四川省へ入る
成都到着
05:00頃、起床する。朝のトイレ争奪戦に巻き込まれる前にトイレでウンコしていたら地球の歩き方を便器に落としてしまった。中国の鉄道では便器にスマートフォンとかを落としたら最後、基本的にそのまま線路に落ちて戻ってくることはない。戻ってきても便器に落ちたスマートフォンとかはもう使えないけど・・・。地球の迷い方とか散々文句を言っていたが、何だかんだ言って利用していたので無くなると痛い。
でも、4年前に買った11-12版の古い奴だし、14-15年版をPDFにして持っているので、まあ何とかなるだろう。それにロンリープラネットの中国語版や走遍中国とか現地のガイドブックも読んでおけばいいし・・・。
05:50頃、成都へ近づいてきたので乗務員による換票証と切符の交換が始まった。成都が終点なので全員が切符と交換する。途中駅だと下車する乗客だけ切符と交換するので寝ていても叩き起こされて寝過ごすことがない寝台車特有の便利なシステムだ。
07:10頃、駅前広場東側にある切符売場にやってきた。ここでインターネットで予約購入しておいた明日の広元行きの切符を受け取るが、いつも通り窓口に並んで切符を受け取るのではつまらない。
そこで、窓口に制服を着ていない実習生がいたので、実習生の窓口に並ぶ。さて、実習生はパスポートを出されて無事に発券できるだろうか?その前に自分の前のおっちゃんが今日のD2256次、成都東09:24発→合肥南21:15着の無座切符を449.5元払って購入していた。バカ高い高速鉄道なのに11時間51分かけて無座で移動するとはなかなか気合いが入っている。
自分の番がやってきて、パスポートと予約番号の書いたメモ紙を窓口の実習生に出す。ちゃんと端末叩いてパスポート番号入力して発券してくれた。実習生でも一通り端末の操作方法は習得しているようだ。
明日の切符を入手したので、あとはBooking.comで予約しておいたユースホステルへ向かうだけだ。切符売場の裏にある駅東のバス発着場から11路のバスに乗車する。運賃は2元だ。
青羊小区で下車して5分ほど歩いて成都鉄器社国際青年旅舎(Chengdu Blacksmith International Youth Hostel)に到着する。
部屋は11人ドミトリーで1泊30元(会員料金)だ。11人ドミトリーでも比較的部屋は広く、おそらく14人ぐらいは収容可能だろう。周辺はコンビニから食堂まで一通り揃ってるので長期滞在も可能だ。
四川料理の鋪盖麺
朝食兼昼食に雑醤鋪盖麺(杂酱铺盖面)を食べる。値段は大盛り(10元/約200円)だ。鋪盖麺は麺料理の一種で四川料理の一つになる。
街中では重慶鋪盖麺(重庆铺盖面)の看板をよく見かけるので重慶が本場のようだ。鋪盖麺は細長い麺ではなく四角に引き伸ばした麺が特徴である。
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
食費 | 20元 | |
宿泊費 | 30元 | 会員料金 |
バス | 2元 | 路線バス |
合計 | 52元 |
鉄道で成都→広元
成都駅へ
06:00頃、起床して出発準備を整え始める。
外はまだ夜が明けておらず真っ暗だが地元民の声が聞こえるのですでに営業している店もあるのだろう。08:30頃、ユースホステルをチェックアウトして青羊小区のバス停から11路のバスで成都駅へ向かう。
09:20頃、成都駅に到着するが駅近くの歩道橋では乞食がすでに営業活動中だ。社会主義国には本来は存在しないはずの乞食だが何故か中国にはいる。しかも、職業乞食はかなり儲かるらしい。この乞食も職業乞食なのだろうか?乞食のことはこのくらいにして駅前広場へ移動する。
途中で信号機付きの横断歩道があったのだが誰も信号を守っていない。まあ、交通ルールを守らないのは中国では当たり前の光景で特に驚くほどのことではなく日常の光景だ。しかし、この横断歩道には警杖をもった警官が警備している。しかも、他にも横断歩道から5m以内の場所には電動カートに乗った警官が4人井戸端会議中だ。
警官は赤信号無視を放置している。警官が誘導しているのなら分かるが放置しているというのは・・・。ここまであからさまに警察が機能していないというのは中国は大丈夫なのか?09:25頃、駅前広場に到着するがカオス度が高い・・・。
いつもの切符と身分証の照合、手荷物のX線検査を済まして待合室へ入る。すでに改札が始まる直前で改札口には行列ができている。
今日は駅へ到着するのが遅かったので先頭は確保できなかった。これから乗車バトルに突入することになる。
今日乗車する列車は10:19発、成都→福州のK390次で途中の広元まで319kmを乗車する。席はもちろん硬座だ。運賃は46.5元だ。
09:35頃、改札が始まり乗車バトルの開始となる。割り込まれないようにバックパックを左右に振りながら後方の乗客を近づけないようにして歩く。
改札口を通過したら素早く移動して列車の乗車する。幸いまだ乗客は少なく荷物の置き場所は余裕で確保できた。発車まで時間があるので機関車の撮影へ向かう。
10:19に定刻通り列車が発車する。広元には15:17到着予定で4時間58分の旅になる。まあ、実際は遅れそうだけど・・・。車内は珍しく若干空席があり荷物棚も半分くらい空いている。
11:50頃、綿陽に到着する。ここで乗客の半分ほどが降りて入れ替わる。乗車している車両は短距離客に切符が割り当てられている様子だ。広元に近づくにつれ山が多くなり山岳区間に入る。そして、線路沿いに菜の花畑が多く見られるようになってくる。3月下旬になると四川省は菜の花が見頃のようだ。
広元到着
15:11、定刻より6分早く広元に到着する。遅れると思っていたが早く到着した。広元で乗客の半分以上が下車していき自分も下車をする。
そして、ホームへ降りると目の前に今年最大の奇跡の光景が広がっていた。何と中国で一列に整列して乗車しているのだ!ここは中国なのに整列して乗車している。まさに奇跡の光景だ!
駅を出てから、まずはバス停を確認する。広元駅は「上西火车站」と呼ばれているようだ。重要な路線は剣門関行きのバスが出ている南河汽車站へ行く6路と28路、そして、光澤寺へ行く20路のバスだ。広元で滞在するユースホステルは19路のバスで市中医院下車になるが、バス停2つなので歩いて行くことにする。
広元のユースホステル
15:30頃、橋を渡り建設路を鳳凰山公園の方へ歩いて行く。広元市公安局の前を過ぎて広元市中医院の前の交差点を左へ進む。15:50頃、右手に広元苴国青年客桟(广元苴国青年客栈)が見えてきた。今回はeLongで4泊予約しており何とか無事に寝床を確保する。
部屋は6人ドミトリーで1泊30元だ。一応はユースホステルということなのだが、共同のトイレ・シャワーが招待所レベルであった。部屋の方はちゃんとしているのに勿体無い。
16:20頃、広元駅の隣にある長距離バスターミナルの広元市長途汽車站を訪れる。
ここでバスの情報を確認するが運賃表はあったが時刻表はなかった。
16:40頃、駅前から6路のバスに乗車して南河汽車站へ向かう。運賃は2元だ。16:55頃、南河汽車站に到着。
南河汽車站の正式名称は「広元市汽車站」で「広元市旅游集散中心」にもなっており、剣門関や昭化古城へのバスが出ている。そして、成都行きのバスも南河汽車站から発着している。バスターミナルの北には川が流れており南河汽車站と呼ばれている。
夕飯はイスラム食堂で牛肉炒飯(8元/約160円)を食べるが物足りない。
さらに別の店で牛肉刀削麺(6元/約120円)を食べるが、斜め前の席のおっちゃんがラーメン食べながら床に痰を吐いている。広元は日本と違い独特の生活習慣があるようだ。
夜になりctripで翠雲廊の入場券を予約購入する。ネットで購入することで50元の入場券が10元割引の40元で購入できた。22:00を過ぎて、ぼちぼち寝ようかと思っていたら同じドミトリーの中国人がタバコを吸い出した。禁煙ではないのでタバコを吸うのは問題ないのだが灰皿があるのに何故か灰をゴミ箱に捨てている。
そして、吸い殻もゴミ箱に捨てた。どうやら、おサルさんと同じ部屋になってしまったようだ。タバコの不始末でおサルさんが焼死するのは構わないのだが巻き込まれるのは困る。
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
食費 | 19元 | |
宿泊費 | 120元 | 1泊30元×4 |
バス | 2元 | |
翠雲廊 | 40元 | ネット購入 |
合計 | 181元 |
三国志遺跡巡り
広元→剣門関→翠雲廊
07:30頃、宿を出て南河汽車站へ向かう。天気は曇りで雨が降りそうな雰囲気だ。
08:00頃、南河汽車站に到着し剣門関行きのチケットを購入する。運賃は20.5元だ。バスは09:00発なので、まだ時間がある。他のバスの情報を確認すると南河汽車站は成都や楽山など南へのバスがあり、他にも重慶、上海などへの長距離バスもある。驚くのはウルムチ(乌鲁木齐)行きのバスが運行されていたことだ。広元からウルムチまで2000km以上は離れているだろう。はなりハードな移動になるのは確実だが一体どれくらい需要があるのだ?
剣門関行きバスは閑散期なのか元々利用客が少ないのかバスは1時間に1本の割合で運行されている。待合室で待機している中国独自開発の股割れズボンを履いたガキが目の前で小便をしている。広元はなかなかハイレベルな所だ。
08:40頃、バス乗り場へ行ってみるとすでにバスが停車しており乗客で埋まっている。乗車して発車を待っていると客が集まったようで、09:00発だったのだが、08:45頃に発車する。
乗車したのは普安行きのバスで途中剣門関を通過する。高速道路を走り剣門関へ向かうが雨が降ってきた。今日の翠雲廊は失敗のようだ。まあ、剣門関周辺の状況を確認して、次の剣門関観光に役立てよう。
09:45頃、游客中心で下車するが、ここは南門の剣門関鎮ではなく北門であった。でも、周辺には土産物屋、レストラン、宿が揃っている。北門の游客中心にも剣門関の入口があるが、今回は剣門関の見物は見送り入場料の確認だけしておく。
剣門関の入場料は115元で滅茶苦茶高い。3月19日までは100元だったが、3月20日から115元に値上げされたばかりだ。天気悪いのに115元を払う勇気はないし、剣門関景区はかなり広く、じっくり全部見物するなら北門の游客中心か南門の剣門関鎮で宿を確保して早朝から見物するのがよいだろう。
金があれば景区内の剑阁仙云客栈に宿泊というのもありだ。なので、今回は周囲の状況確認だけにしておく。游客中心の駐車場からは南門と梁山寺へ行くバスが出ていた。南門まで3元、梁山寺は7元だ。梁山寺も剣門関に3つある入口のひとつになる。
10:00頃、バスに乗車して南門へ向かう。10:10頃、南門のある剣門関鎮に到着するが白タクの客引きが多く酷い。剣門関鎮は古鎮としても売り出し中のようだが、建物のは新しくとても古鎮とは呼べない代物だ。まあ、宿とレストランは一通り揃っている。
南門の駐車場からは翠雲廊、北門、梁山寺へのバスが運行されている。
しかし、運ちゃんはお昼寝中で実際に運行されているかは・・・。
翠雲廊
剣門関周辺の状況が分かったので、11:10頃、普安行きバスに乗車する。翠雲廊までの運賃は5元だ。11:25頃、翠雲廊の入口で下車する。
翠雲廊の入場料は50元だが、昨日ctripであらかじめ購入しておいたのでネット割引で40元だ。中国の観光地は入場券がボッタクリ料金なのだが観光地の公式サイトでネット割引で入場券を販売していたりする。
他にもctripなどの旅行サイトでも各地の観光地の入場券を購入することができる。購入の際には携帯電話のショートメッセージで入場券引き替えの2次元バーコードが送信されるので中国の携帯電話が必要になる。もちろん、ネットバンキング可能な中国の銀行口座やアリペイのアカウントなど支払手段も必要になる。
入場券売場で昨日ctripでチケットを予約購入しておいたので、スマートフォンのショートメッセージを見せて発券するが、入場券の価格が25元と印刷されている。支払ったのは40元なのだが・・・。窓口のお姉ちゃんに聞いてみたら差額の15元はctripの手数料ということであった。
まあ、普通に窓口で購入すると入場券は50元なので、とりあえずは割引料金なのだが入場券は正式な領収書にもなるので差額15元の領収書はどうなるのだ?まあ、損はしていないので、これ以上聞く必要はないので翠雲廊の見物を始める。
漢徳驛は劉備が北方の守りのために漢徳県を設置して、この地に漢徳驛が置かれた。
翠雲廊は三国志遺跡のひとつになり、211年に劉備が龐統、黄忠、魏延らを率いて益州を取る際に、この翠雲廊を通り剣門関へ向かっている。
翠雲楼の石碑脇の古木は先主柏と呼ばれている。景区内には張飛柏、隆中対柏、結義柏、阿斗柏、羽扇柏、龐統柏、黄忠柏、魏延柏と名付けられた古木がある。
他にも翠雲廊は唐代には南方のライチを楊貴妃のために長安へ運ぶ輸送路にもなり、安史の乱で玄宗皇帝が楊貴妃と共に翠雲廊を通り落ち延びている。
13:00頃、翠雲廊を出て、13:40頃、広元行きのバスに乗車するが座席はなく定員オーバーである。
14:00頃、北門の游客中心近くでトイレ休憩兼洗車で停車する。高速道路を通り、15:05頃、広元の南河汽車站に到着する。翠雲廊→広元の運賃は20元であった。広元→剣門関は20.5元だったのだが・・・。運賃は運ちゃんの気分次第ということか?
夕飯は雑醤拉麺(6元/約120円)と鶏蛋炒飯(8元/約160円)を食べる。
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
食費 | 18元 | |
バス | 20.5元 | 広元→剣門関 |
バス | 3元 | 游客中心(北門)→南門 |
バス | 5元 | 剣門関→翠雲廊 |
バス | 20元 | 翠雲廊→広元 |
合計 | 66.5元 |