切符の買い方

中国での列車の切符はどのように購入するのでしょうか?
日本のように券売機で購入なんて生易しいものではありません。日本と大きく異なる販売方法に初めて中国での鉄道旅行をされる方は戸惑うでしょう。ここでは切符の購入に関して説明していきます。

切符から見る日本と中国の違い

まずは切符購入時における中国と日本の違いを把握しておきましょう。日本と同じように切符が購入できると思っているととんでもない目に遭います。

1.座席(寝台も含め)は全て指定席です。
2.販売駅以外の切符は大きい駅以外での購入は困難です。ようするに雲南の山奥の駅で北京-上海の切符は買えません。

以上の様に日本なら緑の窓口で全国各地の切符を扱っていますが中国は違うのです。

次に切符の見方です。

切符
右の切符を例に見ていきましょう!
初めて中国の切符を見る人でも、「北京北→八达岭」を見て北京北から八达岭(八達嶺)行きというのは分かるでしょう。次に「7173次」というのが列車番 号です。「2007年04月05日08:14开」というのは発車時刻です。「02车005号」というのが2号車5番の席という意味です。「¥4.50元」 というのが料金です。「硬座普客」というのが座席は硬座で列車は普通旅客漫車(各駅停車)という意味になります。「贤乘当日当次车」は当日のこの列車のみ 有効という意味で、この列車以外には乗れません。「在2日内到有効」は2日以内の到着は有効という意味で、例えば途中下車して翌日の列車の切符に変更する 事はできるが、翌々日の列車の切符に変更というのは出発してから3日目になるので切符は無効になるので出来ない。「京D」というのが切符の販売地です。

切符

もう一枚を例に簡単に説明すると以下のようになります。
①発車駅は「昆明」
②到着駅は「南宁」(南寧)
③列車番号は「2056次」
④切符の販売地は「昆明」
⑤発車時間は「2007年2月12日15時53分」
⑥座席(寝台)は「13号車2番の上段」
⑦料金は「157元」
⑧「折」は閑散期で割引という意味
⑨列車と座席の種類は「新型空調車」の「普通快速列車」で「硬臥(日本でいうB寝台)」
⑩当日この列車に限り有効の切符
切符は3日以内の到着は有効
*2010/12/1から鉄路旅客規定が変更され途中下車ができなくなり有効期間の表示が消えました。

これで大まかに中国の切符を知ることができたでしょう。

切符購入の流れ

切符について知ることができたら次は切符購入の流れを把握しておかなければなりません。いきなり駅に行っても押し寄せる人民の波に飲まれて撃沈するだけです。

購入過程は以下の段階を踏んでいきます。
①発車駅と到着駅を決める
②列車番号を決める
③発売開始時期を確認
④購入場所を決める
⑤切符を買いに行く

くれぐれも計画的に行動しないと大変なことになります。

目的地を決めよう

時刻表は持っていて損はありません!

まずは以下の3つを決めましょう。

①発車駅と到着駅を決める
②列車番号を決める
③座席を決める

といっても、駅名や列車番号、座席の種類が分かりませんよね。そうなると、時刻表が必要になってきます。中国の時刻表となると日本だと神保町の東方書店と内山書店なら入手できるでしょうが値段が・・・。しかし、中国にも時刻表検索サイトがあります。OK旅行网というサイトです。中国語サイトですが駅名を選択するだけで発車時間、到着時刻、料金、列車番号が検索できます。日本で調べるならこのサイトで十分です。時刻表なしでもこのサイトさえあれば鉄道旅行は可能です。時刻表は中国に着いてから購入するので十分です。座席と列車の種類は別でまとめてあるのでそちらを参考にしてください。

発売開始時期を確認

中国では地域や列車の種類、販売場所によって変わってきます。北京駅だとZ列車は10日前から購入可能ですがT列車やK列車などは乗車日を入れて4日前か らの発売です。D列車は10日前から販売しています。深圳駅はZ、T、K列車は10日前、深圳→広州、広州東のD、T列車は前日の販売だった。発売時期に 関しては時期によっては5日前かの販売とかに変更されたりするのでその都度確認しておくのが良い。

購入場所を決める

切符の購入場所は以下の場所があります。

①駅の切符売り場
②代理販売所で購入
③現地の旅行会社で手配
④日本で旅行会社に依頼

大体上記の4種類に分かれますが簡単に説明していきます。

①駅の切符売り場
ここが一般的な購入場所ですが、日本のように券売機で購入なんてことはありません。広州あたりでは券売機はあるのですが電源が入っていないような・・・。基本は窓口に並んで購入します。

西安駅近くの代理販売所

②代理販売所で購入
街中を歩いていると「火车票」という看板が出ていますがここでも購入することができます。但し、1枚につき手数料5元取られますが窓口は空いています。こ の代理販売所は一般の旅行社や駅や鉄路局が運営しているようです。切符によっては駅の窓口より早く販売もしているようなので状況によっては駅で買うよりこ ちらの方が確実です。

③現地の旅行会社で手配
現地の旅行社でも手数料は高いのですが手配してくれます。日本人が泊まるような高級ホテルなら日本語OKのスタッフがいる旅行社も入っていたりするので頼 むのもひとつの方法です。手数料は50-100元らしいです。(高級ホテルに泊まる金が無いので調査不能!)

④日本で旅行会社に依頼
「中国での切符購入がどうしても不安!」というお金持ちの日本人向けの手段です。手数料一番が高い購入手段ですが・・・。日本で旅行社に依頼しても日本で は発券できませんので結局のところ受取りは現地の空港や指定された旅行社まで出向いて受取りになります。はっきり言って旅行社が儲かるだけの浪費です。

往復切符と異地售票は手数料がかかる

中国では往復切符と異地售票には切符1枚につき手数料5元がかかります。どういう事かというと、仮に乗車する駅が西安駅だとします。この場合、西安駅の切符 売場で切符を買った場合は手数料はかかりませんが上海駅や街の代理販売所など西安駅以外で購入した場合には発券手数料として5元が徴収されます。そして、 往復切符を購入する場合も同様に5元の発券手数料がかかるのです。西安駅で西安-北京西の往復切符を購入した場合、西安→北京西の切符は西安駅で西安発の 切符を購入なので手数料はかかりませんが、帰りの北京西→西安の切符は西安駅で北京西発の切符を購入するので発券手数料5元がかかります。手数料の5元を 支払うと右のような「铁路异地售票手续费收据」という発券手数料を徴収したという証明書がもらえます。これは「收据」となっていますが領収書としてもちゃ んと使えます。

駅の窓口で購入

上海駅だとこんな案内が出ています

購入場所は複数あるのですが当HPはバックパッカー向けなので駅の窓口での購入を説明していきます。駅で切符売り場を探すにしても中国語の分からない人に とっては看板に書かれた中国語を見ても「漢字はなんとなく分かるけど意味が分からん!」というのがほとんどでしょう!小さい駅なら何とかなりますが北京や 上海などの大きな駅だと話は別です。大体どこの駅でも共通しているようで駅の中央部が入口になっています。その横か隣の建物に切符売り場があります。(経 験上右側に切符売り場が多い)切符売り場には必ず「售票厅」「售票大厅」「售票处」と看板が出ています。この看板を見つけたら、いよいよ突入です。

さて、中に入ったら周辺の状況確認をしましょう。窓口がいくつもあるのが確認できますが、まず大きく2種類に分けて販売窓口と払い戻し窓口があります。払 い戻し窓口には「退票窗」と表示されているので、ここには並びません。次に販売窓口の確認です。大体以下のような表示があります。

售全国各站:全国各地の切符を取り扱い
售票当日起10天内车票:当日から10日以内の切符を販売。窓口によっては2日以内や5日以内などがある

他にも天津方面、瀋陽方面など方面別の窓口もまれにあります。駅によっては外国人専用窓口、軍人優先窓口がありますが実際は人民が普通に並んでおり意味が ありません。窓口の確認はこれくらいにして、切符の販売状況を示す電光掲示板の確認です。ここでお目当ての列車の切符があるか確認しておきましょう。

北京駅の切符売り場。1時間並んで買えるだろうか?

いよいよ窓口に並びますが大抵混んでいますので1-2時間並ぶ覚悟を決めておきましょう。並んだ後は割り込みする輩とスリに警戒しましょう。どうも中国人は 割り込みすることを何とも思っていないようでボーっとしていると割り込みされていつまでたっても窓口に近づきません。おまけにスリに狙われます。たまに割 り込みを注意される中国人もいますが全く悪びれた様子はありません。そして、スリや割り込み以外にも注意しなければならない事があります。それは、やたら と密着してくる変態が多いという事です。これは、人民が割り込みを防止する為に前の人民との間隔をやたらと詰めるという習性があるようで、並んでいると後 ろの人民の鼻息が首筋にかかったり、人民の股間が尻に当たったりとおぞましい経験をする事になります。人民たちにとっては当たり前の事のようですが、日本 で同じ事をやったら変態確定です。人民たちと一緒に列に並んで気長に待って窓口が近づいてきたらさらに警戒しましょう。窓口が一番割り込みの危険があり隙 だらけでいると自分の順番が来たと思ったら割り込まれるということがあります。窓口付近で並んでいない奴がいたら注意しましょう。

やっとのことで窓口に着いたら乗車日、行き先、列車番号、座席の種類を告げると駅員が端末で調べてくれます。
中国語が話せない場合は乗車日、行き先、列車番号、座席の種類を記入した紙を駅員に見せます。
切符があれば購入です。これで、購入完了です。

软座の切符を買うなら専用の切符売り場で買おう
もし、買いたい切符が软座や软卧だったら駅によっては専用の切符売り場があります。ここは金持ち専用の売り場ですので比較的空いているので软座や软卧の切 符購入の際には積極的に利用しましょう。他にも北京駅には中国製新幹線とも呼ばれる和諧号の専用切符売り場もあります。

窓口の種類
切符売り場の窓口には何種類かあります。ここでは確認できたものを紹介していきます。


軍人優先窓口なのですが人民が普通に並んでいます

この窓口は新聞記者と全国人民代表政協委員の窓口なのですが、何故か人民が並んでいます

值班は宿直という意味なので夜間も開いている窓口ということでしょうか?でも和谐号専用の窓口にもなっている?

これが普通の窓口と思いきや実は和谐号切符売場でもある

年寄り、病人、障害者優先窓口ですが、人民が関係なく並んでいます

外国人窓口ですが実際は普通の窓口です

紙に書いて購入する

窓口に着いても中国語が話せなければ購入はまず無理でしょう。そこで代替手段として紙に書いて購入するという方法があります。以下のように書いて駅員に渡せば何とか相手にしてくれます。

例1          例2

1月29日
2004次
昆明 → 成都
硬卧上铺
1张
5月20日        5月20日
D535次        D539次
北京 → 天津 或 北京 → 天津
二等座         二等座
1张           1张

出発日、列車番号、行き先、座席の種類、枚数を書いておけば駅員が端末で調べてくれます。左の例1ですと1月29日の列車番号2004次の昆明から成都行 きの硬卧(寝台)の上段を1枚という意味になります。但し、1種類だけ書いて「没有!(ない)」と言われてはせっかく並んだのに出直しでは大変です。売り 切れが予想される場合は第2候補、第3候補を書いておくのが良いでしょう。例2は「或」を書くことでD535次或いはD539次という意味になります。こ れで、買えなかったなんて事も少なくなるでしょう。

念のため書いておきますが中国語が分からないから英語で何とかするという考えはやめましょう。英語の分かる駅員は皆無に等しいので、はっきり言って英語は 通じません。外国人観光客(白人)が英語で話しかけていても駅員は中国語で対応なんて光景を目撃することがあります。ですので、中国語が分からなければ紙 に書くのが一番です。少しでも中国語ができる人は、わざと外国人観光客の後ろに並んで「快点儿!快点儿!」(早くしろ!早くしろ!)と最後のとどめを刺し てあげてください。←極悪人

ダフ屋は無視しよう

北京や上海など大きな駅にはダフ屋がいます。日本だと考えられませんが中国には切符のダフ屋がいます。駅前で「车票!车票!」と言っている人たちです。中 には「车票!发票!」と切符と偽領収書を売っている人もいます。価格については知りませんが危険です。偽領収書を売っている人もいるということは、もちろ ん偽切符も売られています。たまにニュースで偽切符をつかまされて車内で本物を持っている客、車掌、公安に囲まれた挙句に列車を降ろされるといった報道が あります。日本人が偽切符で乗車なんてニュースの格好のネタですのでダフ屋は無視しましょう。

切符購入に役立ちそうな中国語

駅で役立ちそうな中国語を考えてみました。

覚えておきたい単語
常用漢字 中国語
(簡体字)
意味
火車 火车 列車
火車票 火车票 鉄道の切符
鉄道の駅、バスの停留所などを指す。火车站で鉄道の駅を指す。北京站で北京駅という意味。
車票 车票 鉄道、バスなどの切符
售票処 售票处 切符売り場(售票大厅,售票厅も同じ意味)
售票窓 售票窗 切符の販売窓口
退票 退票 払い戻し
退票窓 退票窗 払い戻し窓口
車次 车次 列車番号
始発站 始发站 始発駅
終点站 终点站 終点駅
開車 开车 出発
票価 票价 切符の価格
硬座 硬座 日本でいう指定席
軟座 软座 日本でいうグリーン席
硬臥 硬卧 日本でいうB寝台
軟臥 软卧 日本でいうA寝台
上鋪 上铺 上段
中鋪 中铺 中段
下鋪 下铺 下段
無座 无座 立ち席
站票 站票 无座と同じ意味
站台票 站台票 入場券
一張 一张 一枚。2枚なら二张と表記する。
今天 今天 今日
明天 明天 明日
後天 后天 明後日

例文

中国語 日本語訳
买一张明天去上海的票。 明日の上海行きを1枚!
买一张10月5号去北京的硬卧上铺票。 10月5日の北京行き硬臥上段を1枚!
买三张D533次到天津的票。 D533次の天津行きの切符3枚!

窓口で上記のようなことを言って列車番号などを書いた紙を出せば駅員が端末をたたいて探してくれます。

民族大移動の時期は要注意

中国では民族大移動の時期があり切符の入手が困難になり、例え切符が買えても車内は乗車率200%以上の大混雑というのが年に数度あります。主に旧正月の 春節、5/1のメーデーを記念する労働節、建国記念日である10/1の国慶節があります。特に旧正月の春節は熾烈を極め死人が出たり、列車によってはあま りの混雑でトイレへ行く事もできないので紙オムツをしていないといけないほどの凄さです。できればこの時期は移動せずにユースホステルとかで避難生活をす るのが良いでしょう。