鉄道で西安→成都→昆明 成昆鉄路を乗り鉄

鉄道で西安→昆明 1日目

午前中はのんびりと昆明行きの準備を整える。回民街を散歩していると先週あたりから出回り始めたライチが500gで6元に値下がりしている。最初は8元であったが流通量が増えてきているようだ。それとバナナも500gで3元だったのが2.5元に下がってきた。バナナは経験上2.5元以下なら買いなので流通量が一番多い時期に入ったのだろう。

昼前にユースホステルをチェックアウトする。掃除のおばちゃんたちは愛想良かったのだがネットが激遅なのが痛かった。でも、一番痛かったのは野郎の客層が野生のサルばかりで寝タバコなどが酷かったことだ。ここは二度と宿泊することはないだろう。

西安駅200路のバスで西安駅へ移動して待合室にはいるが切符と身分証の確認は駅員のやる気がないようでパスポート確認せずにそのままハンコ押して返却。手荷物のX線検査とボディチェックは特に問題なし。

K165次の切符今日は22:15発、西安→昆明のK165次に乗車する。運賃は383元で硬臥の中段だ。寝台なので昆明までは余裕だが、何せ時間がかかり、西安-昆明の1942kmを35時間5分掛けて走り、昆明到着は明後日の朝だ。あと200元ぐらい出せば飛行機で昆明まで楽勝で行けるのだが、K165次は世界有数の山岳鉄道とも呼ばれる成昆鉄路を通るので乗り鉄しなければならない。

成昆鉄路についてはNHKハイビジョンスペシャル「走れ 大峡谷を縫って~中国 成昆鉄道1100キロ~」を参考にすると良いだろう。

西安駅の待合室まあ、まずは発車時間まで10時間ほどあるので待合室で待機だ。ユースホステルのネットがちゃんと使えればチェックアウトだけして夜まで待てばいいのだが、ネットが激遅では意味がないので駅寝して待つことにする。

しかし、駅寝は無理であった。農民工のおっちゃんたちは横になって気持ちよさそうに寝ているのだが、自分はさすがに横になって寝るほどの度胸はない。まあ、横にならなくても少しは眠れるが痰吐きや手鼻の音が響いて結局眠ることは困難であった。中国はレベルが世界最強である。

19:00頃になると農民工のおっちゃんたちが増えてきた。どうやら夜行列車で大都市へ移動のようだ。農民工が増えてきたということで待合室のカオス度も急上昇だ。通路には肥料袋、バケツ、天秤棒などが置かれている。

改札口前20:00頃、改札口の先頭を確保する。これでおサルさんたちとの乗車バトルに巻き込まれずに乗車できる。自分が改札口に陣取ると農民工のおっちゃんたちも肥料袋を置いて場所取りを始める。待合室の雰囲気からして乗車バトルはかなり厳しいと思われる。というか、隣の最前列のおばちゃんは床に唾吐いているしハイレベルな客層が揃っていることは間違いなさそうだ。

西安駅ホーム21:45頃、改札が始まり乗車バトルが始まる。先頭の自分は余裕でホームへ向かい乗車するが、後方では予想通りというかお約束の割り込みで無法地帯と化している。

K165次の行先票まずは乗車前に行先票を撮影しておく。

寝台(硬臥)今回も日本のB寝台に相当する硬臥なので昆明までは寝て移動できるので楽だ。問題は硬臥の客層がどうなのかだが・・・。見た目は農民工やおサルさんはいなさそうなのだが、どうか頼むからヒマワリの種を床に食い散らかさないでくれよ!と思っていたら、後方の洗面台から「カーッ!ペッ!」と痰を吐く音が鳴り響く。やはり、無理な願いであったか・・・。中国のマナー向上は恐らく核軍縮よりも遙かにハードルが高いような気がする。22:15になり定刻通り列車が発車する。

換票証発車後は乗務員が切符を換票証に交換しにくる。これで下車駅の手前で乗務員が切符に交換しにくるので寝過ごす心配はない。とりあえず、あとは歯磨いて、顔洗って寝よう。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 1元
バス 1元 路線バス
合計 2元

鉄道で西安→昆明 2日目

車窓06:40頃に起床する。外はすでに夜が明けて明るくなっている。列車は陝西省の南西にある略陽を通過したところだが、この場合は漢中の近くまで来たといった方が分かり易いだろう。峡谷沿いに列車は南下して四川省へ向かう。この峡谷の区間は一部が三国志の蜀桟道と重なるのである意味重要である。

インスタントラーメン朝食にインスタントラーメンを食べて過ごすが中国のインスタントラーメンは油が多すぎるし、唐辛子もやたらと使っている。08:00頃、陽平関に到着する。陽平関といっても、ここは馬超が守っていた陽平関ではない。別の時代の陽平関があった場所だ。陽平関が陝西省最後の停車駅で次は四川省の広元だ。

いよいよ陝西省から四川省へと入るが広元手前の朝天付近で嘉陵江沿いに蜀桟道が見えた。09:25に四川省最初の停車駅である広元に到着。広元で成都行きの乗客が大量にいると予想していたが意外にも乗降客は少なかった。バスで成都へ行くのが主流なのか?それと寝台に空きがあるようで12号車で変更手続きやっていることを車内放送していた。寝台は人気ないのか?まあ、200元ぐらい追加して飛行機で西安から昆明へ行った方が速いし楽だからな・・・。

成都駅で撮り鉄

SS7D14:25頃、成都に到着し機関車を切り離し交換するが、進行方向まで反対になるので機関車の切り離しは撮影できても連結は撮り逃す。

SS7D西安から客車を牽引していたのは韶山型電気機関車のSS7Dだったようだ。

SS3C成都駅での停車中にSS3とCRH2の撮り鉄で時間を潰す。

CRH2成都は機関車交換で停車時間が長いので撮影には良さそうだ。15:02頃、成都を出発して、成昆鉄路に入る。17:20頃、峨眉に到着する。峨眉を過ぎるといよいよ本格的に山岳区間になり成昆鉄路らしくなってくる。

日が暮れたら外の景色は見えないので寝るだけになると思ったらイベント発生だ。乗務員のおばちゃんが車内清掃でおサルさんたちが床にポイ捨てしたゴミを回収していくのだが、1匹のオスザルが掃除が終わってすぐにポイ捨てをして乗務員のおばちゃんに見つかりおばちゃん激怒する。オスザルは言い訳している様子だがおばちゃんの説教は終わらず「你是孫子!」とまでいってしまうほど怒り心頭だ。「你是孫子!」は中国語で罵るときの言葉である。でも、おサルさんには意味がないようである。この場合は調教師として乗警のおじさんを呼んだ方が効果があるだろう。

鉄道で西安→昆明 3日目

04:30頃、乗務員が次の駅で下車する乗客を起こして換票証を切符に交換して回るので目が覚める。04:50頃、攀枝花に到着する。攀枝花が四川省最後の駅になり次は雲南省の広通北になる。もう一眠りしようとするが列車内がウンコ臭くて眠れない。他の起きている乗客は何も気にしていないように見えるが、このウンコ臭さにおかしいと思わないのか?
原因は経験上だいたい見当がつくが、トイレへ行ってみると扉が開いたままで便器に中華カレーが山盛りになっている。今回の列車のトイレは垂れ流し式でなく、日本と同じタンクに吸引して溜める方式なのだが、おサルさんたちはウンコした後にボタンを押さずにやり逃げしているようだ。ボタンを押すということを知らないのか?仕方なくおサルさんたちが残した中華カレーを処理するために悪臭の中でボタンを押すが水が流れず中華カレーがほとんど残ったままだ。

さすが中国!やってくれるぜ!トイレの定期点検や修理はせずに運行かよ。ちゃんとメンテナンスしておけよ!なのに、どうして列車に乗ると頻繁にトイレの故障やタンク満杯で使用不可とかに遭遇するんだよ。仕方ないので扉を閉めるしか対処できなかった。用足しの時は別のトイレを使用するしかないな。

車窓夜が明けて雲南省に入る。外の風景は変わり赤土が目立つようになる。そして、あることに気が付く。すれ違う列車の機関車が韶山型ばかりだ。どうやら、昆明鉄路局では和諧型の配備が進んでいないようだ。いや、各地で不要になった韶山型の受け入れ先になっているのか?

08:30頃、広通北に到着。次は終点の昆明だ。08:50頃、乗務員が換票証を切符に交換しにきた。列車は1時間ほど遅れて運行しているようで10時過ぎに昆明到着のようだ。

昆明到着

昆明駅09:55頃、約35分遅れで昆明駅に到着する。昆明駅前は相変わらず公安や武警が多い。昆明もウルムチ同様にテロ警戒で自動小銃を持った武警や装甲車で警備が厳しい。駅前から64路のバスに乗車して雲南日報社のバス停で下車する。運賃はICカードなので0.9元だ。

昆明大脚氏国際青年旅舎今回も定番の昆明大脚氏国際青年旅舎に宿泊する。今回はqunar.comで予約しており8人ドミトリーで1泊30元だ。宿泊費は予約時にネットで支払い済みだ。ドミトリーは先客の兄ちゃん2人が寝ていた。

ICカード11:40頃、ウォルマート近くの公交ICカードの販売所へ行き古いICカードを新しいICカードにしてもらう。正確には払い戻しして新しいカードを購入になる。これで地下鉄でもICカードでも乗車できるようになる。

蛋炒飯昼食にイスラム食堂で蛋炒飯(8元/約160円)を食べる。昆明では牛肉麺と炒飯類は8元ぐらいからが相場だがインフレでこの先どうなることか・・・。

12:20頃、64路のバスに乗車して昆明駅で地下鉄1号線に乗り換えて南バスターミナルの南部汽車站へ向かうのだが、昆明駅での乗り換えが非常に面倒で地下鉄駅は駅前広場の昆明駅北側でなく裏の南側にあるので最低700mは歩かなければならない。おまけに途中にある地下道はファイナルファイトの世界になっているので中国初めての人はビビって通れないだろう。

地下鉄1号線地下鉄の運賃は4元だがICカードは1割引の3.6元だ。地下鉄と言っても途中からは地上に出て高架区間になる。

ルアンパバーン行きチケット購入

南部汽車站13:30頃、昆明南バスターミナルの南部汽車站に到着する。公安や武警が警備しているがチケット売場は手荷物検査なしで入れるのでウルムチと比べると警備はないに等しい。

昆明はテロ事件の影響で駅前だけ警備が厳重なようだ。武警は2人しかおらず、地下鉄の切符売場に自動小銃を持った武警、バスターミナル前に警棒を持った武警だけで警備は緩い。車両も装甲車ではないので警戒レベルは低いようだ。それでも、日本と比べると異常な警備ではある。

案内まずはバスの運賃時刻表を確認するが、どうやらベトナム行き国際バスの運行準備が進んでいるようだ。今後に期待だ。

南部汽車站時刻表

南部汽車站時刻表窓口で明日のラオス・ルアンパバーン行きのチケットを購入する。運賃は398元で座席番号が1番であった。これだと当日直前でも買えそうな雰囲気だな。今日のチケットもまだ残っているのだろうな。

13:55頃、地下鉄1号線で昆明駅の次の環城南路で下車する。さすがにもう一度ファイナルファイトの地下道は通りたくないので下車する駅を変えた。環城南路駅は外へ出ると徒歩30秒ほどで64路のバスが通る双龍商場のバス停なので、こちらの方が便利であった。

一度ユースホステルへ戻ると先客の兄ちゃん2人が1つのベッドで一緒に寝ながらスマートフォンを仲良くいじっている。これは男同志って奴か?ここに居ては危険だと野生の勘が警告するのでウォルマートへ物資調達へ出かける。ラオスは物価が高いので、とりあえず3日分の食料を購入しておく。ウォルマートの後は夕飯を食べに行きつけのイスラム食堂へ行くと、ファストフード店に変わっていた。何てことだ!イスラム食堂が潰れていた。この1年で行きつけの快餐とイスラム食堂の2件を失った。新たに安食堂の発掘が必要になってきている。

マンゴー出回り始める

マンゴー仕方がないので市場で1個0.6元の包子5個と処分品の1kg/5元のマンゴーを5.8元購入する。昆明にもライチやマンゴーが出回っており、ライチは1kg/10元が底値になっている。マンゴーは1kg/8元とが底値で、自分が購入したのは処分品で皮にシワができている奴なので本当にどうしようもない奴である。貧乏人にはこれで精一杯である。

本日の出費
項目 金額 備考
食費 39.4元
バス 2.7元 路線バス
バス 398元 昆明→ルアンパバーン
地下鉄 7.2元
ICカード 20元
日用品 10.9元
合計 478.2元

「鉄道で西安→成都→昆明 成昆鉄路を乗り鉄」への2件のフィードバック

  1. 安くて美味しいものを選ぶ目が養われたでしょうね。

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