四川省チベット文化圏旅行記2014夏1

青海省から四川省甘孜(ガンゼ)へ

05:50頃、宿をチェックアウトして甘孜行きのタクシーが集結している所へ向かう。天気は晴れだが寒くて上着が必須だ。昼間は半袖でも過ごせるが高地は寒暖差が激しい。

結古大道と琼龙路のT字路付近には日の出前の早朝でも既に3台ほどおり、運ちゃんが早速声をかけてきた。甘孜まで相場は180元なのに190元とか言っているので断ったら170元まで下げてきたので乗ることにする。

出発時刻を確認すると7時半~8時くらいということなので大人しく待つ。07:00頃になると車が10台くらい集まってきたが客はいない。旅行シーズンなのに甘孜へ向かう旅行客はおらず。07:20頃になり石渠行きのチベット人の客が1人乗車して出発する。

ヤクの群れに道を塞がれたりしながら進んでいく。途中、歇武で客を集めようとするが集まらず客2人のままで四川省へ向かう。運ちゃんが「田舎はどこ?」と聞くので「日本だよ」と答えても「どこの省?」と聞いてくるので「外国の日本」でようやく通じた。

そして、運ちゃんと乗客の兄ちゃん驚いていたのと、やたらとフレンドリーになる。

山と草原の中を走り峠を越える。峠を越えると道路事情が急に悪くなる。舗装はされているが補修していないので穴だらけだったり、舗装が完全にはがれて未舗装になっている。

どうやら峠が青海省と四川省の境界のようだ。悪路を進みながら草原の真っ直中でチベット人の乗客1人を乗せてチベット仏教の色須寺(セルシュ・ゴンパ)のある村で降ろし、チベット人の乗客2人を乗せて走る。車内はチベット語が標準語になっている。

玉樹から一緒に乗っている兄ちゃんが集落でジュースを買って運ちゃんと自分にくれたのだが、運ちゃんと兄ちゃんはジュースを飲み終わると空き缶を草原へポイ捨てした。これには驚いた。

遊牧民のチベット人にとって草原は大切な財産のはずだ。これは、共産党統治の成果なのだろう。見事に漢化政策が大成功を納めてチベット人は自由を謳歌している。ダライ・ラマがいればゴミのポイ捨ては禁止して草原の保護をしていただろう。

四川省石渠

11:00頃、石渠に到着する。ここで、別の車に乗り換えることになった。運ちゃんに170元払い、運ちゃん2号の車に乗り換える。170元の内、100元が運ちゃんから運ちゃん2号に渡される。

石渠からは客が集まるまで待つことになる。車内で待っていると意外なものを見つけた。ダライ・ラマの写真が貼ってある。大丈夫なのだろうか?

工事で足止め

客はチベット人5人、成都行きの漢族1人、武警1人だ。14:15頃、ようやく出発する。道路状況はちゃんと舗装された道路が多く、一部に工事中で未舗装の道路がある。道路が空いているので舗装道路では100km/h以上出したりと順調に進んでいく。

15:45頃、トイレ休憩で停車する。すぐ脇に停車しているトラックには野菜などの生活物資が満載されている。15:55頃に出発するが、16:10頃に車が列をなして停車している所に停車。全部チベット人の車のようだ。

チベット人5人だけ降りて、残りは車中に放置。タルチョがあったり、僧侶が多くいるのでチベット仏教に聖地か何かと思ったが、戻ってきたチベット人の兄ちゃんに聞いたら違うとのことであった。

運ちゃん2号たちは、チベット人以外を放置する。出発時間ぐらい言えよ!客待たせるなよ!車列の先頭へ行ってみると通行規制の看板があった。朝8時から夜7時まで工事による通行止とあった。

17:30頃、武警の兄ちゃんが外へ出たがドアが閉まる音がでかい。どうやら、口には出さないがブチ切れている様子だ。運ちゃん2号ちゃんと説明しておけよ。

18:15頃、予定より早く交通規制が解かれるようだ。周辺の人たちが一斉に車に乗り込んだ。一部カップ麺を食べてから乗る人もいた。ようやく出発かと思ったが、なかなか交通規制が解かれない。
車に乗った人たちが降りて周囲に散っていく。18:45頃、交通規制が解かれ中国名物の我先にの大混乱になる。

深夜でもタクシーは爆走

舗装されたばかりの省道217号を調子よく飛ばしていくが、それも1時間ほど走ると未舗装の工事区間に突入する。激しい土埃と悪路により車内環境は最悪だ。省道217号が終わる马尼干戈(マニカンコ)あたりまでは悪路のままだ。23:10頃、最後のトイレ休憩になるが、ここでようやく舗装道路になった。

街灯なしの月明かりのみ

玉樹(ジェクンド)→甘孜(ガンゼ)のまとめ
  • 色須寺(セルシュ・ゴンパ)周辺は建設ラッシュで各所で工事が行われており、立派な観光地になりそう。
  • 石渠(セルシュ)の物価は牛肉麺15元。
    価格表はなく、15元と言った後に17元と言い直す舐めた店もあるので要注意。
    食料は事前に購入しておくこと。
  • 玉樹-歇武は工事で高速道路建設の影響で未舗装区間あり。
  • 歇武-石渠(セルシュ)は青海省側は舗装道路、四川省側は舗装してあるが補修していないので穴だらけ。
  • 石渠(セルシュ)-马尼干戈(マニカンコ)の省道217号は大規模な工事が行われている。
    石渠県城西-国営牧場で

は朝8時から夜7時まで通行止め。
この工事が終わっても他の区間で通行規制の可能性有り。

  • 玉樹(ジェクンド)→甘孜(ガンゼ)は170元だったが、区間ごとなら玉樹(ジェクンド)→石渠(セルシュ)60元、石渠(セルシュ)→甘孜(ガンゼ)100元で行ける。
    ただし、石渠(セルシュ)で自力で甘孜(ガンゼ)行きの車を確保する必要がある。
    玉樹(ジェクンド)→甘孜(ガンゼ)で乗れば運ちゃんが仲間に電話して石渠(セルシュ)→甘孜(ガンゼ)の車を確保してくれる。
  • 玉樹(ジェクンド)→甘孜(ガンゼ)は2014年7月現在、道路工事の影響で玉樹(ジェクンド)07:20出発、甘孜(ガンゼ)翌00:30到着で約17時間かかる。
  • 玉樹(ジェクンド)→甘孜(ガンゼ)は上級者向けルートだった。
  • 本日の出費
    項目 金額 備考
    バス代 170元 玉樹(ジェクンド)→甘孜(ガンゼ)
    合計 170元

    甘孜(ガンゼ) チベタン濃度MAXの町

    深夜に甘孜(ガンゼ)到着

    00:30頃、甘孜汽車站に到着する。玉樹(ジェクンド)を昨日の07:20に出発して、約17時間かけて甘孜に到着した。道路工事の影響がなければ12-13時間で行けるのだが、今回はかなり上級者向けの移動になった。

    宿を探そうと思ったら、運ちゃん2号が目の前の誠信賓館を指さしている。そして、既に老板が隣で待機している。どうやら深夜到着の客は自動的に最寄りの誠信賓館へ送られるようだ。老板に連れられ誠信賓館へ。

    日本人が結構宿泊するようで、老板はこちらが日本人だと見抜いていた。部屋代が少し高いので渋っていたら80元の2人部屋を60元にしてくれて宿泊する。すぐに寝るが道路工事の影響でかなりの渋滞だったようで2時近くまで車が到着しておりクラクションと人の話し声がした。誠信賓館はロンリープラネット四川重慶に掲載されている。

    甘孜汽車站

    6時ぐらいから車の音がする。各地へ行く車が集まっているようだが、そのまま二度寝する。09:30頃から甘孜汽車站でバスの情報収集と昨日何も食べていないので食事へでかける。

    甘孜汽車站は早朝にバスが出てしまうので、昼間は切符の販売だけしている。早朝にバスが出てしまっても甘孜汽車站の前から乗り合いタクシーがあるので心配する必要はない。

    成都、康定、马尼干戈(マニカンコ)、石渠(セルシュ)、徳格(デルゲ)、玉樹(ジェクンド)行きなどがある。だたし、客が集まらないと出発しない問題があるが。甘孜汽車站以外にも、デン・ゴンパ(汉人寺)近くの梁家飯店の駐車場から亚青寺、セルタ(色达)、理塘、ニャロン(新龙)などがある。

    デン・ゴンパ

    10:00頃、デン・ゴンパ(汉人寺)に到着。甘孜の中心にあるチベット仏教の寺院で甘孜で最も古い寺院で700年の歴史があるという。

    お堂の中には多く仏像と一緒にパンチェン・ラマなどの活仏の写真がある。そして、中国ではご禁制のダライ・ラマの写真もある。しかも、1枚ではない。

    白塔公園

    10:30頃、甘孜の南にある白塔公園を訪れる。高さ37mの巨大チョルテンと108の小チョルテンがある。

    そして、巨大チョルテンには僧侶2人が修行しているが、仏像と一緒にダライ・ラマの写真があるような。

    ガンゼ・ゴンパ(甘孜寺)

    昼頃、ガンゼ・ゴンパ(甘孜寺)へ向かう。山の上にあるので行くのが大変だ。甘孜の街自体が標高3600mの高地にあるので息切れしながら山を登る。

    ガンゼ・ゴンパ(甘孜寺)は僧坊がたくさんあるので規模は相当なものだ。そして、ダライ・ラマの写真がここにもあった。しかも、小さいのから大きいのまで揃っている。

    北京や上海だったら、見つかった翌日に坊さん全員行方不明で寺閉鎖になるだろうに甘孜はどうなっているんだ?午後は天気が更に悪くなり雨が降ってきた。仕方なく退散する。

    甘孜の街並みはチベット人の建築様式で統一されている。民族衣装を着たチベット人ももちろん多い。

    そして、バイクは見た限り全てナンバープレートなしである。さらに、ノーヘルが当たり前だ。もはや交通ルールは存在しないのかもしれない。

    夜9時頃、テレビを見ていたらドアをノックする音がする。無視していたら、またドアをノックする音がする。ノックする音が小さいので何か怪しい。経験上この場合はお姉ちゃんのいかがわしいサービスと決まっている。公安の場合はドアを「ドン!ドン!ドン!ドン!」と大きな音と「开门!开门!」と催促してくる。

    しょうがないので「間に合ってます!」と断るためドアを開けたら男女2人組がいる。話を聞いたら中国語を話せない日本人がいるから通訳してくれとのことで、日本人のいる部屋へ行く。疑ったりして申し訳ない。

    日本人は4人組で女性3人と男性1人だった。東南アジアから北上して理塘から甘孜に到着したそうだ。明日、ラルン・ガル・ゴンパへ行くため中国人男性が車の手配をするので通訳をすることになる。通訳して明日5時起床、6時出発と決まった。ビール1本飲ませてもらってよかった!甘孜はビール高いから助かった。

    甘孜(甘孜)のまとめ
    • 物価は高め。
      牛肉麺13元、炒飯15元からが相場。
      果物、野菜は値段表示なし。
    • ダライ・ラマの写真が寺の中に堂々と飾られている
    本日の出費
    項目 金額 備考
    宿代 120元 1泊60元×2
    食費 29元
    合計 149元

    甘孜(ガンゼ)→理塘 チベット人にイタリア人ブチ切れる

    乗合タクシーで甘孜(ガンゼ)→理塘

    05:30頃、甘孜汽車站の前にタクシーがかなり集まっているようで、運ちゃんたちの掛け声が凄く目が覚める。甘孜の乗り合いタクシーは5時位から集まるとロンリープラネット四川・重慶に書いてあったがすごい活気だ。でも、さっきから「デルゲ、デルゲ、デルゲ、デルゲ」の掛け声ばかりだ。たまに成都、康定とか聞こえるけど、デルゲは人気路線なのか?

    06:00頃に宿をチェックアウトするが老板は寝ている。保証金なしの宿なので皆カウンターに鍵を置いて黙ってチェックアウトしていく。鍵を置いて理塘行きの乗り合いタクシーのある漢人寺近くの梁家飯店のタクシー集結場所、つまり川蔵路と清河街の交差点へ行く。

    タクシー集結場所につくと、すぐに運ちゃんたちが声をかけてきた。そして、すぐに値段交渉をして理塘行きの乗り合いタクシーを確保する。甘孜(ガンゼ)→理塘で120元だ。これは昨日、理塘から甘孜に来た日本人4人組から仕入れた情報通りだ。

    イタリア人が駄々をこねる

    客が集まったら出発するので、それまで待つことになる。運ちゃん1号が白人の初老の男性を連れてきた。イタリア人であったが、このイタリア人が理塘までの移動で最重要人物になる。08:30頃、ラマ僧4人、中国人1人、イタリア人1人が集まり出発するが、イタリア人が助手席がいいとか色々と駄々をこねる。

    英語でsmellとか言っており、誰とは書かないが体臭がお気に召さないらしい。しかも、何と言っているか分からないがこちらに同意を求めている。自分は何日も体洗っておらず人のことを言える立場ではないので苦笑してごまかす。結局、助手席はラマ僧になったがイタリア人は窓際を確保した。

    曇り空の中、甘孜の町を出て雅砻江の峡谷を通る省道217号を飛ばしていく。道路状況は工事区間は未舗装だが許容範囲内だ。09:30頃、渋滞に遭遇する。前方で土砂崩れが発生しており復旧作業中であった。

    土砂の除去作業が進んでいく。10:00頃、ようやく片側交互通行であるが復旧する。

    昼前に天気は晴れになり新龍(新龙)、チベット語でニャロンの手前で車が停車する。ここで車の乗り換えのようだ。玉樹(ジェクンド)→甘孜(ガンゼ)の移動で車の乗り換えは経験しているので、すぐに分かった。

    しかし、イタリア人は何が起きているのか分からず困惑している様子だ。運ちゃん1号は放置プレイせずにちゃんと説明しろよ!そこで、自分がイタリア人に「Transfer」と言ってあげると、状況を理解してくれた。

    新龍(新龙)の町が目の前に見えるのだが雅砻江を見るとゴミがポイ捨てされている。せっかくの大自然が台無しである。

    イタリア人ブチ切れる

    昼頃に出発するが新龍(新龙)→理塘の車が小さく後部座席の1つが荷物で埋まってしまった。おかげで真ん中の1列3人の席が4人になってしまい、イタリア人が文句を言っている。チベット人の運ちゃん2号やラマ僧たちは全く気にしていない。

    出発して新龍(新龙)の町に入るが、すぐに停車する。ここでラマ僧2人が下車して、チベット人1人が新たに乗車してきた。これで席の問題は解決したが、運ちゃん2号たちはどこかへ行ってしまい帰って来ない。昼食だろうな。

    自分とイタリア人、中国人1人が取り残される。中国人は外に出て、のんびり休んでいるが、イタリア人はブチ切れていた。イタリア人は怒りのぶつけどころがないので自分に話しかけてきた。

    「No Tibetan people」「Very crazy」は聞き取れたが、それ以外にも色々言っている。すべて文句だというのは分かるのだが、自分は苦笑して同意するしかない。英語が話せれば「中国政府のチベット統治の偉大な成果だよ」「ダライ・ラマがいないから、立派に中国人になっているでしょ」というのだが。

    13:00頃、運ちゃん2号たちが戻ってきて出発する。イタリア人は「Go Litang!」「NonStop!」など言っているが運ちゃん2号たち全く話を聞いていない。雅砻江の峡谷を下って行くが舗装されている所はあるが工事区間が多い。時折、対岸にゴンパが見えたりする。

    道路状況が悪いのでホコリがすごく窓を閉め切りにしたりするが車内が暑いのでイタリア人が「Open The window」「Cooler」「crazy」とか騒ぎ始める。さらにラマ僧がペットボトルや空き缶を窓からポイ捨てするたびにイタリア人は首を横に振っている。恐らく心の中でチベットに対する尊敬が崩れているのだろう。イタリア人の思い描くチベットはダラムサラにあるのでは?

    15:00頃に雅砻江から離れ山道を登り始める。ニャロン(新龙)から雅砻江の一番低い所(2900m位)までが道路状況が悪く、雅砻江を離れると道路状況が良くなり一気に峠(4300m位)を越えて省道217号から国道318号へ入り理塘に到達する。

    峠を越える前にトイレ休憩があったが、イタリア人の視界の中でラマ僧がウンコしており、イタリア人は精神的にかなり打ちのめされた様子だ。そして、ラマ僧が戻ってきて洗っていない手で桃を配り始めるが、イタリア人は断っていた。もちろん、自分も断る。どうやらラマ僧はイタリア人にとどめを刺したようで、これ以降はイタリア人文句言わなくなる。

    16:15頃、理塘に到着する。運ちゃん2号に120元払い、今日の宿へ向かう。前を歩いていたイタリア人に「Hello」と声をかけたら、「crazy」は聞き取れたが、それ以外は英語でない発音、恐らくイタリア語でブチ切れて色々と言っている。かなりの鬱憤が溜まっていたようだ。言葉は理解できないが愚痴をすべて聞いてあげて、最後に笑顔で「bye bye!」と別れた。

    理塘に到着

    16:30頃、今日の宿のLitang Summer International Youth Hostel(理塘的夏天国际青年旅舍)に到着する。

    会員料金で6人ドミトリー1泊30元なので5泊することにする。すぐにシャワーを探し西寧を出てから6日ぶりに体を洗うことができた。周囲にはオヤジ臭をバラ撒いていたのだろうな。

    甘孜(ガンゼ)→理塘の乗り合いタクシーまとめ
    • 運賃120元
    • 理塘行きは漢人寺近くの梁家飯店のタクシー集結場所、つまり川蔵路と清河街の交差点付近から出発
    • 朝6時位に行って8時半出発だった
    • 甘孜(ガンゼ)→理塘の所要時間は約8時間
    • 途中の新龍(新龙)(チベット語でニャロン)で理塘行き乗り合いタクシーに乗り換える
    • 雅砻江の峡谷を通る省道217号は土砂崩れの発生あり
    • 工事区間多し
    • 新龍(新龙)から雅砻江の一番低い所(2900m位)までが道路状況が悪く、雅砻江を離れると道路状況が良くなり一気に峠(4300m位)を越えて省道217号から国道318号へ入り理塘に到達する
    • 雅砻江に沿ってゴンパが点在している
    • イタリア人を精神的に打ちのめす
    甘孜(ガンゼ)→理塘のGPSデータ

    あくまで参考データです。
    実際に使用してデータが違っていたとか、公安に捕まった等の苦情は受け付けませんのであしからず!

    峡谷を走行中に収集したデータは信号の状態が良くないので誤差があります。
    ゴンパは見えた場所ですので、実際は雅砻江の対岸にあったりします。
    ただの民家だったらゴメンナサイ!

    甘孜(ガンゼ)の川蔵路と清河街の交差点(乗り合いタクシー集結場所)
    N 31°37’08.42″
    E099°59’21.88″
    新龍(新龙)
    N 30°56’41.18″
    E100°18’38.31″
    理塘汽車站
    N 29°59’32.68″
    E100°16’32.85″
    雅砻江沿いのゴンパ1
    N 31°28’14.11″
    E100°06’26.92″
    雅砻江沿いのゴンパ2
    N 30°48’34.71″
    E100°09’25.32″
    雅砻江沿いのゴンパ3
    N 30°46’19.89″
    E100°10’11.55″
    雅砻江沿いのゴンパ4
    N 30°42’11.64″
    E100°11’26.13″
    雅砻江沿いの白糸の滝
    N 30°36’56.92″
    E100°16’13.88″
    峠(甘孜(ガンゼ)→理塘の最高地点4353m)
    N 30°13’24.09″
    E100°15’52.07″
    本日の出費
    項目 金額 備考
    宿代 150元 1泊30元×5
    食費 12元
    乗り合いタクシー 120元
    合計 282元

    インターネットが封鎖された理塘

    インターネットが使えない

    朝から牛の鳴き声がうるさい。
    ユースホステルの前の通りは牛が放牧のために草原へ行く通勤路になっているようだ。
    今日は理塘の西にある白塔公園から見物していくことにする。

    その前に登記の際にレセプションにパスポート預けっぱなしにしていたので取りに行く。本当は昨日の夜に返してもらえるはずだったのだが、派出所の担当者が不在で登記できなくてそのままになっていた。理塘の公安は手続きが面倒だ。

    レセプションでパスポートを返してもらったついでに、「ネットに繋がらないけど、どうして?」と聞いてみたら、予想通り甘孜(ガンゼ)と同じでダライ・ラマの関係でネットが使えないそうだ。

    白塔公園へ行くが理塘の町は公安がやたらと多い。甘孜(ガンゼ)も多かったが理塘のほうがやたらと多い。

    白塔公園にあるダライ・ラマの写真

    白塔公園でチベット人と一緒にマニ車回していたら、ここにもあった非常に徳の高い高僧の写真が!ダライ・ラマの写真が4枚もありました。

    理塘寺

    理塘の町の北にある長青春科尔寺(理塘寺)へ行く。観光開発の真っ最中で工事が行われていた。3億元(約50億円)かけて経堂から僧坊、トイレ、下水処理施設まで作るようだ。

    経堂の建築現場ではチベット人が石を運んでいる。功徳を積むために老人から子供まで石を運んでいます。結構重そうな石なのに笑顔で運んでいます。決して共産党の観光開発のために強制労働をさせられている訳ではなさそうです。

    寺の中を見物していると若い修行僧に声をかけられた。日本から来たことを言ったら、やたらと喜んで内部の説明をしてくれる。おまけに若い修行僧が「写真撮っていいよ!」とか言うので「撮影禁止の紙が貼ってあるよ」と断ると、若い修行僧は「大丈夫!」とか言うので、お言葉に甘えて撮らせてもらう。

    理塘は野良犬が多い

    理塘は玉樹(ジェクンド)や甘孜(ガンゼ)と同じで野良犬が多い。完全にお犬様で歩道で昼寝していたりする。

    理塘の野良犬を撮っていると偶然にも巡回している公安が写ってしまった。決して犬を撮っているふりして公安が通過するのを待ち構えていた訳ではない。もうじき通るなというのは分かっていたけど。警棒を持って隊列を組んで巡回をしているのだが、何を恐れているのでしょうか?

    ユースホステルに戻ると自転車が集結している。どうやら、ここのユースホステルはチャリダー軍団の中継基地となっているようだ。

    屋上で洗濯物を干したついでにGPSを確認してみた。

    夕飯を食べに出かける。理塘の物価は高く、牛肉麺、刀削麺は12元くらいからだ。昼に食べた酸菜拉麺は10元であった。500mlのジュース類は大体4元からになっている。

    四川料理の店で刀削麺を食べていると後ろから「オンマニペメフム」とお経が聞こえてくる。経験上この場合は奴が来たという証拠だ。そう、乞食だ。理塘の乞食は食堂の中にまで入って客にたかってくる。店の人は金は出さないが、追い出しはしないという姿勢だ。乞食は相手にせず勘定を済ませて店を出る。

    近くのスーパーで青稞酒を6元で買う。ユースホステルに戻り洗濯物を回収しに屋上へ行こうとすると、後ろから肩を叩かれる。振り向くと甘孜(ガンゼ)で日本人4人組がラルン・ガル・ゴンパへ行くのを手伝った中国人ではないか!

    4人をラルン・ガル・ゴンパへ送ったとのこと。途中まで一緒に行って、もう理塘に来ているとは凄い。しかも、ユースホステルの人だった。

    夜は青稞酒を飲む。生産地はラサで正真正銘チベットの酒だ。輸送費とかが掛かっているから6元もする高級品だ。

    本日の出費
    項目 金額 備考
    食費 28元
    合計 28元

    理塘の大草原

    理塘寺の裏山

    今日も牛の鳴き声で目が覚める。今日は天気が悪く曇りだ。長青春科尔寺(理塘寺)の鳥葬台へ行こうと思うのだが、ダライ・ラマ関連の大人の事情で理塘ではインターネットが使えない状態が続いているので、どの辺りにあるのか調べられずにわからない。

    とりあえず長青春科尔寺(理塘寺)の裏山を登れば見つかるかもしれないので行ってみる。07:30頃に出発するが、高地での山登りを舐めていた。4000mから4300mまで登るが3時間かかった。

    鳥葬台は見つからなかったが、遊牧民のテントがあった。チベット人がヤクを放牧していた。

    この辺りは放牧地のようで遠くにもテントが見える。ヤクはのんびりと草を食べており、のどかな光景だ。

    鳥葬台はネットでちゃんと調べてから次の機会に見に行くことにして、理塘の街へ戻る。山を下っているとタルチョやマニ塚があった。

    夕飯にチベット料理を食べに行く。ユースホステルから徒歩2分ほどの幸福路沿いにある藏人家特餐でシャムデ(牛肉咖喱饭)を食べる。

    ここの店は外国人も相手にしているようで英語のメニュー表もある。でも、ボッタクリ店のように外国人料金の英語メニューだけ別で作ったりしていない。ちゃんとチベット語、中国語、英語を一つのメニューにしている。

    シャムデ(牛肉咖喱饭)は20元で結構高いのだが、四川料理の店で炒飯が15元前後だから、チベット料理店という付加価値を考えれば妥当かな?シャムデを注文して待っていると、今日も奴が現れた。乞食だ。どうやら、17:00過ぎの夕飯時から活動を開始するようだ。もちろん無視する。乞食がいないはずの社会主義の国に乞食がいる。共産党は一体何をしているのだろうか?

    インターネットが使えない本当の理由

    ユースホステルに戻るとチベットの芒康から来たチャリダーから情報を仕入れることができた。チベット自治区では問題なくインターネットができて、四川省側だけがインターネットが封鎖されているそうだ。

    インターネット封鎖の原因は軍事演習と言っていた。昨日、レセプションで聞いた話や甘孜(ガンゼ)の賓館の老板の話だとダライ・ラマ関連ということだったが、一体どうなっているのだ?

    そして、チベット自治区と四川省の境界では荷物検査が行われているという話だ。つまり、ラサを目指す外国人はここで追い返されるということだ。チベットへの道のりは険しい。

    20:00頃、ドミトリーのチャリダー達(自分以外全員チャリダー)から胖哥と呼ばれているチャリダーがスマートフォンで携帯電話会社?にインターネットがいつ使えるようになるか問い合わせていた。スピーカーの音量が最大のようで部屋中に会話内容が筒抜けに。

    その会話内容から軍事演習の影響でインターネットは8月に使えるようになるということだった。どうやらインターネットが使えないのは軍事演習が原因ということになっているようだ。中国人にはダライ・ラマの事を知られたくないので軍事演習ということにしているのか?

    本日の出費
    項目 金額 備考
    食費 30元
    合計 30元

    愚民化政策でチベット人の大草原がゴミ溜めに!

    理塘 草原の実態

    今日も朝から天気は曇りだ。昨晩は雨が降ったのでユースホステル前の未舗装道路はぬかるんでいる。胖哥たちチャリダーは全員、ラサや成都へ出発して部屋は自分一人となった。今日は理塘の南の草原へ向かう。ユースホステル前の道を南へ進む。道路と平行してドブ川が草原へ流れていく。

    草原へドブ川が流れ込んでいるとは思わなかった。毎日、世間話やお茶飲んでるだけの無駄に多い公安を減らして下水処理対策に予算回せよ!

    ゴミだらけの草原で放牧されるヤク

    ヤクが草原に放牧されているが、草原はゴミだらけだった。中国政府の愚民化政策によりチベット人は草原の環境破壊を行うようになった。

    このまま環境破壊が進めばチベット人は滅ぶだろう。それが中国政府の狙いだから草原がゴミだらけなのだろう。

    本日の出費
    項目 金額 備考
    食費 28元
    合計 28元

    理塘 白塔公園のダライ・ラマ

    やる気のない中国のバスターミナル

    08:00頃、理塘汽車站で明日の稲城行きのバスの切符を買おうとするが、窓口にはおっちゃんがいるが切符を売ってくれない。おっちゃんはテレビを見ているだけで何もしない。ただ番をしているだけのようだ。おばちゃんが来るまで待つしかないようで、窓口に客が滞留していく。08:30頃になり、ようやくおばちゃんが来た。

    しかし、並んでいるとチベット人のおっちゃんに割り込みされる。文句を言うが中国政府の愚民化政策の成果で理解されない。背中にダライ・ラマの写真でも貼ってやろうかと思った。

    ようやく自分の番になるが稲城行きの切符は「没有」の一言。おいおい昨日聞いた時には毎日13:30頃にバスがあるって言っていたじゃないか?理由を聞いても無視される。恐らく康定からのバスに空席がないからだと思うのだが、理由を言わないというのはチャイナクオリティだ。欧米人ならブチ切れて中指立てているかもしれない。

    稲城行きの切符が手には入らないので、明日は理塘汽車站の前から出ている乗り合いタクシーを利用するしかない。乗り合いタクシーだと稲城までは1人80元という情報は入手している。ロンリープラネット四川・重慶だと50元とか書いてあったけど、この辺は運ちゃんとの交渉次第だろう。

    白塔公園

    白塔公園でチベット人と一緒に巨大マニ車を回す。信仰心ゼロの自分はすぐに疲れて離脱する。

    ダライ・ラマの写真は今日も健在だ。ここは中国なのに堂々とダライ・ラマの写真が掲げられている。

    白塔公園以外にも長青春科尔寺(理塘寺)にもダライ・ラマの写真があるし、理塘の公安は見て見ぬふりをしているのか、お茶飲んだり世間話をするので忙しいのかは不明だ。

    理塘のは完全に人に慣れているので道路を占拠したり、市場の中にもいたりと、どこにでもいる。

    理塘のまとめ

    • 白塔公園や長青春科尔寺(理塘寺)にダライ・ラマの写真がある
    • 公安の数が無駄に多い
    • 停電が多い
    • 野良犬多い
    • ハエ多い
    • 物価高い。麺類12元、炒飯15元くらいから
    • バスの切符は入手困難なので、汽車站の前から出ている乗り合いタクシーが重要な交通手段

    理塘のGPSデータ

    あくまで参考データです。
    実際に使用してデータが違っていたとか、公安に捕まった等の苦情は受け付けませんのであしからず!

    Litang Summer International Youth Hostel
    (理塘的夏天国际青年旅舍)
    N 29°59’31.42″
    E100°16’25.49″
    理塘汽車站
    N 29°59’32.68″
    E100°16’32.85″
    公安が無駄に集まっている所
    N 29°59’37.94″
    E100°16’03.38″
    白塔公園
    N 29°59’34.09″
    E100°15’42.81″
    長青春科尔寺(理塘寺)
    N 30°00’13.15″
    E100°16’21.98″
    本日の出費
    項目 金額 備考
    食費 16.5元
    合計 16.5元