モンゴル旅行記2016
ウランバートル駅
07:00頃、ゲストハウスのDanista Nomadsをチェックアウトしてウランバートル駅へ向かう。07:25頃、ウランバートル駅に到着。
駅舎内部を見物してみるが待合室にシャンデリアがあり豪華だ。待合室の奥には両替所があり既に営業中。切符売場だけでなく、駅舎の方にも両替所がある。レートは銀行より良い。
国際列車でモンゴル→中国
今回は08:30発、ウランバートル(Улаанбаатар)→北京(Пекин)の24列車で集寧南(Жинин)駅まで乗車する。4人コンパートメント寝台(КУПЕ)の9号車29番、運賃216650トゥグリク(約11456円/約722元)になる。
切符には「Jining」と印字されているが実際の停車駅は集寧南駅になる。
07:45頃、ウランバートル→北京の24列車が入線してきた。
その後ろに連結されているのは中国側の車両だよ。25Gで窓開けられん!最悪だ!風景の撮影不適だ。(後で気づいたが時刻表や切符にあるKJDが中国、RJDがロシア、MTZがモンゴルの車両を意味していた。)
昨日がモンゴル側の車両だったのだろう。おそらく窓開けられただろうな。高額の切符買ってこれか・・・。やってもうた!国境越えと台車交換しか楽しめん!
列車に乗車するが乗車口にはモンゴル側の駅員がおり切符を提示して乗車。車内に中国側乗務員がおり切符を渡す。中国国内とは違い換票証はもらえず。
乗車する車両はYW25Gなのだが普通の硬臥ではない。4人コンパートメント寝台で軟臥に近い仕様だ。同じコンパートメントはカナダ人2人と同室だが、英語ペラペラだが見た目はアジア人だ。
YW25Gだが定員36人というのは珍しいだろう。定員36人はかなり少ない。
コンパートメントにはAC220Vのコンセントが2つある。これで携帯などの充電が可能だ。
あと時刻表もあるがモンゴル時間はサマータイムではない。設備は新しく良いとは思うが窓開けられないのは最大の欠点だな。中国国内仕様でゴミのポイ捨てをさせないためなのだろう。
08:30に定刻通り列車が発車する。08:45頃、寝台のシーツなどが配られる。中国国内のようにシーツなどはセットされておらず、自分で準備をする。
曇りだった天気が雨に変わり窓越しの風景撮影もダメになりつつある。急カーブが連続して最高の撮り鉄になりそうなのだがダメだな。
草原には放牧中の牛や馬たちもいるが、この天気では・・・。天気悪いし一眠りする。13:00頃、目が覚める。雨が止んで青空が見える。地平線まで草原か山だ。
13:00頃、モンゴルの食堂車へ行ってみる。途中で超金持ち専用の定員12名のRW25Gを通過。
メニュー表を一通り見てみるがボーズやホーショールといった定番モンゴル料理がない。で、牛肉の料理(15800トゥグリク)を注文。
あとはご飯と野菜。美味しいとは思うのだが値段が高い。ホーショールセット3人分注文できるな。食堂車は利用しなくて良さそうだな。
自分の車両へ戻る途中に軟臥の車両を通るのだが軟臥のコンパートメントは売れ残りがあるようで乗務員たちの世間話に利用されていた。他の硬臥でも乗務員がコンパートメントを利用している。自分の硬臥の方も4人用なのに3人だし国際列車は夏の観光シーズンでも人気はないのか?15:00頃になると青空と草原が地平線まで広がる。
何もせずに外を見ているのではつまらない。コンパートメント寝台にはコンセントがあるのでノートパソコンを起動させて旅行記を作成する。同じコンパートメントのカナダ人2人はノートパソコンで映画見ながら爆笑中!コメディ映画か?
18:30頃、乗務員がモンゴルの出国カードと中国の入国カードと税関申告書を配りにきた。ザミンウードまであと少しのようだ。
ザミンウード駅モンゴル出国
19:45頃、国境のザミンウード駅に到着。ここでモンゴルの機関車と食堂車を切り離しになる。車両脇を迷彩服を来たモンゴルの軍人さんたちが歩いている。
19:55頃、2人の係官がやってきた。こちらは迷彩服ではない。プレートに「IMMIGRATION」とあるので入管職員だ。パスポートを回収していくが、そのうち職員が増えて6人の職員が1両の客車でお仕事中。パスポートを回収して次の車両へ移動していった。
外は軍人さんが巡回中。女性の軍人さんも警備に当たっている。もちろん、いかにも強そうな野郎も警備中。
20:10頃、「CUSTOM」と表記されたプレートをつけた税関職員が出国カードを回収。荷物を確認して中身は見ずに終了。
20:15頃、今度は肩に階級章を付けた兄ちゃんがやってきた。警察かな?
こちらも荷物を確認するが中身は見ずに終了。
20:40頃、車両が少し動いたので機関車の交換が完了したのだろう。
20:50頃、出国スタンプの押されたパスポートが返ってきた。あとは中国エレンホトへ移動だがなかなか発車しない。携帯の電源入れてみるとチャイナユニコムのGSMがアンテナ1本だが使える状態になっている。ウランバートルへ移動したときは列車内では圏外であったが、今回は使える状態だ。
21:33頃、列車が発車する。
モンゴル旅行終了
今回は初モンゴルでウランバートルだけであったが総括するとモンゴル旅行はおすすめだ。
良い点、悪い点に分けるとこんな感じだ
嬉しいモンゴル
- 全体的にマナー良好で精神衛生上安心
- モンゴル料理美味い!
- ビール美味い!安い!
- 野郎は朝青龍に見えてしまう
- ゴミのポイ捨て少ない
- ウランバートル市内でもゲルの住居がある
- 首都でも青空と草原がある
残念モンゴル
- 一部で唾吐きがあったが西成よりはマシ
- マンホールの蓋がなかったりする
- 雨降るとそこら中が水たまり
- 英語表記少ない
- 路線バス難易度高い
- 歩行者の赤信号無視がちらほら
- 西成でもよく見かけるが飲兵衛のおっさんが道端で寝ている
何といっても精神衛生上安心して旅行できる点が大きいだろう。
エレンホトから中国入国
ここからはモンゴル時間(サマータイム)から1時間遅れの中国時間へ切り替える。
東京、ウランバートルが12:00の時、北京が11:00ということになる。
20:52(モンゴル時間21:52)にエレンホト駅に到着。外は武警でいっぱいだよ。
20:57頃、まず検疫で体温測定から始まり、立て続けに税関職員の税関申告書回収、検疫官の質問、21:00に武警がパスポート回収。武警に行き先を聞かれるだけで荷物検査はなし。この時カナダ人2人組が中国語が少し話せることが判明。中国系カナダ人かなと思っていたがやっぱりそうだった。でも、中国でよく感じるオーラが全く無かったので、かなり前の世代に移住のようだ。
21:28に武警が多数乗車してきて担当車両へ移動。パスポート返却のようだ。
21:30頃、パスポート返却、エレンホトの入国スタンプが押され中国入国。入国審査は厳しくなく荷物検査すら無く行き先を聞かれただけであった。モンゴル出国の方が検査は厳しいな。
無事中国入国で一安心。カナダ人2人組も少し中国語が話せるということで中国語で会話。去年は日本へ行ったそうで、パスポートのスタンプ見せてもらったら大阪から入って福岡から出ていた。
21:33に台車交換で移動。モンゴルと中国は線路の幅が違うのでエレンホトで台車交換が必要になり乗客はそのまま缶詰だ。車庫を何度も行ったり来たりして車両を切り離していく。そして、ジャッキアップされた客車が見えてくる。
22:00頃、イベント発生。欧米人の兄ちゃんたちが乗務員にトイレ使わせるように言っている。1人緊急事態のようだ。タンク式トイレの25Gは台車交換中は照明のみの電源になりトイレが使えない。これは便乗して外へ出る絶好の機会と思ったら、乗務員のおっちゃんが黒のゴミ袋を欧米人の兄ちゃんに渡してトイレへ連れて行く。何てこった!そうきたか!仲間の欧米人たちは苦笑いだ。外に出られると思ったが完全に缶詰にして一歩も外へ出さないようだ。
23:00頃、ジャッキアップの音が聞こえなくなり乗客のイビキぐらいしか聞こえなくなった。台車交換が終わり連結する準備に入ったのだろう。
23:30頃、連結作業が始まる。
23:53に客車が連結される。
23:58に連結作業が終わり車庫を出る。
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
食費 | 15800トゥグリク | |
合計 | 15800トゥグリク |
エレンホト駅
00:07に再びエレンホト駅に戻ってきた。発車時間は01:20になる。ほとんどの乗客は寝ているが欧米人の一部がホームに降りて撮影中だ。駅の売店も営業しているのでビールを買いに行く乗客もいる。この停車時間中に各客車のケーブルを接続して電源を回復させる。
01:20に定刻通りエレンホトを発車する。集寧南駅まで一眠りだ。集寧南駅で下車なのだが中国の寝台の場合は下車駅が近くなると乗務員が換票証を回収しに来て乗客を叩き起こして換票証を切符に交換して下車できる。寝過ごさないためのシステムがあるのだが、国際列車の場合はそれがない。エレンホトの2つ先が集寧南駅だが、エレンホトを発車してすぐに乗務員が切符を返しに来てシーツなどを回収していった。国際列車は寝過ごす危険性が意外と高そうだ。
集寧南駅
05:00頃に起床する。外は明るくなり始めている。集寧南まであと1時間ほどだ。定刻より8分早く06:00に集寧南駅到着。下車したのは自分を含めて4人で全員外人だ。
ウランバートルからの国際列車とはここでお別れだ。最後に行先票を撮影。
外へ出ると早朝でもボリタクや宿の客引きが待ちかまえている。自分は切符売場へ直行するが集寧南駅は切符売場へ入るのにも身分証が必要になっている。
そして、切符売場の外や窓口には列車運休のお知らせが。洪水で運休のようだ。窓口に10分ほど並びフフホト東までの切符を受け取る。
集寧南→フフホト東
続いて切符と身分証の確認、手荷物のX線検査を済ませて待合室へ移動だ。待合室は早朝なので空いている。
今回は10:35発、大同→包頭の6055次で集寧南→フフホト東を乗車する。エアコンなしの非空調列車、席は無座、運賃9.5元になる。もっと早い時間帯にフフホト東やフフホト行きの列車があるのだが、6055次は貴重なエアコンなしの非空調列車で窓が開けられる。おまけに運賃も安い!
集寧南駅では約4時間の待機となるが後ろでおサルさんがでかい音を立ててゴミ箱へ痰を吐いている。今日も中国アクセル全開だ!
10:10頃、改札口に並ぶというか群れになっているので群れの後ろにつく。10:20頃、改札が始まりホームへ移動。
ちょうどHXD3Cに牽引された列車が入線してきた。車両の状態からいかにも旧式車両というのがわかる。型式の確認は乗車バトルのため後で確認だ。
そして、多数の乗客が下車するが乗車バトルの主戦場となった乗降口には誰も並ばず群れができている。乗務員が「先下、后上」と叫ぶが馬の耳に念仏。アクセル全開だ!乗務員がブチ切れて怒鳴り声になりようやくおサルさんたちが言うことを聞くようになる。乗務員の近くにいた自分は後から群れに飛び込んだのに運良く早く乗車できた。
ようやく乗車するが車内は空いていた。席を確保して荷物置き場も確保する。全員座れるほどで乗車バトルの必要性はなかった。全員座れるのになぜ乗客同士で罵りあいをして乗車するのだ?
エアコンなしの非空調列車なので扇風機が現役。もちろん窓も開けられる。定刻通り10:35に発車する。乗客は地元民で車内に平和な時間が流れる。床はゴミだらけだけどね。ついでに開いている窓から器用に痰を吐いている猛者もいる。なかなかの上級者向けの列車だ。11:50頃、車内検札が行われ途中駅から乗車してきた地元民たちが車内精算をしている。文句言いながら嫌々払っているのだが。
フフホト東駅
フフホト東駅から乗り換えになるので切符売場へ。窓口は空いており10分ほどで切符を受け取る。
13:30頃、切符を受け取り待合室へ。切符と身分証確認、手荷物検査は駅の規模の割に空いており待ち時間なし。待合室が大きいので駅舎の中を鳩が飛んでいる。
フフホト東駅にはマクドナルドが入っている。最近の中国では愛国心とかいう訳の分からない物のためにケンタッキーフライドチキンで営業妨害するのが流行っているらしい。米国への嫌がらせのひとつのようだがフフホト東駅ではマクドナルドが通常通り営業中で金持ちたちがお食事中だ。なぜデモが起きないのだ?駅には不特定多数が大勢集まってくるのでデモや抗議活動の効果覿面だろうに。
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フフホト東→蘭州西
これから乗車する列車は15:45発、フフホト東→蘭州西の2635次だ。席は硬座、運賃130.5元になる。この列車は普快なのだが終点が蘭州駅ではなく、蘭州西駅というのが重要になってくる。蘭州西駅は新しくできた高速鉄道駅になるのだが普快の2635次の終点になっている。これは蘭州西駅で高速鉄道への乗り継ぎのために終点となっているのか?
15:05頃、改札口の先頭を陣取る。先頭を陣取ると後ろに荷物が置かれ乗車バトルの準備が始まる。既にホームには2635次が入線しており改札が始まるのを待つだけだ。
車内はまだ誰もいないがすぐに大混雑かな?定刻通り15:45に列車が発車する。蘭州西駅まで約17時間の乗り鉄になる。乗車率は4割ぐらいだがフフホト駅で満席になるのだろう。
そして、予想通りフフホト駅では人民の大軍が待ち受けていた。しかも並んでいないし。
金持ちから農民工まであらゆる客層が乗車してくる。銀川を経由して蘭州へ抜ける列車なので短距離から長距離まで幅広く需要があるのだろう。
8209次 包頭東→包頭東
17:55頃、包頭東駅に到着。向かい側のホームに時刻表には載っていない通勤列車の8209次、包頭東→包頭東が停車している。おまけにDF4Dが客車を牽引だ。
わずかな停車時間を利用して8209次の行先票を撮影。包頭東から包頭を一周して包頭東へ戻る列車だ。
通勤列車なので一般客は利用不可らしいが交渉次第では乗れるかも?
晩点約590分
思わぬ収穫があり列車に戻る。そして、更に収穫が・・・。広州→包頭のK597次が590分遅れの表示だ。あと10分で10時間遅れか・・・。恐ろしい遅れだ!乱闘騒ぎが起きても不思議がない遅れである。
包頭東、包頭と過ぎていくと下車する乗客が増えて乗車率が下がると思ったが間違えであった。到着する駅ごとに車内の状態が悪くなっていく。ホームには肥料袋とか持った集団がいたりと出稼ぎ列車確定である。
夕飯時になると車内販売で盒飯が売られているが前の親子が15元の盒飯を購入していたが、ガキの方がこんな感じで残している。中国ではガキの頃から残すことを学習するのでおっさんになってからはもっと豪快に残すようになる。
21:30頃、自分も盒飯(15元/約255円)を食べるが猫の餌ですね。味を楽しむとかでなく、ただ食べるだけである。
食後は一眠りの前にトイレへ行くが既にウンコ山盛り。さすが中国!モンゴルの鉄道とは大違いで上級者向けだ。
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
食費 | 15元 | |
合計 | 15元 |
呼和浩特から蘭州まで乗った事ありますが硬座で行くのは無理っす。体力と言う耐力に敬意を表します。あと、進行方向右側に途中デッカい炎上げてる発電所か工場ありませんでしたか?
呼和浩特から蘭州までは乗客がまだ劣悪でないので何とかなりました。
さすがに乗客がおサルさんだらけになるとダメですけど・・・。
発電所か工場は覚えていませんが、包頭を過ぎた辺りで大量の放置された蒸気機関車があるのは覚えているのですが。