瀋陽→遼陽
06:10頃、中街から地下鉄1号線で瀋陽駅へ向かう。今日は高速鉄道の乗り鉄と寺の見物へ出かける。06:30頃、瀋陽駅に到着し切符売場で遼陽行きの切符を購入する。
いつもの手荷物検査とかを終えて待合室へ入るが空港みたいに広い。
07:12発、瀋陽→大連北のD9098次だ。席は二等座で運賃は19.5元、遼陽までの65kmを25分で走る。
改札が始まるが混雑しており空いてからホームへ向かう。今回は久しぶりの動画撮影だが駅員の視線が痛い。今回の車両はCRH5Aでアルストムのペンドリーノが元になっている。D列車なので最高速度は250km/hでの走行になる。
列車が発車して速度を上げていくが途中まで在来線との共用区間なので150km/hぐらいまでしか速度が出ていなかったが高速鉄道の専用線へ入ると速度を上げて240km/hを超えるが250km/hまでは速度を出さずに遼陽に到着。
広佑寺
07:45頃、遼陽駅から駅前通りの中華大街を歩き、08:00頃、白塔公園の隣にある広佑寺に到着。入場料は40元なのだが陝西旅游年票を使えば無料なのだが入口には誰もおらずゲートが開放され地元民が素通りしているので自分も素通り。
広佑寺は後漢の頃に建立された千年古刹で関外古刹とも称されるが、主な寺の歴史は金代に入ってからになる。金の皇統5年(1145)に金の第五代皇帝世宗の母が遼陽にて出家し朝廷の援助で寺が拡張され「大清安禅寺」の名を賜り清安寺と称される。
元代になると広佑寺に名を改め、元の皇慶2年(1313)に白塔が修復され、明の洪武5年(1372)に明軍が遼陽を攻撃し広佑寺が焼けるが、洪武16年(1383)に寺が再建され、その後も修復が繰り返されるが、義和団事件で戦火に巻き込まれ破壊される。
現在の広佑寺は2002年に新しく再建された寺であるが寺には5つの世界一がある。世界最大の青石牌坊、世界最大の青銅香炉、世界最大の大雄宝殿、世界最大の殿内木製の金箔仏像、世界最大の宮灯となっている。
確かに山門前の牌坊は巨大だし、大雄宝殿も今まで見てきた寺とは全く規模が違う。
寺は新しいがちゃんと僧侶がおり参拝者も多く寺としての宗教活動が行われている。
40元の入場料は高いが、陝西省の法門寺よりは見物する価値ありだ。
遼陽白塔
08:45頃、広佑寺の隣の白塔公園へ移動。この白塔公園は元々は広佑寺の敷地で公園内に白塔(遼陽白塔)と円通禅院がある。白塔は中国に現存する76の古塔のひとつで高さ71m、八角十三層、東北部最高のレンガ塔であり、中国六大高塔之一である。
白塔の建立は金の大定年間(1161-1189)になり800年以上の歴史がある。
09:15頃、遼陽駅へ向かう途中、駅前のバス停で行き先が東京陵と表示されたバスを見かける。これはちょっと気になる。まだ午前中だし何があるか見に行くことにする。高徳地図で位置だけ確認して、09:20頃、駅前から23路のバスに乗車して終点の東京陵へ向かう。運賃は1元だ。
東京陵
10:15頃、終点の東京陵に到着するが、バス停から東京陵までは離れており来た道を戻り線路沿いに北へ歩くと古陵飯店とかいうレストランがあり坂を登り、10:30頃、東京陵に到着するが門が閉まっている。すると、東京陵の隣に住んでいるおばちゃんが声をかけてきた。おばちゃんは管理人で入場料10元とのこと。門を開けてもらい内部を見物するが、おばちゃんは一目で日本人だと見抜いてた。大体田舎だと気づいてもらえないのだが、東京陵は日本人がたまに来るらしく外人慣れしている。
ここで説明の石碑を見てヌルハチの弟シュルガチの陵墓であることが分かる。事前調査なしなのでシュルガチに関しては何も知らずに陵墓を見物する。(後で調べたら周辺に幾つか清朝の陵墓があることが分かる)
夏なので陵墓は草が生え放題で墓の前にはスイカが供えられていた。
遼陽→瀋陽
11:00頃、23路のバスで遼陽市内へ戻る。昼頃に遼陽駅前に到着して切符売場で瀋陽行きの切符を購入するが、窓口で「高铁?普铁?」と聞かれる。高鉄は当然知っているが、普鉄は初めて聞く単語であったがすぐに理解した。普鉄はT列車やK列車などの在来線を指す単語だ。在来線は30分以上遅延していたので帰りも高速鉄道の乗り鉄にして切符を購入、そのまま待合室へ移動。
行きはD列車であったが帰りはG列車で、12:28発、遼陽→瀋陽のG711次、席は二等座で運賃は29.5元、遼陽までの65kmを24分で走る。D列車と所要時間変わらないが運賃は10元高い。
改札が始まるが自動改札機の前は列でなく群れができている。群れに飛び込んでも疲れるだけなので少し待ってホームへ向かう。ホームの階段でG711次の入線を撮影するが、乗車口には誰も並んでいない。2022年の冬季オリンピック開催地が北京になったのだがマナー向上は大丈夫か?
今回はG列車なので最高速度は300km/hまで出ていたが250km/hのD列車と同じ線路、所要時間なので、どこかで速度を落として時間調整しているようだ。瀋陽に到着し地下鉄1号線で中街へ戻る。
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
食費 | 10元 | |
鉄道 | 19.5元 | 二等座 瀋陽→遼陽 |
バス | 29.5元 | 二等座 遼陽→瀋陽 |
地下鉄 | 4元 | |
バス | 2元 | 路線バス |
東京陵 | 10元 | |
合計 | 75元 |
九一八歴史博物館
09:30頃、中街のバス停から298路のバスで九一八歴史博物館へ向かう。運賃は相互利用できる昆明の公交ICカードで0.9元だ。10:30頃、九一八歴史博物館に到着する。言わずと知れた満州事変勃発の場所近くにある博物館、抗日記念館である。入場料は無料で特に身分証確認もなくそのまま入館。
他にも色々と石碑が展示されている。館内は撮影禁止なので見て回るだけになるが見学者は撮影に熱心だ。記念撮影している見学者までいる。これでは禁止の意味無いような・・・。
資料展示が多いのだが館内は照明が暗く足元が少々危ないし一部ジオラマや拷問や解剖の様子を人形で再現した展示物は暗くてよく見えない。演出上暗くしないといけないのは分かるのだが、もう少し見物しやすくして欲しい。どういう展示内容になっているか実際に行ってみて確かめて欲しい。百聞は一見に如かずである。
11:00頃、博物館を出て隣の線路で撮り鉄しようと出口へ向かっていると、中国人の親子連れに記念撮影を頼まれる。で、撮影するのだが、おばちゃんは日本人に記念撮影を頼んでいるのに気づいているのかな?
満州事変現場付近で撮り鉄
博物館脇に線路があり、この周辺が南満州鉄道の爆破現場になる。ここから泥沼の戦争へと突き進むことになった場所であるが、今では撮り鉄にはちょうどよい場所になっている。一応表面上は平和な時代になったものだ。
在来線と高速鉄道の線路に分かれており、高速鉄道の撮影に向いている。30分ほどCRH380BGを撮影をしてから298路のバスで中街へ戻る。
夕飯はイスラム食堂で麻婆豆腐蓋麺(10元/約200円)を食べる。でも、まだ足りないので別のイスラム食堂で干拉麺(8元/約160円)を食べる。
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
食費 | 18元 | |
バス | 1.8元 | 路線バス |
合計 | 19.8元 |
全真教龍門派の道観・太清宮
09:10頃、瀋陽故宮の北西にある太清宮を訪れる。入場料は2元で格安だ。
太清宮は清の康煕2年(1663)に全真教龍門派の第8代当主の郭守真により創建された道観(道教寺院)である。太清宮は創建時に三教堂と称しており、清の乾隆44年(1779)に太清宮と改称する。太清宮は東北地区の道教の中心地となっている。
瀋陽市内にある道教寺院であるが敷地はそこそこの広さがあり参拝客も多く賑わっている。歴史は古いが建物は比較的新しく工事中の部分もあり開発が進んでいる感じだ。
太清宮・関帝殿
殿内には関羽の活躍を描いた壁画が描かれており、殿外には赤兎馬の像がある。
そして、太清宮の本殿は太上老君を祀る老君殿だが、個人的には全真七子の丘処機を祀る丘祖殿が意外に満足であった。金庸の武侠小説などでお馴染みの全真七子の丘処機だが、太清宮では全真教龍門派の創始者として祀られている。殿内に丘処機の像があり武侠小説ファンにはたまらないだろう。しかし、道士が常駐しており撮影はできず・・・。
錫伯家廟
09:40頃、太清宮を出て実勝寺へ向かう。10:20頃、まずは実勝寺の隣にある錫伯家廟を見物。入場料は無料。
元は清の康煕年間に建立されたチベット仏教寺院でありシボ族の信仰を集めており、錫伯家廟と呼ばれるようになった。チベット仏教寺院なのだが僧侶はおらず仏像も数体あるだけで寺院というよりもシボ族の歴史博物館になっている。
実勝寺
実勝寺は別名「皇寺」と呼ばれており清朝との関わりが深い古刹である。明の崇禎元年(1636)に造営が開始され崇禎3年(1638)に完成する。清朝が東北地区に初めて正式に建立したチベット仏教寺院であり、当時の盛京(瀋陽)で最大のチベット仏教寺院であった。
建物は新しく再建されたようだが本殿ではラマ僧が読経しており、境内はタルチョがはためいておりチベットの雰囲気が漂う。
周辺は観光開発の真っ最中で数年以内に土産物屋街などの観光施設が乱立しそうな雰囲気が漂っている。
昼前に宿へ戻り、延泊の手続きをする。と言っても、eLongで再予約してネットで支払いをするだけだ。1泊49元だがeLongで貯めていたキャッシュバックを使用したので実質0元だ。
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
食費 | 19.9元 | |
太清宮 | 2元 | |
合計 | 21.9元 |
初めてコメントさせていただきます。
貴兄のブログは、以前から楽しく、興味深く読ませていただいております。今後ともよろしくお願いします。
さて、西安の法門寺は仰るとおり、キンキラに建てておりおり、本堂までの通路がばかに広く長いですね。通路に入る入り口では、中国の線香を買えと、おばさん方が押し売りしています。それより、ひどいのは本堂で坊主が花の形をした蝋燭を100元で強要していることでした。小生断れず、最安値の50元の物を泣く泣く買いました経験があります。
法門寺はある意味で衝撃的な寺でした。
線香売りのおばちゃんは観光地の寺だとどこにでもいますが、100元の蝋燭を売る坊さんは滅多にいないでしょうね。
やはり法門寺は色々な意味で凄いですね。