T216次 硬座で敦煌→トルファン






2015に定刻より1分早く発車する。発車してしばらくすると「列车长办公席」に硬卧に补票する乗客が集結している。一昨日には既に売り切れのはずだったのが余っているのだ。おかげで硬座の乗客の約半分が硬卧へ移っていき硬座は空席だらけになる。2110過ぎに最初の停車駅「瓜州」に到着すると大雨で線路が寸断されたと放送が入り3時間ほど停車する。おまけにエアコンが効きすぎていて少々寒い。非空調車で暑さには慣れていたがエアコンの寒さには 弱くなっていた。
| 項目 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 食費 | 13.5元 | |
| バス | 3元 | 路線バス |
| 合計 | 16.5元 |
5時間遅れでトルファン到着



トルファン駅前では用心してバスを探す

周囲を見渡していると何族かは分からないがタクシーの運ちゃんが声をかけてくる。中国語と英語を巧みに使っているがこちらは無視する。タクシーの運ちゃんは「外国人でしょ!アメリカ人3人も一緒だ!」と言ってくる。タクシーには列車を降りたときに見かけた外国人3人がトランクに荷物を入れている。敦煌でタクシーは使ってならないことを再学習したので運ちゃんは信用せず無視する。アメリカ人3人組はいくら払うか知らないが鴨になったようだ。
駅周辺を歩くが招待所、旅館はあるが路線バスのバス停は無い。トルファン駅からトルファン市内までは40㎞離れておりトルファン駅は郊外の大河沿鎮にあるのだ。駅に戻りトルファン市内へ向かうタクシーを捜さなければならないかと思っていると、謎の兄ちゃんが「トルファンに行くのかい?ワゴンに乗らない?」と聞いてくるので料金を聞くと7.5元なので迷わず乗車する。
周りをゆっくり見てみると駅前にはウルムチ、コルラな どへ行くバスが停まっている。ただ、コルラ行きはバスでなくワゴンだ。「あのワゴンで本当にコルラまでいけるのか?」と心配するほどだ。少しすると中国人旅行客も乗車してきた。さらに謎の兄ちゃんが中国人旅行客にパンフレットを見せながらツアーの売込みをしている。謎の兄ちゃんは旅行会社の兄ちゃんだった。
ワゴンが出発するがすぐに停車して「ツアーの貸切になったのでバスターミナルからトルファンに行ってくれ!ごめん!」とか旅行会社の兄ちゃんが言ってきて大河沿汽車客運站で降ろされる。普通なら怒る所だが無料でバスターミナルまで乗せてくれたので特に怒らずにバスターミナルでトルファン行きの切符を買いバスに乗車する。


交通賓館の日本語ガイドは危険!


で、この日本語ガイドの説明を聞いてみると「今日は今からなら交河故城、カレーズ、蘇公塔を見て、明日はアスターナ古墓、ベゼクリク千仏洞、高昌古城、火焔山へ行こう」と話をやたらと進めようとする。料金を聞いてみると入場券は自分で買って、車代などで390元と言ってくる。どうも胡散臭いのでその場で決断せず保留すると「ちょっと考えて4時にここに来て決めましょう」と言ってくる。

ドミトリーにイタリア人が来た
夕方は交通賓館の前にある新拓商城(バザール)を見物する。やはり新疆ウイグル自治区はイスラム文化圏だ!今までの中国の市場と全く雰囲気が違う。夕飯に烤包子(小麦粉の皮に羊肉、玉ねぎの入った春巻みたいな物)を食べる。そして、トルファンに来たのだからトルファン葡萄を食べなくてはならない。500gで3元の葡萄を1㎏購入する。
宿に戻ると4人部屋に新たに荷物が増えている。1人増えたようだ。インターネットで情報収集と明日の行動予定を考えていると2100頃に相部屋の白人さんが帰ってきた。この白人さんは中国語が話せるイタリア人だった。そのため、中国語での会話で意思疎通が出来たため非常に友好的に接することが出来た。但し、自分はインチキ中国語しか話せない。
お互い中国語で意思疎通が出来たのでイタリア人が「明日何時に起きるの?」と聞いてくるので「7時に起きるよ」と答えると、「明日の朝7時に電話しないといけないのだけど僕の携帯は目覚まし機能が無いから7時に起きたら起こしてくれない?」と言うので「いいよ!起きたら起こしてあげるよ」と返答する。もっとも自分も目覚まし時計は持っていないが7時なら起きているだろう。
| 項目 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 食費 | 14元 | |
| 宿泊費 | 75元 | 1泊25元×3 |
| バス | 7.5元 | 大河沿鎮→吐鲁番 |
| 合計 | 96.5元 |
新拓商城でバザール見物




ただし、問題がひとつだけある。素手でビニール袋に入れるのだ。最近で汚染されて紙 幣を触っている手で袋で入れるのは問題だと思う。北京や上海と比べると衛生に関する考えには問題ありかもしれない。
カレーズ民俗園でガイドを頼む


その内の1人がカレー ズ以外の観光地も案内すると言うので「タクシー代がない」と一言言うと「路線バスと自転車で行ける所だけだから」というので色々聞いてみると套票(セット 入場券)を買ってくれれば交河故城と葡萄溝を無料で案内するとのこと。そういうことか!套票が売れれば給料になるという歩合制なのね。


1100頃にカレーズ民俗園から交河故城へ向かうのだが、ここで予想外の事態が発生。自転車が一台しかない。で も交河故城まで3㎞ぐらいなので別に歩いても問題は無い。ガイドが自転車を押しながら一緒に歩いていく。歩きながら話をするがガイドは陳さんという女性で新疆師範大学の学生だそうだ。
話しながら歩いていると通り過ぎる車を呼び止めて運転手と話を始める。少しすると車に乗るように言われ乗るがガイドは自転車で後から追いかけるから交河故城まで先に行くように言われる。どうやらこの車に乗っている4人組は河南からの旅行客のようだ。車はゆっくり走るがガイドとの距離は離れていく、旅行客と話をすると新疆観光をしているそうでカシュガルまで行くらしい。さすがにガイドが自転車で追いかけるのが大変そうなので途中で引き返し、自転車をトランクに積み無理やり6人乗車して交河故城へ向かう。
交河故城



昼食で嫌いな黄瓜が
市内に戻ると行き先が違うので車を降りてお礼を言う。車に乗せてもらっただけでも助かったのだがナンを1枚お土産に貰った。それにしても、今まで河南人は痰や唾ばかり吐いている人ばかりだったのに旅行客4人組とガイドは河南人でも全く違っていた。やはり車で旅行するような富裕層と大学で勉強するようなエリートは一般の河南人とは全く違う人種で礼儀正しい。自分が以前イメージしていた礼儀正しい中国人そのものだ。
次は葡萄溝へ向かうのだが昼時なので昼食を食べてから行くことにする。ガイドに「明日はトルファンのどこを見るの?」聞かれ、「高昌古城と火焔山とか」と答えると「郊外はやめたほうがいいよ。遠いし交通費も掛かる。見てもつまらないよ。」などと予想外の答えが返ってくる。普通ならここで「車を安く手配できるから明日行きましょう!」と売り込んでくる筈だ。このガイドはその辺の金儲けしか考えていないガイドとちょっと違う。
市内は路線バスで移動ということなのでバスに乗るのだが何故か自分だけバスに乗りガイドは自転車で移動という変な状況になっている。まあ、路線バス自体遅いので大して離れることは無かったが言われたバス停で降りる。結構移動距離があったので自転車で追いかけるのならバス代払ってあげて一緒に移動すべきだったと後悔する。ガイドがまだ追いつかないので目の前の超市で飲み物を購入する。
ちょうどガイドが追いついたので飲み物を差し出すと「これは嫌いなのだから換えてもらいましょう!いくらで買ったの?」と聞かれ「3元」と返答する。超市でミネラルウォーター2本に交換してもらう。やはり水が一番良いようで高い物は浪費と考えているようだ。
で、昼食なのだが近くの食堂に案内される。ここは普通の中華料理の店だ。ガイドは箸を持参しており割り箸は使わないようだ。これは環境保護で箸持参なのか、それとも割り箸にも衛生状態など危険なことがあるのだろうか?どちらにせよ感心させられた。料理はガイドにお任せしたところ黄瓜肉絲と西紅柿鶏蛋湯を注文していた。自分の嫌いな黄瓜の料理が注文されてしまった!
貰ったナンと一緒に食べながら話をするがガイドが「吃饱了」というので自分も「吃饱了」と食べ終わろうとしたら「まだ残っているから全部食べるように!」と言われてしまう。黄瓜肉絲を表情を変えずに食べるのは大変だ。自分にとっては拷問に等しい。何とか全部食べて店を出る。
近くにガイドが働 いている吐鲁番阳光旅行社あるので自転車をそこに置きに行く。この時、ガイドが旅行会社で働いているとはじめて知った。今までカレーズ民俗園で働いている と思っていた。大学生で旅行会社でバイトか社員か知らないが働いているのは凄い。しかも、导游证(ガイド許可証)も持っているのだから更に凄い!相当努力しているはずだ。吐鲁番阳光旅行社で少し休憩してから5路のバスで葡萄溝へ向かう。
葡萄溝は葡萄尽くし


まあ、話をしながら葡萄溝へ向かうとガイドが「あの山が火焔山ですよ!葡萄溝は火焔山の西にあるんですよ」と言う。旅行客3人組も「西遊記知っているだろ?」とか聞いてきて西遊記の話をする。葡萄溝に到着すると駐車場のあるレストランに車を停め葡萄棚の下で葡萄、干し葡萄、ハミ瓜、西瓜、羊の串焼きなどを食べながら「今の日本の首相は誰?」「靖国神社に行ったことある?」とか色々日本の事を聞かれる。




旅行客3人組が土産物屋で品定めをしている間にガイドが「ウルムチに行くなら今日あの人たちもウルムチに行くから一緒に乗せてもらったら?」と聞いてくる。トルファンからウルムチは車の移動が一般的で列車だと駅まで行くのでも時間が掛かり面倒だからだ。でも、自分はガイドに「鉄道が好きだから車はだめなんだ。宿代も明後日までの分を払ってあるから。」と答える。
仮に車で行くことを言ったら乗せてもらうように交渉するつもりだったのだろうか?再び車に乗車して葡萄溝を出て高昌北路で降ろしてもらう。金持ち旅行客3人組にお礼を言って分かれる。
1730過ぎに202路の路線バスに乗車する。ガイドは途中で降りて旅行会社に戻るので、ここで入場券代100元(交河故城、葡萄溝)をガイドに支払う。色々お世話になってガイドがバスを降りる際に何度もお礼を言う。
1800頃、交通賓館に戻る。今日は色々な意味で凄いトルファン観光になった。ガイドは旅行客の車を無料案内を条件にタクシー代わりに使い、団体入場券も売りさばく。さらに葡萄溝での食事代は金持ち旅行客3人組が支払って、こちらは一切お金を払っていない。タダで葡萄、ハミ瓜などを食べてしまったのだ。ガイドの交渉能力は凄すぎる。
自分もガイドに支払ったのは入場券代100元だけだ。あとは差し入れのミネラルウォーターだけだ。7時間近くも貧乏日本人旅行客1人を相手にして入場券代100元の売り上げだけだ。あと、交河故城で河南人の旅行客たちにも団体券売っていたな。労力とか考えるとこれで利益が出るのだろうか?
高昌古城や火焔山などに行くのを言ったら「やめた方がいい」「つまらない」と言ったりと普通なら「鴨がかかった」と大喜びで契約をとるはずなのだが・・・。今回は大当たりのガイドをめぐり合えたよう だ。
| 項目 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 食費 | 18.5元 | |
| バス | 4元 | 路線バス |
| 坎尔井民俗園 | 40元 | |
| セット入場券 | 100元 | 套票L線(葡萄溝、交河故城) |
| 合計 | 162.5元 |
トルファン地区博物館

蘇公塔、郡王府



| 項目 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 食費 | 13.5元 | |
| バス | 1元 | 路線バス |
| トルファン地区博物館 | 20元 | |
| 合計 | 34.5元 |
















