイグル族のおっちゃんが声をかけてきた。海尔巴格大饭店を知っているか聞いたら知っているそうで運賃20元で乗せてもらう。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 15元
バス 6元 路線バス
香妃墓 30元
エイティガール寺院 20元
合計 71元

白タクで海尔巴格大飯店へ

sichouzhilu2012_08100:15頃、チニワク賓館の隣にある海尔巴格大飯店(Eden Hotel)に到着する。ウイグル族のおっちゃんに20元を払う。100元札で払うとお釣りが返ってこないような気がするので10元札2枚で払う。海尔巴格大饭店で CA1478便の乗客であることを告げて部屋を手配してもらう。フロントのお姉ちゃんに朝食は7時でバスの出発は8時、飛行機の出発は10時と告げられる。

sichouzhilu2012_082準備された部屋は268元の部屋のようだが見た目は悪くなかったがバス・トイレの水周りが下水の臭いがして酷い状況であった。これで268元を取っているとはかなり悪どい商売である。それにしても、飛行機の欠航に遭うとは・・・。

そういえば中国国際航空は欠航便の乗客にホテルを手配するとかしていたが、それは当たり前の事なのだが、何人の乗客が他の便に振り替えたか、何人の乗客がホテルへ移動して明日の便に振り替えるかとか把握していないようだ。自分と少なくとも4人が空港に残ったままであったのだから・・・。中国国際航空を利用する際は要注意である。02:00頃に就寝する。

カシュガルからウルムチへ

sichouzhilu2012_08305:30頃、起床する。07:00頃、餐厅で朝食を食べる。08:00頃、手配されていた空港行きのミニバスに乗り込み海尔巴格大飯店を出発する。 0815頃、カシュガル空港に到着するが入口が閉まったままなので外で待機する。

sichouzhilu2012_084しばらくすると入口が開きチェックインカウンターに並び搭乗券の変更と チェックイン手続きが始まるのを待つが、係員が昨日チェックイン時に預けた荷物を返却されていない人は受け取ってからチェックインカウンターに並ぶように 案内している。自分も荷物を預けたままなのでバックパックを回収してくるとチェックイン手続きが始まっておりチェックインカウンターに並ぶが、自分が並ん でいるカウンターはやたらと時間がかかっている。

sichouzhilu2012_085ちょうど手続きをしているのは日本人のお姉ちゃん3人組だ。何が原因かわからないが係員のお姉ちゃんが手続きにもたついている。自分の後ろの中国人の兄ちゃんは待ち時間の長さにいらついているようだが、ここは大人しく待つしかない。09:00頃、チェックイ ン手続きを終えるが搭乗券の名前の欄が一部手書きになっていた。今回は荷物を預けずに機内持ち込みにする。

sichouzhilu2012_086安全検査を終えて待合室へ移動する。さっきの日本人のお姉ちゃんたちがいたので声をかける。どこを観光してきたか聞いたらタシュクルガンとカラクリ湖をツアーで行ってきたとのこと。カシュガルからの3日間の現地ツアーで1人1800元だったそうだ。これは自分にとっては真っ青になる金額だが、あの絶景を快 適に見て回るのなら相応の金額なのだろう。

そして、お姉ちゃんたちからCA1478便の欠航は機材故障だった事を知る。09:50頃、搭乗手続きが始まり 10:22にCA1478便がウルムチへ向けて離陸する。

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sichouzhilu2012_088外には雪の残る天山山脈が見える。

ウルムチから北京へ

sichouzhilu2012_08911:50頃、ウルムチ地窩堡国際空港に到着する。乗客全員降機してウルムチまでの乗客と北京行きの乗客に分かれて、それぞれバスに乗車する。

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sichouzhilu2012_091北京行きの乗客は过站登机牌を受け取り待合室へ向かう。

sichouzhilu2012_09212:15頃、便名がCA1478からCA147Rへ変わり搭乗手続きが始まるが搭乗ゲートで書類に署名させられると400元渡された。係員が「抱歉费」 と言っているのが聞き取れたので、どうやら遅れた分のお詫びのようだ。昨日機嫌が悪かった乗客たちも現金を目の前にして笑顔を見せている。自分にとっては土産を買うための1日が潰れたので400元よりも早く北京へ飛んでほしかった。

sichouzhilu2012_09312:55頃、便名がCA1478からCA147Rへ変わったが同じ機体に再び乗り込み13:20頃、北京へ向けて出発する。機内食に牛肉麺と鶏肉飯が出たので鶏肉飯を食べることにする。ウルムチからの便だからかイスラム教徒でも食べられるようになっていた。

sichouzhilu2012_09416:45頃、北京首都国際空港に到着する。

北京炮局工廠青年旅舎

sichouzhilu2012_09517:20頃、エアポートエクスプレス(機場快軌)に乗車し東直門で地下鉄2号線に乗り換え18:00頃、雍和宮で下車する。B出口から出てすぐ右の胡同というか路地を歩いていく雍和宮小学で左へ曲がりコンビニの快客を過ぎて右の路地を歩いていくと予約しておいた北京炮局工廠青年旅舎(北京炮局工厂青年旅舍)に到着する。
sichouzhilu2012_096雍和宮駅から5分ほどの近さである。本来は今日の02:00ー03:00頃に到着するはずだったのだが、カシュガルー北京の中国国際航空の CA1478便が機材故障で欠航となり予定時刻より16時間ほど遅れて到着したために大遅刻である。レセプション(前台)でチェックインの手続きをする際に遅刻した事を言ったらやはり「大遅刻!」と言われてしまった。カシュガルからの飛行機が遅れた事を説明すると納得してくれた。

sichouzhilu2012_097部屋に案内されると先客が1人いた。A先生は安徽省合肥から来たというので自分が包公墓や逍遥津に行ったことがあるというと喜んでいた。北京炮局工廠青年旅舎は工場の跡地をユースホステルに改装して営業をしているのだが、日中戦争の頃は日本軍が収容所を設置していたという興味深い歴史を持っている。

天福茗茶で茶葉を買う

sichouzhilu2012_09818:20頃、雍和宮駅から地下鉄5号線と地下鉄1号線を乗り継いで王府井へ向かう。19:00頃、王府井に到着する。王府井で土産の中国茶を購入するのだが、駅を出て30秒足らずで乞食がいた。火傷で顔面焼け爛れたおっちゃんと頭部が常人の2ー3倍の大きさになった幼児を抱えたおばちゃんの2組がいた。

50mも離れていない所には武警が直立不動で警備しているのだが乞讨の取り締まりはしないようだ。北京オリンピックの時は欧米人に見られると都合の悪い農民工を北京から追い出したりしていたが、現在は王府井で乞食の乞讨を欧米人に見られても問題ないようだ。
社会主義のなのに乞食がいるという現実に複雑な心境になってしまったが、今回の旅行は乞食特集をやる訳ではないので、撮影は自粛しておく。今日、王府井に来たのは土産を買うためである。

sichouzhilu2012_099中国茶を呉裕泰天福茗茶で 購入する予定なのだが、まずは清朝の光緒年間、分かりやすく言えば西太后の時代に創業した老舗の呉裕泰を見てみる。店内は客で賑わっており、品揃えも多い 感じだ。

店内を5分ほど見て回るが店員が一切声をかけてこない。これは中国ではかなり珍しい。中国では外国人が土産を買うような店では確実に声を掛けてくる。店員の給料は基本給+歩合制が一般的なので絶対にカモを逃さないはずだが、どうやら自分はカモに見えなかったのだろうか?

sichouzhilu2012_100呉裕泰を出て次に天福茗茶へ向かう。天福茗茶は中国で最大の中国茶のチェーン店である。天福茗茶で一通り見て買おうと思って店内へ入ったら10秒経たないうちに店員に声を掛けられた。やはりこうでなければ中国ではないな!

大紅袍や鉄観音など欲しい茶葉だけを購入するつもりだったが、店員に言いくるめられて予定外の茶葉を2種類ほど買ってしまい、中国茶8種類ほどで3000元も使ってしまった。結構な量の茶葉になったのだが、これをバックパックに詰め込んで日本へ帰るしかない。本来の予定では茶葉は郵便局から船便で発送したらカルフールやウォルマート、十里堡のイトーヨーカ堂で土産にビールや豆板醤などを購入するつもりであったが、 カシュガル-
北京の中国国際航空の便が機材故障で遅れてしまったので、豆板醤などは断念する。

21:15頃、北京炮局工廠青年旅舎に戻り、シャワーを使い体を洗う。シャワーのお湯の出は問題ない。ただ、灯りが少し暗い。22:00頃、近くのコンビニの快客でビールや飲み物を購入する。ビールは土産にして、 飲み物は晩御飯と明日の朝食となった。今回の旅行では店で食事をしたのはカシュガルで清湯牛肉麺を食べた1度だけになってしまった。23:00頃、就寝する。

両替
スルガ銀行VISAデビットカード(中国工商銀行ATMで引き出す) 3000元 1元=約12.8円

本日の出費
項目 金額 備考
食費 50元
宿泊費 50元
地下鉄 31元
タクシー 20元
中国茶 3000元
合計 3151元

北京首都国際空港へ

sichouzhilu2012_10104:30頃、起床する。顔を洗いに外へ出ると東の空が少し明るくなっていたが、この時間でも宿泊客が騒いでいた。出発の準備を整え05:00頃に北京炮局工廠青年旅舎をチェックアウトする。外はすでに夜が明けて明るくなっていた。

雍和宮駅へ向かう途中にあるコンビニの快客は閉まっていた。どうやら夜の 11時か12時までの営業のようだ。雍和宮駅から地下鉄2号線に乗車して東直門で機場快軌に乗り換え、06:20頃、北京首都国際空港の第3ターミナルに 到着する。

sichouzhilu2012_102成田までは中国国際航空のCA925便を利用する。チェックインを済ませて空港内を散歩する。09:30出発予定、08:45までに搭乗ゲート へ行けばよいのでまだ時間がある。07:30頃に出国手続きの列に並び08:00に手荷物の安全検査まで終える。08:40頃に搭乗手続きが始まり、 09:40に出発するが空港周辺の空路が混雑しているため誘導路で30分ほど待たされ離陸する。

sichouzhilu2012_103機内食は鶏肉飯と海鮮飯の2種類で、今回も鶏肉飯を食べる。14:25頃、成田空港に到着する。今回の旅行は飛行機が遅れて北京での観光ができず予定が大幅に狂ってしまったというか、利用した中国国際航空の便 は全て遅れていた。恐るべし中国国際航空!次回からは中国の国内線を利用して奥地へ行くのはやめて、大人しく北京、上海の周辺を旅行するのが良いようだ。

本日の出費
項目 金額 備考
地下鉄 27元
合計 27元
項目 金額 備考
鉄道 2400円 成田空港→上野
合計 2400円