山西省旅行記2015
大同青年旅舎
11:20頃、ユースホステルの大同子鼠丑牛国际青年旅舍をチェックアウトして、華厳寺の歩行街にある大同青年旅舎へ向かう。15分ほど歩いて、11:35頃、Booking.comで予約しておいた大同青年旅舎に到着する。
建物の3Fがユースホステルなのだが子供服店の入口に看板が出ている。店に入り進むと左手に階段があり3Fへ行けるようになっている。階段を上がるとレセプションだ。1泊35元で6泊する。登記は問題無しというかパスポート確認していない。大同は規制がかなり緩いようだ。
部屋は6人ドミトリーで各ベッドには照明やコンセントは無し。中型ロッカー(要南京錠)がある。部屋は狭めだ。部屋にトイレ・シャワーがあるが換気扇は付いていない。Wi-Fiの電波は良好でネットは問題なし。まあ、悪くはないが大同子鼠丑牛国际青年旅舍の方が広いし古民家を利用していたので良かったな。
昼過ぎに古城南門(永泰門)から2kmほど南にあるウォルマートへ買い出しへ出かける。大同古城内には鼓楼近くにコンビニはあるがスーパーマーケットは見当たらないのでウォルマートまで行かなければないらない。
ウォルマート
ウォルマートで非常食を購入しておくがレジに並んでいるとイベントが発生する。隣のレジに並んでいるおっさんが会計が終わっていないので飲み食いしている。中国のウォルマートでは金払う前に商品の飲み食いというのがOKのようだ。
圧豆麺
ウォルマートで買い出しを済ませて、近くの食堂で圧豆麺(7元/約140円)を食べる。圧豆麺は大豆を麺の材料に使用しておりイスラム食堂とかで見る麺より黄色い。どちらかというと日本のラーメン屋で使われている太麺に近い感じだ。
渾源涼粉
夕飯は渾源涼粉(6元/約120円)を食べる。涼粉は夏の食材で緑豆を使用したトコロテンのような食品で醤油、酢、辣油がかけられ豆、香草、豆腐干、ネギが乗っている。涼粉は各地で食べられている料理であるが渾源涼粉は大同の隣にある渾源の名物料理である。渾源は昨日登った恒山のある県である。腹一杯にはならないのでおやつ程度で食べておく感じだ。
食後にウォルマートで安物ワインの獅舞盛世紅葡萄酒を購入する。1Lで12.5元だが砂糖は使われていないので一応本物か?売り場のおばちゃんに甘いやつを聞いたらこれを勧めてきたが確かに甘く飲みやすかった。
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
食費 | 61.6元 | |
宿泊費 | 210元 | 1泊35元×6 |
合計 | 271.6元 |
華厳寺
07:50頃、ユースホステルを出てすぐ近くの華厳寺へ行ってみる。入場料は65元のボッタクリ設定になっているし・・・。
華厳寺は遼の重熙7年(1038)に創建され、寺の名称は仏教教典「華厳経」から来ている。寺にある菩薩像は東洋のビーナスとも称されており華厳寺最大の見所である。おまけに寺の門前は広場になってきれいに整備されている。おそらく多くの住民が立ち退きをしていると思うのだが・・・。
九龍壁
08:20頃、九龍壁を訪れる。入場料は10元で良心的料金設定だ。
九龍壁は明の洪武25年(1392)に明の初代皇帝朱元璋の子である朱桂の邸宅(代王府)に造られた照壁であり、北京の故宮にある九龍壁よりも25年早い。
代王府は戦火により焼失してしまい九龍壁が代王府の遺物として残っている。現在、代王府の跡地で観光用に代王府の再建工事が行われている。
九龍壁の全長は45.5m、高さ8m、厚さ2.02mになり、中国で最も早く最大規模を誇る瑠璃照壁である。九龍壁の特長は王府の九龍壁であるため龍の指は4本になっている。故宮の九龍壁は皇帝を表すので5本指の龍である。
09:05頃、九龍壁を出て四牌楼から北へ向かう。九龍壁の北側では代王府の再建工事が進められており数年以内には観光用の巨大な代王府が完成するだろう。規模からして入場料は華厳寺を上回る100元コースか?
法華寺
09:40頃、東門(和陽門)近くの法華寺に到着。入場料は40元だが陝西旅游年票を使い無料で見物する。
法華寺は名称の通り仏教教典「妙法法華経」から由来している。境内には明代の建てられた高さ18mの白色インド式仏塔があり、仏塔は微妙に傾いている。
境内の建築物はほとんどが新しく再建されたもので仏像や壁画など全てが新しい。
東関華厳寺
11:00頃、和陽門近くの東関華厳寺(小華厳寺、下華厳寺とも呼ばれる)を訪れる。創建は遼代の1062年になり900年以上の歴史を持つ古刹である。
2009年に再建され建物は新しくなっている。以前は住民に占拠され住居、倉庫、豚小屋などとして利用されていた。再開発により寺として復活できたということだ。
打鹵麺
11:30頃、少し早目の昼食で打鹵麺(7元/約140円)を食べる。醤油系スープに具材がシイタケ、キクラゲ、卵焼き、トマトが入っている。具材が多く醤油系スープの味が良い。
大同古城壁
食後は再び東門(和陽門)へ戻り城壁にそって南門(永和門)へ向かう。2007年に大同を訪れた際はこのような立派な城壁はなく公園などもなかった。
大同古城は再開発により田舎から観光都市へ変貌しようとしているようだ。現在も古城内は再開発中で各所で古い住居は取り壊され新しい明清古建築の建物が次々と建設されている。この城壁もまだ完成しておらず城壁の西側ではまだ工事の真っ最中だ。
12:30頃、南門(永和門)に到着する。この南門は門というより城塞になっている。幾つかの門があり中核になる門は永泰門であり地図だと南門は永泰門と表記されている。南京の中華門のような感じだ。13:00頃、ユースホステルへ戻る。
刀削麺
18:30頃、夕飯は南門(永泰門)の近くにある麺屋で刀削麺(8元/約160円)を食べる。麺は当然美味いが醤油系スープの味が染み込んだ豚肉も美味い。
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
食費 | 15元 | |
九龍壁 | 10元 | |
合計 | 25元 |
雨の大同
丸子豆麺
09:30頃、古城内の食堂で丸子豆麺(10元/約200円)を食べる。大豆を使用した麺に肉団子(丸子)が乗っている。スープは醤油系だ。午後になり雨が止んで天気が回復してきた。
純陽宮
14:00頃、華厳寺近くの純陽宮を訪れる。入場料は30元だが陝西旅游年票を使い無料で見物する。
純陽宮は八仙の呂洞賓の号である純陽子から名称が来ている。創建は金末期から元初期になり、明の洪武4年に再建されており大同に現存する唯一の道教の一派である全真教の道教寺院である。
善化寺
14:30頃、善化寺を訪れる。中には入らず外から見るだけにする。
善化寺の創建は唐の開元年間になり、創建当時の名称は開元寺であったが後晋の時期に大普恩寺に改名する。遼の保大2年(1122)に兵火により破壊され、金の天会から皇統年間にかけて再建される。明の正統10年(1445)に修復され善化寺の名称になる。
圧豆麺
夕飯は圧豆麺(7元/約140円)を食べる。豆麺と同じ麺料理で濃口醤油スープと麺がいい感じで美味い。
ウォルマートでワイン
赤霞珠干紅葡萄酒750ml(12.5元/約250円)を購入する。
アルコール度数は11.5%、生産地は山東省煙台だ。味は甘めのワインになる。
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
食費 | 33元 | |
合計 | 33元 |
大同古城壁
08:10頃、南門(永泰門)にやってきた。今日は大同古城壁を散策する。入場料は30元だ。
現存する大同古城壁は明の洪武5年(1372)に遼、金の城壁の基礎上に増築された。城壁の長さは7270m、高さ14m、4つの城門楼、4つの角楼、48の望楼があり特に北西角の乾楼が最も雄壮である。
現在の城壁は修復された城壁というか、新しく再建された城壁で元々あった明代の城壁は住民たちが城壁を破壊して煉瓦を自宅の資材に流用したり、土塁の部分に勝手にヤオトンを掘ったりと中国らしくやりたい放題であった。
2008年に市長が交代して就任した新市長により石炭開発一辺倒の政策から観光開発への転換が始まり城壁や古城内の寺院などの再建が始まる。城壁には10億元が投資されている。
きれいに再建された古城壁だが観光客は少ない。西安城壁は観光客が多いのだが、大同は城壁自体が有名ではないので観光客が訪れないのだろう。
しかし、城壁が復元され観光客が少なく貸し切り状態に近いので穴場ともいえる。
城壁を歩いて一周しようと思ったら西側の城壁がまだ建設中であった。あと1年ぐらいは工事だろうか?11:20頃、城壁を降りる。
大同のシューマイ屋
11:45頃、昼食に焼売を食べるために古城南西にある福兴斋烧麦を訪れる。福兴斋烧麦はロンリープラネット山西に掲載されている焼売屋で古城内では一番有名らしい。地元民向けの店なので店内には価格表はなく直接聞く方式だ。
今回は羊肉焼売(10元/約200円)を食べる。蒸籠に蒸したての8個の薄皮の焼売があり黒酢を付けて食べるが羊肉は美味い!
兎頭
夕飯は兎頭(6元/約120円)を食べる。漢字の通りでウサギの頭で原型を留めたまま出てきます。でも、何も言われなければ何かの動物の頭というところまでは分かるがウサギとは判別できない。大きさからして仔ウサギの頭でしょうか?小型の品種でしょうか?胴体は別の料理になるのかな?
兎頭は四川省、山西省、浙江省で食べられる漢族の料理だ。山西省では大同兎頭が有名のようだ。ウサギの頭を唐辛子、八角、桂皮、生姜などと一緒に数時間煮込む。
味は香辛料の味で肉の味はよくわからない。殆どが骨なので肉の部分は少なく食べられるのは頬肉、舌、脳みそ、眼球ぐらいになる。量の割に値段が高いので1回話のネタに食べれば十分という感じだ。
世界中にいる自称動物愛護団体や環境保護団体の活動家たちに狙われそうな料理だ。でも、ウサギじゃ寄付金集まらずビジネスにならないから、「ウサギはクジラではない」とか言ってスルーかな?
麻婆豆腐拌麺
兎頭では腹の足しにはならないのでイスラム食堂で麻婆豆腐拌麺(10元/約200円)を食べる。拌麺はスパゲッティの親戚みたいな麺料理だ。麺の上の具材が麻婆豆腐になっており、中華料理らしいスパゲッティと言ったところかな。夜は太原での宿をeLongで予約しておく。
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
食費 | 26元 | |
宿泊費 | 120元 | 予約:1泊40元×3 |
古城壁 | 30元 | |
合計 | 176元 |
大同市博物館
09:05頃、大同古城の中心にある四牌楼近くのバス停から38路のバスに乗車。運賃は1元で終点の大同大学で下車する。今日は大同大学の東にある大同市博物館へ向かう。
バス停から10分ほど歩いて、09:30頃、大同市博物館に到着。入場料無料でパスポートを提示して入場券を受け取る。
大同市博物館は元々は華厳寺にあったのだが移転して2014年に新館が開館した。はっきり言ってかなりの金をかけているようで大きい。
展示内容は恐竜の化石とかがあるのだが、やはり北魏に重点を置いた内容でかなり力が入っている。
北魏の展示物が多く見応えありだ。特に北魏の司馬金龍墓の出土品は一見の価値有りだ。
北魏以外には遼や金の展示品も多い。見学者は少なく静かに展示品を見ることができる。大同市内の穴場の観光地と言ってもよいだろう。11:15頃、大同市博物館を出て大同古城へ戻る。
羊雑麺
昼食は食堂で羊雑麺(9元/約180円)を食べる。麺の上に羊雑(羊ホルモン)が乗っており、このホルモンの食感が癖になりそう。北方地域の名物麺料理と言っても良いだろう。
什錦素麺
夕飯は什錦素麺(8元/約160円)を食べる。什錦とは色々な具材が入っているという意味になり、麺の具材にシイタケ、エノキ、生姜、ネギ、八角などが入っていた。醤油系スープで煮込んであり美味い!おまけで付いてくるキャベツの泡菜も美味い。泡菜といっても浅漬ぐらいの漬け込みになる。
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
食費 | 17元 | |
路線バス | 2元 | 路線バス |
合計 | 19元 |
華厳寺
09:45頃、華厳寺にやってきた。昨晩雨が降ったので天気は快晴、青空で撮影には好条件だ。
入場料は65元でめちゃ高い。見物するか迷っていたけど見物することに。明後日は世界旅游日で華厳寺は無料開放されるのだが自分は太原へ移動するので無料開放の恩恵は受けない。
華厳寺は大同古城内西部に位置しており、創建は遼の重熙7年(1038)になり遼代末期に兵火で焼け金代に再建される。明の宣徳、景泰年間、清の康熙年間に修復が行われている。
2008年から2年2ヶ月の歳月と4億1000万元の費用をかけて修復工事が行われ荒れ寺から巨大寺院へと復活する。
大雄宝殿などの古い建築物も残っているのだが境内には鼓楼、鐘楼などが再建されるが全て新しい建築物だ。
簿伽教藏にやってきた。簿伽教藏は遼の重熙7年(1038)に建立され殿内には31体の遼代の塑像が安置されている。遼代彫塑之精品と称され特に合掌露歯脇侍菩薩が有名で東方のビーナスとして知られている。
華厳寺の隣には昔ながらの大同の街並みが残っているが屋根がビニールシートで覆われていたりとスラム街と化している。
大同古城は城壁が再建されたりと観光開発の真っ最中なのでここの住民たちはいずれ追い出されるのだろう。現在の大同古城は観光地化された部分とスラム街に別れて、ある意味で超格差社会である中国の縮図かもしれない。数年後には商業街に変貌している可能性ありだ。12:30頃、華厳寺を出る。
刀削麺
昼食は刀削麺(8元/約160円)を食べる。醤油系スープが具材の豚肉に染み込んでいて美味い。
夕飯に饅頭を買いに出かけるが南門へ行くと何やらイベントの準備をしており内部から音が聞こえてくる。どうやら間近に迫った中秋節、国慶節の大型連休に備えてのイベント準備のようだ。民族大移動の足音が間近に迫ってきている。
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
食費 | 16.9元 | |
華厳寺 | 65元 | |
合計 | 81.9元 |