河南省旅行記2015秋
登封→少林寺
08:25頃、ユースホステルをチェックアウトする。一本南の中岳大道へ徒歩で移動。08:40頃、西バスターミナル前で少林寺行きバスに乗車する。少林寺までは運賃は3.5元、発車まで少し待機だ。
今日の天気は天気予報だと朝から晴れなのだが実際は曇り。中国の天気予報は当たらない。08:50頃、バスが発車するが濃霧で見通しが悪い。これのどこが晴れなんだ?
少林景区
入場料はボッタクリ100元で泣く泣く入場券を購入。景区に入り少林寺へ向かう。
09:35頃、少林寺の山門に到着。朝なのでまだ観光客は少なく比較的平和だ。
ここから予約しておいた宿の登封少林寺功夫旅館へ向かうのだが少林寺向かいの十方禅院の脇道を上って少林旅游度假村へ向かう。少林旅游度假村には賓館や客桟とかの宿が数軒あり、食堂や商店もある。他にも武術学校もあり少林拳の修行も行われている。
功夫客桟
09:50頃、住所を確認しながらeLongで予約しておいた登封少林寺功夫旅館に到着するが実際の看板は功夫客桟であった。まあ、名称が幾つもあるのは中国ではよくあることのようなので特に驚くことはない。ここは少林景区内にある宿なのでゲートが閉まった後の夜やゲートが開く前の早朝に誰もいない少林寺の山門を見物したり、観光客が来る前に初祖庵や達磨洞へ向かうことが出来るのだ。で、中に入るが誰もいない。どこかへ出かけているようなので老板が戻ってくるまで待つことにする。
10分くらい待っていると老板が帰ってきたので登記を済ます。宿泊費は予約時にネットで決済しており部屋は1泊50元のドミトリーで4泊する。部屋はドミトリーといっても3人部屋で元々は1人部屋だったようでテレビとかがある。しかもテレビは今時珍しいブラウン管だ。共同のトイレ・シャワーは少し古めだが広い。でも、寒いからシャワー使わなさそう。
世界遺産 少林寺
11:00頃、少林寺へ向かうが周辺では武僧が修行をしている。これは雰囲気的に良い。11:15頃、少林寺に到着。
少林寺は北魏の孝文帝の治世である太和19年(495)に建設が始まり、孝文帝がインドより来た高僧の跋陀のために創建された。少室山の麓に生い茂る林の中に建立されたために少林寺と名付けられた。
北魏の孝昌3年(525)に達磨大師が南天竺より来訪し少林寺で9年面壁し禅宗を創り、少林寺は「禅宗祖庭」と呼ばれるようになり、達磨大師は「東土禅宗初祖」と称される。
南北朝の北周の武帝による廃仏で少林寺は被害を受けるが静帝の治世である大象2年(580)に復興し陟岵寺と改名する。
隋の文帝の頃に再び少林寺に名を戻し唐代初期に少林十三棍僧が後の唐太宗である秦王 李世民を助け「天下第一名刹」の名誉を得る。
山門の門額にある「少林寺」の三文字は清の康熙帝による御書である。
冬の閑散期に突入しているので観光客は少なめだが欧米人の団体もおりそれなりに賑わっている。少林寺には2回見物しているが繁忙期は観光客が多く混雑しており寺を見物に来たのか人の波を見に来たのかという状況になる。天気が濃霧であったが昼過ぎになるとようやく日が射すようになってくる。
世界遺産 塔林
14:30頃、少林寺を出て塔林へ向かう。西へ約300m歩き塔林に到着。
塔林は少林寺歴代高僧の墓地である。現存する仏塔は唐、五代、宋、金、元、明、清から現代まで248基あり現存するものでは中国最大規模になる。世界文化遺産にも登録されている。
言い方が悪いのだがこれらは坊さんの墓なんだよな。それを観光客が記念撮影する。自分も撮影しているけど、墓で眠る歴代の高僧たちは自分たちの墓が観光地になっている事をどう思っているのだろうか・・・。
香菇麺と鶏蛋炒米
夕飯は客桟近くの菜館で香菇麺(15元/約300円)と鶏蛋炒米(10元/約200円)を食べる。
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
食費 | 25元 | |
バス | 3.5元 | 登封→少林寺 |
少林景区 | 100元 | |
合計 | 128.5元 |
朝の少林寺
05:30頃、武僧たちの掛け声で目が覚める。夜明け前だが既に修行が始まっている。掛け声や「阿弥陀仏」の声が聞こえてくる。
07:15頃、客桟を出て少林寺へ向かう。朝の修練をしていた武僧たちは朝食のようで宿舎へ戻っていた。天気予報だと今日の天気は曇だ。天気は良くないが雨が降らなければ良しとしよう。07:30頃、少林寺山門に到着。
まだ山門は閉じられ掃除のおっちゃんだけで貸切状態で撮影かと思ったら、金持ち中国人の団体が近づいてきた。声がでかいので遠くからでも分かる。朝の静寂に包まれていた少林寺であったがカオス度急上昇である。成金に山門を占拠される前に急いで撮影しておく。ゆっくり撮影するにはもっと早く来ないといけないな。
07:45頃、塔林に到着。ここは掃除のおっちゃんと売店のおばちゃんぐらいで観光客おらず。静寂の中で撮影をして、塔林から更に奥へと進む。
三皇寨景区
08:05頃、三皇寨景区に到着。三皇寨は少室山西麓に位置しており嵩山の一部であり世界ジオパークに認定されている。
09:00頃、少林索道の降り場に到着。天気は濃霧であるが雲海が見える。
09:15頃、三皇桟道を通る。断崖絶壁に作られた桟道だがこれはかなり勇気がいる。
10:00頃、連天吊橋に到着。谷底まで100m以上の深さのようだが眺めは大変よい。
嵩山禅院
嵩山禅院は修道場で禅の修行が行われている。11:10頃、嵩山禅院を出て来た道を引き返して少林寺へ戻る。
ゴミのポイ捨て
この時間になると観光客が増えてくるがゴミのポイ捨て、痰を吐いたり、歩きタバコをするおサルさんにも遭遇する。まあ、山の中なので山猿が生息していても不思議はないのだが歩きタバコには正直いって閉口する。世界ジオパークの嵩山で山火事なんか起きたら一大事なので三皇寨にも武警を配置して害獣駆除をした方がいいだろう。
12:50頃、少林索道まで戻ってきた。13:50頃、三皇寨景区の入口まで戻ってきた。この頃になると雨が降り始める。今日も天気予報が外れた。これほど天気予報が外れるとはチャイナクオリティはある意味すごい。
14:30頃、少林寺まで戻ってきたが雨は本降りで観光客はほとんどいない。14:45頃、客桟近くの食堂で不味い炒飯(15元/約300円)を食べる。昨日の菜館で麺食べたほうが良かったな。夜はネットで開封での宿を予約しておく。
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
食費 | 15元 | |
宿泊費 | 54元 | 予約:開封輝煌国際青年旅舍 |
合計 | 69元 |
少林寺山門
05:30頃、今日も武僧たちの掛け声で目が覚める。で、もう一度寝るが起きたのが07:00頃だ。これはいかん!急いで準備を整えて少林寺へ向かう。
07:25頃、少林寺に到着するが既に今日も静寂を破る集団が来ている。山門を撮影して早々に退散する。もっと早く来ないと静寂に包まれた少林寺は見られないようだ。成金の金持ち中国人の団体は山門前でポーズを取って記念撮影。朝の静寂とかはどうでもよいらしい。
世界遺産 初祖庵
今日は初祖庵と達磨洞を目指す。登山道を歩いて08:00頃、初祖庵に到着。
初祖庵は少林寺から北西2kmの少室山の五乳峰の麓に位置しており北宋の宣和7年(1125)に達磨大師を記念するために建立された。
初祖庵大殿は初祖殿とも呼ばれ、北宋の宣和7年(1125)に創建される。中原に現存する最古の木造建築になる。
初祖庵には尼さんと掃除のおっちゃんだけで自分が観光客で一番乗りであるが伝内の壁画にはおサルさんたちの落書きがある。中国の宝が・・・。
続いて達磨洞へ向かう。登山道を歩いていくが山の上に見える達磨像が五乳峰の山頂で、あの近辺に達磨洞があるのだろう。ひたすら階段を上っていくが途中に売店があったりして既に営業中だ。
達磨洞
達磨洞は嵩山少室山の五乳峰中腹にある洞窟で伝説によれば527年から536年まで達磨大師が、この洞窟で9年間の面壁を行った。これによりこの洞窟は「初祖九年默認玄処」「達磨洞」「達磨面壁洞」と呼ばれるようになる。一番乗りで来たのでまだ扉が閉められたままだ。とりあえず先に山頂へ向かう。
嵩山ゴミのポイ捨て
山頂周辺はゴミのポイ捨てがひどい。五岳のひとつである嵩山は中国人にとって重要な場所のはずだが。世界遺産や世界ジオパークでも中国ではゴミのポイ捨ては大したことではないようだ。
それに崇山は少林寺の縄張りだ。ある意味で少林寺の敷地と言ってもいいくらいだ。その嵩山でゴミのポイ捨てとは・・・。
世界に名を轟かせる少林寺の威光も中国人観光客には通じないようだ。少林寺を怖れない中国人観光客がある意味で一番恐ろしい。
達磨像
再び達磨洞
今度は扉が開いており内部を見ることができた。でも、撮影禁止でおっちゃんとおばちゃんが念仏唱えて監視中だ。
山を下りるが昨日雨が降ったので滑りやすくなっており降りる方が危険だ。途中で掃除のおっちゃんとすれ違うが登山道には菓子の袋、ちり紙、ペットボトル、空き缶とゴミだらけである。掃除のおっちゃん大変だわ。これが世界遺産の実態ということか。
10:40頃、塔林に到着。今日は特に撮影はせずに素通りだ。このまま二祖庵へ向かうが、二祖庵へは徒歩かロープウェイの嵩陽索道で行くことになる。嵩陽索道は往復で50元、かなり高いので徒歩で向かうが登山道の標識は一切出ていない。まあ、観光客から金を巻き上げるためには登山道の存在はなるべく伏せておきたいのだろう。
昨日、三皇寨へ行くときにそれっぽい山道があったので入っていく。しばらくすると石段が見えてきた。やはりここが二祖庵への登山道だ。登山道は観光客には利用されたくないようで整備はされず放置されている。登山道をひたすら歩いて、11:40頃、嵩陽索道の降り場に到着。
二祖庵
少し休憩して、11:50頃、二祖庵に到着。二祖庵は少林寺の南西にある少室山鉢盂峰の山頂に位置している。北宋後期に二祖慧可を記念して創建された。
二祖庵は工事中で新しい山門や堂が建設中だ。何かイメージとずいぶん違う。
12:15頃、鳳凰台に到着。濃霧で何も見えない。
13:00頃、嵩陽索道まで戻ってきた。ここから再び登山道を下っていく。
14:00頃、塔林まで戻ってきた。ここでしばらく休憩だ。
休憩するがおサルさんたちが塔林の前で頻繁に痰を吐いている。ここは世界遺産なのだが・・・。それ以前に少林寺の高僧たちの墓地だぞ。どうやら中国の金持ちたちにとっては世界遺産の墓地で痰を吐くのが流行であり金持ちのステータスのようだ。おサルさんたちに仏罰は下るのだろうか?いや仏罰より武警を配置して害獣駆除をした方が世界遺産を守れるな。
夕飯は近くの菜館で香菇青菜(15元/約300円)と米飯(3元/約90円)を食べる。炒め物の香菇青菜はいいとして、ご飯3元というのは高い。夜は台北(桃園)→成田の航空券を購入しておくが、帰国は来年2月なのでもう少し中国滞在だ。それと台湾へ移動だ。
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
食費 | 18元 | |
合計 | 18元 |
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
航空券 | 2950台湾ドル | 台北(桃園)→成田 |
合計 | 2950台湾ドル |
寒衣節
05:00頃、今日も武僧たちの掛け声で目が覚める。武僧たちは既に修行に励んでいる。そして、遠くで爆竹の音がする。今日は少林寺に来た最大の目的である寒衣節の塔林掃墓法会がある日だ。毎年、旧暦10月1日の寒衣節に塔林で塔林掃墓法会が行われるので、それを見物するのだ。爆竹は塔林掃墓法会に関連する行事か?
07:05頃、少林寺にやってきた。山門の前に爆竹の跡があり掃除のおっちゃんが片づけている。
07:15頃、塔林の方から爆竹の音がする。これはもしかして・・・。急いで塔林へ向かう。
塔林掃墓法会
07:20頃、塔林に到着。やはり塔林掃墓法会の真っ最中であった。早朝に行われるとは予想外であった。
この塔林掃墓法会は少林寺の年間行事のひとつであるが見物に来ている観光客が少ない。まだ少林景区の入口が開く前なので景区内に宿泊している観光客しか見物に来ないというか、早朝に行われるのと行事自体が知られていないようなので見物人は非常に少ない。観光客は自分を含め10人いるかいないかだろう。
塔林の前で焚き火をしているのだが寒衣節では紙銭や紙でつくった衣服などを燃やして先祖に送るそうだが、歴代の高僧たちにも衣服を届けるようだ。
塔林の前だけでなく中でも焚き火をしている所があり重要な仏塔なのだろうか?
少林寺の武僧たち
少林寺での目的は達してしまったので、このまま客桟へ戻る。宿周辺では武僧たちがランニング中だ。
余裕で走っている武僧もいれば、半泣き状態で走っている小僧もいた。小僧さんたちの中には幼稚園児くらいじゃないかというのもいたりする。そういえば武僧たちは義務教育で学校へは行かないのか?
酸辣土豆絲
昼食は酸辣土豆絲(18元/約360円)と米飯(3元/約60円)を食べる。ご飯ボッタクリだな思いつつ食べて勘定で21元払ったら1元負けてくれた。まあボッタクリだから安くしてくれてもいいだろう。
少林寺武術ショー
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
食費 | 48元 | |
合計 | 48元 |
「少林寺の食堂」でこんな記事を見つけました。
http://rocketnews24.com/2015/10/16/650135/
お一人様、50元ナリ…
少林欢喜地は2012年に行きましたが服務員は団体客の接客で忙しくスルーされたので注文しませんでした。
代わりに僧侶たちが振舞っていた臘八粥が昼食になりました。
今度も台湾経由で帰国ですか?
残り3ヵ月、拘束されない様に願っています。
そのまま帰国するのではつまらないので、中華民国のスタンプを貰ってから帰国します。