四川省色達(セルタ) ラルンガルゴンパの鳥葬

四川省旅行記2016春

丹巴(ロンタク)→色達(セルタ)

06:00頃、昨晩のうちにチェックアウトは済ましてあるのでユースホステルを勝手に出ていき、S先生と共にバスターミナルへと向かう。まだ夜明け前で空が明るくなり始めた頃で外は暗い。

06:30頃、バスターミナルの丹巴客運站に到着。今日は色達(セルタ)まで行くが、まずは甘孜(ガンゼ)行きバスで炉霍(ダンゴ)まで向かう。外に甘孜(ガンゼ)行きバスが停車しており、運ちゃんに行き先を聞かれ炉霍(ダンゴ)で降りることを伝えると康定→色達のバスに乗れるように連絡してくれることになる。

で、バスに乗車するがここでチベット人のおっちゃんと座席バトル発生。S先生の3番席におっちゃんが座っており退くように言うが嫌がっている。まあ、こういう事はよくある。運ちゃんの助けを借りておっちゃんを退かす。

発車時間の06:50になるが23番の客が来ずに定刻になっても発車できない。23番を置いて8分遅れで発車となる。丹巴→八美→道孚→炉霍→甘孜という経路でバスは走る。

07:03頃、乗務員のおっちゃんの携帯に23番が来たと連絡が入る。タクシーで追いかけているということで、07:08頃、バスが停車、07:11頃、23番がタクシーで追いつきバスが再び発車する。峡谷に沿って南西の八美へと進む。道路状況は良好で順調にバスが走る。08:10頃、道孚→成都のバスとすれ違い峡谷から山を登り始める。

08:30頃、標高約3900mの疙瘩梁子を越えて峠を下っていく。08:50頃、八美に到着、09:00頃、八美の外れでトイレ休憩。09:10頃、次の道孚へ向かう。ここからは進路を北西へを変える。10:10頃、甘孜→成都のバスとすれ違う。10:30頃、甘孜→康定のバスとすれ違う。

色達(セルタ)行きバスに乗り換え

10:35頃、道孚の手前で早めの昼休憩で田舎のレストラン竹香園餐館に停車。自助餐は25元でボッタクリ料金。

ここは標高約3000mになり各地からのバスが停車しており甘孜→康定、甘孜→丹巴、康定→徳格、康定→白玉2台の合計5台のバスが停車中。

バスで発車を待っていると、10:55頃、康定-色達のバスの営業許可のプレートを持ったおっちゃんが、「色達、色達」と迎えに来た。どうやらここでバスの乗り換えだ。いつの間にか色達行きのバスや知らないバスも増えていた。

荷物を載せ替えて色達(セルタ)行きのバスに乗り換える。他の色達行きの客や徳格、白玉などの客も乗り換えとなる。ここは昼休憩だけでなく各方面からのバスの乗客を乗り換えさせるためにも停車させているようだ。

11:20頃、乗り換えた色達(セルタ)行きバスが発車する。乗務員のおっちゃんが乗り換え客から料金徴収を始め、こちらは丹巴→炉霍のチケットを持っているので炉霍→色達で運賃60元となる。2014年に白タクで炉霍→色達を移動した際は70元だったのでバスの方が10元安い。

12:50頃、炉霍(ダンゴ)に到着。バスターミナルでトイレ休憩となる。標高約3170mになるが日差しが強くTシャツでちょうどよいくらいだ。色達(セルタ)までは直線距離で残り約100kmになるが実際は150kmぐらい走るのだろうか。13:00頃、炉霍から色達へ向けてバスが出発する。

炉霍から先の道路状況はまだ舗装道路なの良好だがヤク優先になるのでヤクに道路を塞がれていたりする。13:45頃、標高3700mを越え、富士山より高い所をバスが走る。

13:50頃、未舗装道路の山道を登っていく。14:10頃、タルチョで飾られた峠を越えていく。GPSでは4275mを記録していた。

14:22頃、峠を下り舗装道路に出た。14:35頃、色達、馬爾康、炉霍の分岐点になる翁達路口を通過。色達まで直線距離で残り約57kmになる。

2014年に通った際は工事で悪路になっていた道は新しい舗装道路になり渋滞もなく順調にバスが走っていく。予想外にバスが順調すぎて正直驚いている。

15:55頃、ラルンガル・ゴンパの門前町の手前で中国人観光客たちが降りていく。門前町の道路は工事中なのでバスは通らずに新道を走り色達の県城へ向かう。県城までは残り約20kmになる。

色達(セルタ)

16:22頃、標高約3800mのバスターミナルの色達客運站に到着する。富士山よりも高い場所だ。今回は新しい道ができておりバスでの移動は渋滞もなく順調すぎて楽勝であった。秘境と言われていたラルンガル・ゴンパだが道路事情は劇的に改善され、もはや秘境ではなく一大観光地である。色達は結構寒いと思っていたがTシャツでも大丈夫なぐらいだ。夜は冷え込むのだろうけど。S先生と予約しておいた宿へ向かう。

色達西渡国際青年旅舍

16:30頃、ユースホステルの色達西渡国際青年旅舍(色达西渡国际青年旅舍/Xidu International Youth Hostel)に到着。通常は1泊65元だがQunar.comでクーポン使って60元である。
支払いは昨晩予約時に支付宝で支払い済みだ。老板の話しによれば今日は既に日本人5人いるそうだ。日本人多すぎる。

部屋は8人ドミトリーでベッドにはコンセント、照明、小物を置く台がある。あと高地なので部屋にエアコンはないが電気毛布が付いている。

共用スペースはこんな感じ。結構広めだ。

宿の対面は武警の駐屯地のようで訓練に励んでいます。

夕方はS先生と色達の中心部を歩く。金馬広場と農貿市場の辺りを見ていく。夕方になると急に冷え込んできて上着を着ていないとダメだ。寒暖の差が激しい。

中心部には中国農業銀行が出来ており、2014年に訪れた際は建設中であったが完成し、ATMコーナーまである。ATMにはVISA、MASTERのマークがついている。これなら海外のカードで現金が引き出せる。

抄手

腹減ったので食堂で涼麺(5元/約90円)を食べるが量が足りず、よさげな他の店を探す。中心部で新たな店を見つける。

自分は抄手(15元/約270円)を食べる。抄手はワンタンの事で四川省では抄手と呼ばれている。外の天気が悪くなってきたのでユースホステルへ戻る。

19:45頃、停電発生!でも、色達はまだ夕方。今日の色達の日の入りは19:50だ。外は4月なのに雪が積もってエライ事になっている。色達は4月でもまだ雪が降る季節なのだ。今日はもう寝たほうがいいな。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 20元
バス 60元 炉霍→色達
合計 80元

朝からバスチケット争奪戦

07:00頃に起床するが色達の朝は冷え込む。まずは朝一で成都行きのバスチケットを購入しないといけないので同じ宿に宿泊している日本人、ニュージーランド人、中国人と共にバスターミナルへ。

08:45頃、バスターミナルの色達客運站にやってきた。チケット販売は09:00からなのだが既に群れが出来ている。幸いおばちゃんの機嫌がよいようで販売は始まっているが販売のスピードが遅い。

よく見るとチケットは手書きになっておりプリンタで印字ではない。オンライン化されていないので時間がかかるわけだ。そういえば2年前に馬爾康行きチケットを買ったときもそうだったな。色達→成都のバスのチケットは207元だ。05:30に客運站集合、06:00出発になる。他の地域へ行くバスも同時刻発車なのでかなりの混乱が予想できる。

集団で朝食

09:15頃、宿に一度戻る。宿に宿泊している中国人4人、ニュージーランド人1人、日本人4人の合計9人の団体でから一緒にラルンガル・ゴンパへ向かう。まずは食堂により朝食となるが9人の大人数だと注文を取るだけでも一苦労。団体行動は時間がかかるな。

注文したのは素麺条(10元/約170円)で簡単に言えば素麺だ。薄味の醤油系スープで生姜とかが入っており味はなかなか良い。

色達→ラルンガル・ゴンパ

乗り合いタクシーは色達→ラルンガル・ゴンパの運賃は1人7元だ。10:15頃、出発するが乗客10人(自分たち9人+尼僧1人)、運ちゃん1人の合計11人だ。完全に定員超過だ。

ラルンガル・ゴンパまで約20kmの道のりになる。

停車場に到着して一緒の中国人が運ちゃんに鳥葬台までのチャーターの交渉を始める。相場は1人20元だが10元で押し切った。13:00に停車場出発ということでラルンガル・ゴンパ観光を開始。

ラルンガル・ゴンパ

2014年に訪れて以来のラルンガル・ゴンパになるが相変わらずの僧坊の密集は凄い。

とりあえずは奥の方へ歩いて行くがすれ違うのはほとんど僧侶だ。

この辺りは尼僧が集まって読経を上げている。

とにかく僧侶の数がすごい。

再び奥へ進む。

一番奥まで行き斜面に沿って歩いて行く。目の前は僧坊ばかりだ。

よくこの斜面にこれだけの僧坊を密集して建てたものだ。

ラルンガル・ゴンパ鳥葬台へ

12:55頃、停車場に戻り無事全員合流するが車がいない。中国人のお姉ちゃんが携帯で連絡を取るとこちらに向かっているようだ。

しかし、大人しく待っているお姉ちゃんではなかった。この間に他の運ちゃんたちとチャーター料金の交渉を初めて70元で交渉成立させ、13:05頃、チャーターで出発する。8人乗りを10人乗りで完全に定員超過だ。で、最初の運ちゃんにキャンセルの電話をする。

13:20頃、鳥葬台(天葬台)に到着。観光用のモニュメントがお出迎えだ。

ここが遺体の解体場所で腐敗臭が漂っている。遺体の臭いだ。遺体を解体する包丁も置かれている。

観客席に移動して鳥葬が始まるのを待つ。2年前と違い観光開発が進み柵や観客席が出来ている。鳥葬は完全にアトラクションと化している。

14:10頃、遺体が運び込まれるが4体ぐらいで大量だ。

遺体の搬入が終わると幕で目隠しがされる。遺体解体作業を観光客に見せないのと遺体を食べるハゲワシたちを近づけないためだ。簡単にいえばハゲワシたちの御食事の合図に使用している。

ハゲワシたちも鳥葬が始まることがわかっているようでハゲワシたちが斜面や山の上に集まり始めている。

遺体解体が始まりしばらくすると気の早いハゲワシたちは幕の前で待機している。

そして、フライングさせないように遺体解体の職人たちがハゲワシを追い払い睨みを効かせる。

14:58頃、幕がどかされ解体された遺体がハゲワシたちの目の前に現れる。

解体された遺体へ向かってハゲワシたちが斜面を駆け下りていく。

そして、ハゲワシたちが遺体を食べる。

これが鳥葬の最後である。

ハゲワシたちが遺体を食べ始めると観光客は帰り始めるが最後まで見ていく観光客もいる。人の死を考えさせられる光景なので、それぞれ色々な思いで見ているのだろう。

ラルンガル・ゴンパへ戻る

15:45頃、停車場に戻り1人8元徴収。停車場から山の上まで階段を上っていくが、ここで中国人たちとはお別れ。

山の上ではテレビか何かの撮影をしておりインタビューを受けるがプロパガンダ臭がするので徐々に離れ一緒の日本人2人にお任せして絶景を堪能する。

この光景を見ているだけでチベット仏教の凄さを感じさせられる。17:10頃、5人(日本人4人+ニュージーランド人1人)で色達へ出発。途中、尼僧2人をラルンガル・ゴンパの山門まで乗せる。

夕飯は大肉麺

夕飯は昨日寄った食堂へ。自分は大肉麺(12元/約204円)とご飯(2元/約34円)を食べる。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 24元
バス 207元 色達→成都
タクシー 7元 色達→ラルンガル・ゴンパ
タクシー 7元 ラルンガル・ゴンパ→色達
タクシー 8元 ラルンガル・ゴンパ-鳥葬台 往復
合計 256元

色達(セルタ)→成都

外は雪が降っている。日本人4人、中国人1人で宿を出てバスターミナルへ。05:05頃、バスターミナルに到着。まだ誰も来ておらず一番乗りだ。

運行されているバスは康定、馬爾康、成都になり、成都行きは3台での運行だ。05:25頃に客が集まり始める。

05:30頃、バスのエンジンが掛かり始めたので運ちゃんにチケット見せて成都行きのどのバスか聞いてみたら、ちょうどこのバスだったので荷物を載せてバスに乗車し発車を待つ。

06:00に定刻通りバスが発車する。色達の日の出は06:43なので、まだ外は真っ暗だ。
標高約3800mの色達から標高約500mの成都へと向かう。色達から成都までは直線距離で約400kmになる。

夜が明けると外は雪に覆われた白銀の世界だ。

雪もかなり降っており天気はかなり悪い。07:30頃、色達、炉霍、馬爾康の分かれ道になる翁達を通過し国道317の馬爾康への道を進む。ここからは工事区間の未舗装道路が続く。

08:15頃、トイレ休憩で停車。目の前の川で用足しになる。この頃には天気は曇りになり、このままだと太陽が出てきそうな雰囲気だ。

09:25頃、急ブレーキで停車。電柱から垂れ下がった電線だか通信ケーブルを引っかけていた。

11:15頃、観音橋鎮を通過。標高約2500mまで降りてきた。観音橋からは舗装道路なのでバスは順調に飛ばしていく。11:20頃、約5分のトイレ休憩。馬爾康まで直線距離で残り約55kmになる。

13:00頃、標高約2600mの馬爾康を通過。とりあえず成都までの中間地点通過といったところかな?2014年に色達→馬爾康の移動では到着が18:00ぐらいだったので5時間ぐらい短縮されている。で、どうやら昼食休憩なしで一気に成都まで走る気配がしてきた。まあ、自分は食べなくても問題ないので成都まで爆走してくれた方が到着が早くなるので都合がよい。他の乗客のことは知らんが・・・。

13:50頃、紅原、理県、馬爾康の三叉路を通過。理県方向へとバスが進み、標高は約3100mになる。山道を登っていくので標高は3200m、3300m、3400mと急上昇して峠越えだ。

14:30頃、理県米亜羅鎮で昼食休憩。標高約2700mまで降りてきた。14:55頃、出発する。成都茶店子客運站までは直線距離で残り約155kmになる。

16:30頃、洗車とトイレ休憩になる。ちょうど理県の桃坪羌寨の手前で標高約1500mになる。

17:00頃、汶川を通過、成都の茶店子客運站までは直線距離で残り約95kmになる。汶川は2008年に発生した四川大地震の震源地になる。大きな被害が出ていたが復興工事で全く別の街に変わっていた。

汶川からは高速道路に入り成都へ向かう。17:30頃、渋滞にはまる。おそらく事故渋滞だろう。高速道路上に人がいるので長時間の渋滞になっているのだろう。せっかく順調に成都へ爆走していたのに・・・。

18:00頃、事故処理が終わりバスが動き始めるが、ここは中国なので我先にと無理な追い越しが発生する。目の前で事故が起きていたというのに何やってんだか・・・。今日も絶好調の中国だ。

18:05頃、再び渋滞にはまる。今回は事故でなく料金所渋滞で、18:25頃、料金所を通過する。

成都に戻る

日没前の19:30頃、バスターミナルの茶店子客運站に到着。今日の成都の日の入りは19:35だ。色達から成都まで約13時間30分の移動であった。まあ事故渋滞がなければ13時間だったな。2014年より道路事情がかなり良くなり13時間で色達→成都の移動が可能なので、はっきり言って楽勝だ。色達は雪が降っていたが成都はTシャツで十分である。同じ四川省でも気候が全く違う。

S先生らと共に茶店子公交站から82路のバスに乗車、新南門站で下車して成都熊猫夫人青年旅舍に到着。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 10元
宿泊費 40元 1泊40元×1
バス 1.8元 路線バス
合計 51.8元

「四川省色達(セルタ) ラルンガルゴンパの鳥葬」への4件のフィードバック

  1. こんにちは!
    初めてメールするものです。いつも興味を持って拝読しております。今日も世界の中国語新聞を見ておりますと、香港よりとんでもないニュースがありました。あなたが4月19日に行かれたセルタガルゴンパが政府によって強制的に破壊され6割の学僧が追放され、外人は近日前より立ち入り禁止だそうです。
    http://www.molihua.org/2016/07/blog-post_532.html
    泉州商人

  2. 鳥葬は民族文化村の見せ物の様になってしまっているのか…(;つД`)
    亡くなられた方も、さぞ情けないでしょうね…(。>д<)

    1. 見世物小屋みたいになっているのですが遺体が毎日運び込まれ観光客が集まり経済が潤うので今さら観光客お断りにはできないのでしょうね。
      亡くなった方は最後の地元貢献というところでしょうか。

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